著者
十龜 盛次
出版者
神戸大学
雑誌
國民經濟雜誌 (ISSN:03873129)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.69-93, 1941-12
著者
中田 康夫 田村 由美 澁谷 幸 平野 由美 山本 直美 森下 昌代 石川 雄一 津田 紀子
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13413430)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.27-32, 2003
被引用文献数
1

本研究は、基礎看護実習Iの実習日誌として学生に課した2002年度および2001年度のリフレクティフシャーナル(以下、RJ)の内容を分析検討し、RJにおけるリフレクションに必須なスキル(以下、リフレクティフなスキル)の活用状況を明らかにするとともに、リフレクティフなスキルの修得促進のためのRJの早期導入の意義について検討することを目的とした。両年度の相違は、2002年度は基礎看護実習Iに先行して開講している演習に演習日誌としてRJを導入したが、2001年度は演習にRJを導入していないことてある。2002年度の実習期間中に毎日提出された64名のRJにおいて、リフレクションの必須スキルが活用されているかどうかについて、各々の定義をもとに詳細に分析・検討を行い、2001年度の58名のそれと比較した。その結果、「自己への気付き」のスキルの活用が、5日間のRJのうち少なくとも1日分のRJにおいてみられた学生の割合は155%から344%へ増加し、また、「分析」のスキルの活用がRJ上でなされていると判断できた学生の割合はO%たったものが14.1%認められた。一方、「記述描写」のスキルの活用がRJ上でなされていると判断てきた学生は、両年度とも全員であり、相違は認められなかった。以上のことから、RJの早期導入は、学生のリフレクティフなスキルの活用修得をより促進することが示唆された。したがって、実践的思考能力育成のためにも看護基礎教育においてRJを早期に導入することは意義があると考えられた。
著者
西光 義弘 金水 敏 木村 英樹 林 博司 田窪 行則 柴谷 方良
出版者
神戸大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1988

本研究の各研究分担者の研究の概要をあげ、その後で全体の総括をすることとする。まず西光は日本語は英語と比べて談話構造において繰り返しが多く、多義性が高いことをさまざまな現象で示し、その原因について考察をすすめた。柴谷はパラメ-タ理論による日本語の対照統語論の研究を言語類型論の立場から批判し、日英語だけでなく、世界中の諸言語を考慮に入れる必要を唱えた。また日本語の受身表現を類型論の立場から分析し、世界の諸言語における日本語の受身表現のしめる位置を明らかにした。田窪は文脈のための言語理論を開発し、理論的土台を提供した。田窪と木村は中国語、日本語、英語、フランス語の三人称代名詞の対照研究を行い、日本語の三人称代名詞が未発達であることが文脈依存性によるものであることを考究した。益岡は日本語特有であるといわれ、なかなか本質をとらえ難い「のだ」構文を先行の諸説を踏まえ、独自の機能分析を行った。林は日本語、フランス語、ル-マニア語の遊離構文の対照研究を行った。金水は談話における指示詞の機能と述語の意味層に考察を加え、日本語の文脈依存性による説明を試みた。田窪、益岡、金水はそれぞれ日本語のモダリティの諸側面を考究し、文脈依存性との相関関係を明らかにした。また研究協力者として、中川正之は中国語は文脈依存度において、日本語と英語の中間であることを諸現象の観察によって示した。当初の目的である、諸言語との対照によって、日本語の文脈依存度が高いことを相対的に示すことについては、さまざまの現象について、詳細で微細な考察が進められ、相対度を持ったパラメ-タを各言語に設定するための見通しがたった。さらに考察の対照とする現象と言語の範囲を増やし、パラメ-タ設定を精密化し、最終的な理論体系をうち立てる土台ができたといえよう。特に会話方策と談話構造と語用論に関する対照研究の必要性が大きく注目されるさらなる考究の必要な分野として、本研究の結果、明らかになった。また文脈の理論および文脈依存性のモデル化についても全体像が見えてきた。
著者
吉井 昌彦
出版者
神戸大学
雑誌
國民經濟雜誌 (ISSN:03873129)
巻号頁・発行日
vol.213, no.3, pp.15-30, 2016-03
著者
門脇 大
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

2017年度は、「近世怪異文芸を学問・思想・宗教との関係から捉え直し、通史的な読解を行うことにより、従来とは異なる視座から文学史・文化史の再編を行う」という本研究の主目的に沿って、2本の論文を公表した。以下に、公表した2点の研究実績を記す。1)「心学「鬼の相」をめぐって」(鈴木健一ほか編『江戸の学問と文藝世界』、森話社、2018年、pp.273―296)を執筆した。18世紀中頃に興った石門心学の中に表象される「鬼の相」に関する考察を通して、18・19世紀における心学伝播の一端と化物の教訓的な役割を明らかにした。心学資料の中に散見される「鬼の相」に関して、「鬼の相」と題された絵像と、関連する道歌を具体的に検証した。そして、心学の「鬼の相」と、その元となったと考えられる大津絵の「鬼の念仏」との関係を考察した。両者の比較を通して、18・19世紀の大衆的な教養の広がりを具体的に明らかにした。2)「怪火の究明」(堤邦彦・鈴木堅弘編『俗化する宗教表象と明治時代』、三弥井書店、2018年、pp.131―156)を執筆した。「怪火・火の化物」に関する言説を検証して、18・19世紀における怪異認識の変遷の一端を明らかにした。まず、18世紀中期における「怪火・火の化物」の一般的な認識を当時の百科事典をはじめとした諸資料によって整理した。そして、18世紀以降に出版された怪異現象を理知的に説く弁惑物に認められる関連記事を検証した。さらに、明治期以降の教訓書に散見される「怪火・火の化物」に関する記事を具体的に読み解いた。これらの検証によって、前近代から近代へという時代の変節期における怪異認識の変遷の一端を具体的に明らかにした。上記の1)、2)に加えて、刊行には至らなかったものの、18・19世紀を中心とした近世怪談と、その周辺分野(心学、在地伝承など)に関する基礎研究を行った。
著者
末石 直也
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、経験尤度をベイズ推定の尤度として用いるベイズ推定の方法を提案し、モーメント不等式モデルの推定に応用した。事後分布の漸近的な性質を明らかにするとともに、経験尤度をベイズの尤度として用いることの有限標本での妥当性について検証した。また、本研究では、条件付モーメント制約モデルのleast favorableモデルを求めた。さらに、この結果を用いて、モデルの効率性の限界を導出するとともに、漸近的に効率的な推定量を提案した。この推定量は条件付モーメント制約モデルの経験尤度推定量として解釈することができる。