著者
福森 隆寛 吉元 直輝 中野 皓太 中山 雅人 西浦 敬信 山下 洋一
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.71, no.11, pp.590-598, 2015

近年急速に発展するディジタル技術を用いて日本の文化資源を保存・再現するディジタルアーカイブが注目視されており,これまでに有形文化財に対するディジタルアーカイブの研究が精力的に進められてきた。一方,無形文化財(特に歴史的文化財の音空間)のディジタルアーカイブの研究は,まだ創世期の段階で手がつけられておらず,日本の歴史的文化財の保存・伝承という観点から無形文化財のディジタルアーカイブは急務である。そこで本研究では日本無形文化財の一つである京都祇園祭に着目し,ActionScriptを用いて日本無形文化財の音場体験システムを開発した。はじめに日本無形文化財の京都祇園祭のディジタルアーカイブを目指して,京都祇園祭の山鉾巡行(約4kmにも及ぶ経路を山鉾が4〜5時間かけて巡行)の音響素片を収集した。そして,祇園祭の巡行経路を体験者が指定することで,その経路上のお囃子が体験できるインタラクティブWebシステムを開発した。
著者
松崎 寛
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.213-220, 2016-04-01 (Released:2017-07-01)
参考文献数
62
著者
千葉 拓郎 田井 秀一 上羽 貞行 小林 力
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.64, no.12, pp.702-708, 2008
参考文献数
18

我々は,矩形の圧電バイモルフ振動子を3角形に加工した3角形圧電バイモルフ振動子を使って,その先端に針を付けた振動型粘度計の開発してきた。これまでに約20〜400Hzの非共振帯の周波数を使って,バイモルフ入出力間の位相差から高い検出感度で広範囲の粘度測定を行ってきた。そこで,本実験では特に非ニュートン性の高粘度液体の測定において要望されている,更に低い1〜20Hzの超低周波領域での高粘度液体の測定を試みた。この超低周波領域では位相差が急上昇する特異な特性が現れて計測不能であったが,バイモルフの出力インピーダンスを改善することにより,これまでに類のない1Hzからの超低周波領域での粘度測定を可能とすることができた。
著者
大村 浩 中島 隆之
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.18-27, 1989-12-25 (Released:2017-06-02)

本論文では、一般に周波数特性を持つ反射係数と伝搬定数が声道パラメータとして与えられたときの声道伝達関数の計算法を、幾つかの子音調音に対応して示す。これにより、各種インピーダンス付加、分岐管接続、音源位置等が声道伝達特性、極零特性に及ぼす影響を計算することができる。また、声道パラメータ推定の立場から一般的声道伝達関数に若干の音響的条件を仮定し、反射係数、損失係数、音源位置をパラメータとする拘束付きARMAモデルを提案する。これによる子音声道形推定への応用についても簡単に述べる。
著者
長町 三生
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.49, no.9, pp.638-644, 1993
参考文献数
7
被引用文献数
10
著者
鶴 秀生
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.67, no.7, pp.296-301, 2011-07-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
7

数値解析手法の一つである差分法は,楽器が発生する音の解析に用いられようになってきた。今回,木琴の振動の時間的挙動を記述するために,1次元モデルであるTimoshenko梁理論や2次元モデルであるMindlin平板理論を,場所によって厚みが変化する形状に適用できるように拡張したものを用いて物理モデルを考えた。板や梁の振動を時間領域で数値計算を行う場合に用いる時間積分の安定性を確保するために,Implicitな積分法の適用を行った。1次元モデルと2次元モデルを用いた解析結果の比較を行い,両者に良好な一致が見られた。数値解析の結果,現実に近い音を再現する場合は,粘弾性や流体力学的な減衰項が大きく影響することが分かった。また,実測値に近い固有周波数特性を得るには,素材の異方性を考慮することが重要なことも分かった。
著者
難波 精一郎 桑野 園子 二階堂 誠也
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.199-210, 1982
被引用文献数
3

The effects of noise, distortion and band limitation on the tone quality of broadcasting sounds are investigated using the method of continuous judgment by category. The advantages of this method are that the long-term program can be used as stimulus as it is, and that subjects listen to the program without paying attention to any specific deteriorative conditions. Popular songs with conversation between an announcer and singers broadcasted by NHK FM are used as source program. The duration is about 23 minutes. Four kind of noise, three kinds of distortion and three kinds of band limitation are added on the program. Twenty subjects judge the instantaneous tone quality using eight categories. The effects of the deteriorative conditions are compared with one another in the same context. As a results, it is found that this method is appropriate to evaluate the tone quality of broadcasting sounds in a natural listening attitude. And it is confirmed by the experiment using this method that noise has the greatest effect on the tone quality, and that distortion also plays an important role in the estimation of the tone quality when either noise or band limitation is not added.
著者
南 泰浩
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.482-487, 2011-10-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
15
被引用文献数
2
著者
内田 照久
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.396-405, 2000
参考文献数
20
被引用文献数
18

話速変換音声に対する主観的なピッチ感を測定した。変換音声には平均F_0に有意差がないにも関わらず, 発話速度の低下に伴って音声はより低く認知されていた。音声を150%伸長した場合の認知的なバイアスの推定値は, 約-14.0melであった。次に話速変換による話者の性格印象への影響を検討した。性格特性5因子モデルに基づく測定の結果, 協調性は速度の低下に伴っていったん上昇, 更に遅くなると低下した。外向性, 開放性, 誠実性では, やや速い発話にピークがあり, 速度の低減と共に低下した。情緒不安定性にあまり影響はなかった。聴取者は性格印象を特性因子ごとに多元的に評価しており, 話速変換により組織的に影響を受けていた。
著者
朴 錫奉 田村 明弘 後藤 滋
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.260-269, 1993
参考文献数
17
被引用文献数
2

東京、横浜のオフィス(6社20フロア、1,792人)を対象に、室内環境測定、ワーカによる室内環境評価及びワーカの疲労感自覚症状調べを行い、主にオフィスワーカの音環境評価と疲労感との関連について分析した。室内の平均等価騒音レベルは55〜61dBAで、この数値が大きくなるほど、オフィスの室内のイメージが騒がしくなり、電話の音や声についての評価が否定的になった。また、オフィスにおける主な気になる騒音源は「電話の音や声」と考えられ、その評価が否定的になるほど疲労感訴え率が高くなり、両者の間に相関関係が認められた。数量化理論2類による分析では、特に疲労感自覚症状の注意集中の困難群に対して音環境評価の寄与率が高かった。
著者
深町 純
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.355-356, 1992
参考文献数
3
被引用文献数
1