著者
重光 史也 鈴木 貢
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2016-IOT-35, no.9, pp.1-4, 2016-09-16

Raspberry Pi は,2 次記憶やグラフィックディスプレイアダプタ,そして USB ホスト機能を名刺大のサイズに集積した汎用コンピュータである.Raspberry Pi はさらに GPIO (汎用入出力) ピンや I2C や SPI 等のシリアル通信機能を備えており,研究や教育において独自の IoT (Internet of Things) デバイスを構築するのに使われつつある.Raspberry Pi を使って実用的な IoT デバイスを構築する上で障壁となるのは,2 次記憶として使われている SD カードの寿命である.本研究では,SD カードへの書き込みを大きく減らして寿命を延ばすオペレーティングシステムの構築を探求する.
著者
Hiroki Kashiwazaki
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-41, no.25, pp.1-4, 2018-05-10

In December 2017, a Japanese university announced large-scale personal information leak. According to open information, the leak was caused on several systems by several unauthorized accesses. Also in February 2018, a Japanese research institute announced a large-scale security incident. Even only in Japan, many reports of cyber security incidents are announced for a year. After security incidents occur, a supervisory agency (in these cases, Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology a.k.a MEXT) and security advisory consulting companies order the institutes to “strengthen governance in their own institutes”. This paper shows an example of personal information leak incident in an university and a beast that asked what is the governance in the university at the heart of the university.
著者
出羽 裕一 桝田 秀夫 森 真幸 永井 孝幸
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-40, no.1, pp.1-7, 2018-02-26

大規模システムの管理者の負担を軽減するため,統合監視ソフトウェアによる監視環境の自動構築と収集した監視情報に対して統計解析手法を適用できるシステムの試作を行った.監視情報の収集では,情報の改ざんやなりすましを防止することも考慮し,電子証明書による暗号化を施した.また,大規模なシステムでの利用を想定し,登録するICT機器の数に依る性能評価を行った.
著者
岩堀 由裕 水野 信也
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-38, no.7, pp.1-7, 2017-06-17

静岡理工科大学では現在脆弱であった情報基盤の整備を進めている.これには当然ながらコスト削減も必要であるが,教育機関として役割を果たすために次のような観点で計画を進めている.(i) 教育にフィードバックできる情報基盤の作成,情報基盤は見えない部分が多く,学生にとっては内部でどのような処理がなされているか見えない部分が多い.これには可視化が欠かすことができず,WiFi やウイルス対策状況など可視化しフィードバックをしている.またデータセンターの見学も行い,実際の運用環境を見ながら教育を実施している.(ii) クラウド環境利用の取り組み,クラウド ・ コンピューティングの環境は様々な場面で利用されているが,本学では教育クラウド環境と呼び,多くの学生に利用されている.また教員にもバックアップを個々で管理できるような環境が整備されている.クラウドの利点を活かし,幅広い利用を実施している.(iii) 情報基盤データの IR 利用,IR の重要性が高まる中,情報基盤データを IR に利用する取り組みをしている.学内には様々なデータがあるが,そのデータ整合性を取るために Office 365 を用いた統合認証環境を導入した.今後 IR を活用し,教育にフィードバックしていく.本研究では現在の取り組みをコストや可用性の面だけでなく,教育への貢献の面からも議論していく.
著者
丸山 伸 大平 健司 佐野 雅彦 谷岡 広樹 松浦 健二 上田 哲史
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-39, no.14, pp.1-6, 2017-09-22

端末教室における環境統一にはネットブート技術が適している.このネットブート技術を利用すると端末の一斉起動や一斉操作でサーバーやネットワークに負荷集中が生じるが,端末側にディスクイメージの複製を持つことで負荷集中を回避できる.しかしながら,各端末にディスクイメージの複製を持つように設計すると,ディスクイメージを更新した際に各端末が持つ複製が同期されるまでは負荷集中が生じがちとなり端末の高速性が失われることが課題となっていた.そこで本研究では,端末の高速化に必要最小限の領域のみを複製することでディスクイメージ更新後における端末側への同期処理を最小化し,ネットブートによる環境統一と端末の高速性を常に両立する手法を提案する.また,徳島大学の端末教室において提案手法の評価をおこない,本提案が有効であることを確認した.
著者
村瀬 香緒里 永井 崇之 江丸 裕教 牧 晋広
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-39, no.12, pp.1-7, 2017-09-22

IT インフラ仮想化技術の進展により,仮想化した IT インフラの構成を動的に変更できるようになった.これにより,IT システムのメンテナンスにおける IT インフラの構成変更はダウンタイムなしで実行可能となった.一方で,近年の IT システムの負荷変動は激しく,予測しにくいため,構成変更中にも IT システムに問題が発生する場合がある.その場合,発生した問題が実行中の構成変更の影響によるものか否かに基づいて,一連の構成変更処理の中断,見直しする対応が必要になる.しかし,IT システムの大規模化,複雑化により,構成変更による影響範囲の特定,及び,構成変更中断,見直しの判断は難しく,IT システム管理者は,誤った判断をする場合がある.本研究では,構成変更実行中に IT システムに問題が発生した際,構成変更の影響範囲に基づいて構成変更を続行すべきか否かを判断し,ルールベースで構成変更処理を自動制御する機能を提案する.本研究では,本提案機能を実装し,実ケースで効果あることを実証した.
著者
松尾 亮輔 今泉 貴史
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-39, no.11, pp.1-6, 2017-09-22

SDN では,大規模なネットワークを制御するために,複数のコントローラによる分散制御を行う手法がいくつか提案されている.また,ネットワーク内のトラフィックの偏りに対応するために,スイッチの管理権限をコントローラ間で移動させる手法が提案されている.しかし,この手法は少数のスイッチの集団にトラフィック量が集中する場合,効果的に機能しないことがある.また,近年では SDN-DoS 攻撃という,帯域を圧迫せず効果的に制御プレーンのリソースを消費させる手法も提案されている.複数のコントローラによる分散型制御プレーンにおいて,この攻撃を緩和するために,コントローラ間で処理を分担する手法を提案し,性能の検討を行う.
著者
鄭 焱祖 川井 悠司 李 佼柯 安倍 広多
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-39, no.9, pp.1-8, 2017-09-22

Web ブラウザ同士を直接 P2P 接続する WebRTC 技術を用いたブラウザ間構造化 P2P ネットワークの実現手法について述べる.WebRTC には,相手ノードを直接指定してコネクションを確立できない,コネクションの確立にはシグナリングが必要,といった特性がある.本研究では,これらの特性を考慮したブラウザ間コネクション確立方式を提案する.提案するブラウザ間コネクション確立手法はシグナリングに特定のサーバを用いないため,耐故障性とスケーラビリティに優れている.提案手法はコネクション管理ライブラリ WebRTC-Manager として実装した.さらに WebRTC-Manager を用いて,Web 環境で動作する双方向リング構築アルゴリズム DDLLweb とキー順序保存型構造化 P2P ネットワーク Kirin を実現した.本稿ではこれらの詳細について述べる.
著者
佐藤 悠 萩原 威志
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-39, no.10, pp.1-6, 2017-09-22

新潟大学工学部情報工学科では,Linux 環境を用いた演習を行うための計算機演習室システムを運用している.システムは主に複数台の演習用サーバと,シンクライアントである X 端末群,ファイルサーバによって構成されているが,このような常時稼働の共用システム下での利用を想定していないアプリケーションも多く,トラブルが頻発してシステム運用上の問題となっていた.そこで,利用者が多いために問題解決もより進んでいると考えられるスタンドアロンのデスクトップ PC に近い形態で実行するため,コンテナ型仮想化ソフトウェアの Docker を利用し,1 ユーザに対し 1 コンテナを実行する環境を提供することで,各ユーザの利用に合わせて起動 ・ 終了するシステムを構築した.また併せて,この際に作成した Docker イメージを学生が所有する PC 上で実行可能な形で配布することで,学生が利用できる Linux 演習環境として,新しい在宅学習システムを提案した.
著者
金岡 晃
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-39, no.7, pp.1-4, 2017-09-22

SOUPS (Symposium On Usable Privacy and Security) はセキュリティとプライバシのユーザビリティに特化した内容を扱う国際会議である.2017 年 7 月 12 日から 14 日に米国サンタクララで開催された SOUPS2017 (Thirteenth Symposium On Usable Privacy and Security) では,パスワード,IoT,モバイル端末での支払い,開発者向けユーザビリティ,ユーザの振る舞い,フィッシングなど多岐にわたる発表がされた.本稿では SOUPS2017 の概要や発表された論文についての概要を報告する.
著者
島岡 政基 真野 健 西垣 正勝
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-39, no.6, pp.1-5, 2017-09-22

国際会議 IFIPTM は,関連するセキュリティとプライバシーの問題を含む,トラストおよびトラストマネジメントに関する問題の研究成果を共有し,今後の研究開発の新たな課題と方向性を明らかにすることを目的としている.本稿では,2017 年 6 月 12 日から 16 日までスウェーデン Goteborg 市においてChalmers
著者
明神 聖子 馬場口 登
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-39, no.5, pp.1-6, 2017-09-22

本稿では,メディアを介した伝達情報の不定性と,それによって人が騙されるときの思考状態について考察を与える.メディアを介して人から人へ情報として伝えようとしても,別々の認知体系を持ち,それぞれの閉じた世界の中で情報の解釈を行う我々は,全く同じ意味内容を共有することはできないといわれている.そのような意味が定まらない情報を人が推定するというプロセスが,単に人と人の間で意味の齟齬を引き起こすだけでなく,人を騙すために機能するというところを数理的に表現し,自己の世界が解釈した対象の意味内容によって,信じるという状態が生じさせられていることを示す.
著者
小川 康一 吉浦 紀晃
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-39, no.1, pp.1-8, 2017-09-22

我々は,大学ネットワーク管理者が利用者のネットワーク機器の状態を把握するため,小型コンピュータと Web カメラを利用して監視装置を開発し,監視した情報を移動ロボットの遠隔操作によって収集する手法を提案している.しかし,移動ロボットの遠隔操作にはあらかじめ監視装置のある部屋の周辺環境についての前提知識が必要である.また,移動ロボットと操作端末間のネットワーク遅延を考慮することや,移動ロボットの操作経験などが要求され,操作を修得するまでに一定の時間を要する.そこで本稿では,移動ロボットに深度センサーやレーザ測距センサーを搭載し,あらかじめ環境地図を作成することによって,管理者が移動ロボットを直接操作せずに監視情報を半自動的に収集する手法を提案する.本手法を実装し,大学内にて遠隔操作による手法との比較実験により提案手法の有効性を確認した.
著者
梅澤 克之 川野 隆 森田 伸義 礒川 弘実 萱島 信
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.17, pp.1-6, 2012-05-03

国内の携帯電話契約数は 1 億 1200 万件を超え,重要なインフラとなった.また,ポイントや電子マネー,会員 ID 情報などの秘匿性の高い情報 (以降, ID 情報と呼ぶ)を扱うサービス提供機関も増えてきた.このようなサービス提供機関が携帯電話端末の耐タンパデバイスへの ID 情報の読み書きを行おうとする場合,現状ではサービス提供機関ごとに携帯アプリを開発・運用する必要がある.また,利用者は各サービス提供機関が提供する携帯アプリを個別にダウンロード・インストールする必要がある.さらに今後は携帯電話端末の OS のオープン化が進むことが想定されるため,携帯アプリのセキュリティを確保する仕組みも必要となる.本研究では,上記のような現状の課題を解決するためのモバイルアクセス基盤システムを提案する.具体的には,サービス提供機関が耐タンパデバイスにアクセスする際に共通的に利用できるモバイルアクセスサーバおよび携帯電話端末上の共通アプリからなるモバイルアクセス基盤システムを提案する.The number of the domestic cellphone contracts was beyond 112 million. The cellphone became the important infrastructure. In addition, the service provider who treated secure information such as a point and electronic money, the subscriber ID information (we call it ID information) increased. Such a service provider reads and writes ID information to the tampa-resistant device of the cellphone. When service provider reads and writes the ID information to tampa-resistant device, it is necessary to develop application for cell-phones every service provider under the present conditions. In addition, it is necessary for the user to download and install application for the cell-phones which each service provider offers individually. The security mechanism of the application of the cellphone is necessary. In this study, We propose a mobile access infrastructure system to solve such a problem.
著者
安部 光一 前田 香織 井上 博之 近堂 徹
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.34, pp.1-6, 2010-02-22
参考文献数
12
被引用文献数
1

IP 通信網では,複数の視点からのマルチアングルストリームの映像配信や視聴者の属性や嗜好等に応じた推奨映像を配信するなど映像配信の高度化が進んでいるが,映像の視聴画面は固定的なものが多く,依然受動的な視聴が多い.そこで,本稿では映像を受信する視聴者側の視点から視聴画面や機能の高度化について焦点をあてる.具体的には映像画面の柔軟な画面レイアウト調整機能,視聴者自身の映像や音声の送受信を可能するパブリックビューイング機能,他の視聴者と自身の画面レイアウトを同期し,視聴体験の共有を可能するスクリーンシェア機能を持つ映像配信システムの設計と実装を行った.加えて,主観評価により提案システムの有効性を示す.In recent years, a rich video streaming service that allows multi-angle videos and personalized videos based on user's preference design has become increased in IP network. Nevertheless, in many cases a receiver can not arrange video windows of received streams freely because of a static layout design. To address this problem, we propose a streaming system which is sophisticated from the viewpoint of a receiver. It enables following functions: a receiver-driven flexible layout function of video windows, a screen sharing function which is mutually synchronized among receivers, and a public viewing function with interactive communication between receivers. In this paper, we describe the system design and its implementation, and we show the effectiveness of the proposed functions through the subjective assessment.
著者
今井 正樹 上原 哲太郎 侯 書会 津田 侑 喜多 一
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.4, pp.1-6, 2011-05-05

情報漏洩対策機能としてユーザを特定可能な ID を電子透かしで文書に埋め込む電子文書管理システムがある.情報漏洩発生時に文書の流出元特定を容易にすることで,情報漏洩を心理的に抑止する.しかし,従来の方式で ID を符号化した場合,異なる ID を持つ文書を比較することにより ID の改竄が可能である.そこで本稿では結託耐性符号で符号化したユーザ ID を文書に埋め込む電子文書管理システムを提案する.文書形式として最も広く利用されている OOXML (Office Open XML) 形式の文書を対象として,相当量の情報が埋め込み可能な電子透かし手法を示し,ユーザ ID の消去を困難にした電子文書管理システムを設計する.There is a document management system witch prevent information leakages by embeding user identification in documents with digital watermark. It prevent users from information leakages by facilitating specification of the leakage source. But A comparation of same documents witch embeded different user IDs is enabled to attackeres to falsify the ID. This paper propose the document management system witch embeding user ID encoreded with anticollusion codes in documents. This system targeted OOXML (Office Open XML) documets because it is the most widely used in the world. This paper introduce the new large capacity watermark available in OOXML, and design the document management system enhaced preventation effect on information leakages.
著者
星野 光太 岩村 惠市
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-37, no.3, pp.1-8, 2017-05-18

映像サーベイランスの普及に伴い,監視カメラの映像のプライバシーを適切に秘匿する必要が生じている.そんな中,被撮影者の意思を反映させて監視カメラ映像の顔情報を秘匿する方法が提案されている.本論文の目的は,この方法を用いて監視カメラの映像を様々なサービスに利用することである.近年,監視カメラは監視だけでなく,様々な目的で使用されている.本文中では,プライバシーに配慮しながら監視カメラ映像を利用するサービスの具体例を2つ紹介し,その際に生じる脅威とその対策についても考察する.
著者
松本 直人 尾崎 浩史 星 和保
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-37, no.2, pp.1-4, 2017-05-18

昨今,企業におけるデータ解析ニーズ等の高まりからストレージ容量およびアクセスが増大している.しかし,データ解析基盤をデータセンターおよびパブリッククラウドに構築した場合,データ転送通信帯域のコスト増大が懸念点として出てくる.本稿では,これら課題を解決するため東京都内に敷設済みのメトロファイバーを用いて,低価格で広帯域ストレージネットワークを実現する実証実験を行った結果を報告する.