著者
東 達二
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.603-608,a1, 1990-06-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
2

総合保養地域整備法が, 昭和62年6月9日公布施行された. 三重県では昭和58年3月の第2次長期総合計画において, すでに県南部のサンベルト計画があり, 国のリゾート法に素速く対応でき, これの承認第1号となった.旧来からの観光地から脱皮した長期滞在型, 開かれた国際型の薪しいリゾート構想と, その推進計画について述べた.
著者
吉田 勲 河野 洋 宇田 毅 岡崎 耕三
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.127-131,a1, 1988-02-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
6

両眼立体視カメラモデルから得られる画縁処理による体積測定法の開発を目的とした。これは画像の二次元情報からもとの三次元座標の復元を行い, これに基づいて体積を算出する手法である。三次元座標は三角測量の原理から求める。また, 解析の際に左右画像上の対応点を相関法に決定する。でき上がった多面体を三角形に自動分割し, 物体を近似した。この画像処理による体積測定プログラムの開発により従来の土木計測技術に比べて, 能率よく, コストも低くなるものと考えられる。また, 土木以外にも幅広い応用が可能となる。
著者
北尾 高嶺
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.533-536,a1, 1996-06-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
4

大規模な下水道がヨーロッパで建設されはじめた事情を振返り, 日本の置かれている事情とは異なっていること, 今日小規模であっても十分な処理効果が得られるような技術が開発されたという状況のもとでは, 小規模施設には種々の点で大規模施設に見られない利点も多いことを述べた。また, 地球環境問題や技術論的視点からも時代の要請に対応した処理システムであることについて私見を開陳し, 今後の生活排水方策として小規模システムをもっと重視すべきであることを論じた。
著者
木村 眞人
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.415-420,a1, 1991-04-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
5
被引用文献数
4

土壌中に生育する生物の種類とそのエネルギ源, 栄養要求性が極めて多様であることを明らかにする。また, 微生物の営む物質変化が非生物的な変化とはさまざまに異なること, 微生物の活性が他の大型生物の活性に比べ極めて活発であることも述べる。
著者
石黒 宗秀 岩田 進午
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.1017-1024,a2, 1988-10-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
17
被引用文献数
1

土は, 種々のイオンを吸着するため, それらのイオンの流出を妨げたり遅らせたりする。肥料成分や有害な重金属も, イオンのかたちで土に吸着されるため, 施肥効率をよくしたり, 環境保全を図るためには, 土中でのイオン交換吸着現象の知識が重要となる。ここでは, 土のイオン吸着メカニズムを, ミクロな立場から土粒子の特性を探ることによって明らかにする。また, イオン移動に及ぼす影響について述べ, 吸着力の強弱によるイオン移動の差異について触れる。
著者
中村 好男 峯岸 正人 谷内 功 児島 正展
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.137-142,a1, 1998-02-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
3

埼玉県荒川右岸地区では, 河川水と溜池, 地下水という多種水源に支えられて水田潅漑が行われている。また排水路を堰上げて反復潅漑を行っているために, 農業用水の還流率は0.11~0.45と小さな数値を示した。地区の排水は最下流部のびん沼川に流入するが, 再び農業用水として循環利用されていた。還流に伴う水質変動を調査した結果, 排水路を流下する間に濃度が低下していた。また負荷量は, 流入負荷量よりも流出負荷量が小さい結果となった。ストックとフローシステムが有機的に結びついた循環潅漑によって, 下流地域への汚濁負荷軽減に役立ち, 地域の水資源形成と水環境保全に影響を及ぼしていることがわかった。
著者
矢野 義治
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.1019-1023,a1, 1983-11-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
13

北海道で発展した火山灰土の土層改良を歴史的に概観し, その工法が確立された背景が普通地と異なる火山灰特有の土層構成にあることから粗粒火山灰土の表層部の特徴を明らかにした。また, 粗粒火山灰土地域で施工された混層耕, 反転客土耕, 改良反転客土耕について試験施工の状態や施工効果などを明らかにした。粗粒火山灰土の改良反転客土耕は本試験が初めてのものであり, 新しい土層改良法である。
著者
冨宿 一隆 福山 潤一
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.315-320,a1, 1986

大川ダムは, 県営畑地帯総合開発事業で農業用水と水道用水の共同事業として建設されたロックフィルダム形式の多目的なダムで, 昭和55年に完成した。当ダムは建設着手時から堤体を将来かさ上げすることを前提として建設条件が検討されており, かさ上げ工事は名瀬市上水道用水確保のため, 昭和58年から厚生省補助事業として工事実施中である。かさ上げダムの背景, 設計の経緯, 設計上の検討事項等についてその概要を紹介する。
著者
藤井 秀人
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.72, no.7, pp.599-603,a2, 2004-07-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
9

メコン河委員会の水文プロジェクト「トンレサップ湖および周辺地域の持つ多面的水文機能の評価と水文データの強化」の概要を報告する。メコン川カンボジア氾濫域はトンレサップ湖周辺域とコンポンチャムからベトナム国境までの広大な地域である。プロジェクトでは氾濫原に20カ所の水位観測点の設置, 氾濫原を通過する洪水量のADP (Acoustic Doppler Profiler) を利用した観測, RADARSAT衛星による氾濫原の氾濫面積の拡大・縮小過程のモニタリング, 水文水理モデルMike11を利用した氾濫域の水文水理モデルの開発などを行い, 洪水期に氾濫原に流入する量や貯水量を算定し, 洪水緩和量や渇水緩和機能の評価を行った。
著者
矢野 武彦 谷本 和明
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.895-903,a1, 1980-12-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
3

新潟平野において昭和34~35年には実に540mm/年という地盤沈下が観測され異常な状態が続いていた。 その後天然ガス採取は規制され地盤沈下はだんだんと収束の方向にはあるが, いまだに変動を続けている。ここでは, 主に最近に至るまでの地盤変動の状況, 解析結果および将来予測 (地下水流動解析による予測, トレンド法による予測) について述べ, 合せて地域の特性, 調査の経緯, ガス水採取の規制等についても略記する。
著者
中村 好男
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.525-531,a1, 1992

中国では, 1980年代後半より農村企業の発展に伴う農業労働力の流出や, 政府による農業生産基盤投資の減少などの影響を受けて食糧生産が停滞気味となった。こうした情勢の中で, 中国当局による稲・麦の単収増加を図った「トン糧田」建設構想が打ち立てられた。トン糧田とは, 1ムー (0.066ha) 当り1tの食糧を生産できる水田のことをいうが, そのためには水利改良が絶対的な条件となる。そこで本稿では, トン糧田建設に係わる中国当局での取組みや, 技術, 管理などの課題について, 用水不足地帯である三河平原徐州市と, 排水不良地帯である太湖地区常州市の例を取り上げ紹介した。
著者
鈴木 文雄 小林 英夫
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.927-932,a1, 1992-10-01 (Released:2011-08-11)

県営かんがい排水事業夜間瀬地区で建設した剣沢ダムは, 上信越高原国立公園や水源酒養保安林に指定されている貴重な自然環境の中に位置する均一型アースフィルダムである。こうした環境下における工事 (とくにダム周辺整備) の内容を報告するとともに, 表土・岩石などの天然材料を有効に使用することで, 自然環境を可能なかぎり保全する手法を提案する。
著者
佐々木 四郎
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.197-201,a1, 1982-03-01 (Released:2011-08-11)

日本のコンサルタンツの特質を論じ, その生い立ちと現状を解説する。この分野で歴史の古い先進的な欧米諸国, とくに米国にならって作られた日本のコンサルタンツはその歴史も浅く, しかも日本独特の技術風土の中で育ち, 欧米のそれとは異なった体質をもつに至った。これは技術に対する社会的関心と評価が日本では欧米より劣っており, また技術者自身の社会的責任に対する認識の度合もより低いからであると論ずる。