著者
谷 誠一郎
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン (ISSN:21860661)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.102-112, 2020 (Released:2020-09-01)
参考文献数
84

量子コンピュータは,量子力学の原理を用いて計算を行うコンピュータであり,現在のコンピュータを超える計算能力を発揮することが期待されている.そのためには,量子コンピュータのハードウェアを効果的に使って計算を行うアルゴリズム(量子アルゴリズム)が必要となる.本稿では,これまで行われてきた量子アルゴリズム研究を概観し,課題と展望について議論する
著者
石浦 菜岐佐
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.188-196, 2016-01-01 (Released:2016-01-01)
参考文献数
21

コンパイラはソフトウェア開発の基盤ツールであり,その信頼性確保は重要な課題である.コンパイラのテストは数千本から数十万本のテストプログラムから成るテストスイートを用いて行われるが,テストの数が有限である以上,どうしても不具合の見逃しは防げず,最新のGCC やLLVM/Clang などの比較的品質が高いとされるコンパイラにも多くの不具合が報告されている.近年,ランダムに生成したプログラムによりそのような不具合を検出するコンパイラ・ファジングのツールが幾つか開発され,成果を挙げている.本稿では,これまでに開発された手法やツールの狙いや課題について概観し,今後の方向性についての所感を述べる.
著者
今井 秀樹 萩原 学
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.4_9-4_15, 2009-04-01 (Released:2011-05-01)
参考文献数
53
被引用文献数
1

符号理論はディジタル情報の信頼性確保のために不可欠な理論であり,現在の情報化社会を支える基盤理論の一つである.この理論は約60 年前に米国で生まれたが,日本でもこの時期から符号理論の研究が行われていた.しかし,研究者が増え,国際的に認められる研究成果が出るようになったのは40~50 年前のことである.それには,この研究を米国で始めた方々の帰国とW. W. Peterson の著書の影響が大きい.このころ,日本において現在につながる符号理論研究の原点が形成されたといってよいだろう.その後,特に符号理論の応用の面で日本は世界を先導する役割も担ってきた.この間,符号理論は何度かの大きな変革を経ながら,その応用範囲を拡大しつつ発展を続けてきている.本稿では,このような符号理論の流れを日本の視点から俯瞰する.
著者
鈴木 一哉 森本 昌治 岩井 孝法
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン (ISSN:21860661)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.12-20, 2018-06-01 (Released:2018-06-01)
参考文献数
32
被引用文献数
1

近年全ての'もの’をインターネットにつなぐという IoT(Internet of Things)という考え方に基づき,実社会の課題解決を目指した技術の研究・開発が盛んに行われている.IoTでは,気温や監視カメラの映像など実社会に関わる情報をインターネットに接続された `もの’により収集し,クラウド上にて動作するデータ分析技術を用いて分析・判断し,更にはインターネットを通じて実社会にフィードバックする.IoTが大きく注目されている背景には,モバイル網に代表されるネットワーク及びクラウドの成熟と各種データ分析技術の発展が挙げられる.しかし,IoTを活用した様々なユースケースの実現を考えたとき,既存のクラウドネットワークには様々な課題が存在する.本論文では,IoTを活用する上でのクラウドネットワークの課題を挙げ,課題解決のための技術を解説する.
著者
定延 利之
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.276-291, 2005-04-01 (Released:2015-04-01)
参考文献数
44

本稿は,日常会話に代表される人間同士のコミュニケーションの原理を明らかにしようとするものである.伝統的なコミュニケーション観に多かれ少なかれ共通する原理として,次の四つを挙げることができる.(i)情報伝達を前提とする;(ii)意図を前提とする;(iii)共在を前提とする;(iv)行動を前提とする.だが,これらの原理が諸現象を見る研究者の目を曇らせ,不当な記述や説明を生み出してしまっていることも実は少なくない.本稿は日本語の話し言葉の観察を通して,このことを具体的に示す.最終的に,より有用なコミュニケーション観として導き出されるのは,「当事者たちの共在が当事者間で了解されている」と当事者たちが確信している状況と,そこでの行動,というものである.
著者
西 正博
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.101-109, 2015-10-01 (Released:2015-10-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1

VHF 帯及びUHF 帯の電波は,気象現象に伴うダクト伝搬により,非常に長い距離を伝搬することが知られており,無線システムにおいては,異常伝搬によるオーバリーチ干渉が問題となる.特に地上テレビ放送では,そのディジタル化により,干渉波の同定が困難になり,対策がより困難になってきている.本稿では,異常伝搬とディジタル放送時代の新しい異常伝搬対策技術について解説する.
著者
上田 睆亮
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.172-185, 2014-01-01 (Released:2014-01-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1

本稿は1961.12.16 に発表された非直線理論研究専門委員会資料を制作していた頃を回想しつつ同期現象の入門的な解説を行ったものである.
著者
高井 重昌
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.317-325, 2014-02-19 (Released:2014-04-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1

スーパバイザ制御は,与えられた論理的な制御仕様が満足されるように,対象である離散事象システムの振舞いを制限する制御手法である.その特徴は,制御器であるスーパバイザによって禁止することができない不可制御事象を陽に考慮するところにある.本稿では,言語の可制御性に基づくスーパバイザの存在条件,最大許容スーパバイザの構成法といったスーパバイザ制御の基礎理論だけでなく,不可制御事象とその影響,対象システムと制御仕様のモデル化についても解説する.
著者
山崎 克之
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン (ISSN:21860661)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.44-51, 2012-06-01 (Released:2012-09-01)
参考文献数
2
被引用文献数
1