著者
工藤 眞由美 金田 章宏 狩俣 繁久 木部 暢子 佐藤 里美 山東 功 林 明子 吉村 裕美 吉村 裕美 三ツ井 崇
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

本研究では、国際的にも大いに多様化の進んでいる日本語のバリエーションの問題について、言語類型論(Language Typology)、言語接触論(Contact linguistics)の立場から包括的に考察を試みた。具体的には、格やとりたて構造に関する言語項目調査について、諸方言に適用できる「統一した調査票」の改善についての検討を行った。また、ボリビア共和国サンタクルス県オキナワ移住地を対象とする言語的日常実践を描くエスノグラフィー的研究や、ドイツをフィールドワークとする、言語接触論的観点からの在外駐在日本人の言語生活調査を実施した。
著者
田中 宏光 西宗 義武 奥山 明彦 辻村 晃 宮川 康 田中 宏光
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005 (Released:2005-04-01)

実験動物(マウス)における精子細胞特異的遺伝子の解析からヒト男性不妊症の診断・治療法の開発を進めるため、以下の二点に焦点を絞って研究を進めてきた。1. 現在までに我々が単離したマウス精子細胞特異的遺伝子についての詳細な構造・コードする蛋白質の機能・特異的発現機構をさらに多くの新たな遺伝子について解析し、精子形成過程における役割を明らかにする。さらに、それらのヒト相同遺伝子をすべてクローニングし、その機能解析を進める。2. 精子形成機構の分子生物学的研究を通じて、ヒト男性不妊症の原因を究明する。基礎研究の成果を応用し、遺伝子変化と男性不妊症との関係を明らかにし、最新の遺伝子解析(マイクロアレー法)、蛋白質解析技術(プロテオミクス法)を用い、その診断法及び治療法の確立に役立てる。平成19年度我々は、1.マウス遺伝子の解析結果から、男性不妊症に関係することが考えられる精子細胞特異的解糖系遺伝子のヒトオーソログをクローニングし、ORF内のポルモルフィズムの解析を進めた。ヒト精液を用い、男性不妊症で有意に変化を示す蛋白質とmRNAの解析を進めた。その結果、男性不妊症特異的に変化をする蛋白質の存在を確認した。また、ヒト精液から得られたmRNAを抽出し、ヒト精子形成関連遺伝子を乗せたマイクロアレーを用いて遺伝子発現を調べる系を確立した。確立した系を用いて個体差や生活条件に影響なく妊孕性の確認された男性に安定的に発現が確認される遺伝子群を同定した。今後これら遺伝子と遺伝子産物に注目し不妊症男性不妊症特異的マーカーを確立したい。
著者
岩居 弘樹 久保田 美生
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

iPhoneやiPadのような小型情報端末はコンピュータ環境のない教室でもICT活用アクティブ・ラーニングを効果的に実現できる。従来型のCALLシステムの機能に機動性と創造性を備え、外国語学習環境を大きく変える可能性があることが明らかになった。小型情報端末は単なる電子教材の提示やビデオ・音声の再生装置ではなく、ビデオ撮影や編集、ナレーション付きスライドショー作成などの課題制作、学生自身による外国語音声の確認、学生との双方向コミュニケーションなどを実践しその効果を確認することができた。
著者
會田 茂樹 長井 英生 永幡 幸生 桑江 一洋 日野 正訓 廣島 文生 KOHATSU-HIGA Arturo 日野 正訓 桑江 一洋 廣島 文生 吉田 伸生 数見 哲也 長井 英生 KOHATSU-HIGA Arturo 永幡 幸生
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

研究成果としては(1)ウィーナー空間内の領域で定義されたホッジ・小平型作用素の研究(2)無限次元空間上のシュレーディンガー作用素の最小固有値の準古典極限の研究の二つがある。(1)ではウィーナー空間内のある非凸領域でのポアンカレの補題の証明のため、凸領域で定義されたホッジ・小平型作用素のアダマール変分を用いるアイデアを提起した。(2)では、コンパクトリーマン多様体のパス空間上のシュレーディンガー作用素と場の量子論に現れるP(φ)型のハミルトニアンの最小固有値の準古典極限を決定した。
著者
山下 仁
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

本研究は、観察調査に基づく、日独の買い物表現の分析を目的とする。この経験調査では、実際のインタラクションで使用された言語学的表現ばかりではなく、そのインタラクションを観察した母語話者である研究助手の意見も考察の対象としている。その結果、ドイツ語では、個人的なアドヴァイスを含めた比較的長い会話が丁寧であると感じられているのに対して、日本語では、手短で簡潔な会話が好まれることなどが明らかになった。
著者
高橋 康夫
出版者
大阪大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987 (Released:1987-04-01)

固相接合過程は接合圧力や接合温度だけでなく接合表面凹凸(表面あらさ)に大きく影響される。接合面同士を押しあてると、表面凹凸に起因して接合界面に空隙ができ、即座には完全な密着が出来ない。本研究では、この空隙が消失していく過程を数値計算により解析し、広範な条件に対して、予測できるアルゴリズムを試作している。すなわち、拡散によるボイド収縮過程のシミュレ-ションを行い、さらに、表面あらさのばらつきの接合過程への影響を考慮して、接合条件設定アルゴリズムを試作している。得られた主な成果及び概要を以下に示す。1)空隙収縮過程は、圧力・温度に影響される。その活性化エネルギ-はln(T/tv)-(1/T)プロットによって得ることができる。ここで、Tは絶対温度、tvはあるボイド収縮量Vsを達成させるに必要な時間である。2)拡散機構支配であると、時間tvに対する応力指数n(tvαP^n)は-1又は、-1〜-0.3となる。ここで、Pは接合圧力である。3)空隙収縮過程は、空隙の配列間隔に大きく影響される。4)細かい凹凸の表面を導入すると接合道程は促進される。5)表面凹凸のばらつきによる接合中のボイド間隔は、表面凹凸形状のかさね合せの手法によって正確に推定できる。6)推定した接合中のボイド間隔を考慮して、接合予測をすると、接合終了時をかなり正確に推定予測しうる。7)本研究で試作した接合条件設定ウルゴリズムは、接合条件を最適化させる上で、大きな力となることがわかった。8)実験によりこのアルゴリズムの適用範囲を確認している。
著者
伊勢 芳夫
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

英領インドにおけるインド及び周辺地域への言語・文化政策を調査、およびアングロ・インディアン作家の小説を分析することにより、異文化に対するイギリス人の認識の特質を検証した。また、19世紀の人類学の著作を研究することで、人種主義に影響を与えた近代科学の特質や、白人優位的な世界観を明らかにした。上記の英領インドと、日本の「西洋」受容を調査することによって、西欧列強から直接支配を受けなかった国への「西洋」の影響を検証した。
著者
常田 夕美子
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

本研究の成果は、インド地方都市における中間層女性の「理想の生き方」や「生きがい」についての考え方や価値観は、急速に変動する社会経済状況のなかで個々人によってそれぞれ独自に再検討され、自らがおかれている関係性のネットワークのありかたやそれまでの人生経験と密接にかかわっているのが明らかになったことである。グローバル化や近代化に対する希望を持つと同時に伝統的な宗教実践に新たな価値を見出す動きもみられた
著者
上向井 正裕
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

コンパクトで多項目一括検査可能な2波長蛍光免疫センサへの応用を目指し、赤色および近赤外のマルチスポット表面放射集積半導体レーザの設計・作製を行った。赤色集積レーザにおいては5×5および7×7のマルチスポットが得られ、近赤外においても同様のマルチスポット出力が得られる出力結合器を作製した。またノッチフィルタとロングパスフィルタの組み合わせた励起光カットフィルタを用い、赤色・近赤外の半導体レーザ励起による蛍光検出予備実験に成功した。
著者
疇地 宏 藤岡 慎介 重森 啓介 村上 匡克 長友 英夫 中井 光男 白神 宏之 乗松 孝好 門野 敏彦 藤田 尚徳 長井 圭治 萩行 正憲
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

本研究の目的は衝撃点火方式によるレーザー核融合の原理実証を行うものである。この原理を実証するためにはレーザー核融合用の燃料の一部を5g/ cm^3まで圧縮しながら1000km/ sまでの高速に加速できなければならない。第一に、米国海軍研究所のNIKEレーザーを用いて、燃料片を1000km/ sまで加速するという目標を達成した。また圧縮しながら加速するという実験にも成功し、大阪大学激光XII号で0. 5-0. 7g/ cm^3で、370km/ sまでの加速に成功した
著者
南 徹弘 日野林 俊彦 安田 純 今川 真治 小島 康生
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

幼児の社会的相互交渉他児との社会的相互交渉と言語的コミュニケーションスキルの関連を検討するために19名の4歳齢幼稚園児を対象とした観察を実施した。幼児の発話量には個入差が大きかったものの、概ね、女児は男児よりも肯定的発話を示し、否定的発話は男児に頻繁にみられた。また、スキルレベルの低い児は、より単独で過ごすことが多く、より活動的で、遊び集団への仲間入りを頻繁に試みていた。しかしながら、その試みは他児から必ずしも受け入れられず、他児からの拒否や無視を受けることが多かった。一方スキルレベルの高い児は遊びを方向付ける発話が多くみられ、遊び集団から離脱しても他児の追従を受けることが頻繁であった。すなわち、言語コミュニケーションスキルの高低が幼児の行動としてあらわれ、ひいては仲間関係に影響を及ぼすことが示された。そこで、実際にいざこざが生起した際に彼らがどのような行動を示すのか、また、いざこざに関わっていない他児がどのように関与するのかを保育園において5歳齢児を対象とした観察を実施した。その結果、男児のいざこざおよびいざこざへの介入には社会的関係に直接影響を受けず、女児のいざこざは彼らの社会的関係を反映した傾向があることが示された。保育士のしつけ行動幼児が逸脱的な行動を示した際に保育士がどのように介入しているのかについて、保育園3歳齢児と担当保育士を対象とした観察を行った。食事場面等においては保育士は児の行動を方向付けるようなしつけを頻繁に行っていたが、自由遊び場面においては児の自主性に任せるようなしつけ行動を示した。また、効果的なしつけの存在が認められたものの、保育士は必ずしもそのようなしつけを用いず、児が自身で考えられるような機会を用意していることが示唆された。
著者
里 直行
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

スタチンがマウスにおいて脳内ベータ・アミロイドを低下させることおよびその機序を明らかにした。スタチンはベータ・アミロイドの産生を抑制し、かつベータ・アミロイドのクリアランスを増大させた。ベータ・アミロイドのクリアランス増大の機序としてはLRP-1の増加が考えられた。両者においてイソプレニル化が関与していた。
著者
深瀬 浩一 藤本 ゆかり
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003 (Released:2003-04-01)

糖鎖の機能を明確な物質的、構造的基礎に立って明らかにすることを目指し、固相法と固相-液相ハイブリッド法による糖鎖の迅速かつ効率的な合成法について検討した。4-アジド-3-クロロベンジル(ClAzb)基を持つ糖鎖を固相合成した後、アジド基と固相担持ホスフィン樹脂の反応により、ClAzb基を持つ目的化合物のみを釣り上げ、続いてDDQ酸化によって目的物を切り出す手法を用いてエリシター5糖の合成を行った。アスパラギン結合型糖タンパク質糖鎖の固相合成に向けた基礎的な検討を行い、(Bu_3Sn)_2を用いたラジカル反応によりトリクロロエトキシカルボニル(Troc)基を固相上で効率的に切断する方法を開発した。また固相上でN-Troc基の隣接基関与を利用した立体選択的グルコサミニル化を行うことに成功した。4,6-O-ベンジリデン保護マンノシルN-フェニルトリフルオロアセトイミデートを糖供与体として、TMSOTfを触媒として用いるβ-選択的マンノシル化法を見出した(α:β=1:9)。またN-フタロイル保護シアル酸のフェニルトリフルオロアセトイミデートを供与体に用いるα-選択的なシアリル化法も見出した。われわれは、タグとタグ認識分子の特異的なアフィニティーを利用してタグの結合した化合物を分離する手法を開発し、Synthesis based on affnity separation(SAS)と名付けた。本研究ではポダンド型エーテルをタグに用い、タグの結合した目的糖鎖を固相担持アンモニウムイオンに選択的に吸着させる方法を確立した。この手法を用いてルイスX糖鎖を含む10数種のオリゴ糖ライブラリーの合成を行った。免疫増強活性複合糖質リポ多糖ならびにペプチドグリカンについて、様々な部分構造や類縁体の合成を行い、それらの生物活性試験により、機能の解析ならびに生体の蛋白因子の相互作用について調べた。
著者
植松 智
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

小腸CD103^+ DCがCD8αの発現により2つのサブセットに分かれる事を見いだした。CD103^+ CD8α^+ DCはTLR3, 7, 9を発現し、Th1応答や抗原特異的IgGを誘導した。CD103^+ CD8α-DCはTLR5, 9を発現し、抗原特異的IgGとIgA、Th1とTh17応答、そして強い細胞傷害性T細胞活性を誘導した。この様に2つのDCサブセットは、免疫の活性化において全くことなる機能を有していた。
著者
盛田 健彦 杉田 洋 磯崎 泰樹 吉野 正史 松本 眞 岩田 耕一郎 川下 美潮 滝本 和広 須川 敏幸 仲田 均
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

初年度は、繰り込まれたRVZ誘導変換に対して、代表者の先行研究で既に得られていた局所型中心極限定理を、応用上重要な関数を含むクラスに拡張した。2008年度以降に予定していたタイヒミュラー計量に付随した自然な拡散過程の構成については、当初予測していなかった難点にぶつかったが、幸いにしてディリクレ空間の方法によりタイヒミュラー空間のブラウン運動と思しき拡散過程の候補に至ることができた。
著者
石井 浩二郎
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本研究では、これまで未解明であったセントロメア新生反応機構について、分裂酵母の卓越した遺伝学を用いた新たに分子的な解剖を試み、セントロメア生来の必須機能の分子的な本質の理解を行ってきた。セントロメア機能傷害の発生に際して、染色体上の別座位に新たにセントロメア機能(ネオセントロメア)が獲得される現象は既に高等細胞で見出されているが、その出現を偏りなく人為的に誘導する実験系はこれまで報告がない。私たちは、高等生物と同等の分子構造を示す分裂酵母セントロメアに人為操作を加え、細胞内で条件的にセントロメアを染色体から切除するシステムを構築し、セントロメア欠失という致死的な傷害を既定の細胞集団に誘発する系を確立した。ネオセントロメアの新生をこの致死的細胞集団からの復帰生存株の出現という細胞応答として検出し、その反応素過程を分子生物学的に解析した。昨年までの解析により、分裂酵母第一染色体および第二染色体からのセントロメア欠失はネオセントロメア獲得細胞を再現性よく生成し、そのネオセントロメア形成領域として染色体両端のテロメア近傍が集中して選ばれていることが判明していた。テロメアの重要性を探るため、本年度はまずテロメア末端を欠失した染色体でのセントロメア欠失を行った。その結果、テロメアを欠く細胞ではいかなる復帰生存株も生まれないことを見出した。テロメア構造は染色体再編成に必須なことが示唆された。また、ネオセントロメア形成後の遺伝子発現の変動を人為的発現誘導によって解析し、セントロメアの転写に対する柔軟性がさらに明確に示された。
著者
真下 節 柴田 政彦 井上 隆弥 阪上 学 中江 文 松田 陽一 住谷 昌彦 喜多 伸一
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

神経障害性疼痛モデルマウスでは疼痛出現後しばらくしてうつなどの情動異常が発症するが、うつ行動の発現にはα2Aアドレノ受容体が深く関与していることを明らかにした。さらに、モルヒネ耐性マウスではデクスメデトミジンの鎮痛効果が増強し、後根神経節のα2A、α2Cアドレノ受容体mRNAの発現増加がみられた。また、神経障害性疼痛モデルラットでは、セロトニン2C受容体のRNA編集が起こり、受容体作動薬の疼痛軽減効果が増強された
著者
岡田 千あき
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本研究では、ポストコンフリクト(紛争後)期という社会の混乱期に実施された「地域住民による自発的なスポーツ活動」に期待された役割を明らかにすることを目的に、カンボジア王国シェムリアップ州で実施されている事例の検証をした。現地調査の結果から、「開発手段としてのスポーツ活動に期待された役割は、内発性を引き出すことである」という結論を得た。内発性とは、開発途上国の社会開発、人間開発の議論の中心になりつつある概念であり、人々の内発性が引き出され、適切なエンパワメントがなされることが、開発分野に求められている課題でもある。
著者
大鹿 健一 宮地 秀樹 相馬 輝彦 和田 昌昭 遠藤 久顕 河澄 響矢
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01 (Released:2010-08-23)

まずKlein群について,Thurstonが1980年代に提示した問題群を中心にして基本的な理論の構成の仕事を行った.その中で,Thurstonの未解決問題のうち2つを完全に解決することができた.そこで得た結果をもとに,Klein群の変形空間の器楽的研究を行った.変形空間の境界の位相構造について新しい知見をえるとともに,指標多様体の中での変形空間の力学系的性質の研究を進め,原始安定性の必要十分条件を得ることに成功した.Klein群の成果をTeichmuller空間の研究に応用し,様々なコンパクト化の共通の地盤としての,簡約化されたコンパクト化の研究を進めた.
著者
奥中 康人
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

19世紀後半の日本に流入した西洋楽器のラッパ(Bugle)が、静岡県(浜松市)と長野県では祭礼行事として結びつき、現在ではもはや民俗楽器であるかのように定着している実態について、資料調査およびフィールドワークをおこない、今に至る歴史的・社会的背景を明らかにした。さらに、従来の音楽研究が、そうした動態的な新しい民俗芸能の発展を間接的に阻害していることについて考察をした。