著者
飯野 智子
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学短期大学部紀要 = The Bulletin of Jissen Women's Junior College (ISSN:13477196)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.37-48, 2015-03-21

ジェンダー、セクシュアリティの意識の変化とともに、性的サービスの需要や消費形態も多様化している。男性が作り、買い、女性が売るという構造にも変化の兆しが見える。女性向けのアダルトビデオや恋人を貸し出すデート産業などの利用者は、特別な存在ではなくなりつつある。このような現象は女性のセクシュアリティの自由な表現を意味しているのであろうか。あるいは女性に娼婦役割と母役割を求め、売りつつ買わないことを期待する性の二重規範が揺らいでいるのであろうか。本稿では、女性向けセクシュアリティ産業の調査を通して、「女性が買うこと」の意味を考える。
著者
仲町 啓子 宮崎 法子 濱住 真有
出版者
実践女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

研究成果は『「仕女図」から「唐美人図」へ』と題した一冊の本(実践女子学園学術・教育研究叢書、2008年末刊行予定)にまとめられている。その本では下記のごとく、大きく日本編と中国編に分け、それぞれに論文を載せるとともに、本研究の中心となった日本編において、調査資料一覧(作品のデータベース)及び資料の性格や特徴などを簡潔に説いた解説文、代表的な作品の図版を載せている。中国側の資料も、関連する日本の箇所に合わせて掲載している。日本編の論文は、仲町啓子「日本における『唐美人』の絵画化とその意味」、山盛弥生「室町時代の女性半身像について-霊昭女図の制作と制作背景を中心に」、福田訓子「玄宗・楊貴妃図の研究-作品と文献から見た室町末から江戸初の展開を中心に」の3つである。それらでは、唐美人という表象が、単なる外国の女性像ではなく、すぐれて文化的な表象であったという問題意識を共有しつつ、受容史的な視点を入れてそれぞれの固有の場合について考察している。中国編の論文は、宮崎法子「中国の仕女図概観」、太田景子「中国道釈画中の女性像-京都国立博物館蔵『維摩居士像』を中心に」、皆川三知「『韓熈載夜宴図巻』の研究」で、中国の仕女図を概観するとともに、今回の研究で収集した日本に伝わった資料を活用しながら、それぞれのテーマに新知見を出している。日本編の調査資料一覧及び解説は、十四世紀以前の「唐美人」、室町期の絵画作品における中国風俗の女性像、玄宗・楊貴妃関係の図様の展開、桃山時代の「唐美人」、「探幽縮図」にみる「唐美人」、江戸期に描かれた「唐美人」、近代日本画における美人図-明治後期〜昭和初期を中心に、の各項目に分けて整理されている。また巻頭の図版は、楊貴妃・楚連香・西王母などのテーマごとに代表的な作品を集めて示し、さらに実践女子大学に所蔵する唐美人画巻を全巻載せている。以上により、「美人画」という表象(あるいは美人というモチーフ)が、ある特定の歴史的な社会のなかで有した意味について、日本絵画史においては、中国風俗の女性像である「唐美人」という表象が担ってきた文化的な価値あるいは社会的機能を、各時代の実情に沿いつつ考察し、中国絵画史においては女性像(仕女図など)の絵画化の歴史的な変遷とその意味を探った。
著者
渡邉 守邦
出版者
実践女子大学
雑誌
實踐國文學 (ISSN:03899756)
巻号頁・発行日
no.88, pp.1-19, 2015-10
著者
藤原 正道
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子短期大学紀要 (ISSN:13477196)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.59-68, 2013-03-19

本論の目的は、主観的事態把握と客観的事態把握を基本に、人称代名詞を明示しない場合の英語と日本語の丁寧表現について分析することである。英語と日本語の事態把握の違いが、丁寧表現にも反映されていること、話し手と聞き手と事態との位置関係の重要性、そして主語や目的語を表さないことによって、なぜ丁寧さを表せるのか、さらに日本話者はなぜ聞き手に対して様々な呼称を用いるのかを明らかにしている。