著者
加藤 征江 小前 佳代 福本 三紀
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.39-47, 2008

The purpose of the research is to clarify the influence of preservation conditions on the deterioration of the vegetable oils used in daily life.Each of iodine value for five kinds of vegetable oil, that is, salad oil, olive oil, sesame oil, corn oil, and soy bean germ oil was obtained by the experiment, because iodine value shows the degree of unsaturated fatty acids as the constituents of lipid, and it seems to relate to the deterioration of oil. Then, the changes of the deterioration for five kinds of vegetable oil which were put on the preservation of eight weeks at a constant temperature of 60℃ were examined every week by the rate of weight increase (%), peroxide value (POV) and acid value (AV).Furthermore, both samples of salad oil used in frying the sliced potato and an unused salad oil were put on the place of sunlight irradiation and the shade, and were examined every week by peroxide value.As the result, it was concluded that the preservation conditions of a lower temperature and the shade place were extremely important in the preservation of vegetable oils.
著者
田上 善夫
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Human Development University of Toyama (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.199-220, 2014-10-30

The utaki and its festival in Kumejima have original characteristics. In later times, the elements which had not been in Kumejima were introduced, and they were transformed. Through the examination of the current utaki and the old documents of Kumejima, following remarks are concluded as for the origin of utaki: 1. Utaki is based on the blood relationships called Makiyo or the settlement society called Mura or Shima. New utaki was established with the movement of a settlement and from there the former place was worshiped. Utaki has the meaning of Otoshi, and is thought of as the site where man is tied to god. 2. Forest god, fire god, well god, rain god, marine god and so on are enshrined in utaki. Basically, natures are enshrined, and utaki did not relate to ancestor's soul or ancestor worship. 3. In Kumejima, each clan had a female god (priest) called Kaminchu. All Kaminchu were organized under Ryukyu dynasty, and among them, Kimihae was concerned with the ruling of the feudal lord called Aji. Utaki is thought to have been founded by an original female god, before Kimihae-Noro organization. 4. Major festivals are carried out mainly in Kimihae house and Noro houses around. However, utaki does not connect with such major festivals, but with small festivals which were founded before the control of Ryukyu dynasty. 5. Gods are enshrined in utaki, and Kaminchues circulate among them. To pray for rain, they visit utaki or sacred big stones, especially in the west end of the island, where marine god is enshrined. Utaki is placed in a settlement, worships gods of nature, is related to female gods before the religious organization, is not strongly tied with later festivals, and is made a pilgrimage to. The festival sites such as utaki has original characteristics basically. They are deeply concerned with nature, and act as an agent to mediate between man and nature.
著者
田畑 弾 田上 善夫
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.71-77, 2007-02

富山県の平野部各地に見られるスギなどの高木で家屋の周りを囲む屋敷林は、富山県の特徴的な景観であり、たとえば青山ほか(2000)においても、気候景観として特徴的なものとされている。また、小川(2001)の「井波風」も、岩田(1999)の 、富山市大沢野地区における不吹堂の分布も、どちらもフェーン現象に伴う高温で強い南成分を持った風を対象としており、日本海に低気圧が存在することによって吹く強風を仮定して論じているが、実際のフェーン現象は、台風がトリガーとなって発生する強風であることも多い。富山県の中でも有数の伝統行事である、富山市八尾町の「おわら風の盆」の、厄を払う対象となっている「大風」も、開催時期の関係を考慮すると、低気圧性のフェーンよりもむしろ、台風によるフェーン現象による「大風」であると考えることができる。また、この行事は、田口(1941)の 風祭の一種とも考えられる。富山県の平野部の市街地では、フェーン現象によって大火事がたびたび発生しており、たとえば、1956年の台風12号による魚津大火は、死者を多数出し、市街地が全滅した大災害である(たとえば、読売新聞社、2006)。魚津市では後に、これを教訓に防火地域を設定し、火災に強い街づくりを進めている。本稿では、1981~2000年 における台風の位置と富山県における強風の関係を解析したものである。富山県の強風については、吉野・福岡(1967)の気圧配置型を用いた気圧配置ごよみ(吉野・山川、2002)を用いてⅥ型(台風型)に分類された日の強風に関して、また他の型であっても台風を伴う風と判断した事例を用いた。
著者
椚座 圭太郎 田上 翔子
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.107-133, 2011-10 (Released:2016-02-15)

本研究では,小学生,大学生,大学院生に対して地球温暖化と原子力発電に関するアンケート調査を行い,次世代の日本人の批判的思考力あるいは科学リテラシーの現状を明らかにし,今後のあり方を考察することにした。
著者
嶋田 愛 千田 恭子
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.75-91, 2008

現在,わが国のクラシックの演奏会における西洋声楽曲のレパートリーは幅広い。その中でも,ドイツリートやイタリア歌曲,イタリアオペラに馴染みが深いように感じるが,ここに至るまでにわが国の西洋声楽曲のレパートリーはどのように変化してきたのだろうか。 本論では,明治以来のわが国の近代化と共に歩んできた西洋声楽曲のレパートリーの移り変わりについて明らかにする。方法としては主に,現在の東京藝術大学の前身,東京音楽学校で行われた各種コンサートの資料を用い,その中から独唱曲として演奏されている西洋声楽曲について調査する。また,時期としては日本人によって初めて西洋声楽曲が演奏された明治29年から東京藝術大学設立までの約55年間を,時代を追って扱うものとする。
著者
Cocteau Jean 千田 恭子
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.117-128, 2007-02

コクトー(Cocteau,」1889~ 1963)の戯曲をもとにプーランク(Poulenc,F1899~1963)が作曲したモノオペラ『人間の声』(1958年作曲、1959年初演。戯曲としての初演は1930年)に私が初めて巡り会ったのは、もう25年も前のことである。フランス語は全くわからないにもかかわらず、後々まで印象に残ったことを覚えている。2002年に同作品を原語で演奏する機会を得た(2002年6月、愛知県名古屋市守山文化小劇場、演出:伊藤明子)。オペラの台本はコクトーが書いた戯曲全てではなく、作曲家のプーランクと初演時に唯一人の登場人物を演じたソプラノ歌手、ドウエーズ・デュヴアル(Duval,D1921~)が検討を重ねてカットを施したものである。その台本によるオペラの初演の時、コクトーは演出と舞台装置を担当し、「親愛なるフランシス、君は僕のテキストを『朗誦』する方法を見つけてくれた」という讃辞をプーランクに書き送ったという事を知り、カットされた部分は気にせず、台本テキストを読み込み、人物像を描き、自分なりの舞台を作り上げることができたと思っていた。2004年、ジェシー・ノーマン(Norman,」1945~ )が来日し、この作品を演じた。残念ながら生の舞台を観ることはできなかったが、後日、NHKの教育テレビでライブ映像が放送された(2004年8月、芸術劇場)のを観て、役作りと表現の差を痛烈に感じたのである。演出そのものの違いなのか、アメリカ人と日本人の持うている性格の差なのか、他に何か理由があるのか…。もちろん、それらの全てに原因があるのであろう。そこで、役創りの差がどこから発生するのか理由を探し出そうと戯曲そのものの翻訳を試みることにした。『人間の声』の翻訳はコクトー全集② に収められている。そこで私は、声楽家が役作りの追求のため、プーランクのオペラの原作を研究するという立場で翻訳を試みることにした。恋人に捨てられた女は前夜睡眠薬自殺をしようとし、一命を取り留めて苦悩の1日を終えた。死体のようにうずくまる女の部屋に電話のベル。5年間の愛の生活を捨てて3日前に去って行うた男からの最後の電話。男は明日、別の女と結婚するらしい。男とかわす最後の会話。それがオペラの全てである。電話の相手は姿を見せることはなく、声さえも観客に聞かせることはない。プーランクとデュヴアルがカットした部分にはどのような人物像が描かれているのかを探りつつ、楽譜に込められたプァランクのメッセージと対比しながら翻訳すことによって、オペラ作品としての『人間の声』の新しい魅力を発見したいと思う。
著者
志賀 文哉
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Human Development University of Toyama (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.141-149, 2020-03-19

本研究の目的は孤立化しやすい高齢の生活困窮者の社会的な居場所を設けることの意義や課題について明らかにすることである。研究対象者が集う場所を設け交流するカフェ型活動を展開し,相互の結びつきを形成するものとした。質的な調査内容からは主に日常的に話す機会が限られている調査対象者らがこの場を通して会話を楽しむ機会を得ており,当事者同士の関わりの意義や必要性が示される一方,継続的な参加には課題がみられた。高齢生活困窮者らの孤立化を防ぐためには,独居のリスクの軽減や社会的居場所の確保を検討する必要がある。
著者
増田 美奈
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Human Development University of Toyama (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.21-30, 2017-03-31

本論文は,D.J. クランディニンらが提起する「カリキュラム・メイキング」において教師が「緊張関係を生きる」とはいかなることか,デューイの探求理論における「享受」概念を手がかりに解釈することを目的とする。考察を通して,緊張関係を享受すること,享受した緊張関係の質を見極めること,それらを通して緊張関係を感じた状況からより良い状況に前進させるための次の探求を開始すること,という一連の省察活動が,「カリキュラム・メイキング」において教師が「緊張関係を生きる」ことであることが明らかとなった。
著者
田上 善夫
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Human Development University of Toyama (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.205-219, 2016-03-30

The purpose of this study is to reconstruct the climate variation in Japan in the first half of the second millennium. For reconstruction, daily weather record around Kyoto from the 11th century to the 16th century are used to calculate the snowfall ratio of winter and the rainy day ratio of summer. Next, regression analysis is applied on the present weather and temperature record and based on the result, the temperature changes of winter and summer are estimated. Furthermore, the influence of a climate variation is examined. The main results are as follows: 1) Winter temperature fell gradually from 1001 to 1600. Especially in 1090s, 1160s, 1260s, 1330s, 1380s and 1460s, there were substantial falls. 2) Summer temperature was rising toward the second half of the 13th century, and began to fall toward 1600, with substantial falls in 1140s, 1450s, 1560s and a remarkable rise in 1270s. 3) In the 15th century or the 13th century, the Medieval Warm Period changed into the Little Ice Age. Winter temperature of the 12th century may be higher than that of the present, and it may be lower in the 15-16th centuries than that of the beginning of the 19th century.
著者
石井 哲夫
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Human Development University of Toyama (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.105-121, 2020-03-19

National music is just the thing of that race in its native form.In order to be able to be accepted by other nation, it is necessary to borrow and transform the style of music that is widespread thrpughout the world.Many of Mongolia’s musical instruments represent how a horse is galloping by the operation of a quick bow of a Morin khuur. If this is a piano, it will be replaced by a single hit.By expressing a national musical elements in the style of Western music and instruments, it is possible to make it a world music.
著者
西田谷 洋
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.59-66, 2017

As part of the Haruki Murakami studies, I take up Makoto Shinkai,s anime with deep Haruki novel and relation, arrange the Shinkai style, analyze correspondence with each anime and the Haruki's novel, and consider Makoto Shinkai's novel, the relation of anime, and the locus of anime.
著者
江上 有紀 椚座 圭太郎
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Human Development University of Toyama (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.139-155, 2016-10-25

本研究の目的は,「子宮頸ガン予防ワクチン接種の是非」を教材として用い,「生物基礎」を実際的に「日常生活や社会」に役立つようにする授業実践のあり方を提案することにある。学習指導要領では,日常生活や社会と関連した教材として「エイズ」や「糖尿病」といった疾患を挙げているが,生徒にとって当事者性の低い話題であり,免疫学習の一例に留まってしまう可能性が高い。また,先に述べたように子宮頸ガン予防ワクチン問題解決には,生物学のみならず,保健衛生学,医学から情報まで知識や活用力,すなわち生命科学リテラシーが必要である。そこで今回は,「生物基礎」の授業の中で,子宮頸ガン予防ワクチン関連分野として「免疫」「ガンの細胞学的理解」を丁寧に行い,それらを生かせる情報検索の時間を設け,自己決定力を育むことを目標とする授業展開を試みた。比較のため,「社会と情報」科目で同じテーマの情報検索を行う授業を行い,本研究の「生物基礎」授業の効果を調べた。授業実践の結果,拡張した「生物基礎」授業により,情報のリテラシーが高まり,さらに自己決定力,社会への関心が高まるという連鎖の効果が見いだされた。本論文では,実践結果を報告するとともに,科学的理解が自己決定力や社会性をもたらすメカニズムを論じ,それをふまえた高校教育における知識基盤社会,アクティブラーニング,合科授業,キャリヤ教育や18歳選挙権への対応について考察する。
著者
林 衛
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.119-131, 2013

東日本大震災・原発震災は,市民社会における科学や科学者のあり方を見直す機会となった。日本の市民社会には原発震災の未然防止はできなかったが,震災後に発揮された「超専門力」「市民科学リテラシー」によって,政府や御用学者からの偏った情報提供を批判的に受け止めるのに成功した面もあった。理科離れは「文系人間」の科学リテラシー不足の問題としてしばしば語られるが,より重要なのは「理系人間」が異分野への知的好奇心を磨きつつ自らのリテラシーの再点検・向上に努め,自由に科学を論じられる社会的な雰囲気づくりに貢献することだろう。
著者
網谷 夏実 隅 敦
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.93-106, 2014

本研究は,スペインの初等美術教科書における題材の特徴を,主として描画指導に関わる題材の分析を通して,日本の教科書題材との違いに焦点を当てて明らかにしようとしたものである。まず,スペインの初等美術教科書の構成を整理した。次に,教科書の目次から内容の概要を翻訳し整理したところ,主に平面の題材が多く,概ね作品鑑賞から制作に移るという過程が確認できた。一方,日本の教科書においては配当されていない(1)臨画の題材,(2)ぬり絵をする題材,(3)絵の描き始めが示されている題材,(4)背景が既に描かれている題材について,実際に制作を行いながら,詳細な分析と考察を行った。そこでは,発想や構想の能力の育成よりも対象を正確に写し取る技術を重視する特徴が見いだされた。さらに,スペインの教科書で特徴的であったぬり絵に焦点を当て,日本の初等美術教育においてぬり絵が扱われていない理由を考察し,①山本鼎の自由画教育運動の影響,②玩具として認識されていること,③教育的効果に対する否定的な意見,④評価を伴う場合の問題の四点を導き出した。
著者
田上 善夫
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.201-220, 2006-12

In this research,the field investigation of "the Saigoku sacred place","the Bando sacred place",and the sacred places located around them was done.Moreover,the "fudasho" and the pilgrimage road were analyzed statistically.In addition,the clarification of the character of the sacred place was tried in consideration of the historical details of the sacred place establishment.The results are as follows.1)There is a layered structure of loops that surrounds Kamakura in the pilgrimage road of the Bando sacred place.Moreover,around the Bando sacred place,the local sacred place that connected with it appeared.2)In Edo most of the sacred places were established in the recent age.The buddhist temples in the city part moved frequently and some pilgrimage routes changed. Later,regional sacred places were established adjacent to early sacred places.3)The pilgrimage road shows a radial pattern in the Saigoku sacred place.Fudasho's are overcrowded around Kyoto,and many are in Kumano to the south and in the capital surroundings to the north.The sacred place is composed of these three regions.4)Among the sacred places of Kyoto,there are some one that overlapped the Saigoku sacred place and some that connected to the Shikoku sacred place.The different influences of the buddhist temple sects are seen there.5)There is a difference in Fudasho group of the Shikoku sacred place among the regions of Awa,Tosa,Iyo,and Sanuki.Such regional fudasho groups were collected,and a combined sacred place was formed.6)The pilgrimage is seen in any religion.In Japan,there is a trait in the pilgrimage of the sacred place that includes not only a specific sacred point but also many combined sacred points.7)While the forest training developed into the peak round in "the Sanmon group of Tendai sect",pilgrimage of the sacred points in various places was developed in "the Jimon group of Tendai sect" and it arrived at the establishment of “Kannon” sacred place like the Saigoku one.8)As the syncretism of religion advanced after the Middle Ages,"the Hijiri" and itinerant priests pilgrimaged around the country,and the sacred place became popular with the people.Moreover,the people went on a pilgrimage,and the sacred place was straightened.9)In recent times,a gradual and integrated style such as "the Shikoku sacred place" appeared,and it was brought to various places by the people's initiations,and many local sacred places were established.10)On the other hand,climbing of holy mountains by "Ko" became popular around the rural farm village,and it had developed in a different style from that of the pilgrimage of a sacred place.11)Sacred places have various religious characters and the pilgrimage has various purposes.Sacred places have conflicting characters in themselves.There are many kinds of syncretism and transformations in the sacred place.
著者
米田 猛
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.47-61, 2013

本稿は,現行中学校国語科教科書(以下,特に断らない限り「平成24年度版」とする)における作文単元を,平成20年版中学校学習指導要領(国語)に示された「言語活動例」の視点で分析し,教科書作文単元作成上の課題や教科書作文単元使用時の指導上の問題点を考察することを目的とするものである。平成20年版中学校学習指導要領(国語)では,従前よりも「言語活動の充実」を図り,従前の「3内容の取扱い」における提示を,「2内容」の(2)に示している。これは,「指導内容」としての「言語活動例」の提示であり,単なる指導上の留意事項とは異なる扱いと受け取れる。本稿では,平成24年度版中学校国語教科書における「作文単元」について検討を加え,その特徴を,特に「言語活動例」の視点から明らかにするとともに,その「作文単元」を利用して指導を試みるときの問題点にも言及する。
著者
林 衛
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.81-91, 2006-12

2006年4月,富山大学人間発達科学部に,科学技術社会コミュニケーション研究室が誕生した。いままでの科学教育が,専門家養成のために体系化された科学知識のダイジェスト版を初等中等教育に提供するものであるとみるならば,ここに提案する新しい科学教育は,市民社会のさまざまな場面で,問題提起や判断,意思決定を保証できる能力の獲得をめざしている点が特徴的で,補足的だといえよう。地域をベースに有効な科学コミュニケーション手法の研究・開発を進めるとともに,科学の文化をスポーツや政治などのほかの文化と比較しながら,分析し,育んでいく研究・実践の舞台として,人間発達科学部には好条件が揃っている。