著者
樽井 直樹
出版者
大阪府立大学
巻号頁・発行日
2002

博士論文
著者
岸田 民樹
出版者
大阪府立大学
雑誌
大阪府立大學經濟研究 (ISSN:04516184)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.46-62, 1978-07
著者
西谷 真稚子
出版者
大阪府立大学
雑誌
言語と文化 (ISSN:13478966)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.107-123, 2005-03

チャールズ一世が処刑前夜を過ごしたセント・ジェームズ宮殿に隣接するセント・ジェームズ・パークは、もともとヘンリー八世が鹿狩り専用の猟場として造営した御苑である。内乱後の空位時代には、損壊を受けた宮殿と同様荒廃の憂き目に合い、すんでのところで実行はされなかったものの議会によって樹木伐採の命まで下っていたという。王政復古がなってまもなく始められたこの苑の復興をうたったのがエドマンド・ウォラーの'On St James's Park, As Lately Improved by His Majesty'であるが、カントリーハウス・ポエムの中でも建造もしくは再建を旨とするいわゆるbuilding or reconstruction poemと呼ばれる詩群に属するこの詩についてまず特筆すべきことはふたつあるように思われる。ひとつは復興をうたわれているのが敷地部分を含めるにせよ建物である場合がほとんどである中、この詩で扱われているのが専ら外部空間である点である。建物の帯びる象徴性とはまた異なった表われかたをする象徴性がそこに見られると考えることができるだろう。もうひとつは、セント・ジェームズ・パークを再興する人物がチャールズ二世その人であることである。たとえば同詩人そしてエイブラハム・カウリーがうたうサマセット・ハウスの再建においてまずは再興者として称賛されているヘンリエッタ・マライアは新国王の母という立場で王権への近さは持つ。王政復古以前、以後に関わらず他の王党派の貴人たちの建物の再建・復興も含め、これらはもちろん間接的、時に直接的に国王を嘉するものではあるけれど、本詩のように王その人の手になる、いわばこれ以上直截な記号性を持つものはない営みはその称賛の仕方にかえって独特なものを持つかもしれない。以上のふたつの点が詩の展開にどのように作用しているかをたどりつつ、その展開をカントリーハウス・ポエムおよびトポグラフィカル・ポエムというジャンルと照らし合わせて考察することがここでの試みである。
著者
北居 明 山田 幸三 伊藤 博之 河合 篤男 吉村 典久 井上 達彦 石川 敬之
出版者
大阪府立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

前年度の研究成果を踏まえ、中部地方を中心に蔵元へのヒアリング調査を行った。また、丹波杜氏記念館へのヒアリング調査も併せて行った。研究者グループが全員集合した研究会を、神戸大学と大阪府立大学中之島キャンパスで計2回行った。中之島キャンパスの研究会では、静岡県立大学の尹大栄准教授を研究会に招聘し、静岡県における酒造りについて研究発表をお願いした。このような研究活動の結果、まず杜氏と蔵元の関係の地域ごとの違いが明らかになった。桶買いが主な製造方法となった灘においては、主な杜氏供給元であった丹波は徐々に杜氏の数を減らして行き、平均年齢も高くなっていることがわかった。また、蔵元へのヒアリング調査からは、桶売り依存度が高い蔵元は、衰退する傾向があることも明らかになった。一方、蔵元の地域にこだわらない杜氏供給によって、南部杜氏は杜氏の数をあまり減らしておらず、若い杜氏も育ちつつあることがわかった。また、杜氏も、複数の蔵元を経験しつつ、ある蔵元での在籍期間が長い方が品評会で高い評価を受けることが明らかになった。その一方で、独自の酵母や発酵技術の開発により、杜氏を用いない蔵元も出現しつつあることが明らかになった。前述の尹准教授による静岡における酒造産業の研究からは、近年独自の酒造りによって品評会で高い評価を受けたり、国内での売上を伸ばしつつある蔵元には、このような蔵元が多いことも示唆された。このように、日本酒産業全体の衰退の中で、伝統的な事業システムである杜氏と蔵元の関係は、近年変貌を遂げつつあり、このような変化が次世代の酒造りに対しても、杜氏への依存度が低い事業システムへの圧力となりうることが予想される。
著者
高田 宗平
出版者
大阪府立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本年度も資料の蒐集・調査・分析に注力した。①清原家以外の公家・官人層、顕密僧の漢学実態を解明するため、京都大学総合博物館所蔵勧修寺家文書、国立歴史民俗博物館所蔵の廣橋家旧蔵記録文書典籍類並びにその同館所蔵資料、国立公文書館内閣文庫所蔵資料を調査・分析し、データ集積を図った。その成果の一端を上海師範大学で開催された国際学術会議「古寫本經典的整理與研究國際學術研討会」にて発表した。②日本中世に於ける漢学の実態を解明するため、日本古代中世に於ける類書利用について調査・分析した。③日本中世に於ける『論語義疏』の受容の実態を解明するため、精力的に日本古典籍所引『論語義疏』を蒐集し、それらと旧鈔本『論語義疏』等とを比較検討した。その成果の一端は国際学術雑誌『域外漢籍研究集刊』に投稿し、掲載された。また、台北へ出張し、台北故宮博物院図書文献館にて旧鈔本『論語義疏』を調査し、国家図書館にて関連資料を蒐集した。①の成果を中国哲学、経学、敦煌本・吐魯番学、中国古典文献学、仏教文献学などを専門とする日中学者が出席した上記国際学術会議にて発表し、また同国際学術会議の「總合討論」にて、日本伝存漢籍旧鈔本・古鈔本、日本古典籍所引漢籍の特徴・意義について提起し、討議できたことは大きな成果である。席上、上海師範大学哲学与法政学院教授 石立善氏、浙江大学古籍研究所教授 許建平氏、南京師範大学文学院副教授 蘇ホン(艸+凡,peng)氏、等と情報交換し学術交流した。③に関して、同上国際学術会議にて『論語義疏』についての発表のコメンテーターを務めた。また台北故宮博物院図書文献館にて、同館の諸氏と情報交換し学術交流した。上記のように、上海の国際学術会議にて研究発表と討議し、海外に発信でき、上海と台北にて海外の研究者と情報交換し、学術交流できた。この成果は学術ネットワークの基礎を築く一歩を踏み出すことになると言える。
著者
渡来 仁 小岩 政照
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、免疫担当細胞への抗原提示能に優れるリポソームを、ウシ乳房炎の発症予防のための経鼻ワクチンに応用し、ウシの乳房炎予防に有効なリポソーム型経鼻ワクチンの開発を目指した基礎的研究を目的として行われた。1、経鼻ワクチン用リポソームの開発ならびに最適化:経鼻免疫用リポソームの脂質組成についてマウスを用い検討した。モデル抗原として卵白アルブミン(OVA)を封入した。その結果、ジパルミトイルフォスファチジルコリンとジオレオイルフォスファチジルエタノールアミン、モル比1:1の脂質組成に、サクシニル化ポリグリドールを全脂質の30%加えて作成したリポソーム(SucPGリポソーム)で経鼻免疫することにより、OVAに対する免疫応答が誘導できた。また、誘導される免疫応答について解析した結果、液性免疫のみならず細胞性免疫の誘導が確認された。2、粘膜吸着性リポソームによる免疫応答:SucPGリポソームを1.5%キトサンと反応させ、粘膜吸着性リポソーム(SucPG-キトサンーリポソーム)を作製し、免疫応答について検討した。モデル抗原としてOVAを封入した。その結果、SucPG-キトサン-リポソームでマウスを経鼻免疫することにより、OVAに対する免疫応答が強く誘導できることが示された。また、誘導される免疫応答について解析した結果、液性免疫ならびに細胞性免疫の誘導が確認された。3、ウシにおける免疫誘導実験:SucPGリポソームにOVA抗原を封入し、ウシに経鼻免疫を行った。その結果、乳汁中にOVA抗原に対するIgA抗体の有意な産生が確認された。さらに、粘膜吸着性リボソームにOVA抗原を封入し、ウシに経鼻免疫を行った。その結果、血清中ならびに乳汁中にOVA抗原に対するIgG、IgA抗体の有意な産生が確認された。このことから、ウシの乳房炎予防に有効なリポソーム型経鼻ワクチン開発の可能性が示された。