著者
今井 隆浩 澤 史雄 尾崎 多文 中野 俊之 清水 敏夫 吉満 哲夫
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. A, 基礎・材料・共通部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. A, A publication of Fundamentals and Materials Society (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.124, no.11, pp.1065-1072, 2004-11-01
被引用文献数
12 16

Recent rapid progress in nanotechnology has focused research and development efforts on new high performance materials. Organic-inorganic hybrid materials such as nylon-layered silicate nanocomposites have attracted special interest and various studies continue to be conducted on thermoplastic resins.<br>In this study, we found out the best organic modifier of layered silicate that contributed to an affinity for epoxy resin (thermosetting resin), and succeeded in creating an intercalated-type epoxy-layered silicate nanocomposite. This nanocomposite realized some improvements by the addition of 5 or 6 weight percentage of organically modified layered silicates, which have 20<sup>o</sup>C higher thermal resistance, 60% higher fracture toughness, 19% higher flexural strength and 10% higher insulation breakdown strength than these of an epoxy resin without layered silicate fillers. An electrical treeing growth was observed in the nanocomposite. The electrical treeing progress with many branches in the nanocomposite seemed to result in an increase in the insulation breakdown strength. These results suggest the possibility of practical use as an insulating material in heavy apparatuses.
著者
津久井 雅志 中野 俊 齋藤 公一滝
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.79-91, 2008-04-30

Based on geological and archaeological data as well as historic documents, we review eruptions and earthquakes which have occurred during the 9th century in central and east Japan. The results reconfirm vigorous activities on Izu Arc, Izu-Oshima(〜838AD < N_3, N_2, N_1 < 886AD), Niijima(〜857AD and 886AD), Kozushima(838AD), Miyakejima(832AD and 850AD), and at Fuji volcano(800AD, 838AD < < 864AD, 864AD) during the 9th century. Beside these events, a big eruption of Niigata Yakeyama volcano had likely occurred in 887AD. Chokai volcano also erupted in 871AD, and 810-823AD. Collapse of Yatsugatake volcano took place in 887, probably invoked by a strong shock in 887. In addition, earthquakes with a magnitude from 7 to 8 had taken place along the Itoigawa-Shizuoka active fault system (in 841 or 762AD), Nagano fault system(887AD), Echigo plains(863AD), Shonai plains(850AD), Akita plains(830AD) and Nankai trough(887AD). As a result, we can point out a linkage of big eruptions and seismic activities in the 9th century over 800km long crossing Japan Arc. Geologically this seems to be a surface expression of East-West compression along eastern margin of Amurian Plate over 800km which was driven by the eastward motion of the plate. It is noteworthy to mention that the very similar volcanic and seismic activities have been occurring in the last 50 years to those happened in the ninth century, in their source areas and manners.
著者
中野 俊夫 大澤 輝夫 吉野 純 益子 渉 河合 弘泰 松浦 邦明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.1286-1290, 2006-10-10 (Released:2010-06-04)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

台風により発生する強風や波浪・高潮を高精度に推算することは, 海岸工学上, 極めて重要な問題である. 本研究は, 台風ボーガスの高度化および4次元データ同化の検討を通して, 数値予報モデルの精度向上を図り, 一般性のある海上風推算手法の確立を目指したものである. 台風ボーガスの高度化, 4次元データ同化を行った結果, 台風の中心気圧, 進路の推算精度が向上することが確認された.また, この手法で推算された海上風を周防灘・八代海に高波・高潮をもたらした10事例で比較したところ, 従来の簡易的な推算手法より精度の高いことが確認された.
著者
中野 俊樹 白川 仁
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

魚類を含む脊椎動物の成長は,成長ホルモン(GH)‐インシュリン様成長因子系により制御されている.しかしGH遺伝子組換え魚におけるその系にかかわる代謝産物の動態については不明な点が多い。本研究ではGH遺伝子組換えギンザケを用い、メタボローム解析により代謝産物を非組換え魚と比較した。組換え区の筋肉では解糖系のアクティビティーが変化していた。TCA回路では一部の代謝産物レベルが組換え区で変化していた。また肝臓ではそれらの様相が異なっていた。さらにそれらの変化は絶食により顕著となった。以上よりGH遺伝子の組換えは特に筋肉において高成長のためのエネルギーの生産を増大させていると推察される。
著者
中野 俊郎 吉田 昭治 粟生田 忠雄
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

長辺50m、短辺40mの20aの水田に排水の能力差のある暗渠条件を長辺方向に2本設けて、暗渠の能力差による排水効果を測定した。一本の暗渠は小排水路に排水され暗渠の水頭差は田面下60cmである。他方の暗渠は田面下100cmに埋設された集水渠に接続したため大排水路の水位が集水渠より常時高く暗渠には約40cmのサクションが掛かる構造になった。その結果、取水時、間断潅水時および落水の水管理時には集水渠に接続した方のA暗渠の水位は常時田面下60cmを維持するようになり、土壌水分張力値もA暗渠の方が大きくなることがわかった。気象装置や土壌水分張力測定器を設置観測開始年の2年間は少雨高温の特異年であった。TDR土壌水分率測定結果も平行して測定した結果は、作土層と耕盤層の土壌水分は心土層より約1日遅れで圧力が伝達されて減少し始めることが分かった。お盆過ぎから刈取り期近くの間断灌漑は慣習的に5〜4日間隔で水管理されているが、耕盤層の水分張力の減衰が1日間観測されていることから、3日間隔の方が稲の生育生長および収量や地耐力の発現に好結果を期待することができると思われる。地耐力の測定にはコーン指数で判定する構造改善局基準があるが、側面摩擦抵抗や泥炭地水田では必ずしも適さない事例があり、ベーン試験と三軸試験機を用いた非排水条件の側圧一定試験から有効応力解析を行いベーン試験による沈下量とスリップ率から判定した。その結果、シルト質粘土地盤の作土層表面が極度に乾燥履歴を受けてシルトの噛合い成分が強くなり、刈取り期近くになると粘着力成分より摩擦力成分が卓越することが判明した。一方、植物遺骸が堆積した泥炭地水田の作土層の表面が乾燥すると植物遺骸の繊維質がメッシュ構造を生成して地耐力が増強されると判断した。
著者
河野 俊行 小島 立 早川 吉尚 大杉 謙一 久保田 隆 松下 淳一 早川 眞一郎 佐野 寛 野村 美明 神前 禎 中野 俊一郎 多田 望 西谷 祐子
出版者
九州大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2004

本領域は平成16年度に開始し平成21年度が最終年度であった。しかし全体の取り纏めのために本補助金を申請したところである。その取り纏め事項の主な事柄としては、全体の取り纏め的業績発表と、集積した判例データの今後の活用方策を明らかにすることの二点であった。前者については各班の代表者による分野別レポートを取り纏め、Japanese Yearbook of International Law 53巻に掲載されたところである。後者については、1001件の判例英文データを取りそろえたプロジェクトはこれまでになく、このデータの価値を維持するためには新判例を継続的に翻訳して加えてゆくことが必要となるところ、領域終了後補助金なしでそれを可能にするための方策が必要であった。そこでそのための方策として、民間企業にデータを移管し、営利ベースで継続することが最も持続性が高いと判断された。そこで複数の民間業者と協議を重ね、本報告書執筆時点では一社に絞られた。2008年の経済危機の影響でリーガルビジネスは多大な影響を受けた。この経済危機と日本政府が導入した破たん企業救済策がリーガルビジネスに与えた影響は大きく、それを踏まえた持続可能な営利ベースのモデルの協議に予想以上の時間が必要となった。ほぼ1年かけて試行錯誤してきたが、ようやく形が見えてきたところである。また最近、この企業のアメリカ本社の担当役員とテレカンファレンスを行い、さらに協議を進めえたところである。
著者
中野 俊
出版者
首都大学東京
雑誌
小笠原研究 (ISSN:03868176)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.31-48, 2008-03

南硫黄島は第四紀後半に形成された火山島であるが、噴火記録や噴気活動はない。追跡できる火砕物層準を基準とし、成層火山体である南硫黄島火山を下位から古期火山噴出物-1、古期火山噴出物-2、南部中期火山噴出物、北部中期火山噴出物および新期火山噴出物に区分した。いずれも陸上噴出した溶岩および火砕岩からなり、広域的に認められる有意な浸食間隙は存在しない。海食崖を貫く岩脈は254本を数えた。その大部分は放射状岩脈である。岩質は溶岩・岩脈ともにすべて玄武岩である。斑晶として斜長石、単斜輝石、かんらん石を含む。最大径1cmに達する大型の斑晶が多く、特徴的に単斜輝石を40-50%程度含む玄武岩も見つかった。