著者
Yuki SAITO Shinnosuke TAKAMICHI Hiroshi SARUWATARI
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
IEICE Transactions on Information and Systems (ISSN:09168532)
巻号頁・発行日
vol.E100.D, no.8, pp.1925-1928, 2017-08-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
20
被引用文献数
19

This paper proposes Deep Neural Network (DNN)-based Voice Conversion (VC) using input-to-output highway networks. VC is a speech synthesis technique that converts input features into output speech parameters, and DNN-based acoustic models for VC are used to estimate the output speech parameters from the input speech parameters. Given that the input and output are often in the same domain (e.g., cepstrum) in VC, this paper proposes a VC using highway networks connected from the input to output. The acoustic models predict the weighted spectral differentials between the input and output spectral parameters. The architecture not only alleviates over-smoothing effects that degrade speech quality, but also effectively represents the characteristics of spectral parameters. The experimental results demonstrate that the proposed architecture outperforms Feed-Forward neural networks in terms of the speech quality and speaker individuality of the converted speech.
著者
池田 博樹 栖川 淳
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン (ISSN:21860661)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.14, pp.14_10-14_22, 2010-09-01 (Released:2011-06-01)
参考文献数
28

近年,複数の加入者が光ファイバを共有して通信するPON(Passive Optical Network)の実用化により,インターネットが広帯域化してきた.このインターネットを通して,家庭のテレビジョンで映像コンテンツを視聴するIPTV(Internet Protocol TV)サービスの普及が始まっている.今後,本格的なIPTVサービスの普及を図るためには,解決すべき技術的な課題や法律的な要求条件が存在する.本稿では,更にIPTVサービスを普及させるためには何が課題であるのか,どのような技術でこれらの課題を解決できるのか,PON技術を用いたIPTVサービスの実現と課題について概説する.
著者
浅野 晃
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.113-122, 2010-10-01 (Released:2010-12-01)
参考文献数
17
被引用文献数
1

マセマティカルモルフォロジー(以下モルフォロジー)は,画像中の図形の持つ構造を抽出するために図形を操作する演算の体系である.モルフォロジーは,完備束上での演算に拡張することにより,有界な非線形信号処理の基盤となる体系ととらえることができる.有界とは「上限や下限が存在する」という意味であり,有界な演算は,上限も下限もない線形な演算に比べ,現実の世界をより精密に表すことができる.このような有界性・非線形性は,ニューラルネットワークやファジー演算などとも共通するものである.本記事では,モルフォロジーの思想と原理を,これらとの関連にも触れながら解説する.更に,モルフォロジーに関連した,図形を「測る」研究も紹介する.
著者
Masahiro Tsuchiya Takahiro Shiozawa Shinji Harakawa
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
IEICE Electronics Express (ISSN:13492543)
巻号頁・発行日
vol.11, no.18, pp.20140745-20140745, 2014 (Released:2014-09-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1

An innovative concept of noninvasive sensor device has been proposed and successfully demonstrated, which makes direction detections and intensity measurements for electric fields be drastically simplified and agile. Its primal feature is a unique geometry, with the simplicity of Columbus’ egg, where an ammeter and optical readout are internally contained in virtual-shorted parallel plates. While its electromagnetic principle for accurate sensing has been confirmed, its function to promptly image directions and distributions of electric fields has been demonstrated combining its aerial scan with a bulb-shuttered photographic camera.
著者
白川 功
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.10-19, 2011-07-01 (Released:2011-07-01)
参考文献数
20
被引用文献数
1

IEEE が認定する Milestones は,2010年10月現在,全世界で106件(我が国では14件)に達する.まず,我が国以外で認定されたものについては主なもの,我が国で認定されたものについては全て,のタイトルを記す.次いで,筆者がnominator として申請し,認定された関西発のイノベーション4件(①電卓の開発,②自動改札機の開発,③黒部川第4水力発電所建設,④太陽電池の商用化)について,その概略と歴史的意義について記述する.
著者
林 正人
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.4-13, 2016-07-01 (Released:2016-07-02)
参考文献数
84
被引用文献数
2 1

近年の情報理論の発展の背景には,量子情報理論の成果がある.本稿ではそのような情報理論に対する量子情報理論の影響に注目し,これまで情報理論の発展に対して量子情報理論が果たしてきた役割について解説する.これにより,近年の量子情報理論の成果がその分野内に閉じたものでないことを説明する.
著者
和田山 正 高邉 賢史
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.60-72, 2020-07-01 (Released:2020-07-01)
参考文献数
36
被引用文献数
3 4

深層学習技術は,深層ニューラルネットワークの学習に利用できるだけではなく,入出力を伴う “微分可能な反復型アルゴリズム” の内部パラメータ最適化に適用可能である.従前から知られている優れた反復型アルゴリズムを基礎として,その内部に学習可能パラメータを埋め込むことで,データに基づく学習可能性をもつ柔軟な派生アルゴリズムを構成できる.このアプローチを深層展開と呼ぶ.本稿では,線形逆問題の一つであるスパース信号再現における再現アルゴリズムを中心として,深層展開の概要とその特徴を紹介する.本稿の前半では,深層展開により導かれるスパース信号再現アルゴリズムの実例(TISTA)を紹介するとともに,深層学習に基づいて構成されたアルゴリズムで見られる収束加速について解説する.本稿の後半では,収束加速の要因となる学習後パラメータに関する理論的成果(チェビシェフステップに基づくスペクトル半径制御)について概説する.そこでは,なぜ深層展開が収束加速を与えるのか,という問いに対する一つの回答が与えられる.
著者
堀田 一弘
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.258-267, 2022-04-01 (Released:2022-04-01)
参考文献数
90
被引用文献数
1

画像認識分野では,ILSVRC2012でconvolutional neural networkが圧倒的勝利を収めて以降,大量の教師付き画像とconvolutional neural networkを用いることがデファクトスタンダードとなった.しかし,最近になり,教師なし表現学習やconvolutional neural networkとは異なる方法であるTransformerを用いた認識法が提案され,ディープラーニングに基づく画像認識は更に進展しつつある.本稿では,教師なし表現学習とTransformerを中心に最近の画像認識の研究動向を紹介する.
著者
眞田 幸俊
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.20-27, 2011-07-01 (Released:2011-07-01)
参考文献数
28

周波数選択性フェージングは移動通信システムの特性を劣化する.この対策として1950 年代からRAKE 受信方式の研究が行われ,実用化されてきた.RAKE 受信方式は広帯域信号を用いることによってマルチパスを分解し,パスダイバーシチにより特性を改善する.RAKE 受信方式はFSK,スペクトル拡散通信などのシステムへの適用が検討され,IEEE802.11 やIMT-2000 などのシステムにおいて実用化されてきた.また最近では,Ultra Wideband システムやマルチキャリヤ変調との組合せも検討されている.本稿ではRAKE 受信方式の原理及びその発展に関して概観する.
著者
雨車 和憲 半谷 精一郎
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.186-192, 2018-01-01 (Released:2018-01-01)
参考文献数
44

白黒の画像や映像を自動または半自動でカラー化するカラリゼーションと呼ばれる技術が研究されている.近年,ディープラーニングを用いることにより,ユーザが一切の手を加えずに完全に自動でカラー化する手法が提案され注目を集めている技術である.本稿では,これまでに研究されてきた各種カラリゼーション手法を,ユーザによる色情報の指定型,ソース画像入力型,及び完全な自動型に分けてそれぞれの手法の特徴について述べる.また,カラリゼーション手法の発展とともに医用画像やアニメーション制作,画像符号化など様々な研究にカラリゼーションが応用されるようになっている.本稿ではこれら応用研究及び,今後の展望についても述べる.
著者
西 哲生
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.281-290, 2016-04-01 (Released:2016-04-01)
参考文献数
20

九州大学名誉教授の大野克郎先生が2015 IEEE Gustav Robert Kirchhoff Awardを受賞されました.本報告は,受賞理由の“古典”回路合成論の中での大野先生の業績の位置付け,特に等価回路の問題について簡単に述べる.
著者
稲垣 敏之
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.2_20-2_30, 2008-10-01 (Released:2011-05-01)
参考文献数
31
被引用文献数
1 1

高い知能と自律性を持つ機械は,ヒューマンマシンシステムの安全性,効率性,快適性の向上に貢献しているが,人との間に不整合をもたらすこともある.本稿では,人と機械が「自然」な形で共生できるシステムを実現するための課題を,具体例に即して考察する.