著者
周 宇嬌
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.23, pp.302-318, 2011-09
被引用文献数
1

飯尾はその著書『日本の統治構造』において、日本の議院内閣制の歪みを正し、政治システムを本来の意味での議院内閣制にすべきだと主張する。特に、総選挙で有権者が政党、政策、首相候補を三点セットで選択できる政治体制を作ることを重視する。また、90年代以降の政治改革が進行し、それは小泉内閣のもとで一定の成果を生み、日本の政治は望ましい方向に向かっているとの見解を示す。しかし、小泉内閣後を見てみれば、齟齬を生み出しているケースが多々ある。そこで、本稿は、概要を評者の視点で要約した後、小泉内閣後の日本政治について、有権者の三つの選択(マニフェスト、政党、首相)、有権者自身の動向、及び参議院から多面的な考察を加え、現実は飯尾の理想像から遠ざかっていることを明らかにした。また、観点が相違する大山礼子著『日本の国会--審議する国会へ』を紹介し、両者の議論を比較検討した。
著者
斯日古楞
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
no.275, pp.49-78, 2014-02-28

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 第275集 『モンゴル高原における文化資源の生成と保全に関する研究』小谷 真吾 編
著者
光延 忠彦
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.24, pp.32-45, 2012-03

2010 年度は地方政治において興味深い政治現象が生じた年であった。3月には橋下大阪府知事の主導するローカル政党「大阪維新の会」の設立が、4月には河村名古屋市長を代表とする「減税日本」の結党が、そして年明けの2011 年1月には、鹿児島県竹原阿久根市長への解職請求による失職といった事態が生起されたからである。一見、これらの現象は無関係に見えるが、しかし、「首長と議会の関係」という視覚からすれば、3者には共通しているものがあるようにも見える。果たして、3者に通底するものはあるのか、否か。この疑問に、従来から取り組んできて一定の知見を得ている東京都政の80 年代から90 年代初頭にかけての事例から接近してみようというのが、本稿の目的である。
著者
高橋 在也
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
no.156, 2008-03

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書第156集『身体・文化・政治』
著者
牧野 悠
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:13428403)
巻号頁・発行日
no.15, pp.14-25, 2007-09

柴田錬三郎の剣戟随筆「武蔵・弁慶・狂四郎」は、発表以降、半世紀に亘り、彼の著作集に収録され続けてきた。代表作「眠狂四郎無頼控」に言及しているため、引用されることも多い本随筆であるが、その執筆方法は、先行する剣戟随筆を巧みに切り貼りし、紹介するというものであった。そこで典拠とされたのは、中里介山、直木三十五らであった。よって、本随筆中、特に弁慶に関しては、典拠としたもののバイアスがかかった描写にならざるを得なかった。また、ここでは、先輩作家の描写から、その典拠に遡り、自らのテキストに吸収する方法も活用されている。これら方法は、柴錬の初期剣豪小説作法の再現であった。したがって、本随筆は、やがて柴錬独自の方法を完成させるに至る、一種の剣戟描写修行の記として読むことが可能となるのである。また、後に発表される柴錬の、剣豪小説のキャラクターを考える上でも、武蔵・弁慶・狂四郎の三タイプの要素は、キャラクター造形上、重大な意味を持っているのである。
著者
長谷川 みゆき
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.19, pp.158-170, 2009-09

ここ10 年ほどアメリカ社会で行われているShame punishments について紹介する。Shame punishments の是非について論ずるものではなく、shame punishment とはどのような実践であるのかを紹介することが目的である。
著者
田川 史朗
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
vol.280, pp.95-111, 2014-02-28

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 第280集 『新しい働き方とコミュニケーション』尾形 隆彰 編"The New type of Work and Communication", Chiba University Graduate School of Humanities and Social Sciences Research Project Reports No.280ロックバンド「ミドリ」で人気を博し、バンド解散後の現在はソロ活動をしている後藤まりこが次の発言を自身のTwitterアカウントに書き込んだのは2013年9月であった。最近のロックバンドは保守的すぎる。自分のCDを売りたいのなら、それなりにがんばろうよ。もうCDは勝手に売れる時代じゃあないよ。アイドルを見習おうよ。アイドルちゃんめちゃくちゃ攻めてるよ。とあるバンドのスタッフのアカウントがTwitterに書き込んだバンドのイベント参加告知の文面に反応したのを皮切りに、いくつかのツイートで自身の考えを表したのだ。後藤の言の通り、CDの売り上げ高は最盛期と比べて大きく低下し、代わっての台頭が 期待されている音楽配信にもCDに取って代わるほどの伸びはないのが現状である。それでは、「もうCDは勝手に売れる時代」ではなく、「どうすればCDが売れるのかを自らが考えなければならない」時代だとして、ミュージシャンは何を考えどのように活動していけばよいのだろうか。本論ではこの点について事例を取り上げて考察し、課題や着目すべき点を挙げることで今後の日本社会における音楽と「人の流れ」「お金の流れ」の関係性について考えていく一つの手がかりとしたい。なお、本論では創作活動や演奏を自ら行う当事者については「ミュージシャン」を、それ以外の楽器演奏を行わない当事者には「アーティスト」の呼称を用いるものとする。
著者
望月 由紀
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
no.185, pp.24-32, 2010-03-31

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書第185集『犯罪・修復・責任』嶋津格 編
著者
光延 忠彦
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.24, pp.32-45, 2012-03

2010 年度は地方政治において興味深い政治現象が生じた年であった。3月には橋下大阪府知事の主導するローカル政党「大阪維新の会」の設立が、4月には河村名古屋市長を代表とする「減税日本」の結党が、そして年明けの2011 年1月には、鹿児島県竹原阿久根市長への解職請求による失職といった事態が生起されたからである。一見、これらの現象は無関係に見えるが、しかし、「首長と議会の関係」という視覚からすれば、3者には共通しているものがあるようにも見える。果たして、3者に通底するものはあるのか、否か。この疑問に、従来から取り組んできて一定の知見を得ている東京都政の80 年代から90 年代初頭にかけての事例から接近してみようというのが、本稿の目的である。
著者
壁谷 彰慶
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 = Report on Research Project (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
no.203, pp.21-32, 2011-02

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書第203集『哲学的自然主義の諸相の展開』田島正樹 編
著者
和泉 ちえ
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
no.269, pp.15-54, 2014-02-28

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 第269集 『古代地中海世界における文化受容の諸断面』保坂 高殿 編前5世紀後半アテナイは「全ギリシアの知恵の殿堂」(Plato, Prot.337d)として地中海世界に君臨するが,その学問伝統の根は,アテナイ固有の大地に由来するとは言い難い.当時アテナイは,エーゲ海東西の新旧文化圏の諸力学を反映する巨大な渦動の中心地として機能しており,そこに吸い寄せられた知的諸成果は,そのほとんどが外来種であった.本稿は,エーゲ海東岸の古来の文化的芳香を身に纏うソクラテスの知的遍歴を再考しつつ,また生粋のアテナイ貴族プラトンが試みた西方新勢力との文化折衝の顛末に目を向けながら,マケドニア由来のバルバロイ的世界観を背負う非アテナイ人アリストテレスによる学問系譜論に内在するイデオロギー的諸問題を論じ,古典期アテナイにおける学問伝統の諸断面を,新たな角度から炙り出したいと思う.
著者
高橋 孝次
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.21, pp.1-14, 2010-09

『少年愛の美学』は、性愛の一元論が展開される、稲垣足穂のもっともよく知られたエッセーである。従来本書は「啓蒙の書」とされてきたため、主にその感性的了解を促すような特徴的な語り口が研究の俎上にあげられてきたが、本稿では『少年愛の美学』の理論的基盤の形成過程に社会的文脈を導入することで、性愛論が形而上学へと変成する様態を跡付けることを目的とする。そのために、フロイトの『性理論三篇』と『少年愛の美学』の比較から、フロイトの「反復説」こそ『少年愛の美学』の核となる理論であることを明らかにし、フロイト言説の理解の転換点をヴァリアント分析から導く。さらに、フロイト受容の経緯から、『少年愛の美学』形成史において重要な役割を担う江戸川乱歩の存在を浮上させ、フロイト言説とともに「A感覚」や「宇宙的郷愁」といった足穂文学の重要概念をも戦前の同性愛研究を引き継ぐ乱歩の媒介なしに成立し得なかった可能性を指摘する。
著者
長澤 淑夫
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.24, pp.65-77, 2012-03

公労協によるスト権ストは、『国鉄新聞』が国労の組合員につたえた情勢とその分析によれば、74 春闘時の政府自民党との5項目了解事項(関係閣僚協議会を設け、三公社五現業の争議権について結論を出す)と国会における国鉄藤井総裁の条件付きスト権付与の言明、三木首相のストと処分の悪循環の裁ち切り発言を総合的に判断し、75 年11 月に闘いとる機会が来たとの結論を受けて行われた。これに対し、研究者である熊沢誠は田中内閣時の74 年秋にこそチャンスがあり、別の研究者高木郁郎は75 年6月にもっともスト権に近づいたと判断している。
著者
鹿住 大助
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
公共研究 (ISSN:18814859)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.248-262, 2006-12

千葉大学公共研究センター21世紀COEプログラム「持続可能な福祉社会に向けた公共研究拠点」
著者
宮森 一彦
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.23, pp.22-36, 2011-09

本稿は、管理栄養士・栄養士の公衆衛生関連専門職としての教育、職業生活および家族生活、とりわけパブリックなものと民業としての性質をあわせもつその職域を対象にした探索的な研究を行い、少子高齢社会における栄養士の教育・職業・産業社会学的研究の必要性の提示を行う。研究調査結果の部分的アセスメントとしては、公衆の福祉と健康に資する「公益的職業」としての職域の確立が急務である一方で、管理栄養士・栄養士候補生たちには多様な就労形態に柔軟に適応する構えがあり、性別を問わない家庭重視の傾向を持ちつつ出産・育児・介護などのライフイベントを経ても就労を継続する意志を持っていることなどを、端的な人権問題として管理栄養士・栄養士の職業団体は尊重してそれを実現してゆく努力を行う必要性がある。それは、就労継続の困難が問題になっている医療福祉の他職種はもちろん、すべての労働者がかかわるテーマでもある。