著者
竹腰 佳誉子
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.203-210, 2012-03 (Released:2016-02-15)

本稿では,印刷業に関わるフランクリンの人脈,あるいは人脈づくりに着目し,順を追って述べていきたいと思う。それによって,そのネットワークがフランクリン自身にとって,ひいては植民地にとって何をもたらしたのか,植民地独立にいかに関与したのかということも明らかにされると思われる。
著者
笹田 茂樹
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.1-15, 2011

本稿ではまず,教育と公共圏の関係について,ハーバーマスの描いたシェーマ(schema,図式)に概ね沿う形で,黒崎が指摘する具体的な「仕掛け」としての学校評価活動を研究対象として論究していくが,公共圏に参加する主体の形成に関しては,ハーバーマス理論を援用する野平の構想には与せず,ホネットの理論に準拠しながら検討したいと考えている。本稿第1章では,ハーバーマスのコミュニケーション理論から,「コミュニケーション的権力」概念を学校評価活動に適用する。これは,討議過程において人びとがコミュニケーション的自由を公共的に使用することから権力が発生するという概念で,評価活動における「参加」や「協働」の制度設計を考える際に重要なものとなる。第2章では,ホネットの理論から,彼の「承認をめぐる闘争」概念を用いて,学校評価活動への生徒参加について論じる。この概念は,アイデンティティ形成に必要な相互主観(間主観)的な承認関係が他者との闘争によって発展・拡大していくというもので,公共圏における世代間闘争を論ずる際にこれを援用することで,生徒参加の理論構築を試みる。なお,本稿で使用する「公共性」という用語は,特に指定しない場合は「市民的公共性」を指し,その意味は入江幸男の定義に基づいて「ある問題に関してあらゆる論点を自由にとりあげて,それについて理性的に議論を行い」,しかも「その議論が公開されて,すべての人がその議論に自由に参加できる」性質とする。そして,このような状態が成立している社会空間を「(市民的)公共圏」あるいは「公共空間」と呼ぶこととする。さらに「熟議」という用語については,管見によればこの語を初めて使用した法哲学者である井上達夫が,「一人で熟慮するのではなく,皆で話し合って熟慮する」ことであると解説している。この解説とハーバーマスの協議政治モデルに基づき,本稿が用いる学校評価活動などにおける「熟議」とは,「生徒・教職員・保護者,あるいは地域住民が対等の立場で協議し,熟慮し合うことで共通理解を形成していく行為」とする。
著者
志賀 文哉
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Human Development University of Toyama (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.99-103, 2016-10-25

2011年3月の東日本大震災から既に5年以上が過ぎ,復興のプロセスとしては「集中復興期」から「復興・創生期間」へと移行している。「創生」の言葉には,高台移転や災害公営住宅建設を着実に進めることや福島県における帰還困難区域以外での避難指示解除を進めることなど,次の段階すなわち復興後の自立した地域を形作ることが含まれている。しかし,2015年3月現在においても高台移転が予定の半分も進んでおらず災害公営住宅も6割程度の見込みである状況から大きく前進することは難しいと考えられる(復興庁,2016)。移転や建設が可能なところはすでに着手するか完了しており,復興にかかる助成も大きく減らされるためである。また地域の自立が求められるなかで,被災地にとどまった若年層も仕事や新しい生活を求め,これを機に域外に流出することが懸念されるため,応急仮設住宅から出た後に地域にとどまる人は高齢者が中心になることも考えられる。震災前とは大きく異なる地域に居続ける人たちの健康状態や今後の希望とそれに対応する国や行政の支援のあり方に関心が寄せられている。本調査では,応急仮設住宅から災害公営住宅他の住居への転居が本格化する,震災後4年目~5年目に応急仮設住宅で生活している人を対象に,ストレス対処力および現在の暮らしぶりを調べ,その現状を明らかにするとともに,結果内容を行政と共有し今後の効果的な対応に活用してもらうものとした。
著者
姜 信善 河内 絵理
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.1-15, 2010-03

愛着(attachment,アタッチメント)とは,「乳幼児期を過ぎると消え去るのではなく,青年期,成人期以降も持続し,人生において重要な役割を果たす,特定の対象に対する特別な情緒的結びつき」のことである(Bowlby,1973)。本研究では,愛着の<親への安心>と<親への親密>という 2側面に焦点をあて検討を行うこととする。また,本研究では,愛着対象を,・母親・とは限定せず,父親,母親を統合した ・親・との愛着を想定し,親への愛着の尺度の作成を行い,学校適応との関連を検討することとする。次に,調査対象は小学生とする。これまでの愛着についての研究は,乳幼児,中学生,大学生を対象としたものがほとんどであり(山川,2006;松岡・青柳・斎藤,2001;五十嵐・萩原,2004),小学生を対象とした研究はほとんど見当たらない。中学生や大学生にとって,親への愛着の重要性が示されたが,親の援助がより多く必要であると考えられる小学生にとっては親への愛着は,より重要な影響を及ぼすことが推察される。以上のことを明らかにすることを本研究の目的とする。
著者
田上 善夫
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.103-120, 2008

In this research, the influence that Global warming has been exerting on viniculture in Europe was taken up.The field investigation and the statistical research were done, and the influence of the climate variation was analyzed. The results of this study are as follows. 1)As for the variety of viniculture in Germany, it is mainly composed of Riesling, and for red wine, such as Spätburgunder, is also commonone. 2)In some places of the highlands in Alps, Switzerland, the wine production that used local high-quality grapes changed from for-private to for-commerce. 3)In the north of 13 cultivation regions of Germany, new vineyards are opened in Brandenburg and Mecklenburg-Vorpommern. 4)Though the amount of wine production of Germany is less than that of the Mediterranean area, it increases or it stabilizes and the variety has changed to ones of high quality. 5)As for the year to year change of wine production amount, a similar tendency among regions is seen by the south or north location and the cultivation variety. 6)As for the cultivation variety of Germany, Silvaner, strong for cold, decreases, and Spätburgunder, weak for cold, increases. 7)In the wine production in the vicinity of the north, it is thought that the high temperature, long sunshine duration, and little precipitation work advantageously. 8)The high temperature in the warm period has negative correlation with the amount of wine production, and it is thought that a remarkable high temperature at the midsummer becomes a trouble factor in recent global warming. 9)The wine production amount has positive correlations with temperatures in September and May, and it is thought that the early flowering and enough maturity are advantageous. 10)In the north vicinity production area, it is thought that a high temperature, little precipitation, and long sunshine duration in September enable the production.本研究では,欧州において温暖化がブドウ栽培に与える影響をとりあげ,現地での実態調査また統計調査を行い,さらに気候の変化の影響について分析した。本論では,北辺地域を主な対象としているが,地中海沿岸地域での変化も大きく,今後はむしろ南辺地域としての分析が必要となるかもしれない。また近年の温暖化の中では,主な対象としたドイツの伝統的な生産地域以北でも,ベネルクス,北欧諸国,バルト三国などにおいても,新たな商業的ブドウ栽培が開始,あるいは試みられるようになった。欧州北方におけるブドウ栽培は,古代に始められて中世に再開し,近年に再再度活発化しているが,中には古代・中世における栽培が知られていない地域も含まれている。そのためワイン生産の変化は,単なる再開の域を超えるものであるが,もとより現在の変化には域内外の情勢の変化がかかわり,従来と同じではない。その状況は異なるにせよ,古代・中世おいてもワイン生産はさまざまな要因がかかわり変化したので,現在の温暖化とワイン生産の変化の流れの解明により,その歴史気候における代替資料としての可能性を知る手掛かりが得られるものと考えられる。歴史時代の気候復元の代替資料とされるブドウ収穫期日には,複合的な要因がかかわる。現在のブドウの収穫は,高級化および温暖化の中で,気候とのかかわりが従来とは異なる。それを資料とするには,因果関係の十分な解明が必要であり,ワイン生産の変遷についての詳細な分析により,代替資料としての利用が可能となる。確実な気候復元がなされるなら,まず現象面よりマクロに,気候とワイン生産変遷とのかかわりが,解明されると考えられる。
著者
赤川 果奈 下田 芳幸 石津 憲一郎
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Human Development University of Toyama (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.1-10, 2016-03-30

本研究は,中学生を対象とし,友人関係における評価懸念や友人関係満足度,そして内的適応感の指標である自尊感情として自己価値の随伴性と本来感を取り上げ,学校適応感(学校生活享受感情)との相互の関連性について,短期縦断調査によって検討したものである。中学1-3年生169名から得られた3ヶ月間隔の2回のデータについて,交差遅延効果モデルを用いて分析したところ,男子については,評価懸念から自己価値の随伴性に正の,自己価値の随伴性から本来感と学校適応感に負の,そして本来感から評価懸念,自己価値の随伴性,および学校適応感に負の影響が確認された。一方女子については,友人関係満足度から学校適応感に負の,本来感から評価懸念と自己価値の随伴性に負のパスが得られた。これらの結果を元に,中学生の友人関係,内的適応感,学校適応感の相互の関連性について考察した。
著者
中村 順子 水内 豊和
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.161-168, 2010
被引用文献数
1

本稿では,GT(GiftedandTalented)児に対する正しい認識と適切な支援を導くために,アメリカ合衆国におけるGT教育の実情に関する先行研究について俯瞰し,わが国における GT児への対応の問題点と今後の課題について検討した。アメリカ合衆国における先行研究では,才能開発にとどまらず,教育における経済格差,人種間格差を是正するために GT教育を活用している例が見られた。また特別支援教育として 2E(TwiceExceptional)児への積極的な支援が行われ,現在では,GT教育は,学習障害につぐ2番目に大きなグループになっている。これらの先行研究をふまえて,わが国における GT教育の可能性について考察した。
著者
水内 豊和 島田 明子
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.131-142, 2016

高校における発達障害のある生徒の特徴やとらえ方に対する教師の意識を明らかにするため,全国から無作為抽出した普通科と専門科,計794校を対象に質問紙調査を実施した。回収数は128校(16.1%)であった。調査の結果,発達障害の診断のある生徒は,普通科・専門科にかかわらずアスペルガー症候群がもっとも多かった。また生徒のネガティブな特性項目であっても,それが学校生活上の不利益になっているかどうかや,それが個性として尊重されるかどうかは,普通科・専門科の教員による違いがみられた。これは,普通科と専門科の学習内容や学習形態の違いに起因すると考えられ,普通科の教員は認知特性に凸凹がある生徒の困り感に気付きにくく発達障害のある生徒の存在を認識しても適切な支援ができていないこと,優れた側面を持っている2Eといった生徒の存在自体の認識や能力の引き出し方に対するアプローチが低いことが示された。
著者
西舘 有沙 徳田 克己
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.41-49, 2011-03

In order to shed light on methods of giving confectioneries and desirable state of discipline, in the present study, we conducted a questionnaire survey on university students and mothers of young children. As a result, it was ascertained that some of the mothers of young children give confectioneries to their children without worrying about time and quantity. Moreover, it was also confirmed that around 40% of parents give confectioneries to children when they get cranky. In addition, based on the survey conducted on university students, it was ascertained that students who were not intervened with regard to eating confectioneries during childhood tend to eat more confectioneries on daily basis as compared to students who were disciplined during childhood.
著者
荻原 洋
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.133-144, 2013

大学生と英語の勉強の話をすると,たいていの学生は「~が嫌いだった」「~は苦手だった」「~が全然分からんかった」というような言い方で,特定の文法事項(規則)を挙げる。圧倒的に多いのは,時制(完了形),冠詞,分詞構文,仮定法であるが,名前の出てこないものでも,意外とよく分かっていないことがある。たいがいそのようなものは,普段は何の疑問も感じていないのに,いざ教育実習などで自分が教えなければならなくなった時に,「あれ?これはなんだ?」と戸惑うことになることが多い。そこで本小論では,そのような事例の1つとして後置修飾(post-modification)を取り上げ,CLT (Communicative Language Teaching)の視点を念頭に置きつつ問題点の整理を行うことによって,後置修飾をより上手に教えるためのヒントとなるような知見が得られないかどうか,考えていくことにしたい。
著者
田上 善夫
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Human Development University of Toyama (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.101-114, 2014-03-20

In this study, the relation between climate environment variation and religious service was investigated.First, the shrines for the god who presides over climate were studied. Next, the present religious services concerned with climate were extracted, and their distribution maps over the whole country were drawn.Furthermore, the meaning of the religious service distribution for each climate element was analyzed. As a result, the followings were found: 1) The God concerned with climate, especially the one praying for rain, has been enshrined until the present around the mountain-foot areas of Nara and Kyoto. They are worshiped as rain god, water god or dragon god by the waterfalls and the mountain streams. 2) The traditional place for the rain gods is not the source of a river in that area. In addition, the places have changed with the times. The religious service, for a rain-praying god has its complex characteristics. They were also influenced by the central governor. 3) In religious service names, many characters concerned with climate are seen. They are for fine, rain, hot, cold, wind, water and so on. 4) Names of the religious services concerned with climate do not always show the climate phenomenon itself. In addition, it is not often the case that the god concerned with climate changes into a personified god. Except for the god of water, god of dragon, god of wind and god of thunder, the nature of the climate is indirectly indicated. 5) The number of religious services concerned with climate is different for each of the climate elements. Religious services for rain or river are few, but those for water are many. It is thought that deciding where to enshrine the god is easy in the case of water (god). 6) Distribution densities of religious services concerned with climate differ with areas. It is high in Kinki District, but low in Tokai and Nankai District. The distribution of religious services concerned with climate is not equal to the distribution of the climate phenomena itself. The former one is considered to have been influenced by the ancient religious services, such as praying for rain. 7) Among the religious services concerned with climate, the ones for water, fire or wind are especially common.The theory of Godai of the Mikkyo Buddhism, in which water, fire and wind are the three of the five elements of the universe, may have influenced it.本論では気候環境の変動と祭祀のかかわりについて,調査・分析を行った。まず天候や気候にかかわる神を祀り,その祭祀の伝えてきた神社について,調査した。次に現在も行われている気候にかかわる祭祀を抽出し,その全国的な分布を調査した。さらに気候の要素ごとに祭祀の分布を明らかにし,その分布の傾向のもつ意味について分析した。その結果,およそ以下のことが明らかになった。1) 気候にかかわる神で主要な祈雨神は,現在も奈良や京都周辺の山麓などに祀られている。いずれも滝や渓流の地であり,雨神,水神,また龍神として祀られている。2) 古代より伝わる祈雨神の地は,地域的な水源の地ではない。また時代によりその位置も変化している。祈雨神祭には複合的な性格があり,国家の影響も受けている。3) 現在行われている祭祀にも,気候にかかわる文字が含まれるものが多数ある。晴雨や寒暖に関するものがあり,さらに風や水に関するものはとくに多い。4) 祭祀の名称は,気候現象そのものではない。また人格神化される場合は限られる。水神,龍神,風神,雷神を除くと,抽象的・間接的に気候の神性が示されている。5) 気候祭祀は,要素により多少がある。雨や川は少ないのに対し,水は多い。前者に比べ後者は,神の鎮座地を直接的に比定することが容易なためと考えられる。6) 気候祭祀の分布には粗密があり,およそ関東や近畿に多く,東海や南海に少ない。気候現象の分布そのものでなく,古代の祈雨祭祀などの影響と考えられる。7) 気候祭祀の中でも,とくに水,火,風の祭祀が多い。これには陰陽の五行の影響や,とくに水,火,風を含む,密教の五大の影響が考えられる。
著者
小林 真 宮原 千佳
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.89-98, 2012

本研究では,大学生を対象に日々の生活に関する充実感と,自己開示動機を調査した。因子分析によって,充実感と自己開示動機の尺度からそれぞれ 3因子が抽出された。充実感の 3因子をもとに学生を 7つのクラスターに分類し,充実感と自己開示動機の特徴を検討した。その結果,充実感が低い(特に孤独感が高い)学生は,他者からの受容的なサポートを求めるために自己開示をしたいと考えていることが示された。また,自己開示動機が低いクラスターが 2つ存在することも示された。学生支援という観点から,この 2つのクラスターについては,生育歴や自己像などの調査が必要であることを提言している。
著者
孫 珠熙
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.107-115, 2012

In terms of street fashion, stylish young people in Tokyo use more accessories (such as belts, necklaces, and hats/caps) than those in Kumamoto to coordinate with their clothing, while those in Kumamoto tend to use a fashion technique called "the layered look" or combinations of independent items (such as a blouse and a shirt) more often than those in Tokyo.Factor analysis of a questionnaire on the secret of how to look fashionable extracted four factors: make-up and physique, sense of luxury and trends, love and money, and overall atmosphere. The results also showed that fashion elements that enhance one's appearance are accessories, hairstyle, make-up, physique, and color coordination.
著者
川崎 聡大 福島 邦博
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.29-34, 2009

The aim of this study is to reveal how a set of training in Japanese syntax can affect on communication ability of a case of PDD. An eight-year old girl (Second grade year in Japanese School), who was diagnosed to have autism and mild mental retardation, was involved in this study. Baseline developmental status was FIQ63 (VIQ75, PIQ57) with WISC-III and receptive vocabulary was equivalent to 6 years and 1 month old with PVT.Receptive and productive syntax ability was equivalent to first half of 3 years old children (Stage 4-2 by S-S language developmental tests) and dissociation between syntax ability and other aspects of language development was observed. A training program was planned to make her use Japanese syntactic particles (Stage 5-2 by S-S) during Aug. 2006 to Nov 2006. T-QAR was evaluated before and after training to evaluate her communication ability. Three months after the commencement of this training program, she could pass Stage 5-2 and total score of T-QAR improved from 177 (Before training: equivalent to 4 year-old score)to 220 (Aftert raining: equivalent to 5 year-old score). Selected approach in limited language domains may be able to improve the child's total communication ability.今回,軽度知的発達遅滞を伴う自閉性障害児一例に対して3ヶ月間集中的に統語面に特化(可逆事態文の表出)した言語指導を実施した。その結果,可逆事態文の表出だけでなく理解も可能となり,さらに日常生活場面でのコミュニケーション能力の指標である質問―応答関係検査結果も伸びを認めた。