著者
香川 秀太
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.604-623, 2011 (Released:2013-04-09)
参考文献数
73
被引用文献数
10

This paper discusses some fundamental ideas of situated learning, activity theory, cross-contextual learning and a new field of situational boundary work. Firstly, I take up five questions or misunderstandings often had about situated learning theory and respond to these: 1) does it deny mental processing?, 2) does it consider that external circumstances determine learning?, 3) does it regard internalization of knowledge in a situation as learning?, 4) which does it focus on, individual transformation in a situation or whole collective transformation?, 5) does it consider that transfer doesn't occur? Secondly, I discuss cross-contextual learning or boundary crossing, a main subject in recent activity theory. Thirdly, I interrogate organization or states of boundary itself and our ways of recognition or ethnomethods of its use. This paper constructs some concepts of boundary transformation, multi-boundary, and distantiation.
著者
香川 秀太
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
pp.si4-5, (Released:2018-12-14)
参考文献数
31

本稿では,これまでの経済中心の資本主義社会ないし新自由主義に代わり構想され,出現しつつある「未来の社会構造」に関する哲学的諸議論(とりわけ,柄谷行人の交換論とHardt & Negriのマルチチュード)に着目し,それらと心理学的フィールド研究,ないしヴィゴツキー派心理学の活動理論との発展的な接合を試み,ポスト社会構成主義(ないしポスト活動理論)への道筋を探る。具体的には,第一に,Scribnerによる「歴史の四層構造モデル」を用いて従来の活動理論研究の限界を指摘し,各々の共同体や個人史レベルの議論だけでなく,社会構造の世界史に着目した議論の必要性を論じる。第二に,活動理論家Engeströmによる「生産様式の世界史」の議論の限界を指摘し,それを乗り越えうるものとして,柄谷の交換様式の世界史の理論を取り上げる。第三に,「次の社会」の萌芽的な事例として,相模原市藤野周辺地域での,資本制の価値観を乗り越えうる諸活動に着目する。第四に,事例をふまえて,従来の交換論や贈与論が,「独立した自己と他者」の間の「有体物・無体物の行き来」という移送(トランスファー)の言説に依拠してきたことを指摘し,この「移送的交換」では「次の社会構造」の展開が困難なことを指摘する。そして最後に,移送的交換がもたらす,「財の獲得か贈与か」の二元論を越える概念として,「創造的交歓(creative intercourse)」を提案する。
著者
香川 秀太
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.171-187, 2019 (Released:2019-03-26)
参考文献数
31
被引用文献数
5

本稿では,これまでの経済中心の資本主義社会ないし新自由主義に代わり構想され,出現しつつある「未来の社会構造」に関する哲学的諸議論(とりわけ,柄谷行人の交換論とHardt & Negriのマルチチュード)に着目し,それらと心理学的フィールド研究,ないしヴィゴツキー派心理学の活動理論との発展的な接合を試み,ポスト社会構成主義(ないしポスト活動理論)への道筋を探る。具体的には,第一に,Scribnerによる「歴史の四層構造モデル」を用いて従来の活動理論研究の限界を指摘し,各々の共同体や個人史レベルの議論だけでなく,社会構造の世界史に着目した議論の必要性を論じる。第二に,活動理論家Engeströmによる「生産様式の世界史」の議論の限界を指摘し,それを乗り越えうるものとして,柄谷の交換様式の世界史の理論を取り上げる。第三に,「次の社会」の萌芽的な事例として,相模原市藤野周辺地域での,資本制の価値観を乗り越えうる諸活動に着目する。第四に,事例をふまえて,従来の交換論や贈与論が,「独立した自己と他者」の間の「有体物・無体物の行き来」という移送(トランスファー)の言説に依拠してきたことを指摘し,この「移送的交換」では「次の社会構造」の展開が困難なことを指摘する。そして最後に,移送的交換がもたらす,「財の獲得か贈与か」の二元論を越える概念として,「創造的交歓(creative intercourse)」を提案する。
著者
新原将義 太田礼穂 広瀬拓海 香川秀太 佐々木英子 木村大望# 高木光太郎 岡部大介#
出版者
日本教育心理学会
雑誌
日本教育心理学会第57回総会
巻号頁・発行日
2015-08-07

企画趣旨 近年,ヴィゴツキーの「発達の最近接領域(ZPD)」概念はホルツマンによって「パフォーマンス」の時空間として再解釈され,注目を集めている(e.g., Holzman, 2009)。パフォーマンスの時空間という考え方によってZPDは,支援者によって「測定」されたり「支援」されたりするものから,実践者らによって「創造」されるものへと転換したといえるだろう。 こうした潮流において現在,パフォーマンスの時空間を創造するための手法として,インプロ及びそれを題材としたワークショップ形式の実践が注目されている(Lobman& Lundquist, 2007)。こうした試みの多くは,単発的な企画として実施される(e.g., 上田・中原,2013;有元・岡部,2013)。 こうしたインプロ的な手法は,確かに対象についての固定化された見方から脱し,新たな関係性を模索するための手法として有用なものであり,また直接的には協働しないがその後も互いに影響し合う「触発型のネットワーク」を形成する場としての機能も指摘されつつある(青山ら,2012)。しかしインプロやワークショップを,単発の企画としてではなく実践現場への長期的な介入の手法として捉えた場合,ただインプロ活動やワークショップを実施するのみではなく,「それによって実践現場に何が起こったのか」や,「インプロやワークショップは実践現場にとって“何”であったのか」,そもそも「なぜ研究者の介入が必要だったのか」といったことも併せて考えていく必要がある。インプロという手法がパフォーマンスや「学びほぐし」のための方法論として広まりつつある今,問われるべきは「いかにインプロやワークショップ的な手法を現場に持ち込むのか」だけではなく,「パフォーマンスという観点からは,介入研究はいかにあり得るのか」や「インプロやワークショップの限界とは何か」といった問いについても議論するべきであろう。 社会・文化的アプローチではこれまでも,コールの第五次元(Cole, 1996),エンゲストロームの発達的ワークリサーチ (Engeström, 2001) など,発達的な時空間をデザインすることを試みた先駆的な実践が複数行われてきた。本企画ではこうした知見からの新たな取り組みとして,パフォーマンスの時空間の創造としての介入研究の可能性について考える。長期的な介入の観点としてのパフォーマンス概念の可能性のみではなく,そこでの困難や,今後の実践の可能性について,フロアとの議論を通して検討したい。公園で放課後を過ごす中学生への“学習”支援:英語ダンス教室における実践の記録広瀬拓海・香川秀太 Holzman(2009)の若者を対象とした発達的活動には,All Stars projectにおける「YO!」や,「ASTSN」といった取り組みがある。これらの背景には,学習・発達を,社会的・制度的に過剰決定されたアイデンティティや情動をパフォーマンスによって再創造することとしてとらえる哲学および,このような意味での学習・発達の機会を,学校外の場において社会的に奪われた人種的マイノリティの若者の存在がある。近年,日本においても経済的な格差が社会問題化しはじめている。これらの格差は,日本においても子ども達の学校外の体験格差としてあらわれ,特に情動性・社会性といった面での発達格差をもたらすと考えられる。 話題提供者はこのような関心のもと,2014年3月から,放課後の時間に公園で屯する若者を主な対象とした計6回の活動を実施してきた。これは,調査対象者の「英語学習」に対する感情の再創造を目的として,彼らが「興味あること」として語った「ダンス」を活動の基礎に,外国人ダンサーがダンスを英語で教える学習活動を組織したものである。外国人ダンサーとのやりとりの中で,子ども達がデタラメや片言で英語を「話している」状態を作り出すことによって,学校での経験を通して形作られた彼らにとっての英語学習の意味が解放され,新たに創造されることが期待された。 本シンポジウムでは特に,これらの活動に子ども達を参加させることや,ダンスというアクティビティに子ども達を巻き込むうえでの困難に注目してこの活動の経過を報告する。そしてそれらを通して,日本においてこのようなタイプの学習の場を学校外に組織していく上で考慮すべき点について議論したい。パフォーマンスとしてのインプロを長期的に創造し続ける: 方法論から遊びの道具へ木村大望 話題提供者は,2010年10月にインプロチームSAL-MANEを組織した。発足当初のチームは,子どもから大人までを対象とした対外的なワークショップ活動を積極的に行っていた。インプロは「学びほぐし」の方法であり,それを通じた自他の学びや変容が関心の中心であった。しかし,2012年に話題提供者が海外のインプロショーを鑑賞したことをきっかけに,チームは定期公演を主軸としたパフォーマンスとしてのインプロの追究へ活動の方向性をシフトさせた。ここでインプロはチームにとって「遊び」の道具となり,それ以前の方法論的理解は後景に退くこととなった。それに伴い,チームの活動は対外的なワークショップ活動から対内的な稽古的活動に転換していく このようにSAL-MANEの活動はインプロを方法論的に用いて第三者の学習を支援するための場づくりから,チームに携わるメンバー自らがパフォーマンスを「創造」する場づくりへ変遷している。この背景には,インプロに対するメンバーの理解や認識の変化が密接に関連している。インプロを手法として用いながら,自らがインプロによって変容した事例と言えるだろう。 本シンポジウムでは,この経過の中で生じた可能性と課題・困難について報告する。パラダイムシフトする「場」:21世紀のドラマへ佐々木英子 2000年前後から,同時多発的に世界各地で急速に発達してきた応用演劇という分野がある。この多元的な分野は,演劇を応用した,特定のコミュニティや個人のための参加者主体の参加型演劇であり,産業演劇とは一線を画している。この現象は,急速なグローバルチェンジの波を生き延びるための,多様性の中で相互作用によりオーガニックに変容し,持続可能な未来を「再創造」しようとする人類の知恵かもしれない。 話題提供者は,英国にて,応用演劇とドラマ教育を学ぶと共に,それに先駆け,2000~2003年,この21世紀型ドラマの「場」を,社会への「刺激」として,勉強会を行い身の丈で提案活動をした経験がある。社会から突然変異と見られたその活動は,子ども時代,正に「ZPD」において手を差し伸べられず,発達しようとする内的衝動が抑圧され腐らされるような苦痛の中,どうすれば生き延びるかを,体験と観察,思考を積み重ねた末に行った自分なりの代替案でもあった。 本シンポジウムでは,提案活動のきっかけとなった自身の子ども時代のドラマ体験,2001年の発達障害の子ども達が参加した演劇,また,最近では2014年に中学校で行った異文化コミュニケーション授業を通して経験・観察された可能性や困難などについて報告する。
著者
香川 秀太
出版者
The Japanese Association of Educational Psychology
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.167-185, 2012
被引用文献数
1

本研究は, 従来の学内学習と現場実践との関係に関する議論を, 状況論の立場から検討し, 従来の徒弟制重視説や学内学習固有機能説に代わる, 緊張関係説を示した。これに基づき, 学内学習から臨地実習への看護学生の学習過程を調査した。学内学習を経て臨地実習を終えた学生に半構造化面接を行い, グラウンデッドセオリーアプローチによる分析を行った。その結果, 看護学生は, 学内学習では, 教員の指導にかかわらず, 架空の患者との相互行為を通して, ほぼ教科書通りの実践にとどまっていた。しかし, 臨地実習で, 本物の患者や看護師との, 学内とは異なる相互行為を通して, 教科書的知識を「現場の実践を批判的に見せるが柔軟に変更もすべき道具」と見なすように変化した。これを本研究では, 学内-臨地間の緊張関係から生まれる, 第1の学内学習のみにも, 第2の臨地での学習にも還元できない独特な知識, つまり「第三の意味(知)」ないし「越境知」として議論した。また, 学内と臨地の各場面での相互行為過程を, 「異なる時間的展望同士が交差・衝突し変化する過程(ZTP)」として考察した。最後に, 結果に基づき, 省察やリアリティ豊かな学習を促進する, 「越境知探求型の学習」を提案した。
著者
香川 秀太 茂呂 雄二
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.346-360, 2006-09-30
被引用文献数
1

本研究は,密接に関連する状況間の移動と学習に関する状況論的な諸議論に新たな知見を追加するため,看護学校内学習から周手術期の臨地実習へ移動する看護学生の学習過程を検討した。研究Iでは観察を行い,「校内では,学生は,根拠に基づいて看護することの重要性が実感できず,その学習が希薄になってしまう傾向にあるが,臨地実習に入ると,その重要性をより実感して厳密に実施することを学習する。それはなぜか。」という問いを設定した。研究IIでは,実習期間終了直後の学生に半構造化面接を実施し,修正版グラウンデッドセオリーに基づく分析を行い,この学内と臨地の差異の背景と考えられるものの一つを,【時間の流れ】の相違(異時間性)として概念化した。臨地では,学生の現在の行為が未来の患者の容態変化と繋がっている(共時)上,学生は,患者の変化のつど,継続的に行為を調整していく(通時)が,学内では,学生の現在の行為は看護対象の未来の容態変化ではなく,合格・不合格と繋がっている(共時)上,対象と行為の関係が一時点で終わる(通時)。こうした異時間性が,根拠立ての重要性の実感の差異を説明することが示唆された。
著者
飯島 泰裕 伊藤 一成 香川 秀太 皆木 健男 村田 和義 勝谷 紀子 松澤 芳昭 吉田 葵 上野 亮
出版者
青山学院大学社会情報学会
雑誌
青山社会情報研究 (ISSN:18837638)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.59-65, 2016

The School of Social Informatics at Aoyama Gakuin University has a course called PBL (Project-Based Learning), which is taught using an LMS (Learning Management System). However, difficulties are sometimes experienced in the course that sometimes inhibits the achievement of good results. One method to address potential problems is to encourage a sense of competition among the students. In addition, support is often necessary for the creation of cooperative relationships. Therefore, in 2014 we introduced a case management support system called Salesforce. The preliminary effects of Salesforce are presented in this study. The results revealed that instructors were able to respond more quickly to the students' questions. Furthermore, it was confirmed that competition among the students was greatly enhanced using the Salesforce system.
著者
香川 秀太 澁谷 幸 三谷 理恵 中岡 亜希子
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.355-376, 2016-12-01 (Released:2017-05-31)
参考文献数
39

This study constituted action research that nurses and researchers tried to change a training system for novice nurses by building a community of dialogue that went beyond existing frameworks. First, we interviewed the administrator, clinical educa-tor, and preceptor who were concerned with newcomer education and the design of the training system, and we analyzed the differences or gaps among their perspectives. Second, we planned and tried a cross-boundary method whereby the nurses exchanged knowledge and created a new training system for newcomers, negotiating the bound-aries among wards or between researchers and hospital staff. The micro-process of creating new knowledge through dialogue was examined using discourse analysis and activity theory. The results were as follows: new knowledge was generated; and the training system became multilateral. This was achieved through a process of continu-ous context transformation: from past-oriented interviews to a context on the border between past-oriented and future-oriented activity, then to a context of making con-tradictions visible, and so on. In this process, a ‘nonsense proposal’by the researcher (facilitator), one that nurses had laughed at and denied, also emerged as a springboard for new, important knowledge. The discussion also describes what was created, and its associated or conflicted heterogeneous historicity. This is discussed from the viewpoint of concepts of zone of time perspectives (ZTP) and inter-historicity.
著者
香川 秀太
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.167-185, 2012 (Released:2013-01-16)
参考文献数
37
被引用文献数
1 1

本研究は, 従来の学内学習と現場実践との関係に関する議論を, 状況論の立場から検討し, 従来の徒弟制重視説や学内学習固有機能説に代わる, 緊張関係説を示した。これに基づき, 学内学習から臨地実習への看護学生の学習過程を調査した。学内学習を経て臨地実習を終えた学生に半構造化面接を行い, グラウンデッドセオリーアプローチによる分析を行った。その結果, 看護学生は, 学内学習では, 教員の指導にかかわらず, 架空の患者との相互行為を通して, ほぼ教科書通りの実践にとどまっていた。しかし, 臨地実習で, 本物の患者や看護師との, 学内とは異なる相互行為を通して, 教科書的知識を「現場の実践を批判的に見せるが柔軟に変更もすべき道具」と見なすように変化した。これを本研究では, 学内-臨地間の緊張関係から生まれる, 第1の学内学習のみにも, 第2の臨地での学習にも還元できない独特な知識, つまり「第三の意味(知)」ないし「越境知」として議論した。また, 学内と臨地の各場面での相互行為過程を, 「異なる時間的展望同士が交差・衝突し変化する過程(ZTP)」として考察した。最後に, 結果に基づき, 省察やリアリティ豊かな学習を促進する, 「越境知探求型の学習」を提案した。
著者
香川 秀太 茂呂 雄二
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.346-360, 2006-09-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
30
被引用文献数
2 1

本研究は, 密接に関連する状況間の移動と学習に関する状況論的な諸議論に新たな知見を追加するため, 看護学校内学習から周手術期の臨地実習へ移動する看護学生の学習過程を検討した。研究1では観察を行い, 「校内では, 学生は, 根拠に基づいて看護することの重要性が実感できず, その学習が希薄になってしまう傾向にあるが, 臨地実習に入ると, その重要性をより実感して厳密に実施することを学習する。それはなぜか。」という問いを設定した。研究IIでは, 実習期間終了直後の学生に半構造化面接を実施し, 修正版グラウンデッドセオリーに基づく分析を行い, この学内と臨地の差異の背景と考えられるものの一つを,【時間の流れ】の相違 (異時間性) として概念化した。臨地では, 学生の現在の行為が未来の患者の容態変化と繋がっている (共時) 上, 学生は, 患者の変化のつど, 継続的に行為を調整していく (通時) が, 学内では, 学生の現在の行為は看護対象の未来の容態変化ではなく, 合格・不合格と繋がっている (共時) 上, 対象と行為の関係が一時点で終わる (通時)。こうした異時間性が, 根拠立ての重要性の実感の差異を説明することが示唆された。