著者
中丸 茂
出版者
駒澤大学
雑誌
駒沢社会学研究 (ISSN:03899918)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.91-114, 2002-03

本研究は,顔文字が文章の信頼度・感情度・評価度に及ぼす影響を評定尺度法を用いて考察することを目的とした.調査Iでは,顔文字の有無や顔文字の種類の違いが,文章の信頼度・感情度・評価度に及ぼす影響を検討し,文章と顔文字の意味が一致している場合には信頼度・感情度・評価度とも高くなり,不一致の場合には信頼度・感情度・評価度とも低くなるが,顔文字の有無で変化のみられない場合(意味の融合)もあることが確認された.調査IIでは,顔文字の位置の違いが文章の信頼度・感情度・評価度に及ぼす影響を検討したが有意差はみられなかった.以上のことから,文章と顔文字の意味が不一致の場合には誤解を生じさせる可能性が高くなることが考えられ,不一致の組み合わせを用いる場合には,相手との関係を考慮して使用していく必要があるだろう.また,調査間において,いくつかの項目といくつかの項目間の差で有意差が認められたが,これは,メール使用者の増加にともなって短文や顔文字を使う機会が増加したためと考えられる.
著者
三島 出
出版者
駒澤大学
雑誌
北海道駒澤大學研究紀要 (ISSN:02866978)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.A91-A105, 1975-01
著者
サイト エリカ 松本 洋子
出版者
駒澤大学
雑誌
論集 (ISSN:03899837)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.169-182, 1990-03

国家社会主義者によって一貫して推し進められてきた女性学卒者の職業的地位からの排除は,-ここでは特に女教師についてであるが-すでにヴァイマル共和国に存在していたこれらの女性に対する社会的意識と法的措置を基盤に行うことが出来た。ヴァイマル共和国は,女性にとってはその解放の可能性という点では矛盾した諸条件をつくりだした。法的・形式的な同等や男女同権と並んで,依然としてしっかりと根を下ろした伝統的な女性観や家庭観,また増大する経済危機が,その実現,ないしは発展の継続を阻止した。より高い職業的地位と社会的に影響力のある役割での貢献と正当な評価を求める女性学卒者の困難な戦いは,経済的危機のために法的基盤すら狭められた。失業が増大する時代には,職場をめぐる競争は不可避であるが,女性たちは伝統的な考えによって,男性が所望する職場から駆逐されていった。経済的危機と厳しい競争への不安から,多くの女性たちは,彼女たちにとって安全な領域,つまり家庭へ,むしろ自ら戻ることを選ぼうとさえした。さらにヴァイマル共和国における女性の経済的解放は,まだ巾広い社会的基盤の上に行われていなかった。それは今まで男性が多数を占める分野に敢えて出て行こうとする女性があいかわらず少なかったことにも問題があった。国家社会主義者は,こうして彼らの女性観を現実化するための準備された耕地を手に入れた。1932年5月12日の女性官吏の法的地位に関する法律が憲法第128条にはっきりと抵触していたにもかかわらず,国会によって可決された。それは女性を100年前の状態に引き戻した。この法律は国家社会主義者に,彼らが女性官吏に対してさらにそれ以上の制限を課し,また官吏法の中に最終的に明記し得る基盤を提供した。国家社会主義者はまず最初に女性学卒者に対する措置を取った。国家社会主義者の女性政策は,もちろんすでにヴァイマル共和国で進められた政策を極端に展開しただけではなかった。その継続的な展開のほかに,彼らはさらに質的にいくらか新しいことを具現した。国家社会主義者は,今や女性たちから教育と職業の機会均等の権利を完全に奪い,彼女たちから,その組織と雑誌を廃止し,画一化することで,自主的な社会・政治的活動の基盤と影響力を奪い去った。さらに女教師たちは,他のすべての社会的に重要なグループと同様に,国家社会主義思想とその価値規範に基づいて「整列」させられた。残忍な弾圧によってあらゆる反対派はすでに芽のうちに摘み取られた。女教師自身の気持ちの中にあった保守的女性観の要素は,国家社会主義運動に彼女たちが急速に統合されていくうえでの重要な条件であった。意図は様々であったにせよ,同性に対する教育者として,排他的な,少なくとも女性の特別な権利についての女教師たちの要求が,徹底的な男女分離教育を目指す国家社会主義者の要求と一致したのも無理からぬところであった。依然として少女の将来における「母親としての役割」を強く志向していた女子教育に対する彼女たちの実際的考え方や女教師自身が職務を遂行するにあたって果した「母性的役割」は,国家社会主義者の同じ見解に敵対することを難しくした。彼女たちの「国民への奉仕」という基本思想は,彼女たちが国家社会主義国家に進んで協力を申し出ることを容易にした。最も低い地位と最も影響力のない社会的分野においてさえ,彼女たちはこの思想によって,特別な価値があるように思うことが出来た。いろいろのグループと利害関係によって分裂していたヴァイマル共和国の婦人運動は,女性の側から国家社会主義に反対する統一的な防御闘争を組織することを不可能にした。このことは議論すらもされなかったし,また努力もされなかった。彼女たちは,男性同僚,とりわけ文献学者同盟に組織されていた同僚たちの中に,国家社会主義に反対する闘いでの同盟者を見いだすことは出来なかった,なぜなら同盟はすでに早くからはっきりと国家社会主義に協力を申し出ていたからである。どちらかといえば保守的陣営に属する彼女たち自身の政治的立場ゆえに,他の同盟者,たとえば社会民主党や共産党などは,女教師連盟にとってはじめから問題にならなかった。彼女たちの女権的な,または自由主義的基本姿勢にもかかわらず,女教師たちもまた意識面では保守的な官吏に属していた。ドイツの官吏は特殊なブルジョア的意識を持っていて,その自由主義的要素は19世紀末以来,強力な国家主義と社会進化論に影響されて新しい形を形成していた。その保守的傾向は,とりわけ国家社会主義がドイツ官吏に再び社会的特権とそれにふさわしい社会的地位を保障するであろうと期待していたことに現われていた。ドイツの教員集団は,さらにその教育的基本姿勢では,反自由主義的,民族的傾向で思想的に国家社会主義と強く共通していた世紀の変わり目の「文化批判的改革教育」に影響されていた。国家社会主義者は巾広い分野で,多様な方法を用いて彼らの目的を宣伝した。保守的な基本思想は,改革・変革を求める急進的な要求やさらには社会正義さえ混ぜ合わせていたので,この時期,失業者の大きなグループであった女教師たちもこの標語の急進性に魅せられていった。「…腐敗を容赦なく取り締まるというのはナチスの術であった。ナチスは歴史的なものに対して活力,生命,若さを声高に宣伝した,そうすることで過去の慣習を一層確実にとり戻そうとしたのだ。」かっての女権論者の多くは,国家社会主義者の人種理論に魅せられているのを感じていた。彼女たちはゲルマンの原始時代を回想する中で,「北方人種」に属していることから,今や「選ばれた女性」として巾広い社会的活動の可能性を期待していた。全ドイツ女教師連盟の指導者たちの国家社会主義に対する警告は女性特有の困惑の表れであった。それは彼女たちが国家社会主義思想と政策を,主にこの分野においてのみ分析していたからである。彼女たちは国家社会主義思想と政策をその全体として拒否しようとはしなかった。それにもかかわらず,この警告と後に国家社会主義の期間中これらの女性たちの側から示めされた批判は,ともにブルジョア・自由主義的側にあった潜在的抵抗力の一つの現れであった。国家社会主義は巧妙な,また同時に弾圧的な政策によって,これらの潜在力を政治的に封じ込むことが出来た。国家社会主義は,さらに様々な思想的潮流や経済的危機によって生じた不安や偏見をとらえ,彼らの目的に利用する術を心得ていた。
著者
宇多田 亮
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤地歴學會誌
巻号頁・発行日
vol.3, pp.92-97, 1940-10-05
著者
小田 匡保
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤地理 (ISSN:0454241X)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.37-64, 2001-03
被引用文献数
1

In 1998 a kokumin shukusha (people's inn) in Yoshinoyama, Nara Prefecture, discontinued its business, though the number of tourists there has not decreased so much. The kokumin shukusha is one of the Japanese local public enterprises. This paper makes clear details of its establishment and business closure, and searches for reasons why it had to give up its business. The "Yoshino-sanso" Inn was established in 1970. During about ten years since the establishment it went well, but after about 1975, especially after 1994, the management became worse. Three reasons can be pointed out; the high rate of personnel expenses, the decrease of the guests and the decrease of the usage by local residents as a wedding parlor and a banquet room.
著者
青龍 宗二
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤大学佛教学部論集 (ISSN:0389990X)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.73-92, 1987-10
著者
日野 資純
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤大學研究紀要 (ISSN:0452361X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.221-235, 1959-03
著者
清水 善和 矢原 徹一 杉村 乾
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤地理 (ISSN:0454241X)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.31-56, 1988-03
被引用文献数
2

奄美大島の中央部に位置する金作原国有林とその周辺地域で,スダジイを中心とした照葉樹林の伐採後の植物相の変化と森林の回復過程を解析した。標高260〜280mの尾根に近い南西斜面という共通条件のもとで,以下のように調査方形区を設け,樹高50cm以上のすべての木本個体について毎木調査を行った。Q1:天然林;植生遷移上の極相段階にあると考えられるもの。Q2:壮齢二次林;択伐後49年の林分。Q3:若齢二次林;皆伐後29年の林分。Q4:伐採跡ブッシュ;皆伐後8年の,木本の萌芽と草本の混生したブッシュ。(方形区の大きさはQ1〜3が20×20m,Q4が10×20m)伐採後の森林の回復過程として,次のような結果が得られた。(1)方形区に出現した全82種の木本のうち32種は伐採直後から天然林にまで連続して存在しており,森林の回復は切株からの萌芽個体を中心に行われる。(2)なかでも,スダジイの萌芽再生能力とその後の伸長成長は著しいので,伐採直後を除いてスダジイはどの発達段階においても常に材冠の優占種となり,初めからシイ林として回復するよう方向づけられている。(3)伐採直後には種子由来のアオモジ,ノボタン,ゴンズイ,リュウキュウイチゴなどの陽樹が現れるが,自己間引き現象の著しい若齢二次林では消滅する。一方,天然林を中心に出現する種としてイヌマキが特徴的である。(4)草本は木本に比べて,森林の発達段階ごとの種の置き替わりの傾向が顕著である。(5)伐採後3,4年でススキとコシダの群落が地表面を覆うため,皆伐後の大規模な表土流出と森林の後退から免れていると考えられる。(6)胸高断面積の値では皆伐後30年で天然林の80%にまで回復しており,総植物体量の回復は比較的速やかに行われるが,大径木資源の回復にはかなり時間がかかると考えられる。Q1を択伐してQ3の状態になるという仮定をおいて計算すると,調査地のシイ林は皆伐後約110年,択伐後約80年でほぼ元の天然林に近い状態まで回復すると推定される。以上のような奄美大島でみられるシイ林の伐採後の回復過程は,四手井(1977)のいう照葉樹林の萌芽再生による森林の回復の典型的なケースであり,温暖多雨な暖温帯から亜熱帯の照葉樹林を伐採後放置した場合にみられる一般的な現象であると結論づけられる。調査対象のスダジイの天然林はかつて島の全面積の85%を覆っていたとされるが,近年の伐採でわずか1,2%にまで激減し,アマミノクロウサギをはじめ,この森林を生息地とする多くの動植物の存続が危ぶまれる状態となっている。そこで,これ以上の天然林の伐採は即刻中止し,早急に基礎的かつ総合的な調査を行ったうえで積極的にこれを保護していくべきであると考える。
著者
大城 道則 金谷 一朗 橋本 英将 高橋 秀樹 設楽 博巳 青木 真兵
出版者
駒澤大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

ナイル河の西方地域における古代エジプト文化の影響を羊の頭部を持つアムン神信仰の伝播と受容から確認した。具体的な例としてはカルガ・オアシスのナドゥーラ神殿、ダクラ・オアシスのアイン・アムール神殿、シーワ・オアシスのアムン神殿、そして同地域に点在するその他の神殿群とサハラ砂漠地域の岩絵・線刻画が挙げられる。本研究は今後さらに西方へと調査範囲を拡大し、北アフリカ全域を視野に入れた古代エジプト文化研究の基盤となる。
著者
高橋 良博 森山 敏文
出版者
駒澤大学
雑誌
駒沢社会学研究 (ISSN:03899918)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.101-116, 1994-03

本研究は、前報『仏教におけるイメージの研究I』(駒沢大学社会学研究第25号1993.3.)にひき続き、「遍」と呼ばれる単色の円図形の観察課題のもたらす効果を検討した。ここでは、刺激図自体が持つ効果を分析するため、「図形から思い浮かぶことや連想されるものを、思い浮かぶ順に記述する」という課題で、被験者に5分間の反応を求めた。その結果、120名の被験者から652の反応を得ることができた。これらの連想されたイメージの内容を、ロールシャハ・テストのスコアリングに基づき整理したところ、全体の数の上ではObj系の反応が第1位を占め、第2位がPlanet(天体)系、第3位がFood系、第4位がAbst系の反応であった。また、本研究に参加した学生は、経済学部経済学科、経済学部商学科、仏教学部禅学科、仏教学部仏教学科の各専攻の学生が含まれていたが、上記の連想されたイメージの内容の割合や反応の質は、統計的検討は行われていないものの、被験者の専攻学部・学科等により若干の特色が観察された。これは、実験の行われた時間等の要因の影響を考慮しなければならないが、一方では被験者の関心・興味等を含む、環境への認知のありかたが、図形から連想されるイメージの内容にも反映しているものと考えられた。
著者
玉村 竹二
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤史学 (ISSN:04506928)
巻号頁・発行日
pp.9-10, 1953-01
著者
沼田 綾子
出版者
駒澤大学
雑誌
論集 (ISSN:03899837)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.183-193, 1990-03