著者
大澤 匡弘
出版者
名古屋市立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-08-05)

慢性疼痛の中でも神経の損傷に伴う痛みである神経障害性疼痛は、既存の鎮痛薬では緩和することが難しい疼痛の一つである。本研究では神経障害性疼痛モデルを作製し、大脳における神経系機能の亢進について検討を行い、その調節による疼痛緩和の可能性について検討を行った。神経障害性疼痛モデルマウスにみられた痛覚過敏は、神経伝達物質の放出を抑制するガバペンチンにより改善した。このガバペンチンの効果は、神経障害後 3 日間の処置でみられたが、神経障害による痛覚過敏が出現してからの処置では改善しなかった。このことから、ガバペンチンは大脳へ作用して神経障害による痛覚過敏の形成を抑制することが明らかになった。次に大脳における神経系細胞の機能変化について検討を行った。大脳の帯状回皮質においてミクログリアならびにアストロサイトの活性化が認められた。また、ミクログリアの活性化を調節する薬物であるミノサイクリンを帯状回皮質へ処置すると神経障害による痛覚閾値の低下が抑制された。このことから帯状回皮質におけるミクログリアの活性化は神経障害による痛覚過敏の発現に関与することが明らかになった。また、ミクログリアの抑制は、アストロサイトの活性化も抑えた。さらに、興奮性の神経伝達に関わるグルタミン酸神経の受容体機能の神経障害による亢進も、ミノサイクリンにより改善した。これらのことから、神経障害により帯状回皮質においてミクログリアが活性化し、この脳領域での興奮性神経伝達を亢進させるため、痛覚過敏が生じていることがわかった。
著者
川本 博之
出版者
公益社団法人 日本地理学会
巻号頁・発行日
pp.94-94, 2010 (Released:2010-11-22)

本研究は検証確認できる多くの実在関係の提示と相互関係性の存在発見の指摘である、日本史に重要事物位置に古代国家により永代続く作為により国家的価値観とした位置性に拘る関係性が巨大古墳から現代皇室施設にある。建築学会他で「神社鎮座法の実証的検証研究」として21題発表他している。沖ノ島、宮島、大三島の神島三島が同緯度で、宗像大社沖津宮と厳島神社の祭神が同じに作為を思い全国四千社の神社位置探究から始め、国土地理院の世界測地系変更から有名有力古社約350社と名山に研究対象を限定し、多段階を経て富士山を第一基点山に真西の大山を第二基点山とした国土の名山、宮等と相互関係性で、出雲と富士山と熊野の三角構成の間中に近畿地方を中心性とし、淡路島のイザナギを祀る伊弉諾神宮とイザナギの姫神で皇祖神アマテラスの伊勢神宮を東西関係にし真中に古代国家大和朝廷発祥地の飛鳥がある。各基点地域間の名山名社等に組や対での作為的関係が様々あり、古代国家が成しただろう一元管理的で神社と帝都、官寺が一体の国家的価値観の原理のある位置性を神社鎮座関係と名称化した。富士山と大山の間中に飛鳥、藤原京、平城京、平安京と主要三都は北上し、他京も論証できる関係は古代に信じ難く常識外の高精度方位関係で、多学界の既成観を覆す内容を認識し、数千を超える多数の明確で意図的な関係に多様な神社実態との対応と、構成的な関係が事例毎にあり、記紀や風土記、神社由緒等を含む文献対応を確認し、検証研究から関係性を確信する。古代国家創生と関係した歴史事物間の位置性は、記紀等を逆検証できる自明の事実で、学界の事物と整合しない推論を駆逐する明確な史実の物証である。本論は三都や三天下城(安土城は俗称の天下城)の位置関係が、富士山、大山、出雲、熊野、房総、大和の特に基点性の高い有名霊山、有名神体山の名山や高社格、有名有力古社との明確な関係の存在を提示している。学界は三都や一部の神社や城などに風水の四神相応説で論じ、特に平安京については四神相応説が定説化している。だが、論拠の風水の古典は本家中国でも明代以降にしかなく、学界が唱える中国風水と違うと云う日本風水の古典はない。後代の帝都と関係のない「作庭記」などが典拠とされるが文献記事に付会した説で、そもそも明確な具体的関係がないが多くの学界で様々論じられ通説となっている。神社に関しても、土着的な山などの自然信仰から祖霊信仰などが習合し神社神道になったとする通説がある。独立峯や主峰でない支尾根が何故選択され信仰対象になるのか、自然信仰から記紀の人格神を祀る祭神が変更になる事等を論証せず、国が編纂した記紀を神典とし、記紀神を祀り、国が社格を付け神名帳に記し管理し、国が幣を与え、国司が参る存在が高社格社であるが、国の強い関与性や本宮別宮摂末社等の多様な神社実態が解明されていない。神社神道の自然信仰発祥発展説と多様な神社実態とは多くが整合しないが、学界はその解決を希求せず、神の事、神代の事は不明が当然とした不合理な推論を国家国民に供してきた。歴史学、国文学、民俗学、宗教学、歴史学の下位の建築史学等が認め看過してきた二つの通説に明確な根拠がなく事実と整合しないが学界権威故か既成観である。明らかな不合理を関連学界の全てが認めた状態で疑問を思わない不思議がある。帝都も神社も記紀に書かれた事物で、記紀の神々を祀る神社、宮等には推論では導出できない多くの作為的事実関係がある。古代に国土形状を把握し構想し実現された関係は、古代国家大和朝廷の飛鳥が計画首都である事を示す明確な神社鎮座関係がある。本研究の指摘関係は自明の事実で作為的関係で偶然でない史実である。
著者
角村 法久
出版者
徳島大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2013-05-15)

研究目的 : 申請者は、「研究者の自由な発想に基づく研究」の科研費(JSPS)とその対極にある「政策課題対応型研究開発」のA-STEP (JST)の審査制度に関し、主に次の4つの観点に注目して比較検討を試みることを計画した。1. 審査委員選考方法(例 : 科研費は、審査委員候補者データベースを整備し、JSPS設置の学術システム研究センターで、毎年選考を行っている。)2. 審査委員配置状況(例 : 科研費は1段審査委員を細目毎、2段審査委員を分科毎に配置している。)3. 審査過程(例 : 科研費は、書面審査と合議審査の2段審査制をとっている。)4, 審査制度の変更過程(例 : 科研費は平成25年度応募時に、若手研究Bで複数細目選択制を採用した。)研究方法 : 検討に際しては、公募要領、審査委員名簿、審査規程、審査マニュアルなど、科研費、A-STEPに関するJSPS、JST各々のHPに掲載されている情報を基に審査制度の詳細に迫った。これは、公開情報でどの程度審査制度の実態に迫ることができるかを具体的に実践することで、研究機関の事務職員であれば、誰もが分析できるということを明らかにしたいと考えたからである。研究成果 : 科研費とA-STEPの審査制度の違いとして次のことが分かった。科研費審査委員の特徴 : 科研費採択経験のある研究者←→技術移転に精通する研究者、企業経験者 : A-STEP側 科研費の審査委員選考方法 : JSPSにてPOが候補者DBを用いて選考←→JSTにて選考 : A-STEPの選考方法科研費審査委員配置状況 : 第1段審査委員は細目毎←→書類審査は細目毎(【FS】ステージのみ) : A-STEP側第2段審査委員は分科毎←→面接審査は評価委員が対応また、今回の研究を通じて、各審査制度の仕組みがわかったことを踏まえ、研究支援の立場にある事務職員が、どのように競争的資金を分析すれば良いのか、又研究者にどのようにアドバイスをすればよいのか、一例を示すことが出来た。その他 : A-STEPについては、科研費と比較して必ずしも多くの情報が得られた訳ではなかった。これは、技術移転を目指すA-STEPの性格上、「技術」を理解し、「実用化」の可能性を見抜く力が審査委員に求められるが、そのような能力や知識・経験を持っている人材が少ないからではないかと考えられる。従って、基本的には、継続して専門委員を依頼するほかなく、結果的に科研費の審査委員とは異なり、専門委員名について非公開で対応することに繋がっていると考えた。
著者
平野 俊介
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.457-475, 2002

バルトークの初期の作品である〈14のバガテルOp.6〉は,バルトークの純粋な創作から民謡に基づく作品まで実に多様な様式の曲が含まれている。従って,この作品を分析することにより,若いバルトークがどれくらい独自の音楽語法を駆使し得たかを知ることができる。本研究では,各曲の考察を通して,初期のバルトークの変化に富んだ創作過程や音素材の多様な扱いに光を当て,それを明確にすることができた。Fourteen bagatelles are one of Bartok's early works. These pieces are made of various original works and pieces based on Hungarian peasant songs. Therefore, through the analysis of these pieces we can find out Bartok's original methods of composition. As a consequence of this research, through the study of each piece I hav revealed various usage of sound materials and varied creative processes in Bartok's early years.
著者
太田 峰夫
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.39-52, 2002-09-30

In his mature years Bela Bartok continuously argued that the influence of peasant music on art music should be realized by grasping its "spirit"-which penetrates the composer's creativity. We usually take this argument simply as a part of his program for modernist music, but the significance of this "spirit" remains hardly convincing. It is unclear why modern musicians should undertake such a demanding task as to make the "spirit" of peasant music their own. We can clarify the importance of this idea solely by considering the historical background of Hungary. The discourse of the "spirit" of peasant music can be related to the nationalistic movement from the first decade of the twentieth century ; especially to the innovatively minded movement led by young intellectuals such as Endre Ady. Under the influence of social radicalism, they began to seek the new cultural identity of Hungary. Precisely according to this new trend Bartok also formulated his strategy, approaching long-forgotten cultures of the peasant class and of other peoples. Because of this political-cultural context it became his ultimate goal to grasp the "spirit" of peasant music, which could justify his artistic endeavor both in the nationalistic context and in the modernist one.

2 2 2 2 方言誌

出版者
国学院大学方言研究会
巻号頁・発行日
vol.12, 1934-10
著者
森 信人 志村 智也 Mark HEMER Xiaolan WANG
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.I_115-I_120, 2017 (Released:2017-10-17)
参考文献数
13

気候変動による沿岸域への影響が懸念されており,2012年のIPCC第5次報告書(AR5)以降,波浪の将来変化予測についての成果が発表されている.しかし,平均波高についての将来予測結果が多く,年最大波や数年に一度の高波についての将来予測は少ない.本研究では,様々なアンサンブル予測結果を用いることにより,高波の将来変化を対象に放射強制力,親モデルとなるGCMおよび波浪モデル等による不確実性の評価を行った.さらに海域毎の高波の将来変化特性についても検討を行った.高波の将来変化の空間分布は平均波高の将来変化と類似するが,台風経路の将来変化が重要であることがわかった.
著者
Arata HONDA Atsuo OGURA
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
Journal of Reproduction and Development (ISSN:09168818)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.435-438, 2017 (Released:2017-10-18)
参考文献数
29

Although the laboratory rabbit has long contributed to many paradigmatic studies in biology and medicine, it is often considered to be a “classical animal model” because in the last 30 years, the laboratory mouse has been more often used, thanks to the availability of embryonic stem cells that have allowed the generation of gene knockout (KO) animals. However, recent genome-editing strategies have changed this unrivaled condition; so far, more than 10 mammalian species have been added to the list of KO animals. Among them, the rabbit has distinct advantages for application of genome-editing systems, such as easy application of superovulation, consistency with fertile natural mating, well-optimized embryo manipulation techniques, and the short gestation period. The rabbit has now returned to the stage of advanced biomedical research.
著者
白松 賢 久保田 真功 間山 広朗
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.207-249, 2014-11-28 (Released:2016-11-15)
参考文献数
285