著者
宮寺 晃夫
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.144-155, 2012

義務教育段階から、子どもの教育機会を個人で取得する傾向が強まるなかで、教育機会の実質的な平等を確保するのが難しくなってきた。個人化の時代に、「校区の学校」を統合学校として維持していくには、平等性の価値を自己正当化するのではなく、「自由な教育」に対する「平等な教育」を正当化する議論が必要である。本論は、「正義」の原理の含意を検討し、統合学校の維持に不可欠な親の双務性の承認を求めていく。
著者
樋口 大夢
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.262-272, 2023 (Released:2023-09-02)
参考文献数
27

本稿では、「人間は生まれてこないほうが良い」と主張する反出生主義に関するいくつかの議論の観点から教育(学)について検討を行った。反出生主義を前提とするとき、新たに生まれてくる存在に対する教育(学)からの応答は極めて重要となる。反出生主義に応答する教育(学)は、教育(学)のすべてが肯定あるいは否定される訳ではないということに自覚的でありつつ、思考することが求められるのである。こうした教育(学)の一端は、ハンナ・アレントの論じる「準備」としての教育にみることができるかもしれない。
著者
箕浦 康子
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.213-221, 1994-09-30 (Released:2009-01-13)
参考文献数
12
被引用文献数
1
著者
杉村 美紀
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.524-536, 2019 (Released:2020-06-12)
被引用文献数
1

日本型教育の海外展開推進事業(EDU-Portニッポン)では、日本型教育モデルの輸出だけではなく、日本の教育経験の伝播と共有、そして協働というプロセスが重要である。そこでは、相手側のもつ社会的文脈やニーズ、文化の違いを、何をどう比較するか、何のために比較するかという比較教育研究の視点を持ちながら把握し、日本型教育モデルを柔軟に再構築することで、国際公益を生む国際公共財のモデルとすることが期待される。