著者
浅場 健太郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回 (2019) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.4Rin124, 2019 (Released:2019-06-01)

本論文では、仮想通貨のホワイトペーパーの内容から、その仮想通貨が「詐欺仮想通貨」であるかを予測するモデルを作成する。これまで2400以上の仮想通貨が発行され、中ではICO(initial coin offering)から100倍以上の収益をもたらす通過が存在するなど、仮想通貨は新しい金融商品として注目を集めている。しかし、投資を受けることだけを目的にした、実用性のない「詐欺仮想通貨」も数多く発行されており、これを見分け、分類することは投資判断において非常に重要である。本稿による分析では、Doc2VecとRandom Forestを組み合わせた分類モデルにより、90%の精度で「詐欺仮想通貨」を検知することに成功し、ホワイトペーパーの内容から有意な分類が可能であることが示された。
著者
藤田 真浩 長尾 貴正 石川 翔吾 竹林 洋一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第26回全国大会(2012)
巻号頁・発行日
pp.2L1R121, 2012 (Released:2018-07-30)

人間の思考を説明する際には、意識、感情、意図といった抽象的なスーツケースワードを用いることが多い。しかし、それらが何であるかを表現することは困難であり、学生にとってはなおさらである。そこで、筆者らはEmotion Machineの内容を図として可視化することによって、抽象的な言葉の理解と共有を図った。本発表では、筆者らが可視化させるまでのプロセスを紹介すると共に、その効果の検討を行う。
著者
水田 孝信
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.FIN-025, pp.82, 2020-10-10 (Released:2022-11-11)

人工知能が相場操縦を行った場合の責任の所在が議論されている.そこで本研究では,遺伝的アルゴリズムを用いた人工知能が人工市場シミュレーションを用いて学習するモデルを構築し,人工知能の作成者が相場操縦という取引戦略を全く意図していなかったにも関わらず,人工知能が学習を通じて相場操縦という取引戦略を発見するのか調べた.その結果,人工知能は相場操縦に他ならない取引を最適な取引として見つけ出した.この結果は,株式取引を行う人工知能の作成者には,人工知能が相場操縦を行わないようにする義務を負わせるなどの規制の必要性を示唆している.
著者
布川 絢子 矢入 郁子 山川 宏
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.AGI-015, pp.06, 2020-08-29 (Released:2021-09-16)

One of the objects of consciousness research is the attention, which has the property of inhibitingirrelevant information and emphasizing the processing of relevant information. It has been proposed thatclaustrum (CLA) determines which information to direct selective attention to in a top-down manner. Amodel in which the CLA regulates attentional selection from higher-order regions to sensory regions wasproposed. The CLA-mediated neuronal connections can be assumed to be a counter stream structure, butreciprocal connections between the CLA and cortical and higher order regions have been identified. In thispaper, we discuss the mechanism of attentional selection
著者
平野 晋
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.188-195, 2019-03-01 (Released:2020-09-29)
著者
中田 喜之 大澤 幸生 吉野 貴晶 杉江 利章 夷藤 翔 西川 遥輔 小島 湧太
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.FIN-029, pp.54-60, 2022-10-08 (Released:2022-10-01)

株式市場においては、価格変動の説明要因となるファクター等の属性を基に投資を行う投資家が多い。このため、市場の先行きに対する投資家の心理が、これらの属性を持つ銘柄物色に反映される可能性がある。本研究では、株式市場における銘柄物色の変化から株式インデックスのトレンドの変化点を検知する手法について検証した。株価推移の類似性が高い銘柄同士を結合して作成したグラフに対して、Graph Based Entropy の手法を適用することで、属性ごとの銘柄の物色変化と、株式インデックスのトレンドの関係性について、検証した。TOPIX 500、S&P500、STOXX® Europe 600 の 3 つの株式インデックスに対して検証を行った結果、株式インデックスのトレンドの変化点において、 それぞれ共通して、Graph Based Entropy が特徴的な変化をすることがわかった。
著者
林 勝悟 谷本 啓 鹿島 久嗣
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.B-K33_1-9, 2020-09-01 (Released:2020-09-01)
参考文献数
26

The recent rapid and significant increase of big data in our society has led to major impacts of machine learningand data mining technologies in various fields ranging from marketing to science. On the other hand, there still existareas where only small-sized data are available for various reasons, for example, high data acquisition costs or therarity of targets events. Machine learning tasks using such small data are usually difficult because of the lack ofinformation available for training accurate prediction models. In particular, for long-term time-series prediction, thedata size tends to be small because of the unavailability of the data between input and output times in training. Suchlimitations on the size of time-series data further make long-term prediction tasks quite difficult; in addition, thedifficulty that the far future is more uncertain than the near future.In this paper, we propose a novel method for long-term prediction of small time-series data designed in theframework of generalized distillation. The key idea of the proposed method is to utilize the middle-time data betweenthe input and output times as “privileged information,” which is available only in the training phase and not in thetest phase. We demonstrate the effectiveness of the proposed method on both synthetic data and real-world data. Theexperimental results show the proposed method performs well, particularly when the task is difficult and has highinput dimensions.
著者
市川 佳彦 酒本 隆太
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.2L5GS1303, 2020 (Released:2020-06-19)

本研究ではビットコインのDifficultyと価格の関係を分析する。ビットコインはProof of Work(POW)というコンセンサスアルゴリズムを採用して、ネットワーク全体の信用が担保される仕組みとなっている。そしてその仕組みを維持するためマイニングを行うマイナーに報酬を設定している。この報酬はマイニングの難易度を示すDifficultyに依存し、マイナーが増えたり、マイニングの技術革新が起きるとDifficultyは上昇する。中長期的にはビットコインの価格とDifficultyは正の相関関係があるといわれているが、短期的な関係についての分析は行われていない。この関係を明らかにするために、本研究では2010年~2019年のデータを用いてビットコインの価格、Difficulty、ビットコインの取引高、他の金融資産の価格の相互依存関係をモデル化し、統計的な分析を行った。分析の結果、ビットコインのDifficultyの変化はビットコイン価格に大きな影響を与えることが分かった。一方、他の金融資産の価格がビットコイン価格に与える影響は見られなかった。
著者
藤井 樹 伊藤 靖展 鍋島 英知
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.A-I91_1-16, 2019-05-01 (Released:2019-05-01)
参考文献数
14

We consider the laboratory assignment problem in which laboratories have minimum and maximum quotas. MSDA proposed by Fragiadakis, et al., is an efficient algorithm to solve the laboratory assignment problem, but it is incomplete to find a fair assignment. In this paper, we show three extensions of the laboratory assignment problem and translations from the extensions to constraint optimization problems. The first extension enables a completeness to find a fair assignment if it exists, but loses strategy-proofness. The original and first extended laboratory assignment problem may have no fair assignment. This is caused by redundant claims of an empty seat. The second extension based on the first one ensures that the laboratory assignment problem has at least one fair assignment by making a claim of an empty seat stricter. The third extension introduces tied ranks to students' preferences over laboratories, for example, students can specify multiple laboratories as their first choice. This extension gives the Žexibility to specify students' preferences and makes it possible to find more desirable assignments. The experimental results show that our approaches requires more computational time compared with MSDA, but can always find a fair assignment and a more desirable one.
著者
高山 周太郎 大澤 博隆
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回 (2019)
巻号頁・発行日
pp.3F3OS14a01, 2019 (Released:2019-06-01)

人狼ゲームを対象とした研究は人間との高度なコミュニケーションをとるエージェントの実現などへの応用が期待できる。しかし、人狼ゲームを対象とした非言語コミュニケーションの分析はこれまでほとんどされてこなかった。本研究では、人狼ゲームをプレイする人間のジェスチャーとゲーム結果との関連性を調査する。ジェスチャーに関するいくつかの指標を設け、それを定式化することで、ゲーム中に見られるジェスチャーの定量的評価を試みた。これらの指標のいくつかで、人狼ゲーム中でのプレイヤーの役割が測定出来ることがわかった。例えば、ゲームの勝敗には占い師と狂人がそれぞれどの程度リーダーシップを取っているかに影響を受け、それをプレイヤーの両腕の開き具合で測ることが出来る。
著者
グプタ ビィシュウ 中村 亮裕 福田 治輝 綱川 隆司 狩野 芳伸 西田 昌史 西村 雅史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回 (2018)
巻号頁・発行日
pp.4Pin125, 2018 (Released:2018-07-30)

ニューラル機械翻訳モデルでは扱える語彙サイズに制約があり、この課題に対処する方法としてサブワード単位、文字単位、あるいはバイト単位で処理する方法が提案されている。一方、日本語においては文字単位に分割しても漢字のバリエーションが多いために語彙サイズは比較的大きくなる。本研究では日本語テキストに対して漢字分解を適用することで語彙サイズの低減と漢字情報の維持を両立させることを目指すニューラル機械翻訳手法を提案し、評価実験を行った。
著者
植田 康孝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回 (2017)
巻号頁・発行日
pp.4C11, 2017 (Released:2018-07-30)

人工知能の進化により私たちの価値観や生き方が変わる。日本人は勤勉を尊ぶ価値観を根付かせて来たが、アニメ「おそ松さん」は6人兄弟が遊んで暮らす脱労働化生活を送る。「おそ松さん」的ライフスタイルとは、政府がベーシック・インカムを支給して物質的欲望を満たした場合、文化、芸術、旅行など「コト」についての関心を増やすことである。賃金が支払われるだけの労働を行う生き方に代わり、個性を大切にする生き方となる。

3 0 0 0 OA ゴリラテスト

著者
ガンバト ニャムフー 濱田 直希 山崎 大地 下斗米 貴之 高田 敦史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2P6GS1003, 2022 (Released:2022-07-11)

モバイルゲームは世界中の人々が多種多様な端末でプレイするため、さまざまな条件下での動作テストが必要になる。2週間という短いリリースサイクルのために、ゲーム本体が変更されてもテストコードを変更せずにすむような自動テストツールが望まれている。KLab株式会社では、モバイルゲームのユーザーインターフェース(UI)を画面から検出してゲームを自動的にプレイするブラックボックステストツール『ゴリラテスト』の研究開発を進めている。本発表では、ゴリラテストの機能であるUI検出、UI操作、シーン認識、性能モニタリング、シーン遷移時間計測などについて紹介する。実際のモバイルゲームにてゴリラテストを実行し、UI検出やシーン認識の所要時間とUI操作の成功率を示す。
著者
吉信 真之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.3D3OS4a02, 2019 (Released:2019-06-01)

人間の知能の基礎的事項について検討する。知能の構造・原理を理解する為、定義を尋ねる「知能とは何か」という問いを「知能のことを知能というのはどうしてか」という問いに置き換え、これに答えることを試みる。この問いに答えるため、構造、物理的背景、生成過程の副問題に分解、概観し、「複雑系の中で特に複雑になった階層に、ある領域としての人間がまたもう一方の領域を『知能』と見做している構造がある状態」という仮説を提案する。