著者
飯田 晏久 愈 炳強 北村 泰介
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.1159-1162,a1, 1994

北海道は開拓の経過, 資源の賦存条件, 産業のあり方などから, 本州地域の中山間地域とは異なる形態を持っている。北海道の空知地方は, 積極的に農業土地基盤整備を行ってきたが, 基盤整備が立ち遅れているとみられる地域も多く存在している。これを分析の対象とすることで, 北海道型中山間地の振興施策の必要性を検証できると考え, その活性化の糸口を提示することを本報の目的とした。また, 従来の市町村レベルでの解析から一歩踏み込んで, 集落単位の独自のデータを用いた。<BR>中山間地域の活力は, 地域農業構造を表す代表指標を特性値とする主成分分析と質的データを統計的に扱う場合に援用される判別分析法を用いて解析を行った。
著者
宗岡 寿美 田頭 秀和 辻 修 土谷 富士夫 矢沢 正士
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.73, no.9, pp.805-809,a2, 2005
被引用文献数
1

平成15年 (2003年) 9月26日午前4時50分ごろに発生した「平成15年 (2003年) 十勝沖地震」はマグニチュードM8.0かつ最大震度6弱の大地震であり, 農地・農用施設にも多くの被害が発生した。ここでは, 十勝管内で調査された十勝沖地震の農地被害状況を報告する。<BR>この地震に伴い液状化による噴砂現象が各地の圃場で認められ, 収穫直前の作物などに被害がもたらされた。これら噴砂土の物理的性質 (とくに粒度分布) は発生地域の違いにより異なっていた。また, 農地災害地区内の圃場を試掘調査することにより, 地震に伴う地すべりや地割れに起因して暗渠管の断裂や沈下といった被害が多く発生していたことなども確認された。
著者
松村 史基
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.1009-1012,a1, 1993-11-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
1

県営かんがい排水事業和口地区は, 静岡県磐田市の準用河川古川を農業用排水路と位置付け, コンクリート3面張り工法により改修を進めてきた。しかし, 平成3年12月, 環境庁編集の「日本の絶滅のおそれのある野生生物 (レッドデータブック)」に掲載されているカワバタモロコの生息が判明し, 排水路改修とカワバタモロコ保護の両立を図りながら事業を進める必要が生じた。保護対策として, 古川に隣接した用地0.39haを買収し, 保護池3カ所と人工の疑似小川200mを施工し, カワバタモロコの生息場所とした。これらの静岡県農政部の試みの詳細を報告する。
著者
河上 親 片岡 正法
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.844-848, 1985-09-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
7
著者
岸川 健 本城 守義 増崎 一夫
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.819-824,a1, 1993

長崎県の雲仙普賢岳の噴火災害は, 平成2年の噴火以来, まだ, 火山活動を継続しているが, これによる被害は, 人的並びに物的に計り知れない状況である。<BR>本文は, 長崎県が平成4年度に被害農地の復旧・復興計画を樹立したところであり, その概要を述べたものである。<BR>計画の内容は, 有史後の噴火歴や今回の噴火災害の概要, 県内における島原半島の農業並びに被災地域の農業の状況, 土地利用と営農の現況と計画等を踏まえ, 今計画では, 被災地と周辺地域一体について, 区画整理と畑地潅概施設の整備を進めていくことにしており, 事業計画の項目ごとに計画の基本方針を述べている。
著者
久保田 治夫 須藤 清次
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.513-517,a1, 1987-06-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
2

茨城県内を流れる小貝川は, 低平地域を流れるため蛇行が著しく水が滞留しやすいこと, 利根川から逆流してくることなどから, 水害を起こしやすい条件をもっており, 昭和になってからの水害は, 大小合せて今回で12回目を数える。今回の特集を機会に, 10号台風に係る水害を振返り, 小貝川低平地域の河況と洪水の特徴, 農業用施設等の被害状況を報告し, 今後の課題を探ることにした。
著者
福与 徳文 田中 秀明 合崎 英男 遠藤 和子 小泉 健
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.115-120,a2, 2007-02-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
10

デルファイ法を用いて農村資源管理の将来を予測するとともに, その影響の大きさと対策の有効性を評価した。20年後には農地面積は現在の474万haから413万haに減少し, 農業水路は現在の40万kmの3割に当たる12万kmが管理困難に陥るという結果を得た。また, 耕作放棄増加による影響としては, 畦畔・法面の崩壊による土砂崩壊や洪水被害の発生が最も危ぶまれ, 管理困難水路増加の影響としては, 土砂小枝の堆積による湛水被害の増加や灌漑排水への支障が最も危ぶまれる。また, 対策としてはハード整備にあわせた保全管理体制の構築や保全管理に対する公的助成の拡大などの有効性が高いと評価された。
著者
吉田 昭治
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.599-606,a1, 1982
被引用文献数
1

新潟県のような冬期温暖, 湿雪の多雪・豪雪地帯における次のような雪とかかわる農業土木的課題の重要性について論じた。道路除雪・屋根雪処理に必要な消雪用水への農業用水の冬期転用, 畑作に対する根雪期間, 消雪期の制約条件緩和のための融雪促進法と融雪水圃場排水, 融雪出水による災害の特性と防災対策, 融雪水のダム貯留ないし地下水人工涵養による防災と水資源化, 地すべりに対する融雪水, 湛水田の影響などである。
著者
山下 裕作
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.74, no.9, pp.847-852,a3, 2006-09-01 (Released:2011-08-11)

「水土文化」は農村現場にあり, 農村の暮らしの中にある。ここでは農村生活者の「暮らし」の側面からみた「水土文化」調査の方法について紹介する。文化は安易な「客観化」「数値化」といった「素朴な科学論」で把握することは不可能である。農村生活者との協働作業としての調査, すなわち「心で理解」するための調査を通じ,「コミュニケーショナルに正しい認識」を構築する必要がある。本講座ではそのための方法論を不完全ながら紹介する。
著者
加藤 徹
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.67, no.8, pp.843-847,a1, 1999-08-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
13

明治後期から昭和前期にかけ, 行われた耕地整理事業において標準区画的に採用されていた短辺10問, 長辺30間の1反歩について, 上野英三郎が「日本に1反歩が適当なりとは如何の論拠より来りたるか, 余輩は未だ不幸にして, 何等解釈を聞く能ず」と疑問を投げかけていた。そこで, 本報では, この1反歩区画のルーツ等について歴史的観点から総説的に跡づけることを試みた。その結果, 1反歩区画は, 条里制の区画割の半折型 (12間×30間=360歩) →太閤検地の面積基準 (5間×60問=300歩)→鴻巣式の1反歩区画 (10間×30間=300歩) という流れになること, などについて整理できた。
著者
谷 茂 長谷川 高士
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.939-947,a1, 1987-10-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
18

地震によつて多くの溜池に被害が発生してきた。本報文では記録が残っている過去五つの地震での溜池被害を文献・資料・現地調査等により調査した。とくに日本海中部地震については, 無被害溜池も含めた堤体土の試料採取を行い土質試験を行つた。これらの調査・実験から, 溜池の被害形態の分類を行い, その特徴を述べた。また被害の主な原因が液状化の可能性が強いことを, 土質試験等のデータからも裏づけた。