著者
横山 勉
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北陸支部研究報告集 (ISSN:03859622)
巻号頁・発行日
no.48, pp.397-400, 2005-07-10

日常の中で自然と触れ合いながら遊ぶ機会が少なくなってきた今日において、1日の大半を過ごす幼児施設の遊び空間の拡がりをもつ園庭は貴重な場であり、そのひとつに自然環境を取り入れた冒険的遊び空間を創出している園庭がある。自然環境型の園庭は地形、規模、形態、素材など環境構成要素により様々な特徴を示し、遊びを誘発しながら幼児に遊びの場を提供している。自然との共生によって遊びの多様性を相乗的に高めていると考えられる。
著者
横山 勉
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北陸支部研究報告集 (ISSN:03859622)
巻号頁・発行日
no.49, pp.343-346, 2006-07-09

自然環境を取り入れた園庭をもつ保育園のなかで、園庭規模・園庭周辺環境の異なるものを比較考察した結果、滞在遊び・移動遊び、遊びの展開、遊びのグループ規模で違いはあるが、園庭の自然環境を巧みに取り入れながら、幼児自ら遊びや遊びの場を創出している点で共通しており、自然環境型の園庭は、地形、形態、素材等の環境構成要素により遊びを誘発しながら、幼児が自発的な遊びを展開できる遊び環境と多様な遊びの場を提供している。
著者
中村 健太 塩野 透 北郷 崇広 黒野 弘靖
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北陸支部研究報告集 (ISSN:03859622)
巻号頁・発行日
no.52, pp.335-338, 2009-07-12

機械除雪の導入によって通りの雪の一掃が行われるようになる昭和40年(1965)頃までは、大雪の際に雁木と雁木をつなぐ役割を果たしたユキロウカや、共同作業によって除雪を行った雪引きなど、雁木通りにおける雪処理を介した共同利用があった。敷地内における雪処理では、町家の空間構成や敷地の利用状況に合わせた雪処理が各住戸で行われる。また、間口の狭い町家や角地の町家では雪処理における敷地裏の共用がみられる。
著者
桜井 修次 藤村 成夫
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北海道支部研究報告集. 構造系
巻号頁・発行日
no.57, pp.173-176, 1984-03-26

昭和38年・56年の豪雪年には、東北・北陸地方において、鉄骨構造物を中心に多数の建物が倒壊したが、道内の積雪による建物の倒壊事故は、野津紡績工場(昭和50年3月)・北海道トラックターミナル(昭和53年3月)・北海道航空格納庫(昭和56年1月)などに見られるように、豪雪年に限らず跡を断たない。この雪害の主たる原因の一つとして、屋上積雪量が特定行政庁の定める設計基準値を大幅に上回ったことによるものであることが指摘され、基準の見直しが論議されている。北海道をはじめ、多雪地域における木造・鉄骨造の建物の構造設計では、積雪荷重が支配的な要因となることが多く、建物の安全性と経済性に重要な影響を与えるが、その実態に関する系統的な調査・研究はこれまで十分に行なわれていなかった。本調査は、これに関する基礎資料の蓄積をはかろうとするものであり、1.北海道各地の各種建物についての実態調査 2.陸屋根を有する無暖房大型倉庫についての1冬期間の継続計測 3.無落雪模型屋根についての1冬期間の継続計測を行なった結果を報告する。
著者
西口 明弘 桜井 修次 城 攻 柴田 拓二
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北海道支部研究報告集. 構造系
巻号頁・発行日
no.55, pp.35-38, 1982-03

1980年12月下旬から81年1月下旬にかけて、東北・北陸地方は「三八豪雪」以来の記録的な大雪に見舞われ鉄骨構造物を中心に各地で多数の建物が倒壊した。この雪害の主要な原因の一つとして、積雪量が設計値を大幅に上回ったことによるものであることが指摘されており、特定行政庁の定める設計基準値の再検討の必要性が論じられている。北海道では小樽など一部の地域で多雪であったが全般的には大凡平年並の積雪で、「五六豪雪」には仲間入りをしなかった。それでも建物の倒壊事故が生じたが、実は特に多雪の冬でなくても積雪による建物の倒壊事故はしばしば生じているのである。多くの場合、その主要な原因として建築物設計用雪荷重の設定が適切でなかったことが数えられている。現行の建築基準法令では雪荷重を特定行政庁の定める最深積雪量と積雪の単位重量を乗じて計算することになっている。しかし最深積雪量の規定は観測資料との関連が極めて曖昧で、合理的根拠の不明な値が地域毎にそれぞれ異なった考え方で設定されている。又、積雪単位重量も多雪地域では全国的に共通して0.3と規定されているが、蓄積された実測資料に基づいた検討が十分になされているとはいえないようである。こうしたことから、設計用雪荷重を合理的に設定するには、まず積雪重量そのものを定量的に把握することが急務であることが各方面から指摘されてきた。本報は札幌及び東北・北陸各地で過去に測定された平地積雪重量に関する資料を収集し実証的な検討を試みたものである。