- 著者
-
佐々木 良
- 出版者
- 日本水産増殖学会
- 雑誌
- 水産増殖 (ISSN:03714217)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, no.4, pp.214-219, 1984-03-25 (Released:2010-09-07)
- 参考文献数
- 16
1.ムラサキインコガイの産卵期は8, 9月, 初成熟は殻長15mm, 発生後2年目に認められる。2.放卵時には径1mm, 長さ2~8mmのヒモ状卵塊を間欠的に放出した後, 数分後に卵粒として解離する。3.放卵数は1個体当たり約10万粒であった。4.卵径は120μmで, 受精後34時間でベリジャー期, 96時間で付着変態期に達するが, その間の摂餌は不要で殻長は180~190μmである。5.天然下における浮遊幼生の出現はシケと対応し, 付着量は表層程多い。6.幼生は着底後に再浮遊し, 殻長210~350μmの浮遊稚仔が観察された。7.本種はプランクトン発生型の多くの二枚貝類と異なり卵黄栄養型発生を示す。