著者
松田 豊
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.485-489,a1, 1980-07-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
9

北海道において特殊土壌とよばれている, 火山灰土, 泥炭土, 重粘土およびろ土について, その分布状況と性質の概要を示し, これらの改良対策のうちから客土を取上げ, 現在北海道において施工されている客土の種類や考え方, 施工法等について示した。
著者
正木 裕美
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.65, no.12, pp.1157-1163,a1, 1997

クリークは, これまで佐賀平野の生命線であっただけに人々は, クリークによって不便さには目をつむらざるを得なかった。水資源開発問題を機に, 不自由さに我慢しきれなくなった人たちから何とかクリーク征伐をという声が大きくなった〇そこで早速平野全域の水利慣行調査, クリークの功罪調査を実施。功を損なわず罪を矯めることで筑後川下流土地改良事業とクリーク統廃合計画を中心に圃場整備計画を策定, 地元の同意を得て今や佐賀平野は大変貌を遂げつつある。クリークそのものが歴史的土地改良資産ではあるが, そのうち代表的なものをできるだけ在来の持味を損わぬように保全し活用したいとした。横武地区, 兵庫西部地区の2地区を紹介するものである。
著者
有田 博之 西口 猛 小川 一貴 本間 泰造
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.1119-1124,a1, 1987

農業集落排水処理施設の維持管理についてのアンケート (1985.9) 結果の分析。<BR>本報では,(1) 使用料,(2) その他施設関連事項についてとりまとめ, 問題点を概括した。<BR>使用料は定額制を採用する地区が多い。一般家庭以外の使用料徴収体制は不十分で今後検討の余地が残る。市町村の要望には維持管理のマニュアル化を求めるものが多い。また, 施設の更新費に対する補助体制の整備要望も強い。
著者
足立 英夫
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.813-815,a1, 1984

できる限り調和のとれたエネルギ資源の使い方こそ現代テクノロジーに課せられた使命といえる。 これからの技術開発のあり方として, 自然環境にある昔ながらのコストのかからないエネルギに着目し, その利用開発こそ重要なテーマといえる。 その一例として, 無動力の雨水利用, ソーラー熱の土中蓄熱による温室栽培を提案し, 併せて雨水の利用法, 中水のリサイクルに関係ある材料 (ソフトセラミックス) を紹介する。
著者
川嶋 久義 高橋 徹
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.43-48,a2, 1995-01-01 (Released:2011-08-11)

平成6年は, 春からはほぼ全国的に降水量が少なく, 梅雨の短かかったことに加え, 西日本を中心にそれ以降も降水量の少ない状態が続いた。そのため, 全国各地で厳しい取水制限等が実施され, 国民生活や産業に大きな影響をもたらした。本報では, 全国的な小雨の状況, 渇水による被害の状況および政府の取組み, 各地域で実際に行われた対応策等について報告する。
著者
内田 晴夫
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.69-74,a2, 1998

満濃池・香川用水掛かりの溜池の水質の調査結果について報告した。本地域では水質汚染が進み, 農業用水基準を満たさない溜池が多く, また, T-NとT-Pを主な指標とすると, 本地域の溜池は (1) 上流に位置する汚染が進んでいない池, 中下流に位置する (2) やや汚染している池,(3) T-Nによる汚染が進んでいる池,(4) T-Pによる汚染が進んでいる池および (5) 植物プランクトンの発生によりCODが高い池,(6) ECとpHが高い (塩基性イオンに富む) 池,(7) ECとpHが小さい (溶存イオンが少ない) 池,(8) TIPとT-Nによる汚染がともに進んでいる池,(9) T-Nによる汚染が極端に進み, 藻類が異常発生している池の9つのグループに分類できることが分かった。
著者
粟生田 忠雄
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.331-332,a1, 2000

1991年9月から1年間オランダのワーヘニンゲン農科大学に遊学した経験をまとめたものである。筆者の視点から, 日本とオランダ両国を比較して母国である日本を浮き彫りにする。<BR>明治期, 土地改良事業のためにオランダ人技術者が招かれた。しかし, 今日の両国のインフラ整備には大きな隔たりができた。インフラ整備などの方法論ではいまだオランダに学ぶ点があるように思われた。
著者
山下 裕作 八木 洋憲 大呂 興平 植山 秀紀
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.71, no.10, pp.893-898,a1, 2003-10-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
9

農村集落には「村がら」というべき個性が存在する。特に住民組織の個性としての「村がら」は地域振興に先立つ合意形成や, 住民組織化の面で地域に適合する方向性を規定している。この「村がら」は農村の伝承文化の一つであり, これまでの地域振興に関する諸研究では考察の対象となっていなかった。本報では, 民俗学の成果を基礎におき, 農村の質的個性である「村がら」が, 合意形成や地域振興の方向性に強い影響を与えていることを実証し, 地域住民による「村がら」の自己認知を進めることを手だてとする地域振興手法の可能性について検討する。
著者
井上 君夫
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.755-760,a1, 1994-08-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
7

平成5年の暖候期は稀にみる異常な天候となった。大規模かつ長期間にわたる寒気の流入と日照不足は特に水稲に昭和55年冷害を大幅に上回る被害を与えた。寒気の流入は大気の蛇行に伴って極付近から南下したものであり, 大気一海洋間で起こっている異常現象がそれらを容易にした。やませも例年以上に吹走したが, 8月上旬の寒気は下層のやませと上層の一般風が一体となる稀な様相を見せた。このような異常天候, 特に低温と日照不足が水稲に被害を与えたが, 壊滅的被害を与えた原因は水稲側にもあった。それは北日本の水稲の生育が次第に遅れ, 最も低温に弱いとされる減数分裂期が8月上旬の低温に遭遇してしまったからである。深水管理で冷害をある程度回避できた事例はあるが, 異常な天候下でも成立する技術の構築の必要性も指摘されている。
著者
端 憲二 石川 雅也 鈴木 光剛
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.339-344,a1, 1996-04-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
12

農村で総合的に水質を保全するためのひとつの方法として湿地利用がある。本報では, 湿地が有する窒素除去機能および利用方法やその基本的な考え方について述べるとともに, 湿地模型を利用した窒素除去試験の結果を紹介しつつ, 浄化作用に影響する主な要因について解説した。湿地模型を用いた試験では, 滞留時間の増加に伴い, アンモニア態窒素除去率が上昇すること, 除去速度は濃度に依存することなどを明らかにした。一方で, 水温と日射量が水生植物の窒素吸収に影響を与えていることが示唆された。そこで, 日射および水温を加えた簡単な数理モデルを作成し, シミュレーションを行った結果, 現象を比較的精度良く再現できることがわかった。
著者
北原 哲雄
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.787-793,a1, 1984-09-01 (Released:2011-08-11)

農業におけるエネルギ消費量は機械化等の進展に伴い顕著に増大してきており,今やエネルギは農業にとって不可欠なものである。しかも,農業は石油依存度が高く,経営が零細である等石油需給ひっ迫に対して基本的にぜい弱である。このため,中長期的に不安定化が予想される石油・エネルギ情勢に対処するため,エネルギ対策(石油の安定供給の確保,省エネル幸,石油代替エネルギの開発利用)を着実に推進する必要がある。
著者
鈴木 尚登 花岡 茂樹 森瀧 亮介 柳浦 良行
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.97-100,a1, 2007-02-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
6

可知氏が国営第1号の巨椋池干拓の初代所長に就任してから4年間, 毎日, 書き綴った「作業日誌」をベースにして, 氏が著した「農業水利学」および地元新聞に掲載した「平易解説」等も参考に, 巨椋池干拓とはどの様な事業で作業日誌は何のために書かれたのか等を考察する。

1 0 0 0 OA 凝集・沈降

著者
小林 幹佳 足立 泰久
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.377, 1996-04-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
2
著者
町田 隆
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.237-239,a1, 1996-03-01 (Released:2011-08-11)

純農村の北村において, 予期していなかった温泉という地下資源の発見により, 村の中心部の町並みが変わった。これは温泉を利用した施設が相次いで誕生したからである。この温泉水には天然ガスも含まれていることから, 村ではこれらの恵まれた資源の有効利用を図るため, 施設の暖房やビニルハウスでの試験栽培等に取組んだ。本報では, その利用の具体的な事例と中心的な位置付けの赤川鉱山という地下資源利用施設について紹介する。
著者
石川 英輔
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.69, no.12, pp.1273-1276,a3, 2001-12-01 (Released:2011-08-11)

江戸時代の, 水田稲作を中心とした農村地帯の資源循環について述べた。稲作のための豊かな水は, 豊かな山林の生きた土により瀕養され, 水田を潤すとともに人々の生活を支えてきた。そして, そのシステムは今日でも本質的には変わりがない。また, 米とともに収穫された稲わらをはじめとする農産廃棄物は, 有害物質のない貴重な資源として, 農村, 都会で有効に再利用され, 1年以内にはまた土へ戻るという, 物質の循環構造があったるエネルギーは, かつてはほとんどが人力であったが, 環境を汚すようなことはなかった。しかし, 太平洋戦争以降の化石エネルギーの大量消費は, 労働力の削減, 利便性の向上, 産業の近代化に貢献したが, その見返りとして環境の悪化や複雑な社会問題をわれわれに突きつけることとなった。