著者
鹿村 恵明 田中 愛佳 根岸 健一 下平 秀夫 若林 進 塚原 俊夫 野村 香織 出石 啓治 宮崎 長一郎 望月 眞弓 上村 直樹
出版者
一般社団法人日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.242-250, 2016-02-28 (Released:2017-03-17)
参考文献数
18

Objective: For effective use of over-the-counter (OTC) drugs that are provided as relief supplies during a disaster, we aimed to develop a list of OTC drugs that can be used during a disaster.Methods: We obtained information about OTC drugs useful during a disaster by examining results of previous studies and lists of drugs used during a disaster.  We analyzed this information with the expert pharmacist of disaster support and established a rationale for our list and developed “the List of Useful OTC Drugs During a Disaster” and “the Information Card on Useful OTC Drugs During a Disaster.”Results: We developed our list of OTC drugs based on the following parameters: (1) while people with severe disorders (e.g. renal failure) are treated by medical teams, those with minor physical conditions are treated using OTC drugs and (2) those OTC drugs that can be used as substitutes for prescription drugs were preferably selected.  The List of Useful OTC Drugs ()—During a Disaster (containing 56 items) was developed for use mainly by medical professionals.  Further, pharmacists from disaster-relief medical teams may not always be available in disaster-stricken areas; therefore, the Information Card on Useful OTC Drugs During a Disaster was developed to enable disaster victims to independently make a certain level of decision.  The information card contained pictograms to call the attention of the disaster victims.Conclusion: Our results can provide a common tool for drug suppliers, medical professionals engaging in relief works in disaster-stricken areas, and disaster victims.
著者
田中 愛子 伊藤 賀敏 鶴岡 歩 波多野 麻衣 吉永 雄一 重光 胤明 澤野 宏隆 一柳 裕司 西野 正人 林 靖之 甲斐 達朗
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.88-92, 2013-01-15 (Released:2014-09-12)
参考文献数
9

近年,心臓震盪は子どもが突然死する原因の1つとして徐々に認識されてきた.輿水らの報告では,心臓震盪は胸郭のコンプライアンスが大きい若年者に多く,Maronらの報告や国内例ともに18歳以下に多くみられる.当施設では最近3年間で3例の心臓震盪を経験した.症例1:41歳,男性.日本拳法練習中に胸部打撲を受け,心肺停止となった.初期波形は心室細動(ventricular fibrillation;VF)であり,電気的除細動を含む蘇生処置を施行された.心肺停止17分後に心拍再開し,当施設に救急搬送された.搬送後も意識障害が遷延したため,脳低温療法を施行し,社会復帰を果たした.症例2:18歳,男性.フットサルの練習中,ボールを前胸部でトラップした際に倒れ,心肺停止となった.初期波形はVFであり,電気的除細動を含む蘇生処置された.心肺停止6分後に心拍再開し,社会復帰した.症例3:27歳,男性.柔道の試合中,相手ともつれ合い倒れて,心肺停止となった.初期波形はVFであり,電気的除細動を含む蘇生処置にて,心肺停止8分後に心拍再開し,社会復帰した.院外心肺停止のうち,心室細動に対しては,早期の電気的除細動が良好な神経学的転帰と関連しているといわれている.上記3症例からも,特にスポーツを行う場には自動体外式除細動器(automated external defibrillator;AED)の普及が急務と考えられる.
著者
田中 愛子 市村 孝雄 岩本 テルヨ
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学看護学部紀要 (ISSN:13430904)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.121-125, 2003-03
被引用文献数
2

本研究は,お笑いビデオによって笑いを誘発し,笑うことによって免疫機能等を高めることを実証する目的で行った。大学3年及び4年生の女子学生10名を対象に,お笑いビデオを視聴してもらい,その前後に質問紙調査と採血を実施した。その結果,ビデオ視聴後に,被験者の気分は5名が良好に変化した。また,NK細胞活性は被験者の5名が上昇を示し,CD4/CD8も,正常化される傾向を認めた。β-エンドルフィンは5名の上昇が見られ,そのうち3名はNK活性の上昇を認めた。以上の結果から,お笑いビデオ視聴によって笑ったことが,免疫機能等に良好に影響していることが示唆されたされた。
著者
田中 愛治
出版者
東洋英和女学院大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

平成4年度には、同年7月の参議院選挙の前後に横浜市において有権者1,000名に対し郵送法による世論調査を行い、横浜市における一般有権者の政治不信と政党離れ意識について調査した。平成5年度は、前年の郵送調査における「政党支持なし」の回答者を深層面接法により追跡調査する予定であった。しかし平成5年の政治状況は、国民の政治不信、特に既成政党に対する不信感が更に高まり、政党離れがいっそう進行した。平成5年6月の宮沢内閣不信任案の成立後、自民党から新生党、新党さきがけが分裂し、同年7月18日の衆議院総選挙の結果、昭和30年の自民党結党以来初めて政権交代が起こった。この新党(新生党、新党さきがけ、日本新党)の出現と政界再編の状況下では、少数の「政党支持なし」の有権者の深層面接よりも、一般有権者を対象に従来と異なった投票行動をとる心理的メカニズムを広範に探ることの方が重要性が高いと判断し、研究計画を変更して、総選挙の前後にパネル方式の電話世論調査を実施した。有権者の政治不信、政党離れが急激に進む状況の中で、「政党支持なし」層の役割はかつてなかったほど重要になり、それに呼応するように3新党が総選挙では躍進して、政権交代が起こった。上述の電話調査の結果からは、3新党の支持者はどの新党に対しても好意的な感情を持っており、相互に支持する傾向が見られるが、逆に既存の伝統的な自民党と社会党に対しては冷淡な態度が見られ、既存の政党離れが進んだことが明らかになった。さらに、「政党支持なし」層の存在が、92年の参議院選挙に続いて、93年の総選挙の際にも確認されたが、この積極的な「政党支持なし」層が必ずしも新党の支持に回ったとは言い切れず、単純な構造ではないことが分かった。今後、本調査のデータ分析を更に進めていく所存である。
著者
中里 良彦 田村 直俊 池田 桂 田中 愛 山元 敏正
出版者
医学書院
雑誌
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩 (ISSN:18816096)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.263-270, 2016-03-01

Isolated body lateropulsion(iBL)とは,脳梗塞急性期に前庭症状や小脳症状などの神経症候を伴わず,体軸の一側への傾斜と転倒傾向のみが臨床症候として認められることである。iBLは脊髄小脳路,外側前庭脊髄路,前庭視床路,歯状核赤核視床路,視床皮質路のいずれの経路がどこで障害されても生じる可能性がある。本稿では,延髄,橋,中脳,小脳,視床,大脳において,どの病巣部位でiBLが生じるかを概説する。
著者
田中 愛実 三間 洋平 安部 裕子 礒田 健太郎 井村 隼 大原 真理子 上田 直子 池田 充 庄田 武司 森川 雅史 大坪 亮一
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.429-434, 2020 (Released:2020-09-25)
参考文献数
15

要旨:症例は21 歳女性.入院1 週間前より発熱,頭痛,腹痛,血便がみられるようになった.入院当日に左不全片麻痺を来し,来院した.入院時検査で血小板減少,凝固線溶系の異常を認め,画像検査で多発性出血性脳梗塞と脳静脈,上腸間膜静脈,右大腿静脈の血栓症を認めた.劇症型抗リン脂質抗体症候群を疑い,ステロイドパルス療法とヘパリンによる抗凝固療法を開始した.入院3日目に右前頭葉および側頭葉の血腫増大を認めたため緊急開頭術を行った.抗リン脂質抗体陽性が判明し,劇症型抗リン脂質抗体症候群と診断した.血漿交換,リツキシマブ,シクロホスファミド静注療法を追加した.その後疾患活動性は低下し,プレドニゾロンとワルファリンによる維持療法に移行し再燃なく経過した.1 週間以内に複数臓器に静脈血栓症を来し,急激に重篤化する症例では,劇症型抗リン脂質抗体症候群を念頭に置き,迅速な精査加療を行う必要がある.
著者
田中 愛治
出版者
Japanese Association of Electoral Studies
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.80-99, 1992-04-30 (Released:2009-01-22)
参考文献数
35
被引用文献数
3
著者
田中 愛子 府川 俊彦 小林 眞司 山崎 安晴 鳥飼 勝行
出版者
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
雑誌
日本顎変形症学会雑誌 (ISSN:09167048)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.103-112, 2002-12-15 (Released:2011-02-09)
参考文献数
16
被引用文献数
3

We present a case of Crouzon disease treated by two-jaw surgery after a Le Fort III osteotomy and bone distraction.The patient was a 17-year, 1-month-old male with facial malformation and malocclusion.At the age of 17 years and 2 months, a Le Fort III osteotomy and bone distraction were performed for midface advancement. After this distraction procedure, orthodontic treatment began for secondary surgery to correct severe openbite, bimaxillary protrusion, and spaced arch.After a partial glossectomy was carried out, preoperative orthodontic treatment commenced. At the age of 19 years and 7 months, a Le Fort I osteotomy and sagittal split ramus osteotomies (two-jaw surgery) were carried out.After postoperative orthodontic treatment, occlusion and the facial profile were improved. Although some spaces developed, the occlusal results were almost preserved throughout the 17 month retention period.
著者
廣瀬 伸彦 高橋 雅彦 吉本 裕 利光 由紀 田中 愛 尾崎 泰史 戸浦 じゅん 御園 陽一 菅野 有造 芝本 隆 桑原 道雄 小笠原 陽
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.231-238, 2004-03-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
13

【目的】血液透析装置の消毒は主に次亜塩素酸ナトリウムが使用されるが, 消毒排液の環境汚染に対する影響が問題となっている. そこで残留性がなく, 環境汚染に対する影響の少ないオゾンが血液透析装置の消毒剤として期待される. われわれはオゾンが血液透析装置の消毒剤として有用か否かを基礎, 臨床の両面から評価した. 【方法】基礎: オゾンの安定性を電解質と有機物の添加試験から評価した. また, 血液透析装置内でのオゾン濃度の安定性を観察し, 装置プライミングボリュームとオゾン濃度減衰の関係を実験的に評価した. さらに, 透析液清浄化目的で使用される精密濾過膜へのオゾン水暴露試験を行った. 臨床: 個人用透析装置にオゾン水消毒を6週間施行し透析液エンドトキシン濃度, 細菌数を測定した. また, あわせて装置内の水経路各部位を肉眼的に観察した. 消毒行程は, 前水洗30分, オゾン水消毒30分, 後水洗30分とした. 対象に週1回次亜塩素酸ナトリウム消毒と酢酸洗浄を組み合わせた併用消毒を行った. 【結果】基礎: NaCl, アルブミンの添加でオゾン濃度は減衰した. 透析装置内でオゾン濃度は減衰し, 密閉系出口部で最も濃度減衰が大きかった. 精密濾過膜PEPA, PSはオゾン水で破壊された. 臨床: オゾン水消毒6週目に装置内にタンパク付着を認め, それに伴い装置内のオゾン濃度減衰は高値となった. 併用消毒では装置内の各部位に付着物は全く認めず, 装置内でのオゾン濃度減衰はなかった. 透析液中のエンドトキシン濃度, 細菌数は通常の次亜塩素酸ナトリウム消毒時と同程度であった. 【結語】基礎および臨床評価から考えると現状ではオゾン水単体での血液透析装置消毒に限界を感じる. しかし, 他の洗浄剤・消毒剤との組み合わせや洗浄消毒工程の変更, また装置内液流路構造の設計変更などの再検討により解決可能と思われた. したがって, 血液透析装置の消毒剤としてオゾンを用いる有用性は高いと考える.
著者
田中 愛子 丹 佳子
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

第1段階は、健康な成人を対象に、45分の笑いヨガを4回行った。参加者7人の血液検査、POMSテストを分析した結果、NK細胞活性は笑いヨガ前後の有意差はなかったが、POMSテストでは「不安‐緊張」等が有意に減少した。第2段階は、がんの既往歴がある5人の女性を対象に、40分間の笑いヨガを月に2回、全5回実施した。結果、笑いヨガ前後で、NK細胞活性に有意差はなかったが、POMSテストでは緊張-不安」等が有意に減少した。以上より、定期的に笑いヨガを行うことは、精神的な効果が顕著であることが示唆された。
著者
田中 愛治 河野 勝 清水 和巳 山田 真裕 渡部 幹 西澤 由隆 栗山 浩一 久米 郁男 西澤 由隆 長谷川 真理子 船木 由喜彦 品田 裕 栗山 浩一 福元 健太郎 今井 亮佑 日野 愛郎 飯田 健
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、全国の有権者から無作為抽出した対象者(サンプル)に対し、ノート・パソコンを用いた世論調査(CASI方式)を日本で初めて実施した。さらに、ノート・パソコンによるCASI調査に、認知心理学的視点を加えた政治経済学実験の要素を組み込み、実験を導入した世界初のCASI方式全国世論調査に成功した。これにより、政治変動をもたらす日本人の意志決定のメカニズムの解明を可能にし得る新たな研究を踏み出した。
著者
田中 愛治
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究は、日本の政治システムについて日本の一般有権者の態度を、世論調査データと選挙結果のデータを時系列に分析することによって、解明しようとしたものである。本研究の目的は、日本国民がどの程度、日本の民主主義政治システムに対する支持態度(システム・サポート)を持っているのかを、1970年代後半から2000年までにわたり時系列に分析し、そのシステム・サポートの源泉となる要因を探ることにあった。本研究は、レヴァイアサン・データバンクから提供された学術的全国世論調査データ(1976年JABISS調査、1983年JES調査、1993年JESII調査)と、研究代表者(田中愛治)自身が実施に参加したJEDS96調査(1996年)、JEDS2000調査(2000年)、JSS調査(2001年:文部科学省科学研究費特定領域研究(B)「世代間利害調整に関する研究」領域代表者・高山憲之のA7班「世代間利害調整の政治学」研究代表・北岡伸一による全国世論調査)のデータを時系列に分析した。1976年〜2001年までの25年間の時系列分析によって、日本人の政治不信に関する政治意識と、政治システムに対する信頼感(system support)の変化を分析し、以下の3点が明らかになった。第1に、日本人の一般的な政治信頼はもともと低いもの(40%程度)であったが、1996年から2000年にかけて急速に悪化し(2001年3月の森内閣の退陣直前に最低の11.1%)、2001年も十分に回復していない(小泉内閣時でも23.6%)。第2に、日本の政治システムを支える民主主義的政治制度(選挙、国会、政党)の機能に対する信頼感は1976年〜1996年までは非常に高いレベル(選挙への信頼は1993年に82.3%)にあったが、これすらも2000年には急激に低下し(32.3%)、2001年にも十分に回復していない(42.7%)。日本の政治システムの政治・経済の業績の悪化が、政治不信のみならず政治システムへの信頼感も低下させている。第3に、政治システム(すなわち、民主主義政治制度)への信頼は世代間に差異はなく、どの世代の日本人も時代と共に信頼感が低下しているが、国の政治への信頼は、世代間の差異が大きい。
著者
田中 愛
出版者
日本体育・スポーツ哲学会
雑誌
体育・スポーツ哲学研究 (ISSN:09155104)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.37-50, 2016 (Released:2016-11-01)
参考文献数
45

This study considers the theory of the body for practice of sport phenomenologically. It does not focus on the aspect of high competitiveness in modern sports but focuses instead on the practice of adapted sports which allows participation by more people. This study aims to expand the sphere of application concerning the theory of the body by reconsidering the significance of the term ‘practice of sport’. Using the method of phenomenological consideration, that is, examining what arises from the practices of adapted sports from the phenomenological viewpoint of the human body, the study examines criticism against the phenomenological theory of the human body and clarifies the significance of distinguishing between ‘human body’ and ‘physical body’. To this end, the present study (1) examined the discussion on the theory of the body for practice of sport, (2) inquired into concepts related to the body in adapted sports, (3) considered the theory of the human body with regard to actual practices of adapted sports, and (4) proposed the theory of the ‘human body as meaning’ for the practice of sport. This study clarifies the following: (1) the relationship between sport and adapted sport, (2) the relationship between the body and ‘disabled body’, (3) ‘human body as meaning’ is to be the subject of the theory of the body for practice of sport. Participation in adapted sports enables individuals to realize and understand their abilities, which non-disabled people are generally unaware of. By phenomenologically distinguishing ‘the body’ and ‘physical body’, the boundary between ‘disabled body’ and ‘non-disabled body’ is relativized despite the possibility of them being classified based on medical or scientific criteria. Adapted sports, therefore, should be recognized as part of regular sports.
著者
相澤 章仁 田中 愛子 辻野 昌広
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.731-734, 2017-03-31 (Released:2017-09-13)
参考文献数
19
被引用文献数
1

In this paper, we propose a vegetation monitoring with the collaboration of citizens and expert at the riverbank of the Tone canal, Chiba, Japan as advanced case study of the biodiversity monitoring. The monitor ing had started since that a citizens’ group cared about the changing method of the vegetation management of the Tone canal riverbank by Edogawa River Office. The leader of the group asked experts advice for vegetation monitoring. The expert held workshop to examining monitoring method, advised in fieldwork, and summarized results. The experts particularly supported technical aspect of each phase to deepen citizen’s understanding. The results of the monitoring were useful and easy to understand. This case study is a role model of the collaborative monitoring, because citizens and experts have collaborated consistently from examining the monitoring design with introducing citizens’ attentive observations for local nature. The deep-rooted collaboration with River Office are needed to develop this case study to ideal adaptive ecosystem management. To enhance and to spread collaborative monitoring, linking the network of the citizens and experts are needed.
著者
白蓋 真弥 網木 政江 浅海 菜月 桐明 祐弥 生田 奈美可 安達 圭一郎 田中 愛子
出版者
山口大学医学会
雑誌
山口医学 (ISSN:05131731)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.165-173, 2021-12-02 (Released:2021-12-24)
参考文献数
13

【目的】新型コロナウイルス感染拡大の影響により,臨地での看護学実習の機会が減少した2020年度卒業生の看護実践能力を明らかにすること,さらにコロナ禍以前に看護基礎教育を受けた2018年および2019年度卒業生の卒業時看護実践能力との比較を通して,2020年度卒業生の看護実践能力の特徴を明らかにすることを目的とした.【方法】2020年度卒業生77名および既卒生56名に対し,無記名選択式一部記述式の自記式質問紙調査を実施した.【結果】有効回答率は2020年度卒業生74.0%,既卒生35.7%であった.2020年度卒業生の看護実践能力の平均点が高かった項目は「看護の実施にあたり,その人の意思決定を支援することができる.」や「多様な価値観・信条や生活背景を持つ人を尊重する行動をとることができる.」等のヒューマンケアの基本に関する実践能力群に含まれるものであった.また,感染防止対策に関する項目も平均点が高かった.2020年度卒業生および既卒生の平均点を比較したところ,66項目中62項目で2020年度卒業生の平均点が有意に高かった.また,既卒生平均点の順位を基準として,2020年度卒業生平均点の順位を比較し,順位が大幅に下降した項目は,実施する看護の根拠と方法を人々に合わせ説明すること,回復期や慢性的な健康課題に関する看護等であった.一方で順位が大幅に上昇した項目は,家族アセスメントやエンドオブライフケア等であった.【結論】2020年度卒業生は一定の看護実践能力を身につけることができたと自己評価していた.しかし,臨地で実習できていないために,現実的な視点からの評価ができていない可能性があった.