著者
鬼沢 武久 風見 覚 高橋 千晴
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.127-141, 2003-02-15
被引用文献数
2

ゲームには相手と自分の手がわかる完全情報ゲームとお互いに相手の手が完全にはわからない不完全情報ゲームとがある。将棋やチェスのような完全情報ゲームでは強いアルゴリズム開発を目指したコンピュータ将棋やチェスの研究が盛んで、世界チャンピオンやアマ有段者並みの強さを持つアルゴリズムが開発されている。一方、不完全情報ゲームでは不確実な情報のもとで相手の手の強さやゲーム戦略を推論しなければならず、その推論結果には不確実性が伴い、完全情報ゲームと比べると強いアルゴリズムを開発するまでにはいたっていない。本論文では、不完全情報ゲームとしてセブンカードスタッドポーカーを例にして、そのプレイングシステムを構築することを目的とする。本システムでは対戦相手の傾向に応じた意思決定を行うために後件部が確定していない、そして閾値をもった変則のファジィルールを用い、対戦相手の傾向に応じてルールを修正する。本システムは、この変則的なファジィルールを用いたファジィ推論によって、相手の見えているカードと相手の賭け金とから、自分の手の優劣推定やゲームを続行するかどうかの判断、自分の賭け金の判断を行う意思決定システムである。本システムの有効性を確認するために、人間プレーヤと1対1のゲームを行い、そこから得られたデータを解析している。
著者
大曽根 圭輔 鬼沢 武久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第26回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.14, 2010 (Released:2010-11-05)

本稿では,セブンカードスタッドポーカーにおいて、プレーヤと対話しながらゲームを攻略するパートナーエージェントの構築を目指す.セブンカードスタッドポーカーは不完全情報ゲームであるため,最適な戦略をとる事が難しい.そこで,パートナーエージェントが,ゲームに関するアドバイスを提示し,また,プレーヤからパートナーエージェントに対しても戦略を提示するという対話を通じて,協調し,ゲームを進めることを考える.パートナーエージェントはプレーヤに,ゲームの状況に応じた自身の意思決定および,顔表情を併せて提示し,アドバイスをする.そして,プレーヤが,パートナーエージェントの意見に反論がある場合にはプレーヤからの意見を事例という形で保存し,後のゲームに利用できるようにする.本稿では,評価実験を行い,提案したパートナーエージェントの有効性およびプレーヤから得られたルールについて検証する.
著者
濱田 真樹 鬼沢 武久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.696-708, 2008-10-15 (Released:2009-01-05)
参考文献数
16
被引用文献数
3 2

本論文では,同音異義語の使用頻度に加えて,因果関係の成立しやすさを構造に含むなぞなぞを対象とし,そのなぞなぞ生成システムの構築を目指す.提案システムは生成部と2つのデータベースから成っている.1つ目の動詞データベースは,動詞とその使用頻度,格関係の情報をもつ.2つ目の因果関係データベースは,動詞が表す事象間の因果関係とその成立しやすさの情報をもつ.生成部は,動詞および因果関係データベースから言葉を参照することで,人が作るようなおもしろいなぞなぞを生成し,なぞなぞとその答え,解説文を提示する.本論文ではまた,提案システムからおもしろいなぞなぞが生成されるかどうかを検証するための被験者実験についても述べる.
著者
中村 千紗 鬼沢 武久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第24回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.3, 2008 (Released:2008-12-06)

本論文は、ユーザの曲の好みを考慮した作詞作曲システムを提案する。本システムは詞生成部と曲生成部から構成されている。本論文では、「恋愛」と「自然」をテーマとして取り上げる。詞生成部では、マルコフ連鎖に基づいた詞の集合をデータベースとして用いる。ユーザがテーマを選ぶと、システムはデータベースからランダムに詞を選び、詞の初期候補として提示する。提示された詞を見て自分のイメージに合うかどうかを評価するプロセスと繰り返し、ユーザが気に入った4行の詞ができたら、曲生成部に入る。曲生成部では、「人間の評価を取り入れた楽曲生成システム」[1]を用いる。この楽曲生成システムに適応度評価関数を組み込み、詞に合ったメロディを初期候補として提示する。ユーザは提示された曲と詞を見比べ、評価を行う。曲の評価には対話型遺伝的アルゴリズムを用いる。最後に被験者実験を行い、システムの有効性を確認する。
著者
石塚 賢吉 鬼沢 武久 加藤 茂
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.523-534, 2011 (Released:2012-01-11)
参考文献数
22
被引用文献数
1

This paper describes a system which composes operetta songs fitting to story scenes represented by texts and/or pictures. Inputs to the system are original theme music, numerical information on given story scenes and story texts. The system composes variations on theme music and lyrics according to image of music and lyrics obtained from numerical information on given story scenes. Evolutionary computation is applied to generations of variations and lyrics. Using a vocal synthesizer and a general midi synthesizer, the system plays operetta songs as the variations on theme music with the lyrics. The system reflects user's Kansei to variations on theme music and lyrics using interactive evolutionary computation. This paper also describes the evaluation experiments to confirm whether the composed songs reflect impressions of story scenes appropriately or not.
著者
髙嶋 航大 鬼沢 武久
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2009-EC-13, no.6, pp.1-7, 2009-05-15

本研究では,物語テキストから漫画を自動生成することを最終的な目標とし,その初期段階として,漫画の設計図にあたるコマ割の決定手法について提案する.生成するコマは登場人物を動作主体とした動詞を基本とする.また,コマの大きさについては文章の重要度を基本とし計算し決定する.
著者
鬼沢 武久 韓 鴻哲
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 (ISSN:18820212)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.316-321, 2015

本論文では、感情を持たない無生物などの対象物に表情をつけた擬人化画像の生成方法を提案する。対象画像は対象物の特徴によって3つに分けられる。一つは、人間の顔の部位に相当する顔パーツを持たない対象物である。今一つ、人間の顔部位に相当する顔パーツをすべて持っている対象物である。最後は、人間の顔部位の一部の顔パーツを持っている対象物である。対象物の画像は一旦、線画画像に変換され、その線画は、入力された感情語に応じた人間の顔表情に合わせて描き直され、擬人化画像が得られる。擬人化画像の候補がいくつかユーザに提示され、それに満足しなければユーザは2つの方法で擬人化画像を修正できる。一つは顔表現の全体的な修正で、今一つは顔の各部位の修正である。この修正プロセスはユーザが満足する擬人化画像が得られるまで続けられる。主観的評価実験、客観的評価実験を通して本提案手法の有効性を確認している。
著者
濱田 真樹 鬼沢 武久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第22回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.122, 2006 (Released:2007-05-30)

本論文は、日本語のなぞなぞを、言葉のおもしろさを考慮して生成するシステムを提案する。提案するシステムは3つの部分から成っている。それは、生成部、おもしろさ決定部、分別部である。生成部は、単語のデータベースを参照し、なぞなぞの候補を生成する。おもしろさ決定部は、生成されたなぞなぞ候補に対していくつかの指標を割り当て、ファジィ測度・ファジィ積分を用いてそれらの候補のおもしろさを決定する。分別部は、それらのおもしろさにしたがって、なぞなぞを選ぶ。本論文ではまた、提案したシステムの妥当性を確認するための被験者実験について述べる。
著者
大曽根 圭輔 鬼沢 武久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第25回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.224, 2009 (Released:2009-12-15)

本論文ではポーカーの一種であるセブンカードスタッドポーカーを対象として,人間とコンピュータが協調して意思決定をしながら,ユーザが親しみを持つシステムを構築する.本論文では人間と協調して問題解決をするシステムをパートナーエージェントと呼ぶ.セブンカードスタッドポーカーは不完全情報ゲームで,最適な戦略をとる事が難しい.そこで,ゲームの状況に応じた判断をするためにパートナーエージェントが自身の意思決定や場の情報などを提示することでユーザと協調をする.パートナーエージェントがユーザに提示する情報は意思決定,状況,および意思決定の経緯で,状況によってはユーザからも能動的に質問ができるようになっている.本システムではさらに,ユーザがエージェントに対して親しみを感じるようにするために顔表情を付加する.顔表情は状況と顔表情を関連付けたニューラルネットワークで構築する.
著者
山本 萌絵 鬼沢 武久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.29, pp.151, 2013

本論文では、衣服の印象という観点からコーディネート生成に関する知見を得るための予備実験と、得られた知見を元にシステムが実際に出力したコーディネートの評価を行う。 予備実験により、衣服の印象に関する2つの因子の抽出と、印象空間の構築を行い、印象空間内で「同じ印象」「似た印象」「異なる印象」「反対の印象」に属する2つのトップス(インナ、アウタ)を合わせたときに受ける印象の関係を調べる。更にこの結果を元にして、着たい服の印象を入力としたコーディネートを出力し、評価する実験を行う。
著者
高嶋 航大 鬼沢 武久
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.79-88, 2012 (Released:2012-02-08)
参考文献数
14

This paper aims at the scene frame generation based on the summarization of a narrative text, and studies effect of text summarization on generation of scene frame for manga drawing. Scene frames are generated from a summary using four kinds of importance degrees, the importance degree of an entire narrative text, the importance degree of a story and the importance degree of the first appearance of a character in a story, the importance degree of the sentence location. Subjects experiments are performed in order to verify the effectiveness of the present approach of scene frames generation, and study effect of text summarization. Experimental results show the present system can generate understandable scene frames of Manga from the narrative text with the summarization rate level smaller than 0.4.
著者
木村 翔伍 鬼沢 武久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第27回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.38, 2011 (Released:2012-02-15)

本論文では物語の脚色を支援するシステムを提案する。脚色は物語の登場人物の持つ基本的な役柄、アーキタイプを強調するような行動を新たに物語テキスト中に加えるという方法で行う。脚色案の提示には事例ベース推論を用いる。システムはテキスト処理部、クエリ作成部、脚色案提示部の3つの部分により構成される。テキスト処理部では入力された物語テキストの構文解析、格構造解析を行う。クエリ作成部ではユーザがアーキタイプを設定した登場人物とその行動、行動の物語テキスト中での位置から事例ベース推論に用いるクエリを作成する。脚色案提示部ではクエリ作成部で作成されたクエリから事例ベース推論を行い、ユーザへ脚色案を提示する。ユーザは提示された複数の脚色案の中から採用するものを選択し、文章を整え、台詞を加えるなどして物語を完成させることができる。本論文ではシステムの有効性を検証した被験者実験についても述べる。
著者
大曽根 圭輔 鬼沢 武久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.26, pp.14-14, 2010

本稿では,セブンカードスタッドポーカーにおいて、プレーヤと対話しながらゲームを攻略するパートナーエージェントの構築を目指す.セブンカードスタッドポーカーは不完全情報ゲームであるため,最適な戦略をとる事が難しい.そこで,パートナーエージェントが,ゲームに関するアドバイスを提示し,また,プレーヤからパートナーエージェントに対しても戦略を提示するという対話を通じて,協調し,ゲームを進めることを考える.パートナーエージェントはプレーヤに,ゲームの状況に応じた自身の意思決定および,顔表情を併せて提示し,アドバイスをする.そして,プレーヤが,パートナーエージェントの意見に反論がある場合にはプレーヤからの意見を事例という形で保存し,後のゲームに利用できるようにする.本稿では,評価実験を行い,提案したパートナーエージェントの有効性およびプレーヤから得られたルールについて検証する.
著者
高嶋 航大 鬼沢 武久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.25, pp.212-212, 2009

本論文では,漫画自動生成システムの製作を最終的な目的とし,その初期段階として,入力された物語テキストをもとにコマ割を生成する手法を提案する.提案する内容は次の2点である.(1)コマの生成は登場人物が動作主体である動詞を基本に作ること(2)物語の重要度には「文章重要度」「主要文評価」「初登場評価」を用いること.提案の妥当性を検証するため2つの実験を行う.漫画執筆経験者を含む5人の被験者にコマ割を製作してもらいシステムの出力との比較を行う比較実験.システムの出力したコマ割について10人の被験者に評価してもらう被験者実験.これら2つの実験について述べ,結果を示す.
著者
岩田 満 鬼沢 武久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.532-540, 1996-06-15
被引用文献数
14

本論文では、人間とコンピュータとのコミュニケーションの一例として、目的地までの道順が自然言語で与えられた場合を想定している。そして与えられた道順を理解し、経路決定を行うモデル、およびその経路決定モデルの状況に応じて、「喜びの表情」「不安な表情」などを表現する表情表現モデルを計算機上に実現する。経路決定モデルでは、自然言語の持つ意味のあいまいさを処理するためにファジィ集合を用いている。教示で与えられた言葉の意味を表すファジィ集合とモデルの周囲に見える情報の意味を表すファジィ集合との適合度を定義し、この適合度を用いて経路を決定する。一方、表情表現モデルでは、経路決定モデルの状況からファジィ推論を用いて感情を推測し、学習したニュートラルネットワークを用いて顔の各部の変化量を求め、顔の表情を表現している。いくつかのシミュレーション結果から、あいまいな教示が与えられたとしても経路決定モデルは目的地に到達できること、しかし、あいまいさの程度が大きくなると人間のように道に迷ってしまうことがあることがわかった。また表情表現モデルによって、経路決定モデルがどういう気持ちで目的地まで進んでいるかなどがわかるようになった。
著者
盛多 亮 鬼沢 武久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.121-134, 2010-02-15 (Released:2010-05-21)
参考文献数
8
被引用文献数
1 7

本論文では,動きを伴う文字の映像表現であるフレーズアニメーションを,形容詞・形容動詞を用いて生成する手法を提案し,その性能を評価する.提案手法は,印象推定,テンプレート動画選出,ユーザ評価による動画再構成の3パートで構成される.印象推定処理では,入力される形容詞・形容動詞の印象をフレーズアニメーションの印象因子で推定する.テンプレート動画選出処理では,推定された印象を表現するテンプレート動画をデータベースから選出し,ユーザに提示する.ユーザ評価による動画再構成処理では,提示される動画にユーザが評価を与え,評価に応じてフレーズアニメーションが再構成される.被験者実験によって提案手法の性能を検証し,ユーザが満足し,かつ鑑賞者が形容詞・形容動詞の印象を感じ取れるフレーズアニメーションが生成できていることを示す.