著者
関口 珠希 松下 和裕 柏原 みゆき 笠原 和恵 堀川 雅昭
出版者
北海道歯学会
雑誌
北海道歯学雑誌 (ISSN:09147063)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.76-82, 2022-09-15

埋伏智歯が本来の位置から遠く離れ,それが下顎枝最上方の筋突起に位置することは非常にまれである.今回われわれは筋突起に埋伏した含歯性嚢胞を伴う智歯の1 例を経験したので報告する. 患者は72歳,男性.2021年5 月に左側耳下腺咬筋部の腫脹と疼痛を自覚し,近在歯科を受診した.症状が悪化傾向であったため,当院を紹介受診した.初診時の口腔外所見では左側耳下腺咬筋部の腫脹,疼痛と重度の開口障害を認めた.口腔内所見では開口障害により視認は困難であったが,左側頬粘膜に浮腫性の腫脹を認めた.画像検査では筋突起内に逆性埋伏智歯とその周囲に嚢胞様透過像を認め,それら周囲の軟組織の肥厚を認めた.血液検査所見では炎症反応を認めた.埋伏智歯ならびに嚢胞様病変への感染と診断し,抗菌薬による消炎を行った.消炎後,全身麻酔下で埋伏智歯抜歯ならびに嚢胞摘出を施行した.病理組織学的診断は含歯性嚢胞が考えられた.現在,術後6 か月を経過しているが,問題なく経過している.
著者
鴈野 重之 富田 晃彦
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.49-57, 2023-09

査読付き論文は研究コミュニティ内で成果を共有する最も重要な手段である.一方で論文が十分に相互参照されないと,似たような研究に気づかずに研究を進めてしまう危険が生じるなど,その分野の発展の遅滞を招くこととなる.本研究では,天文教育普及分野における査読付き学術論文の引用-被引用関係を調べることで相互参照性を評価する指標づくりを提案するとともに,各々の学術雑誌が分野に対して及ぼすインパクトを調べた.結果として,天文教育普及分野では同じ雑誌内だけの引用が多く,他の雑誌からの引用が少ない傾向が見られた.とくにインパクトの高い雑誌の論文も隣接する分野の雑誌では参照されていなかったり,重要と考えられる論文も他の雑誌からの引用がなかったりという例も見られた.論文の相互参照性を高めるためには,分野に特化した論文データベースや検索エンジン対策などを,そのコミュニティとして考える必要があるだろう.
著者
笠井 和広 Kasai Kazuhiro
出版者
神奈川大学
雑誌
国際経営論集 (ISSN:09157611)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.187-209, 2004-03-24