著者
鈴木 健
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第23回 (2009)
巻号頁・発行日
pp.3E3NFC210, 2009 (Released:2018-07-30)

伝播投資貨幣(Propagational Investment Currency SYstem:PICSY)は、価値が伝播する貨幣システムである。売り手は現物出資の投資家となるため、すべてが投資の貨幣といってもよい。取引関係の行列から固有ベクトルを求め、その値を個々人が社会に与えた貢献度と解釈し、購買力を与える。Google PageRankの貨幣版ともいえるこのモデルについて紹介する。
著者
柏原 悠 松原 崇
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.1F5GS1001, 2022 (Released:2022-07-11)

生成モデルによる異常検知は,正常画像のみで学習したモデルで,入力画像と再構成画像の差異により異常画像であるかどうかを判断する方法が一般的である.しかし,既存の生成モデルでは再構成画像が不鮮明であったり,元の画像から回転するなどの問題がありパッチベースのモデルや潜在変数空間を使用したモデルに比べて異常検知の性能が劣っている.工業用製品における欠陥品の検出など現実世界の異常検知では,検出対象の物体の向きが同一でないことや,再構成画像が不鮮明なことによる微小な傷の見逃しにより,既存の生成モデルでは異常の検出に失敗することがある. そこで,我々は鮮明な再構成が可能であるDenoising Diffusion Probabilistic Models(DDPM)をベースのモデルとして,異常検知で拡散過程を使用しない方法により,画像データの回転に対して頑健な異常検知を可能にした.本研究では工業用製品のデータセットであるMVTeC ADを使用しモデルの評価を行い,既存の生成モデルによる性能を大幅に上回る0.92のAUROCを達成した.
著者
松原 仁 佐藤 理史 赤石 美奈 角 薫 迎山 和司 中島 秀之 瀬名 秀明 村井 源 大塚 裕子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第27回全国大会(2013)
巻号頁・発行日
pp.2D11, 2013 (Released:2018-07-30)

人工知能の新しいグランドチャレンジとしてコンピュータに星新一のようなショートショートを創作させるプロジェクトを開始した。知性を理性と感性とに分けるとこれまでの人工知能はもっぱら理性を対象としていたが、ある程度理性はコンピュータに扱えるようになってきた。芸術作品の創作ができればコンピュータにも感性が扱えると示せたことになると考える。ここでは本プロジェクトの概要について述べる。
著者
野口 克洋
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.3L3OS22a02, 2019 (Released:2019-06-01)

本研究では、神話学者ジョセフ・キャンベルのヒーローズ・ジャーニーとして知られる単一神話論に基づく物語創作を、計算機上で再現する手法を提案する。物語中での任意の地点におけるイベントの作用や強度を、三角関数を用いて数理的に求めた。単一神話論における物語の類型の一部について表出を確認し、提案手法の有効性の検討を行った。
著者
井上 昂治 Lala Divesh 河原 達也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会 93回 (2021/11) (ISSN:09185682)
巻号頁・発行日
pp.155-160, 2021-11-20 (Released:2021-11-20)

音声対話システムがユーザとの関係性を構築・維持するためには、ユーザに対して共感を示すことが重要である。共感を示すためのふるまいとして笑いに着目するが、適切なタイミングで適切な笑いを生成することは高度な対話理解を要する。そこで、本研究ではユーザが先行して笑った場面に限定し、そこでシステムも笑う「共有笑い」の生成に取り組む。提案システムは、(1)ユーザの笑いの検出、(2)システムによる共有笑いの有無の予測、(3)システムの笑いの種類の選択、これら3つのモジュールで構成される。各モジュールの入力は先行するユーザ発話の音響特徴である。著者らが収録したお見合い対話データを用いて各モジュールのモデルを学習した。特に、(2)共有笑いの有無の予測では、ベースライン(ランダム)よりも高い精度で予測できることを確認した。
著者
赤石 美奈
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.428-438, 2006 (Released:2006-06-27)
参考文献数
20
被引用文献数
5 11 5

This paper proposes a framework to access information based on a narrative structure of documents. This framework consists of two processes. The one is to decompose existing documents into smaller units. The other process is combining unit components into a new story taking on a new meaning based on a context. In this paper, a narrative structure for documents is modeled as follows. A story corresponding to a document is regarded as a sequence of scenes. A scene is a chunk of sentences. A sentence is mapped into a set of terms in the sentence. Decomposition process gives two mechanisms to decompose a story into scenes. Composition process shows four patterns to connect scenes. Both techniques to decompose/compose a story are based on the notions of term dependency and term attractiveness. This paper also showes visualization tools to express the narrative structure for documents. Word Colony overviews content of a story as a directed graph representing the relation among term dependency. Topic Sequence is also directed graph to show the sequence of scenes along a story plot. The basis of these visualization techniques is the notions of term dependency and term attractiveness. They show the variety of understandings of the same documents.
著者
笹原 和俊 Giovanni Luca Ciampaglia Alessandro Flammini Filippo Menczer
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回 (2017)
巻号頁・発行日
pp.4N1OS01a1, 2017 (Released:2018-07-30)

多様な情報と人々を結びつけるはずのソーシャルメディアがむしろ社会的分離と情報同質化を助長するエコーチェンバーの問題が近年深刻化している. 本研究では, ソーシャルメディアを模した情報伝搬と社会的接続のメカニズムを導入した意見形成モデルのシミュレーションを行った. その結果, アンフォローによる社会的切断がエコーチェンバー化を駆動すること,フォローの仕方によってダイアドの形成が異なることがわかった.
著者
戸次 大介
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第23回全国大会(2009)
巻号頁・発行日
pp.3M1OS16, 2009 (Released:2018-07-30)

90年代初頭に登場した動的論理は、古典論理の意味論を差し替えることによって、文脈に依存した現象を構成的意味計算に落とし込むことに成功した。しかし同時に、古典論理を支えていた証明論との良好な関係(健全性・完全性)を失うこととなった。本発表では、型付きラムダ計算から構成できる動的論理を提示し、この問題への解決法を示す。同時に、この動的論理が自然言語の意味論における幾つかのパズルを解消することを述べる。