著者
松田 時彦
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.63, no.746, pp.619-635, 1957-11-25 (Released:2008-04-11)
参考文献数
29
被引用文献数
1
著者
高木 秀雄 鈴木 宏芳 高橋 雅紀 濱本 拓志 林 広樹
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.112, no.1, pp.53-64, 2006 (Released:2006-05-01)
参考文献数
49
被引用文献数
7 3

埼玉県岩槻市で1971年に防災科学技術センターによって掘削されたボーリングコアの最深部(3,505.0~3,510.5 m)およびその上部(2,943~3,327 m)の基盤岩類について,岩石記載と鉱物のEPMA分析ならびに放射年代測定を実施した.その結果,最深部基盤岩類は主にざくろ石トーナル岩質および緑簾石角閃岩質マイロナイトから構成され,そのざくろ石,角閃石,斜長石の化学組成と角閃石年代(70~83 Ma)から,領家帯に属するものと結論された.また,その上部は石英斑岩からなり,その黒雲母年代(17.7 Ma)から西南日本中央構造線に沿った瀬戸内火山岩類よりも古い値をとることが明らかになった.最深部の再結晶石英粒径に基づくマイロナイト化の程度区分と,基盤岩類全体のカタクレーサイト化から,関東平野の中央構造線は岩槻コアの基盤岩の深度位置から南側500 m以内にあることが推定された.
著者
菅森 義晃 石渡 明
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.121, no.11, pp.391-401, 2015-11-15 (Released:2016-02-27)
参考文献数
56
被引用文献数
4

兵庫県川西市に分布する超丹波帯猪名川コンプレックスから蛇紋岩礫を多く含む礫岩を発見した.この礫岩の礫種は珪長質火山岩類,蛇紋岩,片岩を主体とし,花崗岩,玄武岩,チャートや泥岩などの堆積岩が伴われるため,礫岩の供給源は付加複合体や堆積岩,変成岩,花崗岩などの基盤岩が露出し,その上を火山岩類が覆う島弧または陸弧であると想定される.蛇紋岩礫中のクロムスピネルの形状は,大江山オフィオライトのかんらん岩に特徴的ないわゆる「踊るスピネル」であり,クロムスピネルの化学組成(Cr#50-51およびCr#42)も大江山オフィオライトのものに類似する.そのため,これらの蛇紋岩礫は大江山オフィオライトを起源とすることが考えられる.猪名川コンプレックスの砕屑岩はペルム紀新世の“舞鶴(夜久野)島弧”前縁の海溝で形成されたとみなされ,今回の発見は古生代前期の大江山オフィオライトがペルム紀新世にこの島弧の前弧域に露出していたことを示唆する.
著者
片岡 香子 長橋 良隆
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.3, pp.139-156, 2012-03-15 (Released:2012-08-03)
参考文献数
84
被引用文献数
3 2 3

本研究は,鮮新・更新統第二瀬戸内累層群(大阪層群・古琵琶湖層群・東海層群)の非海成層中の22テフラ層準における層相の再検討を行い,降下テフラ部と再堆積部の側方への層厚変化から,大阪・古琵琶湖・東海の3つの堆積盆への火山砕屑物流入経路を考慮し,供給源となる火山地域の推定を行った.多くのテフラ層は,厚層の再堆積部を持っていることから,テフラの空中飛来だけでなく,河川系を通じた運搬・堆積がテフラ層の形成に重要であることが明らかとなった.検討したテフラ層では,堆積盆近傍の火砕流堆積物の再堆積に由来するテフラ層15層準,九州南部や東北などの遠方の給源からの降下テフラ層5層準,を判断した.テフラ層形成の背後にある噴出源の位置や噴火様式,古地理(古水系)をより理解するためにも,降下テフラだけでなく,水流作用により堆積した再堆積部に着目することが重要である.
著者
杉山 敏郎 岡野 寛
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.48, no.574, pp.357-361, 1941-07-20 (Released:2008-04-11)
被引用文献数
2 1

本邦には三葉蟲類の尾部が北上及び阿武隈兩山地の二疊紀から夫々知られ, 大體廣義のPhilipsiaに同定せられてゐた。最近此外に石炭紀・泥盆紀及びゴトランド紀層からも夫々發見せらるるに至つた。本報告では北上の中里統から産出したPhacopsの尾部の記載をした。この標本は狹義のPhacopsに同定され, 殊にP., latifronsに酷似する諸性質を帶びてゐる。この泥盆紀産の三葉蟲の報告は本邦では初めてである。
著者
君波 和雄 木下 生一 今岡 照喜
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.115, no.11, pp.578-596, 2009 (Released:2010-05-29)
参考文献数
116
被引用文献数
5 6

九州東部の南部秩父帯~四万十帯北縁部および山口県東部の丹波帯(玖珂層群)の砂岩について,火山岩岩片量や全岩化学組成を検討した.Zr/Nb-Ti/Nbダイアグラムから,ジュラ紀付加体砂岩は,高Ti型と高Zr型に区分できる.高Ti型の砂岩は,SiO2に乏しく,火山岩岩片やTiO2,MgO,Na2O,Vに富み,おもに火成弧から供給されたと推定される.高Zr型の砂岩は,SiO2に富み,火山岩岩片やTiO2,MgO,Na2O,Vに乏しく,おもに花崗岩類や大陸基盤から供給されたと推定される.ジュラ紀中世のある時期に高Ti型の砂岩から高Zr型の砂岩に変化した.供給源におけるこの変化は,大きな海台の沈み込みに起因するスラブの低角化とフラット・スラブの形成によって説明される.
著者
角田 史雄
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.108, no.8, pp.483-498, 2002-08-15 (Released:2008-04-11)
参考文献数
74
被引用文献数
1 1

伊豆半島とフォッサマグナ地域の境界部に位置する足柄地域の変形を広域の水平圧縮応力場での構造形成とする見解がよく知られている.しかし,足柄層群全体を変形させている足柄背斜の一般走行は,隣接する丹沢や箱根の変形構造のそれとは,形成時期も形成場も異なっている.また,足柄背斜を切って発達するより小規模な撓曲帯,背斜の西翼の小規模な褶曲,急傾斜帯などは,足柄地域が深成-火山活動の作用をうけつつ隆起していく過程で形成されている.以上のことから,足柄地域の褶曲を中心とする変形構造は,広域的で一様な古応力場のもとでの変形構造の一部ではなく,プリュームあるいはストック状のマグマの貫入やそれに起因する地塊の隆起という局地的な応力場によって形成されたものである.
著者
小坂 共栄 角田 史雄
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.127-140, 1969-03-25 (Released:2008-04-11)
参考文献数
15
被引用文献数
4 5
著者
岩淵 洋 向山 建二郎
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.112, no.8, pp.531-534, 2006 (Released:2006-12-02)
参考文献数
15
被引用文献数
2 1

Elongated trough-like depressions were discovered on the shelf break, southwest off the Kyushu. Each depression is 200−250 meters in width, hundreds meters to 2 kilometers in length and 10−20 meters in relative depth. The depressions are discontinuously aligned for 18 kilometers parallel to the strike of the shelf slope. The shelf and upper shelf slope consist of a deposit of the Pleistocene Ito pyroclastic flow in origin. The distribution of the depressions and geological information indicate that the depressions are not any of erosional features by tidal currents or gravitational flows, but “crown crack”, which is a kind of tensional cracks on the top of a submarine slide body during the initial stage of sliding.
著者
須貝 俊彦 粟田 泰夫 安間 了 坂 幸恭
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.105, no.3, pp.V-VI, 1999 (Released:2010-11-26)
参考文献数
2
被引用文献数
2