著者
並木勁汰 福田浩章
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-29, no.5, pp.1-8, 2013-05-20

無線センサネットワーク (Wireless Sensor Networks: WSN) は,センサデータを取得できる複数のノードによって構成される無線ネットワークである.WSN を構成するノードは電源が有限であり,省電力を実現するためにノードの計算資源が極小に抑えられている.したがって,複数のアプリケーションを運用する際,必要なノードに対してのみプログラムを配備する必要がある.また,アプリケーションの稼働場所を変更する場合,プログラムの配備場所を変更する必要がある.WSN ではアプリケーションの開発者がプログラムの配備場所を把握した上でプログラムを記述しなければならない.特に,プログラムの移動を考慮しなければならないモバイルエージェントアプローチではそれが困難である.本研究では,WSN におけるプログラム間通信に起因する煩雑さを改善するため,分散ハッシュテーブルによるプログラムの位置管理を行い,プログラムの配備場所を取得できる機構の提案と実装を行った.また,プログラム位置管理機構によるプログラム位置情報探索のシミュレーションを行った結果,比較的少ない消費電力での位置情報取得が可能であることが確認できた.
著者
谷川 郁太 福山 祐哉 渡辺 晴美
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-29, no.4, pp.1-6, 2013-05-20

本稿では,組込みソフトウェア教育のためのソフトウェア開発事例について紹介する.教材の要件は,学生が容易にプログラム可能であること,様々な開発環境や通信方式に対応できることである.さらに教育システムは様々な用途で用いられることから発展性が求められる.これらの要件を満たすために,本開発では 2 つの工夫を施した.まず,学生は C 言語風のスクリプトを記述し,C# の.net フレームワークで動作するシステムを開発した.また,様々な開発環境や通信方式に耐え,発展性を加味するために,通信プログラムの継承機能とプラグイン機能を用意した.
著者
張 碩 紫合 治
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-29, no.3, pp.1-8, 2013-05-20

システムの要求分析に UML を適用することがあるが,UML はもともとシステムの解決策を検討するツールであり,初期の分析では解決策ではなく問題そのものを扱う 「プロブレムフレーム」 が有効に使える.プロブレムフレームではもとの問題をいくつかのサブ問題に分割することを推奨するが,サブ問題の規定の仕方,その振舞いの規定方法については特に明示されていない.ここでは,プロブレムフレームのサブ問題の規定にシーケンス図を使う方式について述べ,この方式を支援するシステムについて説明する.
著者
ブャンネメフオドフー 眞鍋雄貴 伊達浩典 石尾隆 井上克郎
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-29, no.2, pp.1-8, 2013-05-20

ソフトウェアの保守を困難にする要因の一つとしてコードクローンが挙げられる.コードクローンとは,ソースコード中に,互いに類似または一致した部分を持つコード片のことである.各コードクローンは,たとえ記述が同一であってもそれらの周辺のコードに依存して異なる動作をする可能性がある.しかしながら,実際にどの程度コードクローンが周辺コードに依存しているかはわかっていない.本研究では,コードクローンと周辺のコードとの依存関係を明らかにするため,コードクローンの周辺コードの量と,周辺コード間の違いについて調査を行った.その結果,多くのコードクローンに周辺コードが存在し,多くのコードクローン間で周辺コードが異なることを確認した.
著者
石居達也 小堀一雄 松下誠 井上克郎
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-29, no.1, pp.1-8, 2013-05-20

Java では,フィールドおよびメソッドに対してアクセス修飾子を宣言することで,外部からアクセス可能な範囲を制限することができる.しかし,既存ソフトウェアには実際の利用範囲に対して過剰に広く設定されているアクセス修飾子が多数存在することが知られている.一方で,それらのアクセス修飾子の修正状況については,過去に分析が行われていない.そこで本研究では,ソフトウェア開発の履歴を対象として,過剰なアクセス修飾子に対する修正作業の実行頻度について分析した.分析対象とするデータは,既存のアクセス修飾子過剰性検出ツールを拡張して既存の 7 つの Java プロジェクトから取得した.分析を行うに当たり,宣言されているアクセス修飾子と実際の利用範囲に基づき,フィールドおよびメソッドを 3 状態へ分類した.さらに,バージョン間における状態遷移を,性質ごとに 6 つのグループへと分類した.その結果,過剰なアクセス修飾子の大半は,修正されずそのまま放置されていることを確認した.一方,一部の種類の過剰なアクセス修飾子については,分析対象の全プロジェクトにおいて修正が行われていることを確認した.
著者
徳永寿郎
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-28, no.33, pp.1-6, 2013-03-06

近年の組込みシステムは安全/安定運用が必要な社会インフラに適用されつつあり,故障で停止した場合に社会に多大な影響を与える.またシステムに求められる要求も様々で複雑化しており,故障の原因も多種多様となり原因の特定や対処に時間を要してシステムダウンの時間が長くなる危険性が増大している.このような社会インフラでは,故障した場合でも原因究明が容易でシステムダウンの時間が最短で済む仕組みが必要とされ,発生した故障に対して検知/情報収集/対処するという機能(本稿では故障対処機能と呼ぶ)が重要となっている.しかし,現状ではOSの機能を利用して簡易に故障対処している組込みシステムが多く,情報収集や対処が不十分な場合が多い.また,OSの故障対処機能を強化する開発は容易ではない.これらの問題を解決するため,既存の組込みシステムに対して,OSとは別モジュールの故障対処機能を容易に追加する手法について提案する.
著者
田村雅成 兪明連 横山孝典
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-28, no.31, pp.1-6, 2013-03-06

組み込み制御ソフトウェア開発の効率向上のため,Simulinkモデルから実装を考慮したUMLモデルを効率的に設計する手法を提案する.一般に,組み込み制御ソフトウェア開発は制御ロジックを作成する制御設計と制御ロジックを元にソフトウェアモデルを作成するソフトウェア設計の2段階で行う.近年の制御設計ではMATLAB/Simulinkを用いて制御ロジックをSimulinkモデルとして設計することが多い.しかし,MATLAB/Simulinkはプリエンプティブなマルチタスク環境でのタスク間のプリエンプションなどについては考慮していない.そのため,制御ロジックをそのままソフトウェアとして実装する場合,プリエンプションによってデータの不整合が発生する恐れがあり,同期や通信の処理を追加する必要がある.我々はこれまでに,制御設計からソフトウェア設計への移行をスムーズに行うため,Simulinkモデルをソフトウェア設計に適した形のUMLモデルに変換するモデル変換ツールを開発してきた.本論文では,生成されたUMLモデルをプリエンプティブなマルチタスク環境で実行した場合に起こりうるデータの不整合を,モデル検査ツールSPINを用いて発見する手法を提案する.そして,モデル変換ツールが生成したUMLモデルから検証用のPROMELAコードを自動生成するツールを開発する.これにより,効率的なソフトウェア設計を可能とする.
著者
松谷 宏紀
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-28, no.29, pp.1-6, 2013-03-06

本論文では、サービス指向ルータにおける問合せ処理高速化のためにハードウェアによるSQLキャッシュを検討する。まず、プロセッサ単体の問合せ処理性能を見積もり、次に、ハードウェアによるSQLキャッシュのための設計方針を決め、問合せの多様性とカテゴリ分けを行う。これらの議論を踏まえ、ハードウェアによるSQLキャッシュとして、集合関数の結果をキャッシュする結果キャッシュ、及び、直近1時間の全レコードを保持するバッファキャッシュを設計し、待ち行列理論を用いて性能向上率を見積もる。最後に、ハードウェア量の考察を行い、また、C言語で実装したSQLキャッシュシミュレータを用いて提案機構の有用性を確認する。
著者
本村 哲朗 近藤 雄樹 山田 哲也 高田 雅士 仁藤 拓実 野尻 徹 十山 圭介 斎藤 靖彦 西 博史 佐藤 未来子 並木 美太郎
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-28, no.28, pp.1-6, 2013-03-06

今日の組込みシステムは,リアルタイム制御と情報処理のような独立の複数の機能を扱う必要があり,マルチコア上への搭載が有効である.この時,リソース保護のため,仮想化の一技術であるリソースパーティショニングが必要となる.我々は,リアルタイム性の実現に向けリソースパーティショニングのオーバヘッドを削減する,ハードウェア支援技術ExVisor/XVSを開発した.その主要技術は物理アドレス管理モジュールPAM*で,組込みシステムのメモリ利用方法の特徴を活かした階層のないページテーブルによるダイレクトなアドレス変換で高速化を図る.RTLシミュレーションとFPGA実装で評価を行った結果,シングルコアと比較してリソースアクセス時のオーバヘッドは高々5.6%であることを確認した.*PAM : Physical Address Management module
著者
加藤 寿和 石川 拓也 本田 晋也 高田 広章
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-28, no.27, pp.1-6, 2013-03-06

近年,大規模化するリアルタイムシステムにおいて,メモリ保護機能が必要となっており,その実現のためにMMUが使用される.MMUでは,TLBというキャッシュ機構を使用するが,TLBミスの発生を予測することは難しく,そのために,最悪実行時間の予測が困難となる.本研究では,まず,リアルタイムシステムにおいて,TLBミスが最悪実行時間へ及ぼす影響を調査する.次に,その影響を低減させるための,TLBロック機能を用いた改善手法を提案する.そして,評価実験により,提案手法の有効性を示す.
著者
田中 清史
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-28, no.25, pp.1-6, 2013-03-06

リアルタイムスケジューリング理論では,タスクの実行は最悪実行時間を費やすものと仮定するのが一般的である.しかし実際のシステム上で動作するタスクは,ほとんどの場合で最悪実行時間よりも短い時間で実行を完了する.本稿では,実際の実行時間を予測し,予測した時間を利用するスケジューリングにより,応答時間を短縮する2つの方法を提案する.評価では,提案手法により重要度の高い周期タスクの平均応答時間が最大13.4%,非周期リクエストの平均応答時間が最大32.0%短縮されることが確認された.
著者
西原 英 谷口 一徹 加藤 晋也 福井 正博
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-28, no.24, pp.1-6, 2013-03-06

本研究では,太陽光パネルと蓄電池を持つ家庭を対象とした電力需要のピークカットに貢献する蓄電池マネジメント手法を提案する.提案手法では,過去の類似した発電/需要パターンを基に,蓄電池マネジメントを数理計画問題として定式化することで電力需要のピークカットを実現する.提案手法により,電力需要のピークが大きくなる夏や冬の日において,最大51%もの大幅なピークの削減を行うことができた.
著者
大川禎 枝廣正人 久村孝寛
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-28, no.23, pp.1-6, 2013-03-06

近年,マルチコア・メニーコアが組込みシステムにおいても主流となりつつある.また,制御処理を記述する上で有効なソフトウェアモデルとして,CSP(Communicating Sequential Processes)があげられる.本論文では,汎用マイクロコントローラベースのマルチコアシステムをターゲットとし,CSPにより記述されたモーター制御モデルの実装を行い,実行時間が最小となるタスク割当てパターンを非線形計画問題によって発見した.また,従来手法から得られたタスク割り当てパターンと性能比較を行った結果,従来手法に比べ15%性能を改善することができた.
著者
阿部一樹 安島光紀 兪明連 横山孝典
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-28, no.22, pp.1-6, 2013-03-06

一般に組込みシステム上のアプリケーションは複数のタスクから構成されるが,アプリケーションによって異なるタスクスケジューリングアルゴリズムが要求される場合がある.しかし多くの組込みOSは,固定優先度スケジューリングしか提供していない.そのため,スケジューリングアルゴリズムの選択が可能な組込みOSが求められる.本研究では,アスペクト指向プログラミングにより,OSのソースコードを直接書き換えることなく,組込みOSのスケジューラをアプリケーションに応じてカスタマイズする手法を提案する.自動車制御向け組込みOSであるOSEK OSを対象に,固定優先度のスケジューラをEDFに切り替えるとともに,EDFに対応した排他制御を実現するために,排他制御のプロトコルを変更するアスペクトを開発した.そして,実際にそれらのアスペクトを適用したOSの評価を行い,実用上問題の無いオーバヘッドで実現可能であることを確認した.
著者
土本 幸司 川島 裕崇 本田 晋也 高田 広章
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-28, no.8, pp.1-6, 2013-03-06

昨今の自動車の高機能化に伴い,車載ソフトウェアが大規模・複雑になってきている.その結果,ソフトウェア開発のコストが増大し,大規模なソフトウェアを含む車載システムの安全性を確保することが困難になってきている.こうした背景を受け,高い安全レベルを要求される車載ソフトウェアをできる限り少ないコストで開発するためのパーティショニング機構(DefensiveZone)の開発を行なった.DefensiveZoneでは,小規模なハードウェアをマイコンに付加することによって,あるソフトウェアの不具合が他のソフトウェアへ波及しないように保護を行なう.性能評価においては,DefensiveZoneはAUTOSAR OSのメモリ保護機能に比べて半分程度の実行オーバヘッドでソフトウェアの保護を行なえることを確認した.
著者
周天宇 中西恒夫 久住憲嗣 福田晃
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-28, no.5, pp.1-6, 2013-03-06

GPSならびにQZSSによる測位の精度を向上させるべく,捕捉した衛星の中から実際に測位に用いる衛星を選択するアルゴリズムを提案する。提案アルゴリズムは捕捉した衛星の中から仰角が1番目と2番目に大きい2機,ならびに仰角が近く,方位角が90°ずつ均等に空いている4機,計6機を選び出す。提案アルゴリズム「ファジイ6機衛星群選択アルゴリズム」は,既存のファジイ4機衛星群選択アルゴリズムの拡張である。開空条件の良い場所でも悪い場所でも,測位精度を示すGDOPが同アルゴリズムよりも良い値を示した。また,QZSSを併用する場合としない場合とでは,併用する場合のほうがGDOPが良くなることも確認された。
著者
清水尚彦
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-28, no.4, pp.1-6, 2013-03-06

本報告は、RTOSのLinuxへのマイグレーションや、RTOS教育を目的として、POSIXレイヤー上にタスクスイッチャーを構築したRTOS on POSIXの開発について述べる。RTOSレイヤーには、ToppersプロジェクトのToppersATK1を採用し、i386用のタスクスイッチコードおよびPOSIXレイヤーとの接続コードを新たに開発した。OSEKにおいて必須となっているにもかかわらず、ATK1に不足するメッセージ通信については、新たにCOM/CCCAコードを作成し、提供した。POSIXレイヤーとしてLinuxおよびCygwinを用いて実働を確認した。
著者
知場貴洋 兪明連 横山孝典
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-28, no.3, pp.1-6, 2013-03-06

本論文では,自動車などの組み込み制御システムを対象にした,分散共有メモリ機構を持つ分散リアルタイムOSについて述べる.まず,アプリケーションのタスクが共有メモリに読み書きをするためのメモリアクセス機能と,ネットワーク通信を用いた更新処理によって一貫性を保つ手法を提案する.そして,自動車制御向けのリアルタイムOSであるOSEK OSをベースに分散共有メモリ機構を備える分散リアルタイムOSを実装する.ネットワークには,TDMAプロトコルに基づくFlexRayを用いる.
著者
三浦 功也 太田 貴也 Daniel Sangorrin 本田 晋也 高田 広章
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-28, no.1, pp.1-6, 2013-03-06

本研究では組込み向け高信頼デュアルOSモニタSafeGを用いた,汎用OSの監視手法を提案・実装した.SafeGは単一の組込みシステム上で,リアルタイムOS(RTOS)と汎用OSを同時実行するために提案・実装された小規模なソフトウェアモジュールである.SafeGを用いてRTOSから汎用OSを監視することにより,汎用OSのカーネルや,既存の監視機構が正しく動作していることを保証することができる.そこで本研究では,SafeGを用いて,RTOSから汎用OSの実行シーケンスの監視を行う機構に着目し,その実装と評価を行うことで,実際に汎用OSの監視機構が実現できることを示した.
著者
西 将輝 宍戸 哲平 李 欣怡 木村 啓二 佐野 健太郎
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2023-EMB-62, no.7, pp.1-6, 2023-03-16

深層学習が様々な場面で利用されるようになり,それと共に学習データや入力データ,推論結果,さらには学習モデルの保護が問題となりつつある.そのため,データを暗号化したまま演算処理できる準同型暗号による深層学習が注目されている.しかしながら,準同型暗号による演算コストは高く,これまでに, 並列化やハードウェアアクセラレータの利用といった様々な高速化手法が提案されている.一方筆者等は,深層学習の推論処理において多くのビット数が必要としないことに注目し,ビット削減版準同型暗号を利用した深層学習推論を提案してきた.本稿ではまず,ビット削減版の深層学習処理を準同型暗号ライブラリ SEAL とSEAL を用いた深層学習フレームワーク HE-Transformer に実装し,Intel Xeon プロセッサ上で評価した.さらに,富士通 A64FX 上でビット削減版準同型暗号を実装し評価を行なった.評価の結果,CryptoNets を用いた MNIST データセットの分類においてオリジナルの nGraph-HE2 に対し Intel Xeon 上で最大で 9.37 倍の速度向上が得られた.また,富士通 A64FX 上で行列積を評価した結果,Intel Xeon W-2145 と比較して,最大 1.08 倍の速度向上が得られた.