著者
Kasaya Mitsuo Hihara Tadamiki Koi Yoshitaka
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
Journal of the Physical Society of Japan (ISSN:00319015)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.63-67, 1973
被引用文献数
22

Measurements of hyperfine field and quadrupole coupling of Co<SUP>59</SUP> have been made on the intermetallic compound Co<SUB>2</SUB>B. A large anisotropy in the hyperfine field is observed. The hyperfine fields along the local orthorhombic axes (<I>x</I>, <I>y</I>, and <I>z</I>) of the Co sites are &minus;53.7 kOe, &minus;83.1 kOe, and &minus;123.6 kOe, respectively, where the <I>z</I> axis is the two-fold axis which lies along the tetragonal &lang;110&rang; direction. The electric field gradients, |<I>q<SUB>xx</SUB></I>|, |<I>q<SUB>yy</SUB></I>|, and |<I>q<SUB>zz</SUB></I>|, are 1.43&times;10<SUP>24</SUP> cm<SUP>&minus;3</SUP>, 0.08&times;10<SUP>24</SUP> cm<SUP>&minus;3</SUP>, and 1.47&times;10<SUP>24</SUP> cm<SUP>&minus;3</SUP>, respectively. The charge distribution compatible with the observed electric field gradients suggests that the electronic states near the top of the band have a character of &psi;=&alpha;(3<I>z</I><SUP>2</SUP>&minus;<I>r</I><SUP>2</SUP>)+&beta;(<I>x</I><SUP>2</SUP>&minus;<I>y</I><SUP>2</SUP>).
著者
田中 孝明 内山 泰伸
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.67, no.8, pp.556-560, 2012-08-05 (Released:2019-10-18)
参考文献数
18

フェルミ宇宙ガンマ線望遠鏡搭載のLarge Area Telescope (LAT)によるガンマ線観測は,パルサーのガンマ線放射機構超新星残骸における宇宙線加速,そしてダークマターの探索など多岐にわたる科学トピックについて新たな知見をもたらしている.LATによる最近の科学的成果のうち,特に高エネルギー宇宙物理のコミュニティを驚かせたものは,かに星雲と呼ばれるパルサー星雲で観測されたガンマ線フレアである.特に2011年4月に発生したフレアでは,ガンマ線強度が数時間という非常に短い時間スケールで1桁以上も増加した.この観測結果は,既成の粒子加速機構およびガンマ線放射機構では説明が困難であり,宇宙物理における新たな課題となっている.
著者
松田 博嗣
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.66, no.9, pp.691-694, 2011-09-05 (Released:2019-10-22)

1961年,基礎物理学研究所の長期研究会として,Dynamical Problems in Statistical Physicsが取り上げられ,それに付随する短期研究会として,不完全結晶の格子振動,振動子系の力学過程が4年間各地で開かれた.戸田先生は終始この研究会の指導的役割を果たされ,参加者も研究方向に対する意見を自由に述べあい,格子振動グループと呼ばれるようになった.当時の雰囲気や戸田格子の発見などこのグループがその後の統計力学や数学の諸分野に及ぼした影響について概観する.
著者
徳岡 辰雄
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.210-218, 1980-03-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
14

力学の公理化というHilbertの問題は着々と現実のものとなりつつある. 1957年のNollの研究に始まる有理連続体力学, および, 1963年のColemanとNollの研究に始まる有理連続体熱力学がそれである. この分野はアメリカを中心として世界各地で研究が進められている新分野であり, 日本においても高く評価されている領域である. しかし物理学の専攻者には比較的知られていないようである. ここでは, その公理系の概要について触れてみよう.