著者
温井 康介 上嶋 章宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. AL, アルゴリズム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.23, pp.129-136, 2007-03-09
参考文献数
15
被引用文献数
1

パズルやゲームの面白さの源は,それらの持つ根源的な難しさにあり,これまで数多くのパズルやゲームの計算複雑さが解析されている.本稿では,ペンシルパズルの一種であるスリザーリンクの盤面を正k-角格子状に一般化したk-トスリザーリンクを提案し,k-スリザーリンクの解の存在判定を問う問題のNP完全性を,制限付きハミルトン閉路問題からの多項式時間還元を用いて証明する.また,別解問題(ASP,Another Solution Problem, 問題例とその1つの解が与えられたとき,他の解の有無を判定する問題)についても考察し,k-スリザーリンクの別解問題について,そのNP完全性を示す.
著者
落合 友四郎 ウルフレオンハード ホセナチェル
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.85, pp.99-101, 2008-09-11

不可視装置 (透明マント) とは、光をうまく迂回させて、中にある物体を見えなくする技術であり、いわゆるハリーポッターの透明マントのことである。今回、左手系メタマテリアル (負の屈折率をもつマテリアル) を用いて、等方性媒質において完全な不可視装置 (透明マント) を理論的に設計した。この設計においては、完全な不可視性を実現でき、時間遅れと反射の両方をゼロにすることができる。The aim of an invisibility device is to guide light around any object put inside, being able to hide objects from sight. In this work, we propose a novel design of dielectric invisibility media based on negative refraction that creates perfect invisibility. In this device, both the time delay and the reflection are zero. These findings strongly indicate that perfect invisibility with optically isotropic materials is possible.
著者
上條 厚
出版者
信州大学
雑誌
信州大学留学生センター紀要 (ISSN:13467433)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.13-24, 2002-03

動詞の優しい命令形、タベリ(食べなさい)・ミリ(見なさい)等と、勧誘形、タベリヤ(食べよう)・ミリヤ(見よう)等の使用に関して、長野県およびそれに隣接する地域の若年層について調査した。これらの形は中信地方とそこに隣接する岐阜県の市町村でよく使われることが分かった。長野県内は中信地方以外の地域でも少し使われる。優しい命令形と勧誘形の両方をよく使うのは、中信地方の中央の地域である。その周辺に勧誘形のみ使う地域がある。木曽郡とそれに隣接する岐阜県の市町村では、ほとんど優しい命令形のみが使われる。岐阜県のものは長野県境方面から広がったことが可能性として考えられる。
著者
田中 愛治 河野 勝 清水 和巳 山田 真裕 渡部 幹 西澤 由隆 栗山 浩一 久米 郁男 西澤 由隆 長谷川 真理子 船木 由喜彦 品田 裕 栗山 浩一 福元 健太郎 今井 亮佑 日野 愛郎 飯田 健
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

本研究では、全国の有権者から無作為抽出した対象者(サンプル)に対し、ノート・パソコンを用いた世論調査(CASI方式)を日本で初めて実施した。さらに、ノート・パソコンによるCASI調査に、認知心理学的視点を加えた政治経済学実験の要素を組み込み、実験を導入した世界初のCASI方式全国世論調査に成功した。これにより、政治変動をもたらす日本人の意志決定のメカニズムの解明を可能にし得る新たな研究を踏み出した。
著者
瓜生 淑子
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.13-24, 2007-04-20

本研究では,70人の幼児に対して,人気のキャラクター(アンパンマン)を登場させた課題場面を構成し,アンパンマンを救うために対決場面で敵(ばいきんまん)に嘘の在処(アンパンマンを救うための大事なものが入っていない空の箱)を教えられるかを検討した。その結果,年中児は80%が,年長児は100%が正答した。誤信念課題(位置移動課題)の結果とも比較したところ,誤信念課題正答より1年以上先んじた成績であることから,年中児以上になると,「心の理論」獲得に先立って嘘をつくことが可能になってきていることがわかった。しかし,年少児では,嘘をつく課題の方が逆に正答率が30%程度と低く,嘘をつく反応への葛藤がうかがえた。回帰分析の結果,この課題では,「男児」優位が示されたことから,認知的課題である誤信念課題と違って,パーソナリティ要因の影響も示唆された。しかし,嘘をつく課題では,正答率の低い年少児も含めて良い回帰モデルが作られたことなどから,年少児の正答率の低さは,そもそも嘘をつく行為がこの時期,まだ萌芽的であることを示していると解釈され,「心の理論」獲得の時期は欧米の子どもに比べてやや遅く,年中児以降と考えられるのではないかと考えられた。
著者
多田 和美
出版者
北海道大学
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.35-84, 2010-06-10

本稿は,多国籍企業の内部環境と外部環境(現地環境)の要因が,海外子会社の製品開発活動に及ぼす影響とそうした活動がいかなる成果を生成するのか解明することを目的としている。そこで,成功事例との比較分析に向けた予備的研究として,失敗事例に相当すると考えられる日本ペプシコ社の事例研究を行った。本稿では,先行研究の課題を踏まえ,Schmid & Schurig(2003)を出発点とした枠組によって,(1)内部環境要因と外部環境要因の各構成要素が製品開発活動に及ぼす影響,(2)その過程において生じる構成要素間の相互作用,(3)それらの影響に基づく製品開発活動が成果に及ぼす影響を分析した。その結果,内外環境要因の各構成要素とその相互作用は,海外子会社の製品開発活動と成果に多様な影響を及ぼすことなどが新たに明らかになった。
著者
矢部 直人
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

裏原宿に小売店の集積が形成された要因は,店舗の供給側から見ると,1980年代後半のバブル経済期に,不動産開発が住宅地の内部まで進んだことが大きい.一方,店舗に出店するテナント側では,人脈を使った出店が行われていた.小売店の集積が,アパレル生産に与える影響は二つあった.一つは,消費者の情報を商品企画に生かすことであった.もう一つは,小売店が生産工程を商社に外注することによって,中国における小ロット生産が可能になったことである.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1400, pp.88-93, 2007-07-16

仙台駅東口から大通りをクルマで走ること5分。突き当たった森林公園の中に、東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地、フルキャストスタジアム宮城がそびえる。 宮城県が所有する球場で、隣には同じ県所有の陸上競技場がある。その中間地点に、白線が引かれている。 この線を境にして、まるで北緯38度線のように空気が一変する。
著者
松田 りえ子 佐々木 久美子 酒井 洋 青柳 由美子 佐伯 政信 長谷川 康行 日高 利夫 石井 敬子 望月 恵美子 山本 敬男 宮部 正樹 田村 征男 堀 伸二郎 池辺 克彦 辻 元宏 小嶋 美穂子 佐伯 清子 松岡 幸恵 西岡 千鶴 藤田 久雄 城間 博正 大城 善昇 豊田 正武
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.18-23, 2001-02-25 (Released:2008-01-11)
参考文献数
7
被引用文献数
7 6

1996年から1998年に, トータルダイエット試料中のアルミニウム濃度を測定しアルミニウムの一日摂取量を推定した. 10か所の機関でトータルダイエット試料の調製及びアルミニウム濃度の測定を行った. アルミニウムの一日摂取量は平均3.5mgであり, 範囲は1.8mgから8.4mgであった. 分析結果の正当性は, 認証標準試料の分析により保証された.
著者
井奈波 良一 鷲野 嘉映 高田 晴子 岩田 弘敏 森岡 郁晴 宮下 和久
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997 (Released:1999-03-15)

埋蔵文化財発掘調査機関における労働安全衛生管理の実態と発掘作業の労働負担を明らかに、その対策を検討することを目的に、本研究を行った。都道府県教育委員会関連の発掘調査機関においては、「救急蘇生の講習会を開催している」および「定期健康診断を実施している」機関は25%以下であった。労働災害発生件数に関連する要因として、「独自に雇用している発掘作業員数が多いこと」および「安全衛生に関する規定がないこと」が抽出された。夏期に発掘現場の作業環境測定を行った結果、WBGT(湿球黒球温度指標)は中等度の労働強度における許容基準を超えている時間帯があった。鼓膜温は、発掘作業中上昇し、休憩によって下降するパターンを示した。体温の最大値は、午後の第1回目の休憩前に記録された。冬期に作業者の血圧等を経時的に測定した結果、収縮期血圧の最大値は発掘作業開始時点に記録された。これは主として発掘現場における寒冷曝露の結果と考えられる。ダブルプロダクトは、発掘作業中上昇し、休憩時に低下するパターンを示した。冬期における作業者に自覚症状を調査した結果、発掘作業中に防寒靴を使用する者の自覚症状の有症率は、使用しない者よりいくつかの項目について有意に低率であった。しかし、「足の冷え」については両者の間で有意差がなかった。これらの結果から、冬期の発掘作業を快適に行うための方策のひとつとして防寒靴の使用が勧められる。寒冷紗の効果をみるため模擬発掘現場で炎天下と寒冷紗のWBGTを測定した結果、寒冷紗下では乾球温度、湿球温度、黒球温度が低く、その結果、寒冷紗下のWBGTは炎天下より低くなっていた。したがって、夏期の発掘現場における寒冷紗の使用は、夏期の埋蔵文化財発掘作業を快適に行うための方策のひとつとして効果があることがわかった。しかし、寒冷紗下の風通しを悪くすると効果が低下することも明らかになった。
著者
山田 美幸 鶴田 来美 長谷川 珠代
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

本研究では独居高齢者に焦点あて、独居による生活の不具合や不安要因を明らかにし、個人の生活に即した介護予防プログラムを開発することを目的とした。平成18年度は、介護予防に関する注意事項や体操を含めた介護予防を目的としたプログラムを作成し、地域の施設等で、のべ179名に実施した。その結果、関節の拘縮や身体機能の低下が見られる参加者があり、これらを予防するために、継続してできるプログラムが必要であることが明らかになった。平成19年度は改良したプログラムをのべ20回実践し、評価を行った。対象者はデイサービスに通所する34名、平均年齢は84.7±4.2歳であった。「布団からの起き上がり」や「いすからの立ち上がり」に対する困難感を抱く傾向があったが、プログラム後はその困難感が減少していた。また、転倒のリスクは「家の中」が多かったが、プログラム後では有意に減少していた。歩行状態は一定距離の歩数が減少し、足の踏み出しが大きくなっていた。続けて、独居高齢者の生活行動パターンと運動量を明らかにするために、3名の自宅に人感センサーを設置した。これによって1日の生活パターンやトイレの回数、室内での部屋移動の状況が把握できた。さらに1ヶ月の情報を得た後、1日あたりの身体活動量を算出し、自宅でできる介護予防プログラムを提供した。また、これを家族が毎日観察し、活動状況によっては家族が高齢者に連絡をするといったコミュニケーションをとる機会にもなっていた。これらの結果より、高齢者は身体機能の低下によっておこる下肢の筋力を使う日常生活行動について不具合や不安を抱く可能性がある。しかし、高齢者の動きを生活活動量として捉え、個別性のあるその人に合った介護予防プログラムを提供することによって、不安や転倒のリスクの減少につながり、効果的であると考える。