著者
伊東 優 今井 公太郎 本間 健太郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.428-434, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1

長崎市の斜面住宅地は急な坂道や階段からなる複雑な街路構造を有しており,そのアクセシビリティの低さによって様々な計画上および生活上の問題を抱えている.そこで本研究は,実際の計画や持続可能なまちづくりのための知見を提供すべく,当該地域におけるアクセシビリティの評価および改良に向けた方法を提示する.具体的にはまず,街路ネットワーク分析により,多様な移動行動における出発点から目標点までの移動時間を計測する.特に地形・年齢階層・移動手段を考慮することで,非高齢者と高齢者の歩行能力の差や,上り・下りといった移動の方向性などの細かな要因が生み出すアクセシビリティの違いを明らかにする.次に高齢化に伴うアクセシビリティの将来的な変化予測を行う.さらに現状の分析で得られた結果をもとにアクセシビリティの改良案を提示し,その有効性を検証する.
著者
石原 久代 伊東 優里
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.1001-1010, 2017

<p><tt>高齢女性に合う服装色を検討するために,若年時と高齢時の適合服装色の差異について顔面の加齢再現ソフト「oldify」を用いて研究を行った. 実験は,24 名の若年女性の顔面写真を試料とし,10 形容詞対を用いてSD 法の官能検査を行い,クラスター分析により3 名のモデルを選出した.この3 名の顔面を「oldify」により老けさせ,若年時と高齢時の顔面に8 色の服装をCGで合成させ48 試料を作成した.この試料を用いて前記と同様のSD法で実験を行い,併せて見た目年齢を問う調査を行った. その結果,3 名とも特に高彩度の赤の服装色で若年時と高齢時の印象差が大きかった.着装イメージの因子分析では,若年時,高齢時とも活動性と評価性の2 因子が抽出され,活動性の因子には赤,評価性の因子には高明度色が影響することが判明した.また,視覚的年齢評価では高彩度の青,白,高明度赤が若く,黒,暗い赤,暗い青が高齢に見えることが判明した</tt><tt>.</tt></p>
著者
今井 公太郎 本間 健太郎 伊東 優 国枝 歓 佐藤 淳 福島 佳浩
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、実用化が進む金属の3Dプリント技術を用いて住宅の仕口(ジョイント)を製作し、大部分の工程をセルフビルド可能な住宅のプロトタイプを建設する。学術的には、プロトタイプの建設を通して、3Dプリンタの建材(特に構造材)への応用の可能性を明らかにし、「複雑」な造形がデジタルに施されたジョイントによって、どこまで人間の手による建設を「単純」化できるかを明らかにする。そして、建設した住宅に対してプラニングの自由度・構造的合理性・建設可能性・環境的性能・移動可能性(再建築・運搬)などの観点で性能を評価し、最終的に移動可能で自由なライフスタイルを可能にする安価な住宅サービスへの適用方法を研究する。
著者
奥山 直己 伊東 優多 井上 彰
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第38回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.F-027, 2020 (Released:2020-01-01)

【目的】オーバーヘッドアスリートにおけるTOSは稀な病態ではないが、多彩な症状を呈するため診断が困難である。TOSはリハビリテーションなどの保存療法が第一選択であるが、罹病期間が長ければ長いほど手術成績は劣ることが報告されているため、早期発見・治療が望ましい。一般的にTOSの診断に徒手検査が行われるが、偽陽性率が高いことが報告されている。高校野球選手におけるTOS検診の報告は散見されるが、問診や徒手検査のみの評価である。我々は野球選手に対するメディカルチェック(MC)を超音波検査機器を用いて斜角筋三角底辺間距離、腋窩動脈血流速度を評価している。今回、MCの調査結果を報告する。【方法】対象は中学野球選手111名とした。理学所見はRoos、Wright、Morleyの各誘発テスト、問診は肘肩痛の有無、エコー評価は腋窩動脈1st partの血流速度(上肢下垂位、ABER位、挙上位)、斜角筋三角底辺間距離とした。現在肘肩痛を有し、Roos testが60秒以上継続不可、wright testが陽性、腋窩動脈血流速度がABER・挙上位いずれかで途絶、斜角筋三角底辺間距離8mm以下の5つの項目全て当てはまる者をTOS疑いとして受診を促した。【結果】肩肘痛を有していた者は4名(3.6%)、Roos test 陽性者は21名(18.9%)、Wright test陽性者は16名(14.4%)であった。腋窩動脈血流速度が0cm/secとなった選手はABER位で4名(3.6%)、挙上位で11名(9.9%)であった。 斜角筋三角底辺間距離8mm以下は48名(43.3%)であった。5つの項目に当てはまる者は111名中2名(1.8%)でありTOSが疑われ受診を促した。1名は保存加療にて競技復帰し1名は手術を要した。【結論】中学生野球選手のTOS有症率は1.8%であり、エコー評価が有用であった。今後はTOS検診においてTOS発症を予測できるか前向きに調査を行う必要がある。
著者
四辻 彰 伊東 優子 保田 隆 才川 勇 大角 誠治 矢野 三郎 上田 泰
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.294-303, 1988

Compromised host の対象として高齢者を取り上げ, その血清中での β-lactam 系抗生剤の sub-minimum inhibitory concentration (sub-MIC) シこおける抗菌作用を調べた。各血清60μl に薬液10μl を加え, それに菌懸濁液10μl を接種し 37℃ 4時間培養後, 生菌数の増減を測定した。高齢者の血清殺菌力は健常者に比べ <I>Escherichia coli</I> および <I>Klebsiella pneumoniae</I> に対しては弱まっている例が多かった。<I>Proteus</I> <I>mirabilis</I> T-277 株に対しては約半数例で高齢者の血清殺菌力は強まっていたが, T-250株 に対しては強まっている例はなかった。また<I>Proteus vulgaris</I>。<I>Pseudomonasaeruginosa</I> および<I>Staphylococcus aureus</I> に対しては健常者と同等の殺菌力であった。この殺菌因子として非働化で弱められる易熱性物質やペントナイト処理で除かれるリゾチームの関与が推定された。次に高齢者血清中での beta-lactam 系抗生剤の sub-MIC での殺菌作用をみると, pipera-cillin, cefoperazone および cefbuperazone は nutrient bmth (NB) 中でも高齢者血清中でも殺菌的または静菌的に作用した。一方 carbenicillin, cefazolin および cefmetazole は NB 中では菌の増殖を阻止したが高齢者血清中ではほとんど抗菌作用を示さなかった。
著者
貝沼 雄太 宇良田 大悟 鈴木 大介 伊東 優多 宮本 梓
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.H2-35_1-H2-35_1, 2019

<p>【はじめに、目的】</p><p>野球選手の投球障害発生要因として投球数の増加が挙げられる。連続投球後での静的な肩甲上腕関節(以下、GHJ)可動域は外旋角度が増大し、内旋角度が減少するといわれている。しかし投球増加に伴って、投球中のGHJ角度や肩甲骨角度がどのように偏位していくかは報告されていない。今回、三次元動作解析装置(VICON MS社製)を用いて連続投球によるGHJ角度と肩甲骨角度を算出することを目的とする。</p><p>【方法】</p><p>対象は肩関節に愁訴の無い野球歴8年以上の健常男性5名(平均23.5歳)とした。測定方法は三次元動作解析装置を用いて、1球目、20球目、40球目、60球目、80球目、100球目の肩最大外旋角度時(以下、MER)でのGHJ外・内旋/水平外・内転角度と肩甲骨前・後傾/上・下方回旋/外・内旋角度とした。計測方法に際しては宮本らの方法に準じ、体表に36個のマーカーと肩甲棘パッド(マーカー4個)を貼付した。肩甲骨角度の定義は体幹に対する肩甲骨の値とした。GHJ角度の定義は体幹と上腕骨で計算される肩関節角度から肩甲骨角度を減算した値とした。統計処理は1球目と20球目以降でウィルコクソンの符号付順位和検定を用いて,比較を行った。有意水準は5%とした。</p><p>【結果】</p><p>MER時のGHJ外旋は1球目(112.1°)と60球目(125.7°)、80球目(126.5°)、100球目(138.7°)で有意に増加していた。GHJ水平外転角度も1球目(-4.6°)と60球目(5.2°)、80球目(8.5°)、100球目(8.4°)で有意に増加していた。また肩甲骨内旋角度は1球目(20.0°)と100球目(26.3°)で有意に増加していた。肩甲骨後傾角度は1球目(37.2°)と100球目(24.4°)で有意に減少していた。肩甲骨上方回旋角度は1球目(31.7°)と100球目(33.4°)で軽度上昇していたが有意差はなかった。</p><p>【結論】</p><p>今回の結果では投球数増加することにより、GHJ外旋角度と水平外転角度が増加し、肩甲骨前傾と内旋角度が増加する事が明らかとなった。MihataらはGHJ水平外転角度増大と肩甲骨内旋角度増大によりインターナルインピンジメントが生じる可能性があると報告している。投球数の増加が投球肩障害を発症させる可能性があると考えられる。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>口頭や文章にて研究の概要、方法等を説明し、被験者になるか否かを自由意志によるものであることを確認した。その後、研究の主旨に同意を得られた者に対し測定を行った</p>
著者
保田 隆 渡辺 泰雄 四辻 彰 林 敏雄 南 新三郎 岡本 世紀 山城 芳子 荒木 春美 伊東 優子 本村 桂子
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.36, no.Supplement9-Base, pp.95-109, 1988-12-30 (Released:2011-08-04)
参考文献数
12

新ピリドンカルボン酸系合成抗菌剤T-3262のin vitroおよびin vivo抗菌活性をnorfloxacin (NFLX), ofloxacin (OFLX), ciprofloxacin (CPFX) を対照薬剤として比較した結果, 以下の成績を得た。1) T-3262はグラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して広い抗菌スペクトラムを有していた。グラム陽性菌に対しては, すべての対照薬剤より強い抗菌力を示し, またグラム陰性菌に対しては CPFXとほぼ同程度, NFLX, OFLXより優れた抗菌力を示した。2) T-3262はPseudomonas aeruginosaを含むブドウ糖非醗酵菌, Bacteroides fragilisを含む嫌気性菌に対しても強い抗菌力を示した。3) T-3262はmethicillin耐性ブドウ球菌およびnalidixic acid耐性グラム陰性菌に対しても強い抗菌力を示した。4) T-3262の抗菌力に及ぼす諸因子の影響では培地の種類, ヒト血清添加の影響はほとんど受けず, 培地pHがアルカリ性側のとき抗菌力が強まった。5) T-3262の作用は殺菌的であった。6) グラム陽性菌およびグラム陰性菌を用いたマウス実験的全身感染症でT-3262は優れた治療効果を示した。特にグラム陽性菌においてすべての対照薬剤より優れた治療効果を示した。