著者
石田 厚 原山 尚徳
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

今まで細胞膜は単なる半透膜と言われていたが、近年アクアポリンと呼ばれる膜タンパク質が細胞膜の水の透過性を決めることがわかってきた。アクアポリンはすべての生物の生体膜上に存在し、水分子を超高速輸送する物質であり、アクアポリンの存在によって、生体膜の水透過性は数十倍にも増加する。またアクアポリンの活性や量は、環境ストレスによって変化することも知られているが、今まで作物を用いた遺伝子レベルでの研究が中心であった。また近年、葉内の水移動経路の通りやすさ(葉の通水性)が、気孔開度や光合成速度に影響を及ぼすことが明らかになってきている。この課題では、樹木の葉の水移動経路の重要な部分を占める葉脈部分の通水性の変化と、アクアポリンの活性や量で制御される葉細胞の生体膜(細胞膜や液胞膜)の通水性の変化が、葉全体の通水性や光合成特性に与える影響を明らかにした。水利用様式の異なる樹種において、いくつかのパターンで葉脈の通水を遮断し、葉の通水性と気孔コンダクタンスの変化を調べた。いずれの樹種においても、葉の通水性の低下に従い、気孔は閉鎖した。このことは、葉脈道管のエンボリズム(閉塞)の生じやすさが、気孔開度や光合成速度を大きく律速することを示す。またアクアポリンの阻害剤である塩化第二水銀を葉に吸わせて、葉の通水性、気孔コンダクタンス及び光合成速度の変化を、常緑広葉樹2種と落葉広葉樹2種で調べた。アクアポリンの機能を阻害すると葉の通水性が10-30%、気孔コンダクタンスは5-20%低下し、葉の通水性の低下割合が高い樹種ほど気孔コンダクタンスや光合成速度の低下の割合が高かった。また気孔コンダクタンスの高い樹種で、アクアポリンがより多く機能していた。すなわち水消費の多い樹種で、葉内アクアポリン活性の変化により積極的な水分調節を行っていることが示唆された。
著者
大西 尚樹 玉手 英利 岡 輝樹 石橋 靖幸 鵜野 レイナ
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

日本のツキノワグマはアジア大陸から日本に渡来してきた後に、3つの遺伝グループに分岐し、各地域で遺伝的な分化が進んでいることが示唆された。こうした遺伝構造は、近年の大量出没においては一時的に崩れるものの、すぐに回復し維持されることが明らかになり、各地域の遺伝的なまとまりを保護管理ユニットとして適応出来ると考えられた。九州では1987年に捕獲された個体が本州由来であることが明らかになり、1957年以降捕獲がないことから絶滅の可能性が強くなった。
著者
大谷 雅人
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

対象樹種のうち個体数が多く,花序へのアクセスが容易なテリハハマボウとアカテツについて,在来昆虫相の崩壊が進んでいる父島・母島,在来昆虫相が保持されているがセイヨウミツバチが侵入している兄島,在来昆虫相が保持されている西島・向島において計6地点の調査地を設け,調査地あたり10~20母樹を選定した。6月および8月に,前者については母樹あたり10~30花,後者については100~200花を目安として標識し,2月までに結実を確認できた果実は採取した。しかし,ネズミ等による食害,フェノロジーの差異,台風などの影響により,多くの花が追跡不可能となった。未標識の果実も採取の対象としたが、遺伝解析に十分な数の確保には至らなかった。対象樹種のひとつオガサワラビロウに関しては,予備的調査において生態的・形態的に異なる種内系統が複数存在する可能性が示唆された。このことは進化学的・保全生物学的にも興味深い事象であり,また本プロジェクトの目的である種子生産,種子の遺伝的組成,花粉流動パターンの島間比較のためには,事前にこうした系統を把握しておく必要があるため,遺伝構造の解析,植物体の形態比較,開花フェノロジーの調査などを行った。核SSRマーカーによる解析および核・葉緑体DNAの配列多型から,遺伝的に分化した2つの種内系統、すなわち父島列島各島、母島と多く,幅広い環境に生育し,大型の植物体を有する系統Iと、聟島列島と母島列島南部属島に多く,海岸近くに偏って生育し,小型の植物体を有する系統IIが含まれることが示された。また,両系統とも九州や奄美群島の別変種とは遺伝的に大きく異なること,系統IIまたはその祖先系統から系統Iが分化した可能性が示唆された。両系統の中間的な遺伝的組成を有する成木や実生は稀であり,また開花フェノロジーが異なったことから,系統間の遺伝子流動は生じていないと推測された。
著者
篠宮 佳樹 大年 邦雄
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

高知県西部の四万十川源流の森林流域において,2011 年7 月18~19 日における総雨量742mm の"特大出水"の栄養塩(SS,TN,NO3 -)の流出特性について,総雨 量200~300mm の"大出水",総雨量200mm 未満の"出水"と比較しながら考察した。試験流域 で,自動採水器を用いて6 回(総雨量53~742mm)の出水時調査(2 時間間隔)と月1 回程度の 定期調査を行った。"特大出水"のTN の累加比負荷量は既往の報告における我が国のTN の年間 負荷量に匹敵した。NO3 --N のTN に占める割合は"出水","大出水"の28~76%から"特大出 水"の2%へと急減した。"特大出水"時の栄養塩流出は懸濁態物質の流出が顕著になることを 明確に示した。
著者
田淵 隆一 藤本 潔 持田 幸良 平出 政和 小野 賢二 平田 泰雅 菊池 多賀夫 倉本 恵生
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

ポンペイ島マングローブ林はI.Rhizophora stylosa群落、II.sonneratia alba群落、III.rhizophora apiculata・Bruguiera gymnorrhiza群落の3タイプに大別され、I、II群落は高密度の支柱根や呼吸根で特徴づけられる。泥炭層厚と^<14>C年代値とから主要群落の泥炭層厚と形成に要する期間を推定した。海側前縁部に成立するI、II型群落が深さ0〜0.5mで400年以内、最も分布面積が広いIII型では1〜2mで850〜1700年、ほとんどで1700年前後の時間が経過している。地上部現存量は、サンゴ礁原上の成熟林は2004年時点で566ton/ha、エスチュアリ域の発達した林で2005年に704ton/haと推定されなお旺盛に成長中であり、成熟林での炭素蓄積はポンペイ島で160〜300ton/ha程度、炭素蓄積速度は年当りおよそ0〜3ton/ha/yr程度と非常に高い。炭素貯留はほとんど泥炭によるものであり、年間15ton/ha程度供給される小型リターの貢献度は低い。また年平均で3〜4ton/ha程度の大型リターが枯死個体として供給される。泥炭としての炭素量は高く、2000ton/ha程度にも達する林がある。森林の更新は成熟林分下では大型ギャップができない限り暗く困難である。材分解特性を明らかにし、分離された木材腐朽担子菌Fomitopsisi pinicolaからいくつかの機能性遺伝子を単離し、厳しい環境条件を許容する能力をみとめた。高分解能衛星データを同島におけるマングローブ林域を抽出、種組成によるゾーニングと個体サイズからの林分タイプのマッピングを行ない炭素蓄積量の面的評価を行なった。
著者
米田 令仁
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

熱帯荒廃地の修復をおこなう際、植栽される苗は高温、強光、乾燥に曝されるため、生育が困難である。平成17年度の研究では植栽苗が受けるストレスを軽減させるための遮光物を設計し、マレーシア、クアラルンプール郊外の荒廃裸地において、植生被覆のない裸地とイネ科草原に設置した。遮光物導入によって、植栽苗が受ける各種ストレスを軽減させることができるか、遮光物内外の微気象を測定するとともに苗を植栽し、苗の生理生態特性を比較することで遮光物の導入効果を評価した。微気象観測の結果、遮光物の外に比べ遮光物内では、光強度、温度、水蒸気圧飽差とも低い値を示した。遮光物内に直達光が当たる時間帯では光強度の値が外部とほぼ同じ値を示したが、温度、水蒸気圧飽差の値は外部ほど急激に上昇しなかった。遮光物内の温度、水蒸気圧飽差の値は苗の生育に最適な値ではなかったが、外部の生育に厳しい気象条件より緩和されていた。平均苗高約54cmのDyera costulata(Miq.)Hook.f.(キョウチクトウ科)を遮光物内と外に植栽し、今回設計した遮光物の導入効果をD.costulataの葉の光合成反応から評価した。植栽前と植栽2週間後に、葉の光飽和光合成速度(Pn_<max>)と光阻害の指標となる夜明け前のFv/Fm値を測定した。Pn<max>は午前と午後に測定した。植栽後のPn_<max>は、植栽前に比べ全調査区で低下傾向にあった。植栽2週間後では、午前中のPn<max>が処理区間で明瞭な差がなかったが、午後に遮光物のない調査区で大きく低下した。光合成速度の低下は、高い葉-大気水蒸気圧差(VPD<leaf>)による気孔開度の低下が原因であると考えられた。Fv/Fmの値は、遮光物下では0.7前後と高い値を示したが、全天の調査区では0.5以下の値を示し、乾燥や強光によって葉の光合成系IIが慢性的な光阻害を受けていることが明らかになった。以上の結果から、遮光物を熱帯の裸地に導入することにより、全天条件下に植栽した場合に苗が受ける光合成低下と慢性的な光阻害を緩和する効果があることが明らかになった。
著者
永光 輝義
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

17地点に設置した70トラップのそれぞれによって2004年に採集された外来種の個体数は、温室で使われたコロニーからの分散と水田の広さに正の相関を示した。一方、在来3種は畑と森林の面積が大きい場所で採集個体数が多かった。外来種が多い場所で在来種の個体数とワーカーサイズが小さくなる関係は認めらず、外来種と在来種との種間競争を示唆する証拠はこの観察からは得られなかった。この観察は、土地利用で表される生息地の条件がマルハナバチの個体数を決める主な要因であることを示唆している。ワーカーの個体群動態を5地点で4年以上観察した。外来種の分布中心部では、外来種が減少し、在来種が増加した。南北の分布周辺部では、外来種が増加したが、在来種の動態は様々だった。南の分布境界では、外来種の分布域が拡大した。この観察結果は、温室からの分散に起源する個体群が「波」として拡大するパターンを表しているのかもしれない。2005年に1511個体、2006年に2978個体の外来種を6地点で除去した。一方、7地点は対照とし、除去を行わなかった。そして、2004年から2006年までの3年間、これらの地点でトラップを用いてマルハナバチを採集した。除去は、外来種の全個体数と女王個体数を減少させた。しかし、2006年の強い除去よりも2005年の弱い除去の方が減少効果は大きかった。また、除去によって在来種の女王個体数が増加した。2006年と比べて、外来種がより大きく減少した2005年に、在来種はより大きく増加した。一方、除去によるワーカーサイズへの影響は見られなかった。よって、少なくとも女王の個体数について外来種と在来種との種間競争を示唆する証拠がこの実験から得られた。
著者
新山 馨 米田 健 奥田 敏統 山下 多聞
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

東南アジアの熱帯多雨林で、地下部の相対成長式を実測により作成し、正確な地下部現存量をはじめて明らかした。半島マレーシア、パソ森林保護区の熱帯多雨林で、最大幹直径、116cmの個体を含む121個体(78種類)の地下部を掘り取り調査した。細根と調査中に失われた根の量も補正し、精度の高い地下部現存量推定式を作成した。地下部、地上部のバイオマスは95.9 Mg ha-1と536 Mg ha-1、地下部・地上部の比は0.18と推定された。
著者
竹内 由香里
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

新潟県妙高山域に位置する幕の沢は,冬期の最大積雪深が4m以上になる多雪地である上,傾斜が沢の上流ほど急になり,源頭部では35〜40度と表層雪崩が発生しやすい地形になっているため,流下距離が2000〜3000mに達する大規模な雪崩がしばしば発生している.そこで本研究では,大規模な雪崩の発生条件を明らかにする目的で,幕の沢に雪崩発生検知システム,地震計およびビデオカメラを設置して雪崩のモニタリング観測を継続してきた.併せて雪崩堆積域近くの平坦地において気温,降水量,積雪深を1時間間隔で測定し,積雪断面観測も適宜実施してきた.これらのデータは,気象庁や他機関の気象観測点が少なくデータが乏しい多雪地域の山地で得られたものであるので,とりまとめて「森林総合研究所研究報告」に公表した.さらに,今冬期に幕の沢で発生した大規模な乾雪表層雪崩を検知することに成功した.この雪崩は2008年2月17日13時48分頃に発生したことが地震計の記録とビデオカメラの映像により確かめられた.そこで気象データにより積雪安定度の変化を推定し,滑り面となった積雪層の形成過程を解析するとともに,雪崩堆積量,到達距離についての現地調査を行なった.一般に,表層雪崩の発生危険度の目安となる斜面積雪安定度を算出する際には,せん断強度を平坦地の積雪密度から推定することが多いので,斜面と水平面の密度の関係を明らかにすることが必要である.そこで低温実験室内の人工降雪や露場における自然降雪について斜面傾斜による初期密度の比較を行なった.その結果,傾斜と初期密度の関係には降雪時の気象条件が大きく関わることが示唆された.さらにデータを増やして検討する必要がある.
著者
平野 恭弘
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2006

土壌酸性化の樹木への影響を、根の生理指標を用いて評価する方法を確立するために、樹木への影響要因であるアルミニウムが、根の生理指標の一つカロース(多糖類の一種)蓄積量に与える影響を調べた。スギでは、他の樹種と異なった根端のアルミニウム蓄積特性により、過剰アルミニウム環境下で根端にカロースが蓄積されにくいことが明らかとなった。スギ根のカロース蓄積量は土壌酸性化に対する根の指標として有効でない可能性が示唆された。
著者
亘 悠哉
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

本研究では,外来捕食者と生息地改変の複合的な影響を明らかにすることを目的とし,21年度はデータ解析と論文執筆を主に実施した.以下に概要を述べる.1.外来捕食者根絶後の生態系の回復外来捕食者の根絶後の在来生物群集の回復が,環境要因によって異なるかどうかを調べるために,年度の後半はパリ第11大学に滞在し,フランス領ニューカレドニアのサプライズ島で,生物群集の調査を行った.この島の生息地は,木本パッチと草本パッチからなり,外来種クマネズミ根絶後の在来生態系の回復の異なる生息地間での違いを明らかにするのに適している.根絶前後での在来種群集の生息データと比較すると,ウミドリ類,トカゲ類,植物,無脊椎動物類のすべてで顕著な回復が見られた.また,この回復の度合いは環境間で異なり,開けたパッチほど回復が顕著であった.これは,開けたパッチは,外来種の捕食圧の軽減の効果だけでなく,植生もより大幅に回復しており,これが在来生物の隠れ家や餌を提供するという,相乗効果が見られたと考えられた.環境の違いによる復元の違いを示したのは本研究が初めてであろう.これらの成果をカナダでの国際学会で発表し,外来種の根絶についての論文集に受理された.2.外来種対策が引き起こす想定外の現象の総説良かれと思って実施した外来種対策が,想定したほど効果がなかったり,時には逆効果になってしまうことがある.こういった事例は個々に報告されてはきたが,その概観がまとめられたことはなく,現場の担当者が生じている現象を正しく診断し,適切な対処法を講じていくのは難しい状況にあった.今回はこうした想定外の事例について,潜在する生態学的プロセスとそれに応じた対処法をまとめた.これは,今後,より効果的な外来種対策を実施していくのに役立つであろう.
著者
金谷 整一 大谷 達也
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

本課題は、琉球列島における森林生態系の保全に資するべく、特異な生活型をもつアコウについて、種子散布者が遺伝的多様性の維持や集団間の遺伝的分化にどのように影響しているのかを検証することを目的として実施した。遺伝解析に先立ち、アコウ独自の核マイクロサテライトマーカー(nSSR)を17座開発した。1座当たりの対立遺伝子数は5~18(平均:9.5)であり、ヘテロ接合度は0.054~0.787(平均:0・594)であった。解析には、琉球列島から九州本土(五島列島含む)までの22集団から533個体(3~44個体/集団)を採取して実施した。集団に特異的に出現した対立遺伝子数は、与那国島で9、石垣島で7であり先島諸島で多かった。各集団の遺伝的多様性を示すヘテロ接合度(He)は0.484~0.764、アレリックリッチネス(Ar)は2.26~3,32であった。分布北限(九州本土)の集団は琉球列島の集団より、若干低い多様性を示したが、琉球列島北端の屋久島は、九州本土ほど多様性は低くなかった。集団の遺伝的分化の程度(Gst)は0.074であり、海洋による遺伝的隔離が生じていると考えられた。屋久島において大型種子散布者であるサルの糞内にあった大量の種子を発芽させ、解析したところ非常に多様性が高かった。また屋久島では、一樹冠内に異なる遺伝子型の樹幹が含まれていることが確認された。このことは、樹冠内にあったサルの糞より発芽した実生が成木に成長している可能性を示唆している。すなわち、サルによる種子散布は大量かつ多様な種子を広範囲に分散させるとともに、花粉による遺伝子交流(近距離あるいは一樹冠内)の機会を増加させることに寄与していると推察される。したがって、大型の種子散布者は、アコウの遺伝的多様性の維持あるいは高めるために非常に重要な存在であると考えられた。
著者
服部 力 太田 祐子 根田 仁
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

マレー半島の多様な森林植生タイプにおいて、多孔菌類を中心とした木材腐朽菌などきのこ類のインベントリー調査を行うとともに、主要な木材腐朽菌についてシーケンスを行い、分子情報を明らかにした。低地熱帯老齢林、山地林、マングローブ林にはそれぞれ固有と思われる種が分布、特に低地林、山地林ではマレーシア国外から知られない種が認められた。これまで約100サンプルについてシーケンスを明らかにし、これらの種については分子情報からの同定が可能になった。