著者
小鹿 勝利 上野 亮介
出版者
森林計画学会
雑誌
森林計画学会誌 (ISSN:09172017)
巻号頁・発行日
no.33, pp.11-18, 1999-09-30

分収育林事業開始後20年が経過し,国有林で24,642ha,民有林で9,916haが設定され,約12万人が約600億円の育林費用を出資した。しかし適地の減少や応募者の減少などから設定面積は漸減傾向にあり,民有林では費用負担者を募集しない相対契約の比重が高まり,国民参加を前提にした事業の性格も変化しつつある。契約満期を迎えた事例では分収金は出資額の半額で,林地所有者は持分を放棄して出資者に分配した。これは木材価格の大幅な低下や伐出経費の増大に加えて,契約時の立木評価や収穫予想の過大評価も原因している。分収育林面積は全人工林面積の0.3%であり,出資金の使途も限定されない。近年の林業生産活動の動向から見る限り,この制度が森林経営の安定化や森林整備の促進に果たした役割は必ずしも大きいとは言えない。今後契約満了を迎える事業が増加していくが,出資金の元本割れへ対応,大面積の契約地での伐採問題,国民参加の実質的な実現などの諸課題があり,分収育林は大きな転機を迎えつつある。
著者
上野亮 飯島泰裕
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.519-520, 2012-03-06

日本国内地方自治体(市区町村)における、Twitter等ソーシャルメディアサービスの利活用状況に関する考察を行った。対象とした地方自治体Twitterは、国や地方自治体が運営する公式Twitterアカウント情報を提供する「Jガバメントonツイナビ」の都道府県別アカウント一覧上に登録されているものとした。分析は都道府県別アカウント開設状況、アカウントごとのツイート数やフォロー数等を対象とした。その後、分析内容について、地方自治体公式Twitter運営者である自治体職員に対し、ヒアリング調査を行うことで、その内容を補完した。最後に、それらの内容から、市民を対象とした情報発信ツールとしてのTwitter利活用の方向性やあり方についての考察を行った。
著者
上野 亮 飯島 泰裕
出版者
一般社団法人社会情報学会
雑誌
社会情報学会(SSI)学会大会研究発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.253-256, 2012-09-14

In late years the cases which a local government introduces social media such as Twitter into increase. Therefore, in this study, I defined Twitter which a local government managed as "local government official Twitter". I analyzed fixed-quantity data including the number of the establishment and the number of the tweet. In addition, I analyzed contents of the tweet. As a result, I understood that introduction advanced around Tokyo, Kanagawa, Saitama, Chiba. And, I understood that there were many accounts to treat overall local information.
著者
吉光 真人 内田 耕太郎 小阪田 正和 松井 啓史 上野 亮 藤原 拓也 阿久津 和彦 新矢 将尚
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.43-46, 2022-02-25 (Released:2022-03-10)
参考文献数
3

食品中のアフラトキシン分析法として,平成23年8月16日付け厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知(通知)に基づく分析法が定められている(以下,旧分析法).本研究では,アフラトキシン分析法の操作性と分析性能を向上させるために,イムノアフィニティカラム(IAC)の種類と精製条件の最適化,および旧分析法からIAC精製後の濃縮乾固の操作の省略を検討し,改良法の構築を目的とした.改良法を用いて,9種類の試料にアフラトキシンB1,B2,G1,G2の4種類を2.5 ng/gの濃度で添加して添加回収試験を実施したところ,真度は77.0~99.7%,室内精度および併行精度はそれぞれ,1.7~5.6%,0.9~3.6%となり,通知の目標値を達成した.また,旧分析法と比較して,改良法はアフラトキシン4種類の回収率が4.3~10.5%向上し,前処理時間が約1.5時間短縮された.以上から,改良法は9種類の食品に適用可能で,食品中のアフラトキシン分析法として有用であると考えられた.
著者
高橋一哉 飯島泰裕 上野亮
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.569-570, 2012-03-06

日本、米国、韓国の三ヶ国における大学生のFacebookの利用状況を比較した。日本では日本大学、米国ではアリゾナ州立大学、韓国では延世大学など、学生数の多い順に各国25校を対象とした。比較対象は各大学生のProfile Picture、Wall、Current City、Hometown等の公開設定や利用状況とした。なお、公開設定を比較対象に含めることで、各国大学生のプライバシーに対する考え方の違いを明らかにした。また、プライバシーに対する考え方の違いがもたらす利用状況の変化にも着目した。これらの比較を通して、各国の大学生におけるFacebookの利用動向を分析した。最後に、本研究を通して、三ヶ国の大学生におけるFacebookの利用状況の違いについて考察した。
著者
飯島 泰裕 伊藤 一成 香川 秀太 皆木 健男 村田 和義 勝谷 紀子 松澤 芳昭 吉田 葵 上野 亮
出版者
青山学院大学社会情報学会
雑誌
青山社会情報研究 (ISSN:18837638)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.59-65, 2016

The School of Social Informatics at Aoyama Gakuin University has a course called PBL (Project-Based Learning), which is taught using an LMS (Learning Management System). However, difficulties are sometimes experienced in the course that sometimes inhibits the achievement of good results. One method to address potential problems is to encourage a sense of competition among the students. In addition, support is often necessary for the creation of cooperative relationships. Therefore, in 2014 we introduced a case management support system called Salesforce. The preliminary effects of Salesforce are presented in this study. The results revealed that instructors were able to respond more quickly to the students' questions. Furthermore, it was confirmed that competition among the students was greatly enhanced using the Salesforce system.
著者
吉光 真人 上野 亮 松井 啓史 小阪田 正和 内田 耕太郎 福井 直樹 阿久津 和彦 角谷 直哉
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.143-147, 2020-08-25 (Released:2020-10-02)
参考文献数
11
被引用文献数
1

われわれはLC-MS/MSを用いた迅速簡便な6種類防かび剤分析法を開発した.イマザリル,o-フェニルフェノール,チアベンダゾールに加えて,2011年以降に防かび剤としての利用が認められたフルジオキソニル,アゾキシストロビン,ピリメタニルを測定対象とした.迅速かつ簡単な分析法の確立を目指し,残留農薬分析法と抽出操作を共通化した.また,試料からの抽出液1 mLを充填剤量500 mgのOasis HLBカラムに負荷,アセトニトリル8 mLで溶出する精製法を採用した.次いで,オレンジ,グレープフルーツ,レモンに6種類の防かび剤を添加して添加回収試験を行ったところ,真度は89.7から100.0%,室内精度および併行精度はそれぞれ,1.5から5.0%,0.5から4.9%となり,食品中に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドラインの目標値を達成した.定量限界は,o-フェニルフェノールでは1 mg/kg,その他の防かび剤では0.2 mg/kgとなり,防かび剤の基準値よりも低い値であった.本分析法の有用性を確認するため,2017~2019年に市販柑橘類の分析を行ったところ,検出された防かび剤は表示との整合性が確認された.また,基準値を超過する濃度の防かび剤が検出された検体はなかった.
著者
上野 亮 飯島 泰裕
雑誌
青山社会情報研究 (ISSN:18837638)
巻号頁・発行日
no.4, pp.29-33, 2012-12-25

The East Japan great earthquake disaster occurred in March 2011. Information distribution using social media became one of the most important sources of information at the time. It was found that local governments throughout the whole country gave increased attention to social media. As a result, the utilization by local governments of social media significantly increased as it became a part of government policy. However, the concrete trend of this utilization of social media has not yet become clear. In this study, a questionnaire was distributed to 1,742 local governments throughout Japan from June to July of 2012. The name of the questionnaire was "an investigation of the variation of the actual situation of social media throughout the region." The results of the questionnaire are at first analyzed, and then the data are analyzed using an example of Facebook administered by the local government. In the analysis, Sagamihara city (Kanagawa Prefecture) and Kanazawa city (Ishikawa Prefecture) were chosen as the target cities. Using these two cities as a test case, a joint questionnaire was carried out. The overall results revealed a variation in the trend of social media within current local governments.
著者
上野 亮 飯島 泰裕
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2013年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.137-140, 2013 (Released:2013-09-19)

近年、市町村などの地方自治体ではTwitterを始めとしたソーシャルメディアの導入が進んでいる。しかし、その活用状況に関する調査や研究の数は少ない。運営体制や発信している情報内容、利用課題など、地方自治体という組織におけるTwitterの活用状況には、明らかでない点も多い。そこで本研究では、2012年6月から7月に、全国地方自治体を対象に「地域におけるソーシャルメディアの活用実態に関する調査」を実施し、地方自治体のTwitterの活用状況を明らかにした。その結果、人材や運営体制、運営に関するノウハウの蓄積が課題となっている自治体が多いこと等が分かった。
著者
岡崎 怜子 宮内 靖史 小林 義典 丸山 光紀 岩崎 雄樹 平澤 泰宏 阿部 純子 谷口 宏史 堀江 格 舘岡 克彦 上野 亮 小鹿野 道雄 篠田 暁与 小原 俊彦 平山 悦之 加藤 貴雄 高野 照夫 新田 隆 大森 裕也
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.115-122, 2005

症例は74歳,女性.70歳時に僧帽弁置換術および慢性心房細動に対しradial手術施行.手術2カ月後より周期220msの心房頻拍(AT)が持続.AT中,冠静脈洞(CS)の興奮順序は遠位から近位であり,CS内広範囲でpost-pacing interval(PPI)が頻拍周期にほぼ一致するconcealed entrainment(CE)を認めたことから僧帽弁輪を旋回するATと考えた.左房後壁切開線が接合する僧帽弁輪部直下のCS内部にて波高の高い電位が記録され,PPIが頻拍周期に一致するCEを認めた.同部位における高周波通電開始4秒後に頻拍は停止し,以後誘発不能となった.通電部位より2mm近位部でのペーシングで1cm遠位部への伝導時間が200msとなったことからこの通電で左房後壁切開のブロックが完成したと考えた.術中完全に凍結し得なかったCS筋層を介する伝導が頻拍発生の原因と考えられたradial術後ATを経験したので報告する.
著者
高石 静代 朝倉 和子 上野 亮磨 左右内 敏浩 都築 泉 出口 哲也 渡邉 薫
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.180-185, 2018-04-01 (Released:2018-04-01)

新製品・新事業探索は,企業が持続的な成長をしていく上で必要な取り組みであり,様々な方法が提案・実践されている。本研究では,この新しい手法として「段階的発想法」を考案し,その適用について検討した。段階的発想法とは,共出語を用いてキーワードを段階的につなげて,新製品・新事業につながる発想を広げていく方法である。本研究では,マイクロレンズ製造技術をコア技術として有する実在するK社を題材に,特許,学術文献,新聞,ソーシャルメディア,ウェブ情報から段階的発想法を用いて新製品・新事業の探索を試みた。段階的発想法は,従来法よりも発想を飛躍でき,広い範囲で新製品・新事業を探索できるものと期待される。
著者
高石 静代 朝倉 和子 上野 亮磨 左右内 敏浩 都築 泉 出口 哲也 渡邉 薫
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第14回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.27-33, 2017 (Released:2017-11-01)
参考文献数
3

新製品・新事業探索は、企業が持続的な成長をしていく上で必要な取り組みであり、様々な方法が提案・実践されている。本研究では、新しい手法として段階的発想法を考案し、その適用について検討した。段階的発想法とは、共出語を用いてキーワードを段階的につなげて、新製品・新事業につながる発想を広げていく方法である。 従来より、コア技術のキーワードを用いて特許文献を絞り込み、作成した集合を分析して新製品・新事業を探索する方法が知られているが、段階的発想法は、この従来法よりも発想を飛躍でき、広い範囲で新製品・新事業を探索できるものと期待される。 本研究では、実在するK社のコア技術であるマイクロレンズを題材に、特許、学術文献、新聞、ソーシャルメディア、ウェブ情報から段階的発想法を用いて新製品・新事業の探索を試みた。その結果から、情報源による違い、従来法と段階的発想法との違いや有用性を考察した。