著者
藤井 俊夫
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:05776856)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.p115-128, 1981-12
著者
藤井 俊夫
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:05776856)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.p131-151, 1983-12
著者
佐々木 良江 仁平 昇 坂野 雄二
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:05776856)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.p13-21, 1982-12

本研究は, フィードバックが完全になされている状況における, 自己強化(SR)手続き顕在化の動機づけ効果を, 発達段階や達成動機の側面から検討することを目的として行われた。2×2×2の実験計画が用いられた。第1の要因は, 学年(2年・6年)であり, 第2の要因は達成動機である。予め実施された達成動機の調査から得点の高低により, それの高い群と低い群が設けられた。第3の要因はSR手続きである。すなわち, 自ら遂行量を記入し, それに対してよくできたと思ったら○を, あまりよくできなかったと思ったら×をつけるというSR手続きをする自己強化群(SR群)と, 遂行量のみを記入しSR手続きをとらないフィードバック群(FB群)から構成された。課題はWISC知能検査の符号問課(8歳以上用)が用いられた。主な結果は次の通りである。(a)2年生・6年生ともに, 達成動機の高低はSRの動機づけ効果に影響を及ぼさない。(b)2年生ではSR手続きを顕在化させた方がフィードバックのみよりも動機づけの効果は大きいが, 6年生では逆の関係になっている。(c)SR群において, 2年生・6年生ともに, 達成動機の高い群では負のSRの方が動機づけ効果が大きいが, 低い群では, 2年生児童において正のSRの方が動機づけ効果が大きいという傾向がみられた。(d)SR群における, 正か負のSRの決定に関して, 2年生の達成動機の高い群以外は, 正のSR前の方が負のSR前よりも遂行量の上昇量が多く, その傾向は6年生の方がより安定している傾向にある。しかし, (c), (d)においては被験者数が少なく, 有意な差は得られなかった。以上のことから, 6年生ではSR手続きを顕在化しなくても, covertなSR, つまり内潜的自己強化が行われていることを示唆している。しかし, これは
著者
田中 愛 西野 明
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.121-124, 2007-02

本研究の目的は,バレーボールの試合におけるサーブの重要性を明らかにすることである。バレーボールは1999年にルール変更が行われ,「ラリーポイント制」が採用された。このルール変更によって,これまでの「サイドアウト制」とは異なる試合の流れが生じていると考えられる。特にこの変化の影響を大きく受けていると考えられるのが,サーブである。そこで本研究では,実際にスコアリングを行い,1.「試合の流れ」としての連続失点の状況,2.サーブミスが試合の流れに及ぼす影響,3.「攻撃的サーブ」が試合の流れに及ぼす影響についてそれぞれ考察し,ラリーポイント制に適したゲーム分析を試みた。その結果,サーブミスが連続失点のきっかけとなりやすく,また「攻撃的サーブ」が必ずしもラリー取得にはつながらないことから,「ミスを避けるサーブ」が必要であることが示唆された。
著者
平出 昌嗣
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.345-350, 2017-12

[要約] 日本語は母音優位の言語で,ほとんどすべての語が母音で終わる。発音は胸式呼吸で,語感は穏やかで柔らかなものになる。英語は子音優位の言語で,基礎的な語の8割は子音で終わる。発音は腹式呼吸で,破裂音や摩擦音があるため,語感は強く鋭いものになる。リズムは,日本語は一語一語を同じ強さ,同じ長さで発音し,高低アクセントがある。英語は強・弱アクセントの組み合わせで成り立ち,強アクセントが一定の間隔で繰り返されるため,そのリズムに合わせて音が引き伸ばされたり短縮されたりする。この音とリズムは文芸に反映し,日本語は和歌・俳句や歌舞伎のセリフなど,七五調や四拍子に合わせて文が作られる。英語は詩やシェイクスピアのセリフなど,強弱のアクセントの組み合わせでリズムが作られ,そこに言葉が当てはめられる。背後には稲作文化の安定志向,牧畜文化の前進志向がある。
著者
小橋 暁子 山田 響子 南 銀祐 砂上 史子 佐瀬 一生 岡田 加奈子
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.387-396, 2013-03

2006年WHO西太平洋地域事務局(WPRO)は,学校教育の中で健康教育を普及するための教材を開発した。その教材は7つの項目からなる冊子,紙芝居,ポスター,口腔内の模型,歯ブラシ,ボールなどの視覚教材,そしてそれらを納める箱で構成され,アーバニー・ヘルス・スクール・キット(USHK)と名付けられている。現在WPROは,その教材の普及のためにWPRO所在地のフィリピン国内において試験校をいくつか設定し,教員の研修,学校での実施,評価を行い,教材の普及と内容の充実を図っている。HPS(ヘルスプロモーティングスクール)プロジェクトを組む筆者らは,HPSの概念を実践に移す教材の基盤づくりのため,今回,USHKを使用している小学校を見学し,フィリピンの学校や児童の状況とともに使用状況の調査を行った。調査を通して,日本およびアジア地域のHPSを進めるための教材の在り方を考える手立てとしたい。冊子体では著者名部分の英語表記がMamu, Un Wooとなっているが、実際はNam, Eun Wooである。リポジトリでは修正済みのファイルを掲載。冊子体ではアーバニー学校健康教育キット(USHK)の略称がUHSKになっている部分が数箇所あるが、リポジトリでは修正済みのファイルを掲載。
著者
平出 昌嗣
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.359-364, 2013-03

イギリスは旧世界として階級意識が根強くあり,下層から上層階級へ出世する物語,あるいは階級の束縛から脱出する物語など,小説も階級意識を多少なりとも反映する。一方,新世界アメリカは自由の国であり,旧世界のような階級意識はないが,代わりに,南部では黒人差別,北部では貧富の差が社会問題としてよく描かれる。また人間の成長を描く際に,イギリスは経験に価値を置き,アメリカは無垢に価値を見る傾向がある。前者では,主人公はつらい経験を通して真の自己に目覚め,人間的に成長するが,後者では,どんな経験によっても失われることのない生まれつきの心が重視される。また各文学を特徴づけるイメージを一つ挙げれば,アメリカ小説は道,イギリス小説は家になる。道は自由,あるいは未来志向の,家は安定,あるいは伝統志向の象徴になる。
著者
花澤 寿
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.349-354, 2017-03

[要約] 既存の治療法ではその効果に限界が指摘されている神経性過食症の精神病理および治療について,近年トラウマ治療を中心に新しい心理療法の基礎理論として注目されている多重迷走神経理論を援用し,共食不全論と関係づけて新たな視点から検討を試みた。過食症者は,低い自己評価のため,対人関係で適度な依存や健全な自己主張をすることが難しく,ストレスを社会的関わりシステムを用いて解消することが困難なため,過食嘔吐行為を代償的に用いて交感神経系の緊張の緩和を図る。過食嘔吐行為のもつ共食からの分離という特徴のため,社会的関わりシステムの機能不全を代償するために行われる過食が,さらに社会的関わりシステムから患者を遠ざけていくという悪循環が成立することが過食症の難治性の一要因として考えられた。そこから,社会的関わりに関わる腹側迷走神経系の機能不全に働きかける治療法の可能性を指摘した。
著者
宮寺 千恵 石田 祥代 細川 かおり 北島 善夫 真鍋 健
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.113-120, 2018-03

[要約] 本邦では現在,(1)特別な支援を必要とする子どもへの就学前から学齢期,社会参加までの切れ目ない支援体制整備,(2)特別支援教育専門家等配置,(3)特別支援教育体制整備の推進の3つの柱からなるインクルーシブ教育システム推進事業が展開されている。そのようななか,発達障害の児童及び生徒に対する支援体制の構築を目指し,重点的に支援が拡大されている。本稿では,発達障害の児童及び生徒に焦点を当てて,インクルーシブ教育の視点から,通常学級,通級指導教室,特別支援学級における教育課程と指導方法の取り組みと課題について整理を試みた。それぞれの場に応じた教員の専門性,高等学校を含めた連続的な学びの場としての支援体制の在り方,学校内で教員をサポートする校内委員会の役割,交流および共同学習の進め方等が課題として挙げられた。
著者
吉田 雅巳
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.1-8, 2009-03

本稿では日本におけるネット上いじめ問題を海外のサイバーブリング(CB)研究を参考にしながら考察した。CBは決して校内だけで起こる問題ではなく,そのため学校の認識や対応の準備が生まれにくい。また,「発見」「対応」はともに,方法的,技術的,組織的に困難な問題である。そこで本稿では,海外知見を参考に,学校の対応としての「対策」「介入」を紹介し,学校における議論の焦点化をはかるための資料を提供した。
著者
佐々木 充
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:05776856)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.p207-223, 1984-12
著者
石井 克枝 大林 景子
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.329-332, 2012-03

家庭科食教育教材を視野に入れ,手打ちうどん作りの捏ね回数や小麦粉の種類に注目し調理技術とおいしさの関係について以下のことを明らかにした。捏ね回数200回,400回,800回のうどんを官能検査により評価した結果,800回捏ねたうどんが最もおいしいことが認められた。捏ね時間は大学生で経験者が8分であったのに対し大学生,中学生の初心者が13~15分とほぼ同じで,小学生の初心者が16~17分と経験者に比べ約2倍であった。粉の種類は中力粉が適しているが,小学生で捏ねる力が弱い場合は強力粉:薄力粉が1:2の混合粉が捏ねやすく,中力粉に比べ大きな差はなくおいしいうどんができることがわかった。
著者
井上 孝夫 栗林 雅人 曲谷地 咲 岡本 翔吾
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.337-344, 2013-03

ホテルのコーヒーはなぜ高いのか,という問題は,経済学的には需要と供給の法則によって解くべき一例題とされることがある。しかしそこから導かれる回答は,因果関係の分析にはなっていないため,はぐらかされたような後味の悪さが残る。それに対して,本稿では行為分析の発想に基づいて,相場よりも高いコーヒーを提供する側(店)と享受する側(客)のそれぞれの意図を分析し,「高いコーヒー価格」のからくりを明らかにする。第1部はその分析であり,第2部ではそれに基づいて,中学校公民科を想定した「授業構成案」を提示している。
著者
鈴木 宏子
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 = Bulletin of the Faculty of Education, Chiba University (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
no.67, pp.428-423, 2019-03-01

[要約] 本レポートは、平成30年度(2018)4月に筆者が行なった、高大連携授業(千葉東高等学校基礎教養講座)の実践報告である。講義の内容は「和歌を楽しもう」というタイトルを掲げて、まず古典和歌を特徴づけているレトリックについて包括的な講義をしたのち、受講者自身に序詞を用いた和歌(短歌ではない)を創作してもらうものであった。目標としたのは、(1)受講者に古典に親しんでもらうこと、(2)受講者自身の日本語を耕すレッスンの場を設けること、の二つである。受講者が創作した和歌を紹介しつつ、授業の全体を記録・分析し、後日の授業実践への手がかりとしたい。
著者
平出 昌嗣
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.249-253, 2014-03

この18世紀の小説は,小説が本来持つべき主題と秩序と統一という概念を故意に壊そうとした作品であり,遊びと笑いの精神に満ちている。主人公の人生はほとんど描かれず,描かれるものは主人公の周囲にいる父親や叔父ばかりである。またプロットも,時間を追い,因果律に従って展開するのではなく,語り手の気分によって自由かつ奔放に展開していく。連想法というのがその方法であり,主人公の物語を進めるふりをして,脱線につぐ脱線で,その脱線ぶりを楽しみ,本筋はほとんど進まないというのが,基本的なパターンになる。さらに語り手は聞き手を人格化し,紳士淑女にひんぱんに話し掛けては,おしゃべりを楽しむ。また白紙や黒塗りのページなどの視覚効果も繰り返し現れる。このように,この小説のおもしろさは小説の概念を大胆に破壊し,読者を翻弄するところにある。This eighteenth-century novel aims to destroy the idea of theme, order and unity which any novel should have as a work of art, and has the lively spirit of play and laughter. What is drawn is not the life of the protagonist, but those of his father and uncle. The plot is made, not on the basis of time and causality, but according to the mood of the narrator, so it goes along free and extravagant. The method is that of association of ideas, by which the story makes digression after digression under the pretense of progression. Furthermore, the narrator enjoys the casual conversation with ladies and gentlemen, the personified listeners of his story. He also makes an appeal to the eyes, providing a blank or a black page, or line drawings. In this way, this novel enjoys throwing readers into confusion caused by the destruction of the idea of a novel.