著者
辻 順行 高野 正博 久保田 至 河野 洋一 徳嶺 章夫 嘉村 好嶺
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.47, no.9, pp.993-1001, 1994 (Released:2009-06-05)
参考文献数
20

1992年6月より1992年9月までに,高野病院で経肛門的超音波検査によりcystic patternとして描出される肛門周囲膿瘍17例とmixed echoic patternとして描出される肛門周囲膿瘍5例を通じて以下の結果を得た。(1)視診,触診にて肛門周囲膿瘍と診断された症例に対して,経肛門的超音波検査を施行し,cystic patternとして描出される症例とmixed echoic patternとして描出される症例とに分けられた.前者は急性期を示し,排膿されるまでは周囲の脆弱部へ進展していく傾向が強いため,早期発見,早期外科的治療が重要で,抗生剤単独の治療は有効でなかった。それに対し,後者は排膿後に描出され,抗生剤による治療も可能であると考えられた。つまり経肛門的超音波検査により,より細かい肛門周囲膿瘍の病期の診断と治療法の判定が可能であった。
著者
吉田 勲 河野 洋 宇田 毅 岡崎 耕三
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.127-131,a1, 1988-02-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
6

両眼立体視カメラモデルから得られる画縁処理による体積測定法の開発を目的とした。これは画像の二次元情報からもとの三次元座標の復元を行い, これに基づいて体積を算出する手法である。三次元座標は三角測量の原理から求める。また, 解析の際に左右画像上の対応点を相関法に決定する。でき上がった多面体を三角形に自動分割し, 物体を近似した。この画像処理による体積測定プログラムの開発により従来の土木計測技術に比べて, 能率よく, コストも低くなるものと考えられる。また, 土木以外にも幅広い応用が可能となる。

2 0 0 0 悪性黒色腫

著者
松島 誠 黒水 丈次 岡本 康介 長谷川 信吾 下島 裕寛 河野 洋一 香取 玲美 杉田 博俊 小菅 経子 鈴木 裕 鈴木 和徳 池上 雅博 栗原 聰元 大田 貢由
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.374-377, 2016-03-25

疫学 悪性黒色腫(malignant melanoma)は,神経堤起源細胞でメラニン産生細胞であるメラノサイト(melanocyte)に由来する悪性腫瘍である.そのほとんどは皮膚に発生するが,その他メラノサイトが存在する口腔,鼻腔,食道,胃や大腸・肛門などの消化管の粘膜や目の脈絡膜,脳軟膜,脊髄膜にも発生する.本邦における悪性黒色腫の罹病率は1.12人/10万人とされており,欧米での発生頻度は本邦に比べて高く,さらに増加する傾向にあるとされている. 原発部位別頻度をみると,消化管原発悪性黒色腫は,全悪性黒色腫の0.1〜2.5%と極めて少ない.本邦における消化管原発の悪性黒色腫は,1999年の嶋田ら1)による集計では,直腸肛門部300例,食道143例,小腸9例,結腸5例,胃2例で,海外の報告でも結腸原発悪性黒色腫は,全悪性黒色腫の0.4〜5.6%と極めて少ない.また,大腸悪性黒色腫の中では,歯状線を中心とした直腸肛門部に発生するものが最も多く(直腸肛門部は基底層にメラニン色素細胞を含む重層扁平上皮を持ち,悪性黒色腫の発生母地になると考えられている),結腸原発悪性黒色腫の約75%を占めると言われている.直腸肛門部原発悪性黒色腫は全肛門部悪性腫瘍の0.25〜3.9%である.直腸肛門部の悪性黒色腫は早期にリンパ行性,血行性転移を来しやすく,診断時既に70%の症例で転移を認めると言われている2).
著者
河野 洋 北村 薫
出版者
日本スポーツ産業学会
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.2_149-2_162, 2017 (Released:2017-04-15)
参考文献数
11

This study cites “casual racism” as it is suggested in the slogan “Racism. It Stops With Me” and aims to identify the characteristics of racism on Japanese websites that deal with international sporting events. With respect to the 2014 FIFA World Cup, about 670,000 web comments related to “Yahoo! JAPAN” news on the World Cup were collected. Of the comments, 16,236 were sampled, and the 289 comments that included “race-related words” were selected, classified, and evaluated into three types, depending on whether the content was discriminatory. In the analysis, the proportion of discriminatory comments was compared to all comments, and this was compared with year-round sports comments in Japan.    The results of the analysis showed that approximately 40.1 percent of the 289 comments were discriminatory about people of a different race. There were a particularly large number of comments about Koreans. Discriminatory comments about Chinese and Croatians also appeared although Croatians are rarely discussed in Japan.    The examination of the comments revealed the following characteristics: 1) Among the comments that were analyzed, the proportion of racially discriminatory comments that were only mentioned at the World Cup was low, at 12.9 percent. This suggests that international competitions are not a direct cause of racism on the web. 2) Discriminatory comments against Croatians arose from the criticisms by the Croatian national team against the Japanese referee of a match played by their country. Therefore, these comments were transient, although this type of casual racism is likely to occur repeatedly in international competitions targeting different racial groups. 3) Racism toward Chinese and Koreans is one of Japan’ s social problems. However, while this racism is considered to be serious, a part of the discriminatory web comments displayed the kind of casualness that is characteristic of casual racism.
著者
天倉 吉章 堤 智昭 飯田 隆雄 中川 礼子 堀 就英 飛石 和大 内部 博泰 中村 宗知 柳 俊彦 河野 洋一 豊田 正武 佐々木 久美子 米谷 民雄
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.148-152, 2005-08-25
参考文献数
9
被引用文献数
2 3

市販ベビーフード中のダイオキシンレベルを評価するために,2001~2002年に入手した102品目(102試料) のベビーフード中のダイオキシン類〔ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs),ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)およびコプラナーポリ塩化ビフェニル(Co-PCBs)〕の分析を行った.その結果,各試料の毒性等量(TEQ)は湿重量当たり<0.001~0.135 pg-TEQ/gで,102試料中,26試料が0.010 pg-TEQ/g以上であった.最高濃度は,おかず類"いわし,野菜"(0.135 pg-TEQ/g),次いで"いわし,大根" (0.080 pg-TEQ/g)であった.傾向として,魚類や乳製品のような動物性食品を含むものにダイオキシン検出が認められたが,それらは低い汚染レベルであった.
著者
河野 洋一 藤田 和弘
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.331-334, 2016-06-05 (Released:2016-07-07)
参考文献数
19
被引用文献数
5 5

The behavior of the chlorogenic acids (CGAs) and total polyphenols by the difference in roast degree of coffee beans was investigated. As samples, Coffea robusta and Coffea arabica from Brazil, six kinds of different roast degree beans and green beans, were used. HPLC/UV was used for the measurement of CGAs. LC separation was performed on a C18 column with a mixture of water–acetonitrile–acetic acid (1000:50:3) including 30 mg L−1 1-hydroxyethane-1,1-diphosphonic acid (HEDP), acetonitrile and methanol as the mobile phase, and calculated as 5-caffeoyl quinic acid (5-CQA). The Folin-Ciocalteu method was used for the measurement of total polyphenols, and calculated as 5-CQA. As the roasting increased, with both varieties, CGAs decreased, although most of the total polyphenols did not change. Therefore, a difference in roasting causes a change concerning the chemical structure of CGAs. However, the change substances had a hydroxyl group, which came from the structure of CGAs, and the possibility that had antioxidant ability was suggested.
著者
佐々木 久郎 菅井 裕一 河野 洋之 高橋 孝志 伊藤 大輔 岡部 孝
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.522-529, 2011 (Released:2014-01-18)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

In this lecture, a cold drainage mechanism of heavy oil from sandstone cores has been presented by using immiscible CO2 gas dissolution into the oil. Dissolution curves of CO2 and CH4 gases for Japanese heavy oil were measured using with a PVT apparatus to decide the pressures of bubble point for the gases. CO2 swelling factors of the heavy oil and Oman intermediate oil were measured from surface movements of oil columns placed in a high-pressure cell which was controlled less than 10 MPa for the oil reservoir temperature 50°C. Two oil swelling factors increased with increasing gas pressure, and swelling coefficients were evaluated for CO2 and CH4 gases. The swelling-time curves for an oil column were fitted with the analytical solution of one dimensional gas diffusion derivative equation, and CO2 gas diffusion coefficients in the oils, D(m2/s), were evaluated. The values of D in the heavy oil were presented as 1.1 to 1.6 % of that of the intermediate oil, and the empirical equation for values of D has been presented with function of exponential to API gravity. Based on the observation tests on oil drainage from the sandstone cores saturated with the heavy oil, gas dissolution in the heavy oil does not make any oil drainage, however foamy heavy oil including huge number of micron CO2 gas bubbles, that were generated in depressurization process, effectively contributed to oil drainage out from the cores.
著者
朝倉 佑実 河野 洋平 佐藤 将嗣 青山 隆夫
雑誌
日本薬学会第140年会(京都)
巻号頁・発行日
2020-02-01

【目的】慢性裂肛には、ニトログリセリン等を含むクリームを患部に塗布し、肛門静止圧を低下させる治療が行われている。しかし、副作用や高い再発率が問題であり、有用な新規薬剤が求められている。芍薬甘草湯は内服で筋弛緩作用を示すことが知られており、外用薬としての有用性が期待できると考えられる。本研究ではラットを用いた肛門内圧測定法を構築するとともに、芍薬甘草湯クリームによる内肛門括約筋の弛緩効果を評価した。【方法】芍薬甘草湯クリームは、精製水に懸濁した市販エキス細粒2.5 gに、添加剤の流動パラフィンとグリセリン、および基剤の親水軟膏を加え、全量を7.0 gとした。肛門内圧測定用のプローブは、カテーテル(6 Fr)の先端にポリエチレン製のバルーンを装着して作成した。プローブにかかる圧力は、血圧トランスデューサと圧力用増幅器を用いて測定し、解析にはPowerLabを用いた。肛門内圧測定精度の検証では、クリープメータを用いてプローブにかけた一定の荷重と圧力測定値間の相関性を評価した。SD系雄性ラットを無作為に芍薬甘草湯群または対照群に振り分けた2剤2期のクロスオーバー試験では、吸入麻酔下でクリーム塗布前と塗布(0.1 g/kg)後3 hに肛門内圧を測定し、算出した肛門内圧変化率で効果を評価した。【結果・考察】プローブに一定の荷重(0.01–0.1 N)をかけて圧力を測定した結果、荷重と圧力の間に良好な相関が認められ(R2=0.996)、本測定法の定量性が確認された。肛門内圧変化率は、芍薬甘草湯群の塗布後3 hで78.8±13.5%(n=10, mean±S.D.)となり、対照群に比して有意に低下した(p<0.05)。以上のことから、芍薬甘草湯クリームは慢性裂肛の治療薬として有用である可能性が示された。
著者
河野 洋
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
巻号頁・発行日
vol.71, 2021

<p>【目的】アスリートに向けられるインターネット上のネガティブなコメント(誹謗中傷・「炎上」等)の実態を明らかにするため、実際に投稿されたコメントデータを基に調査を行った。MDS(多次元尺度構成法)によってインターネット上の議論を図示し、ネガティブなコメントの存在を示すとともにその特徴について考察をした。 【方法】2020年8月・9月に、Yahoo!ニュースに掲載された大坂なおみ選手に関する記事に投稿されたコメントデータを準備した。このデータは、BLM運動の渦中で開催されたウエスタン&サザンオープンおよび全米オープンを事例とすることを念頭に選定した。はじめにコメントデータの形態素解析を行い、コメント中に出現する語と出現回数の一覧を取得した。次に、「大坂選手」「なおみさん」「こいつ」など、文脈から大坂選手を示すと判断される21語を選定し、それらの語を含むコメントを分析用データとして抽出した。このデータについてMDSによる出現語のマッピングを行い、距離に基づいてクラスタリングを行った。 【結果】分析用データとして3,756件のコメントが抽出された。MDSで出現語を2次元上にプロットした結果、議論のまとまりを表す6つのクラスターが作成された。マップを構成する軸はそれぞれ「大坂選手に対してポジティブかどうか」「テニスに関する議論かどうか」として解釈された。大坂選手を示すポジティブな語として「なおみちゃん」、ネガティブな語として「女(『この女』『わがまま女』等)」が認められた。 【考察】大坂選手に対するネガティブなコメントはMDSで示されたマップの半分以上で存在し、それらを誘発している議論として特徴の異なる3つのパターンが認められた。特に、「スポーツ選手」としての大坂選手はBLM運動に関わって試合をボイコットしたことに対する「炎上」が認められた。</p>
著者
飛永 浩一朗 南條 真奈美 野上 英二 小八重 明美 横田 美穂 河野 洋介 村井 史樹 高村 三富美 川村 浩 坪根 愛 押川 達郎 井手 睦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0945, 2005 (Released:2005-04-27)

【はじめに】体幹筋は脊柱の固定作用や安定化に重要な役割を持ち、特に姿勢保持に脊柱起立筋の筋持久力は大切である。それを評価する背筋の姿勢保持テストとしてKraus-WeberテストとSorensenのTrunk holdingテストが代表されるが、二者を比較した報告はみられない。今回、その姿勢保持時間と筋活動量について比較検討した。【対象】腰痛既往歴のない健常成人男性10名、女性10名を対象とした。平均年齢男性27.5±4.7歳、女性23.8±2.3歳であった。【方法】測定はMMT(腹筋と背筋)、SorensenのTrunk holding test(以下THT)とKraus-Weber test(以下KWT)で背筋群を測定する腹臥位の2方法(以下:体幹挙上テスト・下肢挙上テスト)を実施した。各テストにおける持続時間は各姿勢保持困難となるまでの時間を計測した。次にTHTと体幹挙上テストと下肢挙上テストの3方法において脊柱起立筋の筋活動量を求めた。筋電計にはNicolet社製VikingNT表面筋電計を用い、表面電極は第1・2腰椎棘突起間両外側3cmに貼り付け、各肢位の安定が得られた後の10秒間の積分筋電図から40m秒当たりの平均筋活動量を算出した。各被験者に対し測定を二回行い、再現性を確認した。統計学的処理には各運動の持続時間を比較するためt検定、THTと体幹挙上テストと下肢挙上テストの筋活動量の関係をみるためにPearsonの相関分析を用い、いずれも有意水準は5%とした。【結果】1)THTでは女性が男性より有意に持続時間が長かった(P<0.05)のに対して、体幹挙上・下肢挙上テストでは持続時間に有意な男女差は認められなかった。2)THTと体幹挙上・下肢挙上テストでの持続時間は男女とも有意にTHTの方が長かった(P<0.01)。平均筋活動量はTHT、下肢挙上テスト、体幹挙上テストの順に高い値を示した(P<0.01)。また、THTと体幹挙上テストもしくは下肢挙上テストの筋活動量の間に有意な相関が認められた。【考察】THTは背筋全体、体幹挙上テストは上部背筋、下肢挙上テストは下部背筋の筋持久力のテストである。今回の結果より持続時間が男女ともKWTよりTHTの方が有意に長かったこと、運動開始時の筋活動量はKWTの方がTHTより有意に高かったことの2点より、KWTよりTHTの方が背筋にかかる負荷は小さいことが推察された。さらに、測定肢位がTHTは静的保持姿勢であるのに対しKWTは動的保持姿勢であるため姿勢保持に必要とされる背筋以外の筋群の活動量は異なりそれらが姿勢保持時間に影響したと考えられる。つまり、同じ背筋の筋持久力評価であっても測定開始からの背筋への負荷量は異なり、評価している筋肉の量あるいは走行が違っていることが示唆されたと言えよう。今後は目的に応じて二種の評価法の使い分けを行っていきたい。
著者
河野 洋子
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.89, pp.86-102, 2004-05-10 (Released:2010-05-07)
参考文献数
34

This paper examines how Pensées, when it is postulated as a text written in “le style naturel, ” opens up a “topos” for religious education. “Religious education” here refers to the scene which has the effect of promotion among those in the scene a realization of the the limitation of human existence and, moreover, of enhancing their spiritual attitude toward the transcendence.The present author examinees, first, the relationships among “le style naturel, ” “raison, ” “ordre” and “esprit de finesse”. “Le style naturel” presupposes reasonable understanding and, furthermore, leads to the transcendental truth through the realization of the limitation of “raison.” “Esprit de finesse” perceives the “advent/Advent” from the transcendence, and the discourse of “le style naturel” thus work upon readers “volonté” on top of their “raison.” The author, then, examines those discourses including “I” as an essential example of “le style naturel.” According to her interpretation, both an apologist and a libertine are textured in “I” in which they are independent as well as supportive to each other. Moreover, she shows that “un roseau pensant” and “membres pensants”, other examples of “le style naturel, ” also express the human existence as a “texture”.The rhetoric of Pensées point to the “topos” for “advent/Advent” because Pensées contains the “topos” as the texture which produces “le style naturel.” One can say that “le style naturel” is the discourse which may open up the “topos” for religious education. Hence, the quest for this style is crucial for locating the possibilities and methods of religious education.
著者
河野洋一 西松 研 福盛 秀雄 村岡 洋一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.22, pp.43-48, 1996-03-04
参考文献数
5
被引用文献数
1

有限要素法の要素分割には、有限要素法の解に信頼性が増すため、ボロノイ分割と双対なdelaunay三角形(elaunayy四面体)が非常に有効である。しかしボロノイ分割の処理は非常に重いため、ボロノイ分割の高速化が望まれている。そこで、本論文ではボロノイ分割の高速化のため、並列計算機を用いたアルゴリズムを提案する。さらに、要素数の多い時に有効な要素分割の並列化手法の提案を行なう。本手法を富士通の分散メモリ型並列計算機AP1000に実装した結果、母点数6000個の2次元ボロノイ分割を、PE数32台で約11倍の高速化を達成することができた。This paper presents two parallel algorithms for constructing Voronoi diagram and Delaunay triangulation. One algorithm using both a incremental method for inside PEs, and a divide-and-conquer method for merging Voronoi Diagrams between neighboring PEs is proposed. And the other algorithm for many generators which needs only one step of communication for merging Voronoi Diagrams is proposed. With 32 PEs configuration, the second method achieved speed-up ratio of 11 for 6000 generators.
著者
豊田 正武 堤 智明 柳 俊彦 河野 洋一 内部 博泰 堀 就英 飯田 隆雄
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.316-320, 2000-10-25

野菜試料における, アセトン・ヘキサン振とう抽出法とトルエン還流抽出法のダイオキシン類抽出効率の比較を行った. 抽出試験を3回行った結果, ほうれん草では, 振とう抽出でPCDDs, PCDFs及びCo-PCBsが平均0.48, 0.80及び7.7pg/g検出され, 還流抽出では同様の順に0.43, 0.72及び7.3pg/g検出された. また, ちんげん菜では, 振とう抽出でPCDDs, PCDFs及びCo-PCBsが平均0.67, 0.50及び2.6pg/g検出され, 還流抽出では同様の順に0.81, 0.64及び2.6pg/g検出された. 両抽出法の間で, 抽出量には有意な差はなく, 両者の野菜中ダイオキシン類の抽出効率は同様であることが判明した.