著者
神谷 俊之 原 雅樹 矢入(江口) 郁子 猪木 誠二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.591, pp.23-28, 2004-01-16
被引用文献数
6

我々は,従来から多様な歩行者の身体状況に応じた経路案内を行う歩行者支援GISについて研究開発を行っている.本稿では,バリア・バリアフリー情報を蓄積した歩行者移動支援GISの利用場面として,観光地などでのナビゲーション用途を想定し,ナビゲーションに適したユーザインタフェースとして3次元景観映像を用いた案内方法について検討を行った.さらに検討結果に基づき,自宅での予習的な利用を想定したPC版と利用者が実際に持ち歩くことを想定したPDA版の2種類のシステムの試作を行った.
著者
杉森 公一 木村 剛 川辺 弘之 下村 有子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.555, pp.13-16, 2008-03-15

視野狭窄者は視野欠損部分の情報が得られないために,視野外から迫ってくる移動物体に対する危険や自ら危険物に向かっていくなどの危険に晒されている.危険接触事故を防ぐための支援システムの構築のために,視野狭窄者がどのように周囲の物体を探索するのかといった基本データの収集が求められる.本研究では,視野狭窄眼鏡を使用した擬似視野狭窄状態(視野角5度)の被験者に対し,視線追跡実験を行った.色・形状・大きさ・明るさを変化させた物体(図形)をスクリーンに投影し,発見までの時間を計測し,探索時間,視線軌跡と停留点軌跡から視野狭窄患者が物体を探索する際の特徴について分析する.
著者
秋谷 直矩 丹羽 仁史 久野 義徳 山崎 敬一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.684, pp.35-40, 2006-03-22
被引用文献数
2

高齢者社会が進む昨今、福祉ロボットの開発は時代のニーズに即したものである。本論文では、被介護者の簡単な依頼を理解するロボットを開発する基礎段階として、実際に人間同士の依頼行為がどのように組織化されているか、ということをエスノメソドロジー的見地により見ていく。この分析に基づき、依頼行為は、依頼行為が行われる以前にコミュニケーション・チャンネルが相互反映的な形で確立されていること、そして実際の依頼行為も依頼発話とジェスチャがお互いを精緻化しながら、相互反映的な形で組織化されているということがわかった。
著者
志村 ゆかり 渡辺 隆行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.408, pp.109-114, 2006-11-29
被引用文献数
2

Web content accessibility guidelines such as JIS X 8341-3 and WCAG 2.0 working draft require the separation of content structure from presentation. In (X)HTML, content structure is marked up with heading elements, list elements, etc. Objective evaluation of how content-presentation separation improves accessibility is needed to force Web authors to follow these accessibility guidelines. The current paper measures how usability and accessibility is improved when content is marked up with heading elements. The experiment was carried out firstly with four sighted persons and found that structured Web pages improve task completion time by 50% to 90%. The second experiment was carried out with one visually impaired and found that structured Web pages improve task completion time by 30% to 70%.
著者
吉松 靖文 藤吉 賢 村田 健史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.638, pp.31-36, 2005-01-20

アスペルガー症候群を含む自閉症スペクトラム障害児4名に対して携帯型タイムエイド(RAIMAN Toolkit)を適用した。家庭で保護者と一緒にタイムエイドを使うことで, 活動への取り組みや次の活動への移行を促した。いずれの対象児も活動への取り組みや次の活動への移行ができるようになったが, その効果は一様ではなかった。タイムエイドがストレスの原因になる場合も見られた。一方で, 対象児自身が時間を設定することで本人による時間管理が可能になったり, 保護者と相談して時間を決めることでコミュニケーションすることが可能になったりした。
著者
佐藤 寛修 阿部 清彦 大山 実 大井 尚一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.507, pp.15-20, 2006-01-05
被引用文献数
7

筆者らは, 自然光下でビデオカメラ1台とパソコンのみによる, 重度肢体不自由者向けの視線入力システムについて研究している.その応用として, コミュニケーション支援を目的に, 12個で構成される複数の指標群を切り換えることにより文字を直接選択する方式の, かな漢字変換が可能な文字入力システムの開発についてすでに報告している.このシステムを拡張して, ファイル操作や各種アプリケーション操作などWindowsの汎用的な操作機能をもつ視線入力システムを開発した.本システムは日本語文字入力を含むWindowsのすべての操作が視線のみで可能であり, 汎用的なコンピュータ操作支援システムとして完成させることができた.
著者
寺 朱美 杉山 公造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.508, pp.43-48, 2006-01-06
被引用文献数
1

日本語学習者の読解上の問題点を知るために、外国人の5つのグループ、比較するための日本語母語話者グループ、あわせて6グループの日本語と英語テキストの読解における眼球運動を計測した。視線データから読解時の被験者の視線移動の場所について調べたところ、中間圏、非漢字圏グループは1〜2文字前方への移動を、漢字圏グループは3〜4文字前方への移動を多用する傾向がみられた。また、日本語圏グループは飛ばし読みと戻り読みを多用する傾向が見られた。本稿ではこれらの結果について報告する。