1 0 0 0 OA 中篇

出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.765-769, 2002-11-25 (Released:2009-05-25)
被引用文献数
2
著者
臼井 文人 新藏 礼子
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.596-601, 2017-08-20 (Released:2018-08-20)
参考文献数
23

腸管内には多種多様な細菌が常に生息し,通常,宿主と平和的な共生関係を築いている.しかし,この共生関係が崩れると,炎症性腸疾患や肥満,糖尿病をはじめとする生活習慣病,大腸がんなど各種疾患の発症につながるため,腸内環境を恒常的に維持することは健康維持に重要である.一方,腸管内に分泌されるIgA抗体は粘膜面の病原菌防御だけでなく腸内常在細菌の制御にも重要であり,それらの共生関係の維持にも極めて重要であると考えられる.しかし,具体的にIgA抗体が腸内細菌をどのように認識し制御するかは明らかになってはいなかった.そこで今回,私たちはマウスの腸管由来モノクローナルIgA抗体を単離して,腸管IgA抗体による腸内細菌制御のメカニズムの一部を明らかにした.
著者
楢橋 敏夫
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.134-140, 1966-03-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
70
被引用文献数
5
著者
惟村 光宣 富田 和男
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.479-484, 1962
被引用文献数
2

&alpha;-Chloro-&beta;-nitrostyrene誘導体の合成はフェニルアセチレン誘導体を四塩化炭素に溶解して冷却し,これに-10&deg;以下の温度で同じ溶媒に溶解した塩化ニトワシルを加えて防湿下-10&deg;に保ち,数日後に室温としてさらに4~5日放置した後揮発性物質および溶剤を減圧で除き,残留物を減圧蒸留することによって得た.<br> また&alpha;-thiocpano-&beta;-nitrostyrene誘導体は上記&alpha;-chloro-&beta;-nitrostyrene誘導体のアルコール溶液をロダンカリで処理して得た.寒天平板希釈法による上記化合物の植物病原菌に対する抗菌力は, &beta;-ニトロスチレン誘導体のそれに比べていずれも強かった.そして薬害は100&gamma;/mlの濃度でわずかにみとめられる程度である.<br> イネゴマハガレ病菌分生胞子発芽試験では&alpha;-thiocyano-&beta;-nitrostyreneの効力がすぐれていた.しかし種子消毒試験の結果20&gamma;/mlの薬ではほとんどの化合物も効果なく,わずかに1-(<i>p</i>-chlorophenyl)-1-thiocyano-2-nitroetheneが消毒率22.4%を示したのみであった.そして前の寒天平板希釈法による抗菌力と種子消毒効力をみれば, &alpha;-位置換&beta;-ニトロスチレン誘導体の抗菌力は使用濃度では静菌的であることがうかがわれる.<br> また殺虫効力はイエバエ,モモアカアブラムシなどにはほとんど効力なく,特に前者に対しては&beta;-ニトロスチレン, &alpha;-phenyl-&beta;-nitropropene誘導体などよりも劣っていた.しかしキイロショウジョウパエ,ミカンハダニなどに対してはやや効果的であった.
著者
小林 彰夫 天谷 正行 久保田 紀久枝 森澤 千尋
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.71, no.12, pp.1273-1277, 1997-12-01 (Released:2009-02-18)
参考文献数
12
被引用文献数
1

(1)ニラとネギの種間雑種である「なかみどり」の香気特性を,成分組成から解明するため,親植物と合わせ三種の香気成分分析を行った. (2)ニラより香気濃縮物の調製方法を検討しチルド試料から減圧水蒸気蒸留による方法を最適と判断した. (3)香気濃縮物をGC, GC-MSデータより比較検討した結果,「なかみどり」の香気組成は,親ニラのそれと類似し,香気前駆物質としてニンニクと同様アリシンの存在が示唆された.「なかみどり」は親ニラに比して精油量も多く,アリル基を有する化合物は親植物の2倍以上となり,これがニンニク臭の強いニラ新種の原因と考えられる.一方ネギには催涙性の原因物質であるthiopropanal S-oxideが検出されたが「なかみどり」にこの形質は受け継がれていない.