著者
鈴木 健一
出版者
学校法人 敬心学園 職業教育研究開発センター
雑誌
敬心・研究ジャーナル (ISSN:24326240)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.115-127, 2021 (Released:2022-01-13)
参考文献数
53

人々の心のケアを担う心理臨床家は、人々と同様に様々なストレスにさらされている。特に「二次的外傷性ストレス」は大きなリスクであり、十分注意を払わねばならない。しかし、そのリスクについてはあまり周知されていないばかりか、心理臨床家としてのあるべき姿によって、自らの心身を保つセルフケアが重視されていないことが懸念される。本稿はこのような心理臨床家の負担となっている疲労やストレス、それらに対して有用な方法に関する文献を概観する。そして、臨床上のストレス、臨床家としての研鑽活動、それらが私生活に与える影響によって負担となることについて考察する。心理臨床家の間で経験的におこなわれてきた「仲間に話す」ということが孤立を防ぐという観点でも有効なセルフケアとして機能していると考えられる。
著者
鈴木 健二 古家 靖士 若松 俊輝
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.17, no.36, pp.739-744, 2011-02-20 (Released:2011-06-20)
参考文献数
14

The purpose of this paper is to report the survey of the department store in a local city implementing extension and reconstruction for increasing in floor area and improvement in function. Some results show as follows : (1)There is much room to extend upward, because the building was built as low-layer-building. So extensions were done not only to horizontal direction but also vertical direction. (2)While existing buildings were used as the department-store, changes of usage made differences of floor-height and floor-level in the building. (3)Although air-conditioning-systems were changed in 1970-1990s to keep up with the revisions of law, increasing in floor area and improvement of equipments are consisted by some means or other.
著者
鈴木 健斗 福井 隆雄
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第17回大会
巻号頁・発行日
pp.4, 2019 (Released:2019-10-28)

本研究では、「物理的な刺激がないにも関わらず触覚を経験する」現象である擬似触覚(pseudo-haptics)に着目し、VR空間上でも生成可能か検討し、擬似触覚の主観的評価値と個人特性(この場合、自閉症スペクトラム指数)との関連についても調べた。実験では、ヘッドマウントディスプレイを装着し、右手を台の上に置き、VR空間内に提示されるモデルの手腕に自分の手腕を重ねる姿勢をとり、モデルの手腕が触れている白いチューブ上を左から右へと手腕に向かって流れてくる灰色の円筒がモデルの手腕に触れる瞬間に、当初の速度(5.7deg/秒)から0.1~0.9倍に減速する、あるいは速度変化がない条件を設定した。その結果、減速の割合が大きいほど、実験参加者は強い擬似触覚を経験した。さらに、自閉傾向が高いほど擬似触覚を経験する可能性が示唆された。
著者
西田 惇 松田 壮一郎 大木 美加 高鳥 光 佐藤 綱祐 鈴木 健嗣
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.149-158, 2018 (Released:2018-09-30)
参考文献数
23

We have been developing a set of wearable devices for providing an egocentric child experience to the wearer, named CHILDHOOD. The system is composed of two wearable devices: 1) a visual translator for mapping the wearer's eyesight level onto his/her waist position by using a head-mounted display and a wearable camera module, and 2) a pair of passive hand exoskeletons for miniaturizing hand gestures by using motion conversion mechanisms. In this paper, we revised the configuration of the visual translator to improve the usability, and implemented a new passive mechanism of the hand exoskeleton for achieving natural grabbing motion. We conducted a field study at a nursing school for evaluating how the visual system modulates the perception of interpersonal distance, and also performed a lab study to observe the changes in a user's hand function while using the exoskeleton with a peg test environment.
著者
鈴木 健治 髙橋 啓治 芳賀 みのり 久保田 美央
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.266-272, 2020-05-01 (Released:2020-05-01)

優れた知的資産を持つ日本企業が,世界に新たな市場を創り出すイノベーションを起こすために,何ができるだろうか。本研究では,イノベーションを持続的に生み出す海外企業の市場情報と同社の知的財産の因果関係が分析的に調べられた。その結果,まず,市場シェアに知財情報を関連づけて,5つの図に描く市場情報駆動型の新しい分析方法が確立された。この5つの図は,企業の市場シェア構築への知的財産の影響を明確にするため,経営デザインシート作成の補助ツールとしても有用である。続いて,この市場情報駆動型の分析方法により,日本企業がイノベーティブな組織に変わるための6つの質問が提案された。
著者
鈴木 健
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

伝播投資貨幣(Propagational Investment Currency SYstem:PICSY)は、価値が伝播する貨幣システムである。売り手は現物出資の投資家となるため、すべてが投資の貨幣といってもよい。取引関係の行列から固有ベクトルを求め、その値を個々人が社会に与えた貢献度と解釈し、購買力を与える。Google PageRankの貨幣版ともいえるこのモデルについて紹介する。
著者
古川 聡 鈴木 豪 緒方 克彦 大島 博 村井 正 村上 敬司 鈴木 健之 阿部 高志 佐藤 勝
出版者
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2015-06-29

本研究では、同意を得た被験者(一度に8人)に2週間、JAXAの閉鎖環境適応訓練設備内に居住してもらい、閉鎖環境に加え密なスケジュールでの模擬科学実験などの負荷を宇宙飛行想定で加え、それらの前中後における唾液や血液サンプルの変化を調べ、閉鎖ストレスによるダメージを客観的に評価できる新規ストレスマーカーを探索した。閉鎖設備実験モデルに特徴的な血中遺伝子発現パターンの変化を明らかにし、また閉鎖滞在に伴うストレスを身体活動量低下とそれ以外の要因による影響に分けて評価することを可能にするストレスマーカー遺伝子候補を絞り込むことができた。
著者
アスィエ サベル・モガッダム 鈴木 健司
出版者
文教大学
雑誌
言語と文化 = Language and Culture (ISSN:09147977)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.49-59, 2018-03-16

The translation of Kenji Miyazawa tales which will be published soon in Iran, is the first translation of Kenji's fairy tales in Persian. Due to the differences in grammar and writing between Japanese and Persian, the author has tried to address some of the challenges which are on the way to a good translation of the works of Kenji Miyazawa in Persian language. Among the cases that have been investigated, one can refer to "Comparing the subject in Japanese and Persian sentences, The use of written and spoken language, Onomatopoeia and the local dialect of the Iwate province", which has been frequently used in Kanji's works.
著者
鈴木 健
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第23回 (2009)
巻号頁・発行日
pp.3E3NFC210, 2009 (Released:2018-07-30)

伝播投資貨幣(Propagational Investment Currency SYstem:PICSY)は、価値が伝播する貨幣システムである。売り手は現物出資の投資家となるため、すべてが投資の貨幣といってもよい。取引関係の行列から固有ベクトルを求め、その値を個々人が社会に与えた貢献度と解釈し、購買力を与える。Google PageRankの貨幣版ともいえるこのモデルについて紹介する。
著者
舛石 俊樹 酒井 義法 細谷 明徳 鈴木 健一 伊藤 剛 鎌田 和明 水谷 佐和子 村野 竜朗 相馬 友子 永山 和宜 草野 史彦 田沢 潤一 鈴木 恵子
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.461-467, 2011 (Released:2011-08-18)
参考文献数
20

症例は23歳女性.38℃台の発熱・倦怠感・嘔気・関節痛が出現したため,当院救急外来を受診した.インフルエンザ迅速診断キットでインフルエンザA型陽性のためインフルエンザウイルス感染症と診断された.また,血液検査ではトランスアミナーゼの著明な上昇とPTの低下を認め,急性肝炎重症型の診断で当科に緊急入院した.与芝らの劇症化予知式により劇症化の可能性があると判断し,劇症肝炎に準じて血漿交換療法・ステロイドパルス療法を施行した.第2病日よりトランスアミナーゼ・PTの改善を認め,第12病日退院した.肝障害の成因として薬物性肝障害の可能性は否定できなかったが,臨床経過からは新型インフルエンザ(以下A/H1N1 pdm,PCR法で診断)感染が成因である可能性も否定できなかった.A/H1N1 pdm感染による高サイトカイン血症を契機に急性肝炎重症型を発症したと考えられる1例を報告する.
著者
西川 泰正 大畑 光彦 鈴木 健二 小川 彰 小笠原 邦昭
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.9, pp.773-776, 2016 (Released:2016-09-25)
参考文献数
14

神経線維腫症1型 (NF-1) は多発性に神経線維腫や神経鞘腫を合併することがあり, しばしば難治性の神経痛の原因になる. 従来の脊髄刺激療法 (spinal cord stimulation : SCS) は術後に全身MRIが禁忌であるがゆえに, 腫瘍由来の神経痛は適応外とされてきたため有効性は検討されていない. 今回われわれはNF-1に合併した両下肢の疼痛を主訴とする多発性腰椎神経根腫瘍症例に対し全身MRI対応の新型SCSデバイスを用い良好な除痛効果を得た. SCSは脊髄神経根腫瘍に起因した根性痛に対しても有効であり, 新型デバイスの登場はMRIが撮像できないことで埋め込みを躊躇していた症例にとって朗報である.
著者
鈴木 健司
出版者
文教大学
雑誌
文学部紀要 (ISSN:09145729)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.172-145, 2013-03-15

「宮沢賢治文学における地学的想像力」というテーマのもと、「文学部紀要」を中心に十一本ほどの論文を継続的に書き、単行本『宮沢賢治文学における地学的想像力―〈心象〉と〈現実〉の谷をわたる―』(蒼丘書林、二〇一一年)として上梓した。しかしその後、新たに書き足したいテーマがあらわれ、調査、研究を続けてきた。それがまとまったので、「補遺二題」として発表することにした。第一章は、〈種山ヶ原〉に関し、賢治の岩石認識に異なりがあることを明らかにした上で、それが、〈種山ヶ原〉の体験時期の異なりや、その体験で受けたイメージと深い関連があることを指摘し、そのことが賢治文学の想像力の展開を考える切り口になるのではないか、という主旨である。第二章は、賢治テクストにあっても実在しない〈鬼越山〉を取り上げ、これまで、〈鬼古里山〉を想定していた先行研究に対し、〈燧堀山〉こそが〈鬼越山〉に当たるのではないか、という新見解を提示し、立証する。