著者
植松 智
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

小腸CD103^+ DCがCD8αの発現により2つのサブセットに分かれる事を見いだした。CD103^+ CD8α^+ DCはTLR3, 7, 9を発現し、Th1応答や抗原特異的IgGを誘導した。CD103^+ CD8α-DCはTLR5, 9を発現し、抗原特異的IgGとIgA、Th1とTh17応答、そして強い細胞傷害性T細胞活性を誘導した。この様に2つのDCサブセットは、免疫の活性化において全くことなる機能を有していた。
著者
盛田 健彦 杉田 洋 磯崎 泰樹 吉野 正史 松本 眞 岩田 耕一郎 川下 美潮 滝本 和広 須川 敏幸 仲田 均
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

初年度は、繰り込まれたRVZ誘導変換に対して、代表者の先行研究で既に得られていた局所型中心極限定理を、応用上重要な関数を含むクラスに拡張した。2008年度以降に予定していたタイヒミュラー計量に付随した自然な拡散過程の構成については、当初予測していなかった難点にぶつかったが、幸いにしてディリクレ空間の方法によりタイヒミュラー空間のブラウン運動と思しき拡散過程の候補に至ることができた。
著者
石井 浩二郎
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本研究では、これまで未解明であったセントロメア新生反応機構について、分裂酵母の卓越した遺伝学を用いた新たに分子的な解剖を試み、セントロメア生来の必須機能の分子的な本質の理解を行ってきた。セントロメア機能傷害の発生に際して、染色体上の別座位に新たにセントロメア機能(ネオセントロメア)が獲得される現象は既に高等細胞で見出されているが、その出現を偏りなく人為的に誘導する実験系はこれまで報告がない。私たちは、高等生物と同等の分子構造を示す分裂酵母セントロメアに人為操作を加え、細胞内で条件的にセントロメアを染色体から切除するシステムを構築し、セントロメア欠失という致死的な傷害を既定の細胞集団に誘発する系を確立した。ネオセントロメアの新生をこの致死的細胞集団からの復帰生存株の出現という細胞応答として検出し、その反応素過程を分子生物学的に解析した。昨年までの解析により、分裂酵母第一染色体および第二染色体からのセントロメア欠失はネオセントロメア獲得細胞を再現性よく生成し、そのネオセントロメア形成領域として染色体両端のテロメア近傍が集中して選ばれていることが判明していた。テロメアの重要性を探るため、本年度はまずテロメア末端を欠失した染色体でのセントロメア欠失を行った。その結果、テロメアを欠く細胞ではいかなる復帰生存株も生まれないことを見出した。テロメア構造は染色体再編成に必須なことが示唆された。また、ネオセントロメア形成後の遺伝子発現の変動を人為的発現誘導によって解析し、セントロメアの転写に対する柔軟性がさらに明確に示された。
著者
真下 節 柴田 政彦 井上 隆弥 阪上 学 中江 文 松田 陽一 住谷 昌彦 喜多 伸一
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

神経障害性疼痛モデルマウスでは疼痛出現後しばらくしてうつなどの情動異常が発症するが、うつ行動の発現にはα2Aアドレノ受容体が深く関与していることを明らかにした。さらに、モルヒネ耐性マウスではデクスメデトミジンの鎮痛効果が増強し、後根神経節のα2A、α2Cアドレノ受容体mRNAの発現増加がみられた。また、神経障害性疼痛モデルラットでは、セロトニン2C受容体のRNA編集が起こり、受容体作動薬の疼痛軽減効果が増強された
著者
岡田 千あき
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本研究では、ポストコンフリクト(紛争後)期という社会の混乱期に実施された「地域住民による自発的なスポーツ活動」に期待された役割を明らかにすることを目的に、カンボジア王国シェムリアップ州で実施されている事例の検証をした。現地調査の結果から、「開発手段としてのスポーツ活動に期待された役割は、内発性を引き出すことである」という結論を得た。内発性とは、開発途上国の社会開発、人間開発の議論の中心になりつつある概念であり、人々の内発性が引き出され、適切なエンパワメントがなされることが、開発分野に求められている課題でもある。
著者
大鹿 健一 宮地 秀樹 相馬 輝彦 和田 昌昭 遠藤 久顕 河澄 響矢
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01 (Released:2010-08-23)

まずKlein群について,Thurstonが1980年代に提示した問題群を中心にして基本的な理論の構成の仕事を行った.その中で,Thurstonの未解決問題のうち2つを完全に解決することができた.そこで得た結果をもとに,Klein群の変形空間の器楽的研究を行った.変形空間の境界の位相構造について新しい知見をえるとともに,指標多様体の中での変形空間の力学系的性質の研究を進め,原始安定性の必要十分条件を得ることに成功した.Klein群の成果をTeichmuller空間の研究に応用し,様々なコンパクト化の共通の地盤としての,簡約化されたコンパクト化の研究を進めた.
著者
奥中 康人
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

19世紀後半の日本に流入した西洋楽器のラッパ(Bugle)が、静岡県(浜松市)と長野県では祭礼行事として結びつき、現在ではもはや民俗楽器であるかのように定着している実態について、資料調査およびフィールドワークをおこない、今に至る歴史的・社会的背景を明らかにした。さらに、従来の音楽研究が、そうした動態的な新しい民俗芸能の発展を間接的に阻害していることについて考察をした。
著者
加藤 洋介
出版者
大阪大学
巻号頁・発行日
2003 (Released:2003-04-01)

本研究の主たる目的は、『源氏物語大成 校異篇』(以下、『大成』と略称)の別本校異について、刊行の際に割愛された音便や表記の異同などに関する校異を増補し、合わせて『大成』校異の誤脱を修正することにある。これにより『大成』青表紙本校異と『河内本源氏物語校異集成』(加藤洋介編、風間書房、平成13年2月。)を合わせ、ほぼ同一の採用基準によったデータに基づいて比較研究を行なうことができる環境を整えることになる。本研究は同研究課題名での前年度申請によって採択されたものであるが、すでに先の研究期間における研究成果報告書では、桐壺巻から幻巻を対象として、約16,000項目の校異を増補し、3,600箇所ほどの『大成』校異の補訂を行なった(加藤洋介『河内本源氏物語の本文成立史に関する基礎的研究』(平成12〜14年度科学研究費補助金 基盤研究(C)(2)研究成果報告書)、平成16年6月。)。この研究期間においては、残りの匂宮巻から夢浮橋巻までを対象とした調査とその結果のとりまとめを目指した。『大成』所収の別本伝本に関する調査を行い、データの集約と整理を実施した。約8,300項目の校異増補と『大成』の誤脱2,000箇所程度の補訂作業を終え、その結果を研究成果報告書としてまとめたところである(研究成果報告書は『大成』の判型に合わせるためB5判とした)。これにより『大成』の別本校異すべてにわたる増補補訂作業を終了したことになる。今後は『大成』未収伝本へと調査対象を拡大し、『別本源氏物語校異集成』(仮称)として書籍刊行できるよう、研究の継続を計画している。また今回の調査研究の過程において、『大成』の青表紙本校異についても同様の調査が必要であることが判明しつつあり、こちらについても近々研究を開始したいと考えている。
著者
川村 邦光
出版者
大阪大学
雑誌
待兼山論叢. 日本学篇 (ISSN:03874818)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1-11, 2006-12-25