著者
寺町 ひとみ 畠山 裕充 松下 良 今井 幸夫 宮本 謙一 辻 彰
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.530-540, 2002-12-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
17
被引用文献数
7 7

The department of pharmacy which is a member of the Infection Control Committee in Kouseiren Chu-nou Hospital provided a systematic program of vancomycin (VCM) therapeutic drug monitoring (TDM) and consultations regarding the suitable dose and administration interval etc. of VCM for both patients and physicians. However, in many cases the initial dosage and dose interval were empirically decided by the physician.In the present study, we retrospectively examined three nomogrames that were recommended as the rough standard for determining the initial dosage and dose interval, in comparison to the Bayesian method, based on our hospital data collected from adult MRSA patients. We also compared our findings with the Moellering's method, Matzke's method, Maeda's method and the Population mean methods.Maeda's method did not predict the serum trough and peak levels that reach poisonous ranges. Maeda's method was found to be a safe method. In addition, Maeda's method was found to reach the therapeutic ranges the most frequently of the four methods. Furthermore, the calculations for Maeda's method were simpler than the other three methods. Accordingly, it is possible to easily calculate the initial dosage and dose interval in the clinical field. The serum VCM concentrations should thus be measured for each patient, as soon as possible, to correct the dosage using the Bayesian forecasting technique, because the therapeutic ranges sometimes deviate from the predicted range.
著者
牧田 直樹 大橋 瑞江 渡邉 直人 遠藤 いず貴 暁 麻衣子 矢原 ひかり 谷川 夏子 片山 歩美 久米 朋宣 松本 一穂
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.130, 2019

<p>森林生態系の炭素循環を評価する上で、土壌呼吸の約半分を占める有機物分解呼吸の特性を正確に理解することは重要である。本研究では、リター基質の菌根菌種特性及び分解時間に対する変化が分解呼吸にどの程度影響を与えるかを評価するため、枯死細根の初期形質および呼吸速度・分解率・形態特性の変化を調査した。マレーシア・ランビル国立公園において、外生菌根種、内生菌根の単子葉類種(ヤシ科)と双子葉類種の計3タイプの枯死細根をメッシュバッグに詰めて土壌に設置し、18ヶ月の間に定期的に回収した。枯死根の残存重量は時間経過と共に低下し、それらの分解速度は種タイプによって異なった。枯死根における規定温度での呼吸速度は、分解進行に伴い上昇傾向がみられた。以上より、分解呼吸のパターンは時間経過に伴う基質の変化に特徴付けられ、それらの呼吸速度の強度は種特性によって規定されることが示唆された。</p>
著者
小田原 晶子 佐藤 ひろゆき 杉江 朋彦 森迫 清貴 塩野 剛司 北島 佐紀人 仲井 朝美 濱田 泰以
出版者
The Japan Society for Composite Materials
雑誌
日本複合材料学会誌 (ISSN:03852563)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.27-32, 2009 (Released:2010-11-30)
参考文献数
4
被引用文献数
3 2

There are many traditional technologies that have much knowledge to fabricate products in Japan. Such a knowledge is so-called technical intuitions and sensitivities. The craftsmen apply the technique for regenerating some traditional products and we defined the knowledge as “implicit knowledge.” The concept of this study is to scientifically analyze the implicit knowledge of those technologies. Here, the implicit knowledge would be traced from the contemporary view point. Thus, the knowledge can be applied to the modern technology which is adaptable to the market requirements. Finally the traditional technology retailed with the advanced technology many create a new technology. Kyokabe is one of Japanese clay wall for the traditional architectures. The clay wall consists of clay, sand and straws. Straws obviously play a reinforcement, thus Kyokabe can be treated as a composite material. Straws are immersed in the mixture of clay, sand and water for some period of time. The implicit knowledge which Plasterers (masters of Kyokabe) have acquired is that increase in the straws quantity results in increase in compressive strength and increase in the time improves workability in drawing. In this study, the implicit knowledge is scientifically resolved. The effects of the quantity and the immersion time on the compressive properties and workability of Kyokabe were also investigated.
著者
渡邉 暢浩 高橋 真理子 宮本 直哉 村上 信五 井上 ひとみ 出口 正裕 関谷 芳正 井脇 貴子
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.354-359, 2006-12-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
9

HiRes 90K® Bionic Ear implantは米国アドバンスト・バイオニクス社の新しい機器であり, 米国食品医薬品局の承認を受け, 本邦以外の世界で採用されている。特徴として柔らかくしなやかで, 薄い形状であり, 手術侵襲が軽減されていることやこれまでの8チャンネルから16チャンネルに倍増していること, 新しいコード化法を取り入れていることなどが挙げられる。今回4名の中途失聴成人 (男性3名, 女性1名, 年齢64歳から74歳) に本機器を手術する機会を得, 特に術中, 術後に問題はみられなかった。軽度の浮遊感が続いた患者が1名みられたが, まもなくそれも消失した。4名のうち2名においてMAIS (Meaningful auditory integration scale) を行ったところ, 従来のプログラムであるContinuous Interleaved Sampler (CIS) やPaired Pulsatile Stimulation (PPS) よりもHiRes-SやHiRes-Pにおいて明らかに高い値を示した。結果として4名の患者はすべて新しいHiRes® sound processingを選択され, 従来のコード化法を選んだ患者は一人もいなかった。短期観察期間ではあるが, HiRes 90K® Bionic Earimplantは, 欧米での評価もあわせて効果の面でも安全性の面でも現在認可されている人工内耳より優れていると考えられた。
著者
千田 麻美子 川野 亜紀 高橋 智子 大越 ひろ
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.15, pp.4, 2003

【目的】 リゾットはイタリアの米料理であるが、そのテクスチャーとおいしさに関する報告はほとんど見られない。そこで、本研究ではリゾットのテクスチャーとおいしさに及ぼす米品種の影響について検討した。【方法】 日本米(Aこしひかり)およびイタリア米3種(Bウ゛ィアローネナノ,Cカルナローニ,Dアルボーリオ)の計4種を材料として用いた。調製方法は日本イタリア料理協会会員を対象に行ったアンケート調査を参考に、実験室レベルで調製可能なモデルを検討した。リゾットのテクスチャーとしては、調製後30分までの変化について、リゾット全体(全粒法)のテクスチャー特性の硬さ,凝集性,付着エネルギーおよび、米粒一粒あたり(一粒法)の破断荷重を測定した。また、シェッフェの一対比較芳賀変法を用い、調製後のリゾットについて、かたさ、存在感、べたつき感、好ましさの4項目について評価してもらった。【結果】 4種の米を用いたリゾットは、いずれも調製直後から経時的に、テクスチャー特性の硬さは増加傾向を示し、米一粒の破断荷重はやや減少傾向を示した。付着エネルギーは放置時間に伴い4試料とも増加傾向を示したが、Aこしひかりを用いたリゾットが他のイタリア米3種のものより大となった。しかし、Dアルボーリオを用いたリゾットは他のイタリア米のものより付着エネルギーの増加が顕著であった。官能検査の結果、AこしひかりとCカルナローニで調製したリゾットが好まれた。
著者
菊地 はるひ 是枝 亮
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.206_1, 2018

<p> エアロビック競技は、「芸術点」「実施点」「難度点」の3つの観点から評価をし、合計点で順位を競う採点競技である。演技は、複雑で強度の高いエアロビック動作パターン(AMP)を音楽に合わせて連続して行うことを基本とし、完璧な遂行度を持つ難度エレメントを組み込んで構成することが求められる。国際大会は、国際体操連盟(FIG)の採点規則であるCode of Points(COP)に則って行われるが、COPは4年に1回のサイクルで改訂されている。2017年から適用されているCOP 2017-2020では、演技時間、芸術点の採点方法、実施点の減点幅、難度エレメントの評価点および実施制限等の変更があった。そこで本研究は、改訂後のFIGワールドカップ大会における上位選手の演技構成、演技内容を分析し、採点規則が及ぼした影響について検討した。採点規則の改訂は、競技の特性を尊重し、正確かつ明確な評価を行うために必要となる事項を再確認して行われるものであり、競技の方向性を決めることになる。分析結果から現採点規則の問題点を見いだし、エアロビック競技が競技スポーツとして発展するために必要な内容を考察した。</p>
著者
平沢 隆之 小笠原 誠 石川 ひとみ 山口 憶人 丸山 貴平 梶田 佳孝
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.205-210, 2015

国内各地で世界文化遺産登録の報告が相次ぐ一方で大都市圏環状道路の整備が進み,訪日インバウンド観光促進にはますます追い風の状況と言える.本研究では,交通・物流・観光の要衝である静岡県御殿場市を対象に実施した,大規模集客施設訪問帰りの近隣観光施設への追加立ち寄り観光誘引の一連の実験と,大型イベント開催日の交通実態簡易調査の結果に基づき,豊かな地域観光資源の魅力をアピールし,データに基づいた周辺観光誘引の推進に有効な簡易ICT の要求機能を提案する.
著者
木田 裕子 小林 康孝 坪田 桂 石川 ひとみ 田中 千弘 谷川 尚子 中谷 淳美 濱崎 祥子
出版者
新田塚医療福祉センター
雑誌
新田塚医療福祉センター雑誌 (ISSN:13492519)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.23-27, 2007-07-31
被引用文献数
1

高齢者における口腔乾燥は、自浄作用の低下や粘膜の潤滑作用消失のために様々な悪影響を及ぼす。そのため口腔ケアでは、口腔内の保湿がきわめて重要となる。そこで今回、口腔ケアチームによる、口腔ケアラウンドと口腔乾燥に関する勉強会を実施し、その前後における入院患者の口腔乾燥状態を比較した。ラウンドでは乾燥患者の把握と対処方法の伝達により技術面へのフォローを行い、勉強会では口腔ケア時の対策方法、口腔乾燥用保湿・湿潤ジェルの正しい使用方法などの知識向上をはかった。その結果、舌の乾燥患者は約半数にまで減少し、それが舌苔の改善にもつながった。しかし、現在も口腔乾燥を認める患者は多く、ラウンドにおける問題点も挙がった。今後は、病棟の特色や個々の患者の態度にあわせた対処方法の検討とラウンドの実施方法の見直しが課題である。
著者
柴田 一樹 渡口 ひかり 渡辺 裕之 武藤 衣純 松崎 さおり 植田 憲
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.65, pp.400-401, 2018

千葉県木更津市にて、潜在化している地域資源を地域住民に提示することで、地方における新たな観光のあり方を創出する。具体的には、空き店舗の活用や地域住民に対するミニツアーを通して潜在化した地域資源を提示することで、今まで当たり前のように感じていたものこそが特別であり、観光資源となりうることを認識してもらう。
著者
加登 大輝 薮田 ひかる
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.65, 2018

<p>小惑星リュウグウの表層作用を解明するために、母天体熱変成を受けた炭素質CMコンドライト隕石の物質組成を理解することは重要である。本研究では、加熱脱水作用が記録されるJbilet Winselwan 隕石中の脂肪族炭化水素と多環式芳香族炭化水素(PAHs)をガスクロマトグラフ質量分析計により分析し、それらの分子組成の特徴を始原的なMurray CM隕石のものと比較した。 Jbilet Winselwan隕石中の<i>n-</i>アルカン、PAHsの総濃度は、Murray隕石中のものよりそれぞれ40倍、1000倍低かった。Jbilet Winselwan隕石では短鎖<i>n-</i>アルカン(C<sub>13</sub>-C<sub>18</sub>)の割合が高く、また低分子のPAHsが検出されなかった。さらにアルキルPAHsの異性体比が両隕石の間で類似の値を示した。以上より、Jbilet Winselwan母天体は比較的穏やかな熱変成を経験したと推測される。</p>
著者
吉田 阿希 舘 知也 兼松 勇汰 杉田 郁人 野口 義紘 大澤 友裕 安田 昌宏 水井 貴詞 後藤 千寿 寺町 ひとみ
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.49-53, 2018-01-10 (Released:2019-01-10)
参考文献数
19
被引用文献数
1

Recently, the use of complementary alternative medicine (CAM) has been increasing in Japan. There are few reports on the use of CAM such as health foods and supplements in cancer patients despite the high interest in it. In this study, we performed a retrospective research to elucidate factors influencing the use of health foods and supplements in cancer patients. The objectives were inpatients diagnosed with cancer at Gifu Municipal Hospital between October 1, 2014 and March 31, 2015. Survey items were age, gender, information on cancer, history of chemotherapy and operation, prescription drugs, and health foods and supplements at admission. A multiple logistic regression analysis was conducted to evaluate the influence of survey items on the use of health foods and supplements. Statistical significance was set at P < 0.05. Patients using health foods and supplements were 5.8% (59/1,012). The use rate of health foods and supplements is significantly high in recurrent patients [odds ratio (OR), 4.83; 95% confidence interval (CI), 2.55-9.15; P < 0.001] and is significantly low in patients receiving operation [OR, 0.363; 95% CI, 0.197-0.667; P = 0.001]. In this study, it was clarified that recurrent cancer patients more frequently use health foods and supplements, and that cancer patients undergoing surgery use them less frequently.
著者
小沢 久美子 坂本 弘子 市川 裕美子 下川原 久子 久保 宣子 工藤 美恵子 木立 るり子 五十嵐 世津子 坂本 保子 木村 緑 田口 千尋 一戸 とも子 木村 千代子 笹竹 ひかる
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.1_37-1_46, 2018

目的:看護学生のSNSの利用状況とITリテラシー教育経験および道徳的感受性との関連を明らかにすることを目的とした。<br>方法:A県内における看護師養成機関10校の在学生を対象に,質問紙調査を行った。質問内容は,基本属性,SNS利用の実際,ITリテラシー教育の経験,改訂道徳的感受性質問紙日本語版とした。<br>結果:92.8%がSNSを利用し,82.3%がほぼ毎日利用し,90.0%がLINEを利用し,クラスメイトとの連絡手段に多く利用していた。SNSへの問題認識は42.5%で,ITリテラシー教育経験,SNSの被害経験と関連があった。<br>結論:ITリテラシー教育は情報モラル教育告示後のSNSの使い方への影響が示唆された。道徳的感受性は,看護教育課程別に差が認められたが,教育背景や経験,生活環境によるのかの判断はむずかしく,また,SNSの使い方との関連も明確にならなかった。