著者
小坂 武
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.50, 2007

IS学の確立の企図のもと、S. Alterはビジネスの実務家がシステム分析を行う方法論を開発中である。その中核にワーク・プラクティスを捉えるAlter独自のフレームがある。ワークプラクティスを捉えるフレームに心理学で発達してきた活動理論がある。Alterのものと活動理論のそれを、オートポイエーシスをベースとしたKayの組織論をも使用して比較分析することで、IS論の構築基盤をより確実なものとする。
著者
坪内 皓佑 岡田 公治
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.190-193, 2018

インターネット専業銀行(以下ネット銀行)業界は成長しているがその成長率には違いが見られる.ネット銀行の主な収益には資産運用(預金貸出,有価証券運用等)収益と役務取引(決済手数料,ATM提携料等)収益がある.本稿では,収益構造の違いからネット銀行を3つのビジネスモデル(資産運用型,決済手数料型,ATM型)に分類し,その違いやビジネスモデルの移行が業績に与える影響を表現する動的モデルを構築する.システムダイナミクスを用い (1)資産運用収益モデル,(2)決済手数料収益モデル,(3)ATM収益モデルから構成されるシミュレーションモデルを構築し,シミュレーション結果と実際の業績推移を比較することでモデルの妥当性を確認する.
著者
渋谷 綾子
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.51, 2002

本研究は、シナリオ法と確率ネットワークによる資産配分問題へのシステムアプローチの適用について考察する。システムアプローチは, シナリオ集合に対応する資産配分問題全体を組織とみなし、個別シナリオ問題をOperational levelに位置づけ、Operational levelの活動を調整するために新たに設定された上位問題をOrganization levelに位置づける。このようにして、階層的に再構築された問題を階層システム論の統合原理で統合することにより, Organizational levelでCoordination goalが達成されたときに組織の目的が達成され、同時に、元の資産配分問題の最適解が得られる。
著者
橋本 泰樹 梶山 朋子 大内 紀知
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.73-76, 2014

2006年に発売されたソニー・コンピュータエンタテイメントのPlayStation 3(PS3)は、同時期に発売された任天堂のWiiに市場シェアの獲得で遅れをとった。これまで、PS3の失敗要因については、「イノベーションのジレンマ」に代表されるように、本体(ハード)の問題を中心に議論されており、ゲーム機の特徴である補完財(ソフト)の側面からは十分な議論がされてこなかった。そこで、本研究では、ソフトがハードに与える間接的ネットワーク効果に着目し、PS3の失敗要因の解明を目的とした。分析の結果、PS3ソフトは多くが既存ソフトを活用して作られていること、それによりPS3ではネットワーク効果が働かなくなったことを明らかにした。
著者
浅井 俊克
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.83, 2005

欧米先進国に比べて、日本社会、企業は情報化時代への対応の遅れが目立ってきたと考えている。それは情報化投資にも表れている。これまで経営に十分に役立つ情報システムを実現してこなかったからではないか。それはなぜか。情報化時代に向けた変革ビジョンが明らかにならないからだと考える。MITのブリニュルフソンのデジタル組織やマローンの21世紀型組織の考えを参考にしながら、日本社会における情報化の課題を考える。 従来の工業化時代の価値観をパラダイムX、これからの価値観をパラダイムYとして、両者の違いを明らかにし、情報化時代に向けた変革ビジョンを示すとともに、21世紀型経営モデルの提案を試みる。
著者
高木 徹
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.35, 2004

現在,数理的一般システム理論の枠組みで情報システムを開発するための形式的なアプローチについて研究が行われている.本論文では特にデータ処理システムを対象にした定式化の方法について解説し,例題を用いて開発手順について述べている.
著者
崔 英靖
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.53-56, 2018

「食べログ」や「ぐるなび」のような,インターネットを通じてレストラン情報を提供する「レストラン情報サービス」は,1990年代後半に登場した後発のサービスながら,現在ではレストラン選択の主要な情報源となっている.これに対して雑誌などの従来型メディアは各種の対抗策を講じている.本研究では,従来型メディアによる対抗策の一つとして開始されたランチパスポートの事例研究を通じて,これらの競争の近年の動向について検討する.
著者
土屋 祐子 渡邊 慶和 阿部 昭博 南野 謙一
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.80, 2005

本研究では、組織に情報システムを導入するにあたり、様々なステークホルダーの要求を取り入れる方法論を提案し、情報システムの開発に必要な組織的要件を検討することを目的とする。各々の立場により生じる要求の違いを定性的に分析していくことで、定量的分析ではとらえきれなかたステークホルダーの存在を明らかにする。その事例として、ある岩手の学習塾に導入された情報システムを取り上げ、異なる立場のステークホルダーからの定性的なデータの収集を通じて、IS導入におけるガイドラインを提案する。
著者
井上 貴支 杉野 周 諸江 ボウォン
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.44, 2007

ネットカフェ難民や漫画喫茶難民などと言われ、住所を持たない者が多くなり社会問題になっている。一方で、首都圏では「ゲストハウス」と呼ばれるものが増えてきている。一戸の集合住宅の間取りを二~三人でシェアし、相場の賃料よりも安く借りることができる賃貸スペースである。このスペースに彼らが利用し始めている。貸主は、同居して住居費負担を減らすこともできるし、オーナーとして賃貸事業で利益を得ることができる。借主は、安価で快適な住居と住所を持つことができる。この「ゲストハウス」は、かなり古くて安い集合住宅を改装して活用することが良い。少ない投資で済むことも魅力の一つという訳である。本稿では、この社会問題の一つの解決策としての「ゲストハウス」ビジネスの展開法を考察する。
著者
安岡 寛道
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.58, 2009

企業が発行するポイントやマイレージのプログラムのビジネスモデルを分析・整理し、それらをグローバルに展開・活用する方法を提案する。まず、ポイント・マイレージの発行額は、2007年度に国内で6800億円を超え、顧客囲い込みや顧客情報の収集を目的として、航空会社や家電量販店のような民間企業だけでなく、公共サービス、行政機関、さらには教育機関にまで導入され始めている。これらに関連するビジネスは、顧客囲い込みによる本業の活性化のみならず、ポイント自体を販売したり、システム利用料を徴収するなど、いくつかのビジネスモデルに整理される。また、地域経済の活性化、カーボンオフセット(CO2排出量削減)などにまで実施・検討範囲が広がっており、これらを活用して、グローバルに展開する方法を提示する。
著者
菅谷 英之
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.58, 2003

『ビージョナリ_-_カンパニー』をはじめとする多くの先行研究において,活性化した企業文化を持つ企業は,高い財務パフォーマンスを挙げている.逆に,高い財務パフォーマンスを挙げているからこそ,活性化した文化を持つとも言える.これは相互依存関係にある. 活性化した企業文化を持つ企業は次のような特徴を備えている.組織のメンバ_-_はリスク指向的で,企業の経営理念(行動規範)をよく理解している.また外部から多くの情報を集め,企業内での公式・非公式な情報交換も活発である.上長や同僚のアイディアに反対意見を述べることもしばしばあり,リスクを負うことを恐れない.上下階層間には信頼が存在する.Try& Errorの気風がある.
著者
近藤 勇人 木嶋 恭一
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.37, 2002

本研究の目的は、アメリカンフットボールにおける攻撃力を評価する指標を提案することである。現在その攻撃力の評価には、QBレイティング・獲得ヤード・キャッチ数・タッチダウン数など様々な指標があげられる。ところがそれぞれの指標は選手個人の能力を測るものであったり、ディフェンスの強さに依存するものであったりして、厳密にオフェンスチームの能力を示すものであるとは言えない。そこで本研究では、まず、確率過程であるマルコフ連鎖を用いてアメリカンフットボールを表す。それにより、チームごとにプレーの全体数は異なるものの、その導かれた確率から、ある一定回数のプレーでどのような攻撃をすることができるのかという能力を表現できるので、ディフェンスに依存しない攻撃力を指標(Index of Offensive Ability)として導出する。さらに、この指数を実際の試合結果に適用して、その有効性を示す。
著者
工藤 充明 柴田 高
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.139-142, 2016

世界の半導体産業の成長とは裏腹に、かつて市場を席巻した日本の半導体企業は衰退を続け、2010年代の初めには日本最後のDRAMメーカであったエルピーダも倒産し、その時の負債額は4500億円弱で最大規模であった。一方、韓国企業は圧倒的な競争優位性を獲得しグローバル企業となっている。また、後発参入企業の三星が世界の頂点に君臨している事実は、戦略によるものであるとされる。この三星とエルピーダの違いを、経営戦略の視点から比較分析し、その背景にあるものを明らかにする。結果として、伝統的日本企業はプレミア化志向が高く、グローバリゼーションとの不適合をもたらすため、競争優位性の構築に困難が伴うことを示す。
著者
宗 健
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.201906, pp.161-164, 2019

<p>経営判断に各種統計・調査データが用いられることがあるが、それらのデータは必ずしも正しいとは限らない。データが適切であるかどうかの判断には市場に関する専門知識と一定の学術的リテラシーが求められる。本稿では住みここちランキングと住みたい街ランキングのデータを対比することで、調査データにどのような問題が含まれ、それに気づくためにどのようなリテラシーが必要であるかを論じる。結論は、以下のようなものである。経営者の能力を担保する学歴の高度化が必要である。学歴の高度化は学位保持者を経営者に育成するのではなく、幹部候補者に学位取得を促すことで実現すべきである。</p>
著者
松本 和樹 遠藤 正之
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.201910, pp.100-103, 2019

<p>最近、「PayPay」や「LINEPay」をはじめとするQR決済サービスが注目されている。これらのQR決済サービスは店舗導入のコストが低いというメリットの一方、セキュリティ面での課題がある。本報告ではQR決済サービスを会員数、利用可能店舗数、店舗の手数料率、決済方法、利用形態、ユーザーインタフェース等で比較、評価する。更に従来のクレジットカード、デビットカード、電子マネーとの相違点を踏まえ今後の動向について考察する。</p>
著者
山本 龍平 遠藤 正之
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.201910, pp.179-182, 2019

<p>現在日本において、決済の利便性向上のためキャッシュレス化が進められている。また、決済媒体の1つとしてモバイル決済が注目されており、多くの企業が参入し競争が激しくなっている。その中でも2018年度ローンチのPayPayは比較的後発のモバイル決済アプリであるが、現在高い普及率を獲得している。そこで本研究では、ユーザー数拡大戦略、加盟店数拡大戦略、ビジネスモデルなどの観点から、PayPay普及の成功要因を明らかにし、プラットフォーム型ビジネスにおける普及戦略について考察する</p>
著者
山口 淳
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.293-296, 2016

日本において,サービス産業が経済に占める比重は大きく,増加していく傾向にある.しかし一方で,サービス産業の生産性は高くなく,この分野の高付加価値化が重要とされている.<br>インダストリアル・エンジニアリング(IE)の諸手法は,製造業とともに発展し,製造企業の価値向上に寄与してきた.本研究は,それらIEの諸手法のサービス業への適用に向けて,比較検討を行なうことを目的としている.具体的には,ペットサロンにおけるトリミング作業を対象に,IEの諸手法の適用を試行し比較を行なった.その上で,標準化が進んでおらず無形性・同時性・異質性・消滅性が存在するサービス作業への適用可能性について,考察を加えている.
著者
山口 淳
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.207-210, 2017

ペットのトリミングサービスの需要増大に伴い,トリマーの作業負荷は大きくなり,業界全体で効率化,高付加価値化が課題となっている.そのような中,大手ペットサロンX社では,店舗のレイアウトが作業のしやすさや店舗の収益性へ影響しているのではないかという仮説を持つに至っている.<br>本研究は,その仮説の妥当性について確認を行なうことを目的としている.具体的には,作業のしやすさで対照的なレイアウトとされる2店舗の作業を研究対象とし,時間分析を実施している.その上で,店舗レイアウトの結果として生じる作業上の特徴が作業時間に与える影響についての分析を行なっている.
著者
松平 好人
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.202011, pp.101-104, 2021

<p>本研究の目的は、自治体大阪市による中小企業に対するイノベーション(新規事業)促進政策の効果を明らかにすることである。研究方法には事例分析を用い、分析対象として「大阪トップランナー育成事業」というイノベーション促進政策を取り上げる。</p><p>インタビューと質問票調査に基づく実証研究から、次の点を明らかにした。中小企業は大阪トップランナー育成事業の支援により情報的資源を獲得するだけではなく、その支援で獲得した資源を梃子にして、新たな資源創出も図っていることを発見した。</p>
著者
足代 訓史
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.53, 2010

日本のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)業界においては,当初mixi(株式会社ミクシィ)が優位な立場を保っていたが,近年ではGREE(グリー株式会社)やモバゲー(株式会社ディー・エヌ・エー)といった競合サービスが勢力を拡大し激しい競争が展開されている.本稿では,日本のSNS主要各社の事業発展の経路を,競合や顧客,環境要因といったさまざまなアクターとの相互作用の連鎖として捉えることで,企業間競争のメカニズムをダイナミックな視点から考察することを目的とする.相互作用の分析にあたっては,各企業の経営層が事業の成長や革新に向けて保有する「意図」の経時的変化に着目する.