著者
中野 信子
出版者
新潮社
雑誌
新潮45
巻号頁・発行日
vol.33, no.9, pp.82-85, 2014-09
著者
鍬塚 寿 中野 信吾 進藤 和彦 松尾 喜文 徳永 毅
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.924-938, 1969-10-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
58

1) A case of adrenal feminizing syndrome due to adrenocortical adenomatous hyperplasia in a 27-year-old man is reported. This case is regarded as the first case caused by adenomatous hyperplasia in the world.2) The symptom was associated with gynecomastia, hypoplastic genitalia and hypertension. Enlargement of the right adrenal gland was proved by the tomography with pneumoretro-peritoneum.3) The urinary 17-KS and 17-OHCS excretion level reviewed within normal range and/or slightly lower than the normal. Androsterone was significantly decreased and dehydroepiandrosterone was increased out of fractions of urinary 17KS. Estrogen and pregnanediol were elevated. Among the fractions of urinary estrogen, estriol was increased. Urinary 17KS, 17-OHCS and estrogen excretions did dnot respond to ACTH-test, dexamethasone-test, metopirone-test or HCG-test, suggesting that secretionn of the adrenocortical hormone in this case is independent of the hypophysis.4) The right adrenalectomy was carried out and the removed specimen measured 3.0×2.5×2.0 cm and weighed 18 g. The histological diagnosis was adenomatous hyperplasia of the adrenal cortex and no sign of malignancy was detected.5) Postoperatively, the urinary 17-KS, 17-OHCS and the fractions of 17-KS were unchanged, however estrogen returned to normal level and pregnanediol showed to be lower than the pre-operative level.6) No change of clinical symptoms was noticed after the adrenalectomy, but significant improvement appeared by androgen therapy. A plastic operation for hypospadias was carried out. The hypertension in this case was difficult to control by antihypertensive agents, however the blood pressure was, controlled by the drugs within normal range after adrenalectomy.7) It is suggested that the biosynthesis of adrenal androgen in this case may pass the way from pregnenolone to androstenedione via progesterone besides the way via dehydroepiandrosterone.8) Clinical symptoms, findings of X-ray films and results of hormonal examinations of the cases of carcinoma, adenoma and our case were reviewed. Differential diagnosis from the testicular feminization and the problem of hypospadias were discussed.
著者
中野 信子
出版者
The University of Occupational and Environmental Health, Japan
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.93-108, 1984-03-01 (Released:2017-04-11)

ロバート・グレイブスは, 英国やアメリカでは著名な神話学者であり詩人である. しかし, わが国に於ては, その厖大な, しかも多岐にわたる作品の量にもかかわらず, なぜかあまり知られていない. さらに, アメリカや英国に於てさえ, ある人々は, 彼を白い女神にとり憑かれた多芸なる偶像崇拝者として, 敬遠しているきらいさえある. 実際, キリストの生涯を描いたフィクション「キング・ジーザス」が世に出た時, その白い女神信仰を基盤としてひき出された, 彼の並はずれた神話的キリスト学は, 当時の人々に強い衝撃を与えたであろうことは, 想像するに難くない. キリストの中に, 彼はユダヤ教のアポロ的教義とは対称的な, 女性原理の断片を発見したが, しかし, 彼の目には, それは甚だ不完全で, 人生の根本的な要素, つまり, 愛と憎しみの理念を欠いているように見えたのである. これは, グレイブスが, 彼の博学を駆使して, いかに自分のキリスト理解をおしすすめているか, その背景と発展の過程を追求した一考察である.
著者
中野 信子
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
産業医大誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.93-108, 1984

ロバート・グレイブスは, 英国やアメリカでは著名な神話学者であり詩人である. しかし, わが国に於ては, その厖大な, しかも多岐にわたる作品の量にもかかわらず, なぜかあまり知られていない. さらに, アメリカや英国に於てさえ, ある人々は, 彼を白い女神にとり憑かれた多芸なる偶像崇拝者として, 敬遠しているきらいさえある. 実際, キリストの生涯を描いたフィクション「キング・ジーザス」が世に出た時, その白い女神信仰を基盤としてひき出された, 彼の並はずれた神話的キリスト学は, 当時の人々に強い衝撃を与えたであろうことは, 想像するに難くない. キリストの中に, 彼はユダヤ教のアポロ的教義とは対称的な, 女性原理の断片を発見したが, しかし, 彼の目には, それは甚だ不完全で, 人生の根本的な要素, つまり, 愛と憎しみの理念を欠いているように見えたのである. これは, グレイブスが, 彼の博学を駆使して, いかに自分のキリスト理解をおしすすめているか, その背景と発展の過程を追求した一考察である.
著者
安浦 寛人 築添 明 平川 和之 伊東 望 中野 信哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.86, no.11, pp.857-863, 2003-11-01
参考文献数
2
被引用文献数
2

福岡県においては,産業界,大学,行政の連携による「シリコンシーベルト福岡」プロジェクトを進め,システムLSIの研究開発力の向上や設計産業の育成と合わせて,技術者育成事業の一つとして「福岡システムLSIカレッジ」を設立した.本稿では「福岡システムLSIカレッジ」の設立理念を述べた後,それに沿ったカリキュラムや教材・講習環境を示す.そして,1年半のLSIカレッジ運営の評価を行い,今後の展望についてまとめる.
著者
中野 信子
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.311-321, 1993-12-01

戦争詩人であり,オックスフォード詩学教授であったR.Gravesも,今では白い女神に取り憑かれた気難しい蒼古的な詩人として,女神神話の文脈でのみ,時折振り返られるだけとなった。しかし,筆者には,それ以前に彼を女神信仰へと駆り立てていった何か前駆的な力があったように思える。その力とは,キリスト教であり,キリストその人であった。そして,この力への強烈なアンタゴニズムと,歪曲されたイメージに駆り立てられ,詩人は長い労苦の末,ようやく自身の自己証明に行き着いた。私見ではこの過程には3つの側面があり,1)彼は,他者を否定することで自己の確立を図る詩人であったこと,2)この自己確立のドラマでの主役は,「思い上がり」という名の堕落天使であったこと,3)この思い上がりの罪は,人間の内部に棲む不吉な概念としてではなく,むしろ人を悲劇の袋小路へ追い詰めて行く美学的死刑執行人として捉えられていることである。聖書と歴史の書き換え作品を通して,この過程を追ってみた。