著者
糸井 志津乃 安齋 ひとみ 林 美奈子 板山 稔 吉田 由美 風間 眞理 刀根 洋子 堤 千鶴子 奈良 雅之 鈴木 祐子 川田 智惠子 小池 眞規子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.67, no.7, pp.442-451, 2020-07-15 (Released:2020-07-31)
参考文献数
41

目的 本研究では病院で活動しているがんピアサポーターが大事にしていることを明らかにすることを目的とする。方法 質的記述的研究方法を用いた。研究協力を承諾した患者会団体から研究参加候補者の紹介を受けた。研究参加に同意したがんピアサポーター10人に半構造化面接を2014年7月から10月に実施した。逐語録より,がんピアサポーターが大事にしていることを抽出した。文脈を単位としてコードを生成し,さらにサブカテゴリー化,カテゴリー化を行い分析した。本研究は目白大学研究倫理審査委員会の承認を得て,その内容を遵守して実施した。結果 研究参加者は病院を活動の場とし,個別相談,がんサロンで活動中の40歳代から70歳代の10人(男性2人,女性8人)のがんピアサポーターである。医療機関で活動しているがんピアサポーターが大事にしていることとして,129コード,11サブカテゴリーから5つのカテゴリーが生成された。カテゴリーは【傾聴しありのままを受け止め,利用者が方向性を出せるようにする】【医療者とは違う立場をわきまえ,対応する】【心持ちを安定させ,生活とがんピアサポート活動とのバランスを考える】【知識や技術を担保し,自分を磨き続ける】【医療者,病院との信頼関係を築く】である。結論 病院で活動しているがんピアサポーターが大事にしていることは,以下のようであった。まず,利用者を対象に,【傾聴しありのままを受け止め,利用者が方向性を出せるようにする】【医療者とは違う立場をわきまえ,対応する】である。これは“がんピアサポート活動の実践中に利用者のために大事にしていること”であり,大事にしていることの中心を成している。次に,がんピアサポーター自身を対象に,【心持ちを安定させ,生活とがんピアサポート活動とのバランスを考える】【知識や技術を担保し,自分を磨き続ける】である。これは“がんピアサポート活動の継続と質の向上のために大事にしていること”であり,支援体制や学習環境の整備が課題である。さらに,【医療者,病院との信頼関係を築く】である。これは“がんピアサポート活動を円滑にするために大事にしていること”である。医療者・病院との信頼関係の重視は,病院でのがんピアサポート活動の特徴と言える。本研究の結果は,がんピアサポート活動を振り返る視点になると考えるが,今後の課題としてがんピアサポーター養成講座への活用の検討が必要である。
著者
原 健一 永松 美雪 中河 亜希 齋藤 ひさ子
出版者
日本思春期学会
雑誌
思春期学 = Adolescentology = 思春期学 = Adolescentology (ISSN:0287637X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.223-234, 2012-06-25

本研究は,中学生男女の親・教員の会話と,男女交際および性感染症に関係する知識・意識・行動の関連を検討することを目的とした。平成20年度から開始した佐賀県予防教育事業に,21年度から新たに参加した中学校のうち学校長の研究承認が得られた8中学校に調査を行った。2-3年生1746人の保護者へ説明書・同意書を配布し,保護者の同意および本人の同意が得られた生徒に実施した。調査期間は21年5月~7月である。調査内容は,親との会話の頻度,教員との会話の頻度,男女交際中の暴力認知,男女交際の意識,性感染症の知識,性行為の意識,危険行動である。佐賀大学倫理委員会の承認を得て,佐賀県予防教育事業の事前調査として実施した。調査を完了した1541人(回答率882%)の結果を分析した。男子は817人(5aO%),女子は724人(47.0%)であった。家族や中学校の教員との会話の頻度は,すべての項目で女子より男子が少なかった。男女交際において「男女の対等な関係」,「相手を思いやること」,「自分を思いやること」を大切であるという意識は,女子より男子が有意に低かった。男女交際中の暴力のうち精神的暴力は,女子より男子が暴力としてとらえていなかった。性行為を容認する意識は,女子より男子が有意に高かった。エイズの知識合計点と性行為経験者数は男女で有意な差を認めなかった。また,中学生男女の親・教員の会話と男女交際および性感染症に関係する知識・意識・行動に関連があることが示された。危険行動予防のために,親や教員との会話を増やすことが重要であることが示唆された。
著者
岡本 ひろみ 曾 美芳 安藤 明之
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 日本社会情報学会 第21回全国大会
巻号頁・発行日
pp.10-13, 2006 (Released:2007-05-28)

Up till now, Information Education in Japan has been treated narrowly as an attempt to instill computer literacy skills in support of the nation's IT strategy. What has not been considered carefully is the relation between Information Education and human development. Our comparison of Information Education in secondary schools in Japan and Taiwan suggests that the role of Information Education in Japan should be reconceptualized as being primarily part of the nation's overall education strategy.
著者
吉澤 ひかり 蝦名 康彦 今福 仁美 鈴木 嘉穂 若橋 宣 宮原 義也 出口 雅士 山田 秀人
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.9-16, 2019

<p>正常胎児と全奇胎の双胎(complete hydatidiform mole coexistent with a fetus;CHMCF)はまれな疾患であり,2~10万妊娠あたり1例とされる.CHMCFは母体合併症が高率であり,また存続絨毛症などの続発性疾患(gestational trophoblastic neoplasia:GTN)のリスクが全奇胎単体より高いとされる.今回われわれは,2006~2015年の10年間にCHMCFの3症例を経験したので報告する.CHMCFの診断週数は12~14週であり,3例中2例は排卵誘発による妊娠であった.母体合併症は,妊娠悪阻(1例),性器出血(3例)であった.CHMCFについて,生児獲得率が低く,母体合併症やGTNのリスクが高いことを説明したところ2例は妊娠中絶を希望した.残りの1例は妊娠継続を希望した.しかし肺転移が判明し21週で妊娠中絶となった.3例中2例にGTN(奇胎後hCG存続症1例,臨床的侵入奇胎1例)を認め,化学療法にて寛解した.CHMCF症例においては,早い週数で妊娠を中断した場合でも,GTNの発症に十分注意して管理する必要があると考えられた.〔産婦の進歩71(1):9-16,2019(平成31年2月)〕</p>
著者
佐野 始也 松谷 英幸 近藤 武 関根 貴子 新井 雄大 森田 ひとみ 高瀬 真一
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.903-912, 2009-07-20 (Released:2009-08-07)
参考文献数
12
被引用文献数
5 3

Helical pitch (HP) usually has been decided automatically by the software (Heart Navi) included in the MDCT machine (Aquilion 64) depending on gantry rotation speed (r) and heart rate (HR). To reduce radiation dose, 255 consecutive patients with low HR (≤60 bpm) and without arrhythmia underwent cardiac MDCT using high HP. We had already reported that the relationship among r, HP, and the maximum data acquisition time interval (Tmax) does not create the data deficit in arrhythmia. It was represented as Tmax= (69.88/HP-0.64) r; (equation 1). From equation 1, HP=69.88 r/ (Tmax+0.64 r); (equation 2) was derived. We measured the maximum R-R interval (R-Rmax) on ECG before MDCT acquisition, and R-Rmax×1.1 was calculated as Tmax in consideration of R-Rmax prolongation during MDCT acquisition. The HP of high HP acquisition was calculated from equation 2. In HR≤50 bpm, Heart Navi determined r: 0.35 sec/rot and HP: 9.8, and in 51 bpm≤HR≤66 bpm, r: 0.35 sec/rot and HP: 11.2. HP of the high HP (16.4±1.2) was significantly (p<0.0001) higher than that of Heart Navi HP (10.9±0.6). The scanning time (6.5±0.6 sec) of high HP was significantly (p<0.0001) shorter than that of Heart Navi (9.0±0.8 sec), and the dose length product of high HP (675±185 mGy⋅cm) was significantly (p<0.0001) lower than that of Heart Navi (923±252 mGy⋅cm). The high HP could produce fine images in 251/255 patients. In conclusion, the high HP acquisition is useful for reduction of radiation dose and scanning time.
著者
山口 勇気 矢澤 ひろみ 岩西 哲 工藤 起来
出版者
新潟大学教育学部
雑誌
新潟大学教育学部研究紀要 自然科学編 (ISSN:18833845)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.41-46, 2010

野外で採集したトゲズネハリアリの巣を飼育下で営巣させるための技術的な問題について検討した.石膏をプラスチックケースに敷き,ガラス板を置き,その下に育室を作成してトゲズネハリアリを飼育した.飼育を開始すると,ワーカーがケースの縁から石膏を掘り,石膏とケースの間で圧死したため,ワーカーが掘ることができない石膏の硬さを明らかにした.ガラス板下の育室の深さについて検討したところ,ワーカーは1mm程度の浅い育室を好んで幼虫を運び込み,定着した.明暗の異なる2つの育室のある飼育ケースで飼育したところ,すべての飼育ケースにおいてワーカーは暗い育室に幼虫を運んだ.野外のトゲズネハリアリが朽ち木の表皮近くの非常に狭い空間に営巣し,堅い朽木を大顎で削って巣を拡張するという生態学的特徴があるため,トゲズネハリアリを飼育するためには"堅い石膏"上に浅い育室を作成し,暗下で飼育する必要があることが判った.餌として,ゴミムシダマシの幼虫やバッタ目昆虫の脚,昆虫ゼリー,蜂蜜を与えたが,ワーカーはこれらをほとんど採餌しなかった.一方,ワーカーはキンバエの幼虫を好んで摂食した.トゲズネハリアリの生態や社会構造についてはほとんど分かっていないが,本研究により飼育条件が確立したため,今後本種における知見が蓄積できると期待される.
著者
山口 勇気 矢澤 ひろみ 岩西 哲 工藤 起来
出版者
新潟大学教育学部
雑誌
新潟大学教育学部研究紀要 自然科学編 = 新潟大学教育学部研究紀要 自然科学編 (ISSN:18833845)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.41-46, 2010-10

野外で採集したトゲズネハリアリの巣を飼育下で営巣させるための技術的な問題について検討した.石膏をプラスチックケースに敷き,ガラス板を置き,その下に育室を作成してトゲズネハリアリを飼育した.飼育を開始すると,ワーカーがケースの縁から石膏を掘り,石膏とケースの間で圧死したため,ワーカーが掘ることができない石膏の硬さを明らかにした.ガラス板下の育室の深さについて検討したところ,ワーカーは1mm程度の浅い育室を好んで幼虫を運び込み,定着した.明暗の異なる2つの育室のある飼育ケースで飼育したところ,すべての飼育ケースにおいてワーカーは暗い育室に幼虫を運んだ.野外のトゲズネハリアリが朽ち木の表皮近くの非常に狭い空間に営巣し,堅い朽木を大顎で削って巣を拡張するという生態学的特徴があるため,トゲズネハリアリを飼育するためには“堅い石膏”上に浅い育室を作成し,暗下で飼育する必要があることが判った.餌として,ゴミムシダマシの幼虫やバッタ目昆虫の脚,昆虫ゼリー,蜂蜜を与えたが,ワーカーはこれらをほとんど採餌しなかった.一方,ワーカーはキンバエの幼虫を好んで摂食した.トゲズネハリアリの生態や社会構造についてはほとんど分かっていないが,本研究により飼育条件が確立したため,今後本種における知見が蓄積できると期待される.
著者
阿部 ちひろ 伊藤 彰則
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2011-MUS-91, no.9, pp.1-6, 2011-07-20

本稿では,音節数と韻に着目した作詞支援システムを提案する.システムは Ngram 言語モデルをもとに,ユーザの指定した音節数と韻の条件を満たす歌詞候補文を生成し,提示する.ユーザはシステムを辞書のように用い,提示文から主体的に言葉を選び作詞を進めることができる.我々は GUI を備えた作詞補助システムを実装し,提示文とシステムの主観評価実験を行った.
著者
成田 奈緒子 渡辺 ひろの
出版者
文教大学
雑誌
文教大学教育学部紀要 = Annual report of the Faculty of Education, Bunkyo University (ISSN:03882144)
巻号頁・発行日
no.49, pp.209-221, 2015

大学生における睡眠を含めた生活習慣が睡眠の質と量,自己肯定感に及ぼす影響を,睡眠時脳波測定を用いて検討した.大学生48 名から得られたデータでは,朝型であるほど自己肯定感が高く,また睡眠の質が良いほど自己肯定感が高いという有意な相関関係が得られた.また,朝型であるほど睡眠の質も良いという相関関係も観察された.さらに,8 名における睡眠時脳波解析をしたところ,REM睡眠含有量が相対的に高い被験者は,睡眠時間も長く,入眠までの時間も短く,大脳皮質覚醒の回数も少なく,全体として睡眠効率が高い傾向が見られ,自己肯定感も高かった.睡眠が不良である被験者ではアルバイトなどで生活習慣が不規則であったことより,大学生においては自律的に生活習慣を改善する努力をすることが睡眠の質と自己肯定感の上昇に必要であることが考察された.

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著者
竹ノ内 ひとみ 宮本 道人 森尾 貴広 安藤 英由樹 矢代 真也 Takahiro MORIO
出版者
HITE-Media
巻号頁・発行日
pp.1-39, 2020-04-01

編集:矢代真也デザイン:島影南美作画協力:橋本公司丸