著者
井上 清 小林 唯男 谷口 薫
出版者
日本質量分析学会
雑誌
Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan (ISSN:13408097)
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.265-274, 1966-12-25 (Released:2010-06-28)
参考文献数
4

A fundamental study was performed on the mass spectrometric determination of the ratios of uranium and fission products in the uranium dioxide specimen irradiated in the nuclear reactor. Mass spectrometer used in this experiment was a 90° sector type with a 350 mm radius of curvature, made by Hitachi, Ltd. In the period of the experiment, this spectrometer was equipped with a thermal-ionization source. The specimen dissolved in nitric acid was pipetted and evaporated to dryness on a filament, and then was analysed in the single filament arrangement. From the results it has been found that: (1)By isotopic analysis of uranium, the contribution to burnup of the specimen by fission of U235was determined as 4, 370 MWD/T. The loss of U235in neutron capture reaction during inadiation was corrected by the ratio of U236to U235. (2)The burnup of the specimen can be determined from the amount of a fission product formed during irradiation. Because of known contribution of the burnup by fission of U235mentioned above, the contribution of burnup of the specimen by fission of Pu239 might be determined by excessive formation of fission product. As the number of fissions of Pu239 was estimated, the burnup of the specimen was calculated as approximately 7, 980 MWD/T. (3)Experience with the mass spectrometric analysis was obtained for the radioactive specimen. The noticeable phenomenon was the increase in the emissivity of ion current at relatively law heating current through filament under the existence of beta-rays emitter.
著者
岡本 玲子 塩見 美抄 鳩野 洋子 岩本 里織 中山 貴美子 尾島 俊之 別所 遊子 千葉 由美 井上 清美
出版者
日本地域看護学会
雑誌
日本地域看護学会誌 (ISSN:13469657)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.60-67, 2007-03-30
被引用文献数
9

本研究の目的は,今特に強化が必要な行政保健師の専門能力を明らかにすることである.データは,(1)学識経験者を対象としたフォーカスグループディスカッション(n=7)と,(2)保健師と関係他職種を対象とした個別面接(n=9)により収集した.専門能力は,研究者によるデータの解釈・分析によって抽出・精選した.専門能力の妥当性と優先度の検討は,(3)全国の現任保健師研修担当者への郵送質問紙調査により行った.(1)(2)を分析した結果,専門能力は次の5つにまとめられた.すなわち,a)住民の健康・幸福の公平を護る能力,b)住民の力量を高める能力,c)政策や社会資源を創出する能力,d)活動の必要性と成果を見せる能力,e)専門性を確立・開発する能力である.(3)の調査(n=225)では,a)〜 e)の専門能力は,被調査者の9割以上の賛同を得た.また,7割の者が優先度が高いとした専門能力は,c)d)であった.結果より,今回抽出した専門能力は,今特に強化が必要なものとしてコンセンサスを得られた.今後保健師がこれらの能力を獲得できるよう,とりわけ優先度の高い専門能力について,我々は早急に教育プログラムの開発や教育体制の整備を行っていく必要がある.
著者
井上 清俊 西田 達 河田 安浩 泉 信博 山本 訓史 西山 典利 大杉 治司 木下 博明
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.150-156, 2002-03-15
参考文献数
30
被引用文献数
1

交通外傷12年後に診断され,手術治療した気管食道瘻の1例を報告する.症例は31歳,男性.1987年交通外傷にて両側気胸,意識消失のため入院加療を受けた.1999年4月食事摂取時の咳嗽のため受診した.気管分岐部直上膜様部の径33mm大の気管食道瘻と診断し,手術を施行した.瘻孔を食道壁とともに自動縫合器により閉鎖し,第5肋間筋を間置した.術後合併症はなく退院し社会復帰している.
著者
岡本 玲子 谷垣 静子 小出 恵子 鳩野 洋子 岩本 里織 草野 恵美子 小寺 さやか 岡田 麻里 塩見 美抄 合田 加代子 井上 清美 尾ノ井 美由紀 松原 三智子 岡本 里香 小野 美穂 金藤 亜紀子 田中 祐子 星田 ゆかり 茅野 裕美 福川 京子 俵 志江 長野 扶佐美
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

近年、健康課題の多様化・深刻化に伴い、保健師に求められる役割が拡大・高度化している。本研究の目的は、大学院博士前期課程の科目で実施する、保健師等のコンピテンシーを高めるための学習成果創出型プログラムを開発し効果を検証すること、及びそれを地域貢献に活かすよう普及することである。プログラムは、2回の試行と修正を経て開発された。プログラムのコンセプトは「私の学び、明日への貢献」であり、4か月間にグループ・セッションが5回、その間の個別面接4回で構成されている。期間中参加者は、現場の課題と、それを解決する自分の学習課題を明確にして、自分で決定した到達目標の達成に向けて取り組む。研究者は学習支援者として、参加者の学習成果が最大になるように支援した。プログラムを実施した結果、以下の結果に示す一定の効果が検証された。前後のアウトカム評価では、参加者の専門性発展力や公衆衛生の基本活動遂行能力、事業・社会資源の創出コンピテンシー、住民の力量を高める能力、活動の必要性と成果を見せる能力など多様な能力が有意に高まっていた。さらに、プログラム実施後の参加者の満足度と、費用に見合う効果を得られたと思う程度は高かった。また、参加者の学習プロセスにおいては、1)現状と課題への気づき、2)改善計画の実行、3)改善した成果の確認という3つの必須通過点が確認された。本プログラムは今後、大学院教育や大学と連携した自治体や企業、看護協会保健師職能による現任教育への適用可能性がある。
著者
井上 清俊 金田 研司 木下 博明
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

肝臓において、類洞壁星細胞が活性化し線維化を生じるに伴って細胞質型のプリオン蛋白(PrPc)を発現することをヒントとし、肺の線維化におけるプリオン蛋白の発現について基礎研究および臨床研究を行なった。基礎研究として肺組織におけるプリオン蛋白産生細胞の解析を、肺線維症モデルを作成し免疫組織化学的手法を用いて行なった。正常肺では細気管支に多く分布し小顆粒を有するクララ細胞の細胞質にPrPcの発現が認められたが、核と顆粒には発現は認められなかった。ブレオマイシンの細気管支投与によって作成した線維化肺では、終末細気管支の周囲の線維化巣において細気管支が増殖し、増殖細気管支はPrPc陽性のクララ細胞に覆われていた。また、PrPc陽性細胞は、肺胞管の上皮と肺胞の再生した上皮にも存在していた。また、線維化巣にはα-smooth muscle actin陽性の筋線維芽細胞が多数存在していたが、PrPc陽性細胞とはその分布は異なっていた。これらの所見より、肺胞が障害を受けた際、クララ細胞が増殖し終末細気管支から腺房に遊走し、肺の幹細胞として増殖し損傷を修復する可能性と、肝と肺の筋線維芽細胞のheterogeneityの可能性を示唆している。臨床研究は、当病院において原発性肺癌症例で放射線療法と化学療法を施行した後、外科的治療を行なった摘出標本を用いて、プリオン蛋白発現を指標とした至適放射線量と範囲および術式の再評価を行なうことを目指した。摘出した標本においては、免疫組織化学的手法およびPCR法を用い検討じたが、放射線療法終了後約6〜8週経過し線維化が完成した為か、明らかなプリオン蛋白陽性細胞の増殖は認めなかった。今後はプリオン蛋白の発現が最も顕著と思われる時期、すなわち放射線療法の影響が強く存在し、明らかに線維化が完成する以前の肺組織を対象として、再度検討する予定である。
著者
永瀬 宏 井上 清一 四七 秀貴
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.8, pp.2255-2263, 2000-08-15
被引用文献数
3 3

全順序関係を持つセキュリティレベル設定アルゴリズムの研究については,グラフ解析に基づいたセキュリティレベル設定法であるSLAアルゴリズム(Security Level Assignment)が発表されている.これは,データを流したいという処理要求とデータを流したくないという機密要求をそれぞれ独立したグラフで表し,それらを重ね合わせたグラフを解析して設計可能判定性とレベル設定を行うアルゴリズムである.SLAで設定されるレベルは,設定が可能なレベルの許容値の中で最小値となることから,レベルを上げても要求実現には矛盾が起こらない場合がある.そこで本論文ではレベルの許容値の中で最大値のレベルを決定する逆SLAアルゴリズムを新たに提案し,これをもとにレベルの変更可能な範囲を導出する.For the research of assigning totally ordered security levels, the SLA (Security Level Assignment) algorithm was proposed from graph theoretic approach. In the SLA algorithm, processing requirement to flow data and confidentiality requirement to inhibit data flow, among entities, are firstly expressed in two independent graphs. Then, two graphs are mixed to an integrated requirement graph. By analyzing the integrated requirement graph, design capability is evaluated, and security levels are assigned to entities. Since security levels, assigned by the SLA algorithm, take minimal value within the allowable range of levels, security levels of appropriate entities may be raised without contradicting to original requirements. Hence, this paper newly proposes inverse SLA algorithm to find the maximal allowable security levels, and to determine freedom of security levels assigned to entities.