著者
田中 真奈実 入江 勇治 安羅岡 一男 佐藤 章仁 松本 繁 白田 保夫 中村 尚志 河合 美枝子 海老原 誠
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.156-163, 1988

関東地方利根川流域で感染した慢性日本住血吸虫症について, 茨城県内診断例12例を中心に, その診断法・病態・治療適応について検討した. 患者は, すべて海外渡航歴・利根川以外の本症流行地への旅行歴はなく, 取手市戸頭, 稲敷郡河内村, 筑波郡谷和原村等かつて本症の流行が報じられた地域の在住者である. 血中抗住血吸虫抗体及び糞便中の虫卵は検査したすべての症例で陰性であった. 8例の患者の確定診断は, 本症とは異なる基礎疾患で摘出された臓器 (胃・十二指腸等上部消化管及び肝・胆道系) 中の日本住血吸虫虫卵の病理学的検索によってなされた. しかし, 茨城県取手市戸頭の3症例と筑波郡伊奈町の1症例は, 人間ドックで画像診断学的に診断されており, 流行地における本症患者のスクリーニングには, 肝エコーにおける魚鱗状パターン, 肝CT像における被膜石灰化像・隔壁様石灰化像等特徴的所見も有用であることが示された. また, その病態は, 基礎疾患によって異なっており, 胃癌・肝癌等悪性腫瘍との合併例は4例であった. プラジカンテルによる治療適応の判定には, 虫卵排出の有無及び虫卵の孵化能の検索が必要であるが, 疑わしい症例には生検材料による孵化試験をすることが必要である. 病理組織学的検索だけでは, 感染時期及び孵化能の判定は困難である.

4 4 4 4 あまカラ

著者
甘辛社
出版者
甘辛社
巻号頁・発行日
no.41, 1955-01
著者
佐藤 廉也
出版者
公益社団法人 日本地理学会
巻号頁・発行日
pp.159, 2019 (Released:2019-03-30)

報告者はかつて、2011年当時に全国で使用されていた高校地理A・B教科書(6社14冊)の中に見られる焼畑に関する全記述を拾い上げて整理検討した(佐藤 2016)。その結果、ほぼ全ての教科書の記述に誤りや偏見が見られることを指摘した。その後2016年には教科書改訂が行われたが、現在も多くの教科書では誤った記述内容はいっこうに改善されることなく、ほぼ踏襲されたままである。焼畑に対する誤解と偏見の歴史は古く、1950年代には既にH.C.Conklinの古典的な研究によって指摘されているが、とりわけ地球環境問題の文脈において焼畑が注目を浴びた1980年代以降、2010年代に至るまでの間に、焼畑の持続性に関する膨大な事例研究が蓄積されている。特に1990年代後半以降には、焼畑休閑期間と土壌養分や収量との関係に関する実証的な研究が複数現れており、その結果、焼畑が熱帯破壊の主因であるというかつて根拠のないまま流布していた主張はほぼ否定されるに至っている。要するに、研究の蓄積によって得られた知見と、教科書やメディアによって垂れ流され続ける誤った情報との間のギャップは埋まるどころかむしろ広がる一方なのが現状である。 メディアや教科書の焼畑記述に見られる誤りや偏見を大きく4つのパターンに分けると、(1)常畑耕地造成のための火入れ地拵えを焼畑と混同する誤り(2)焼畑を「原始的農耕」などと記述する偏見(3)熱帯林減少の主因が焼畑であるとする誤り(4)伝統的な焼畑は持続的だが、人口増加に伴って休閑期間が短縮され、結果として土地の不毛化を引き起こすという根拠のない「失楽園物語」、となる。(1)は最も低レベルの誤りであるが、種々のメディアではこの種の誤りが後を絶たない。(2)〜(4)が現在の高校教科書に見られる誤りである。(3)に関しては、熱帯林減少の主要因を地域別に検証したGeist et al. (2002)や、焼畑変容の要因を地域別に整理したVan Vliet et. al. (2012)ほかいくつかのレビュー論文が現れ、その結果、熱帯林減少は主として商品作物栽培を目的とした常畑農地の拡大や、道路建設と並行して進む木材伐採やパルプ材生産を目的とする植林地造成などによって進み、焼畑が熱帯林減少の要因となるケースは稀であることが明らかになっている。一方、(4)は最も根が深い誤りであると言え、地理学者の間ですら誤解が見られる。「人口増加→休閑の短縮化→土地の不毛化」という、未検証の仮説が前提となっているものであるが、2000年以降に発表されたいくつかの論文は、この前提とは逆に、休閑期間と焼畑収量の間にはほとんど相関が見られないという結果を示している(Mertz et al 2008)。 本発表では、上に述べた「誤記述のパターン」がなぜ間違いなのかを、先行研究を引きながら簡潔に説明するとともに、現行教科書の記述を具体的に挙げながら、それらの記述の何が問題なのかを詳細に検討し、誤りを正すにはどうすれば良いのかを検討する。なお、報告者は高校地理B教科書の採択率が最も高い教科書会社に、記述の誤りを指摘する質問状を送ったが、2ヶ月経った現在回答はない。報告当日までに何らかの回答があった場合にはその内容も紹介したい。

2 2 2 2 OA 過ぎゆく日

著者
徳田秋声 著
出版者
改造社
巻号頁・発行日
1926
著者
坪井,潤一
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, 2002-03-15

北海道南部の4河川において,天然のイワナSalvelinus leucomaenisを用いて,キャッチアンドリリース後の成長,生残,釣られやすさを調べた。釣獲直後の死亡率は6.7%であり,過去の研究結果に近い値であった。一方,キャッチアンドリリースが行われた個体において,成長率や生残率の低下は認められなかった。また,釣られやすさは釣獲経験のある個体と無い個体で同程度であった。よってキャッチアンドリリースを行うことは資源量および釣獲量の増大に有効であることが示唆された。
著者
長坂 和茂
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.304-316, 2017

日本図書館協会の総裁徳川頼倫は,1923年から特別預金5万円の利子として年3000円を協会に対して支払い,財政的に支援している。その利子を当時の協会財政と照らし合わせ,利子の影響力の大きさと,使途について調査した。 年3000円とは当時の日本図書館協会の会費収入に匹敵する重要な収入源であり,図書館雑誌の月刊化や図書館週間の宣伝などに使われていることが判明した。 特別預金利子が大正期の日本図書館協会の財政にとって,大きな役割を果たしていることが明らかとなり,華族による社会貢献の一端を見ることができる。
出版者
[書写者不明]
巻号頁・発行日
vol.第[1]集, 1900
著者
John Wright
出版者
Routledge
巻号頁・発行日
2010

2 2 2 2 OA 一平全集

著者
岡本一平 著
出版者
先進社
巻号頁・発行日
vol.第4巻, 1930
著者
Makoto Shirakawa Iwao Uehara Megumi Tanaka
出版者
Japanese Society of Microbial Ecology · The Japanese Society of Soil Microbiology
雑誌
Microbes and Environments (ISSN:13426311)
巻号頁・発行日
pp.ME18146, (Released:2019-05-11)

We investigated whether ectomycorrhizal (ECM) fungal species exhibit antibacterial activity towards culturable bacterial communities in mycorrhizospheres. Four hundred and thirty bacterial strains were isolated from the ECM root tips of Pinus densiflora and bulk soil, and 21 were co-cultured with six ECM fungal species. Three hundred and twenty-nine bacterial 16S rDNA sequences were identified in ECM roots (n=185) and bulk soil (n=144). Mycorrhizosphere isolates were dominated by Gram-negative Proteobacteria from 16 genera, including Burkholderia, Collimonas, Paraburkholderia, and Rhizobium. Paraburkholderia accounted for approximately 60%. In contrast, bulk soil isolates contained a high number of Gram-positive Firmicutes, particularly from Bacillus. Paraburkholderia accounted for ≤20% of the bacterial isolates from bulk soil, which was significantly lower than its percentage in ECM root tips. Co-cultures of six ECM fungal species with the 21 bacterial strains revealed that eight strains of three Gram-positive genera—Arthrobacter, Bacillus, and Lysinibacillus—were sensitive to the antibacterial activity of the fungi. In contrast, the Gram-negative strains, including five Paraburkholderia strains, two Burkholderia strains, and a Rhizobium sp., were not sensitive. The strength of fungal antibacterial activity varied in a species-dependent manner, but consistently affected Gram-positive bacteria. These results suggest that Gram-positive bacteria are excluded from the mycorrhizosphere by the antibacterial activity of ECM fungi, which develops specific soil bacterial communities in the mycorrhizosphere.
著者
横田 賀英子 和智 妙子 大塚 祐輔 平間 一樹 渡邉 和美
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.90.17039, (Released:2019-05-20)
参考文献数
26

The aim of the current study was to examine the repeat residential burglars’ target selection behaviors. The data consisted of variables relating to target selection behaviors and decision making of 104 serial residential burglars, who had arrest records for residential burglaries in the past. The results of multiple correspondence analysis revealed that residential burglars’ target selection behaviors could be differentiated into three styles: “burgling in the absence of residents”, “burgling in the presence of residents while they are sleeping at night”, and “burgling of mixed styles”. Among 14 variables relating to burglars’ decision making while committing crimes, three factors (risk/reward-oriented, traceless entry-oriented, low effort area-oriented) were extracted by exploratory factor analysis. The level of burgling skill evaluated by the suspect interviewers positively correlated with a factor score of the “risk/reward-oriented” factor (ρ = .20, p < .05) but negatively correlated with a factor score of the “low effort area-oriented” factor (ρ = –.24, p < .05). These results suggest that repeat residential burglars are rational decision makers, but the way they are rational varies.
著者
片山 悠樹
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.25-46, 2014

<p> 本稿の目的は「ものづくり」言説が工業教育にいかに受容されたのか,また「ものづくり」言説にどのような理念や価値が付与されてきたのか,その経緯を分析することである。<BR> 現在,多くの工業高校では教育目標として「ものづくり」が掲げられており,「ものづくり」教育は高い評価を受けている。工業教育≒「ものづくり」という認識は教師たちに共有されているといえる。ところが,こうした認識は最近まで自明ではなかった。というのも,かつて教師たちは「ものづくり」に批判的であったためである。なぜ現在の教師の認識と,過去の認識に違いが生じているのか。本稿では工業教育で「ものづくり」がいつ「自明」となり,その背後要因には何があるのかを明らかにする。<BR> 1970年から1980年代,工業高校の社会的地位は低下していたものの,教師は「科学的/批判的能力」の養成を重視し,「技能教育」に否定的であった。だが,1980年代後半以降,工業教育の専門性はさらに弱体化し,多くの教師は工業教育の専門性を教える自信を失っていく。<BR> このような状況のなか,工学教育の再考のため,教師は地域の中小企業との連携を模索しはじめる。1990年代後半,「ものづくり」の受容は中小企業の密集地帯で顕著にみられたが,2000年代に入ると,「ものづくり」言説に「教育的」価値が付与されることで,他の地域にも浸透していく。こうした過程を通して,工業教育のなかで「ものづくり」の「自明化」が進展したと推察される。</p>