- 著者
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村上 圭秀
髙 真守
髙橋 麻衣子
伊東 秀文
- 出版者
- 日本神経学会
- 雑誌
- 臨床神経学 (ISSN:0009918X)
- 巻号頁・発行日
- vol.61, no.10, pp.687-691, 2021 (Released:2021-10-28)
- 参考文献数
- 30
症例は77歳女性.2~3日の経過で起立性低血圧,尿閉,便秘が出現した.入院時,立位にて失神を伴う起立性低血圧,瞳孔散大,対光反射減弱を認め,その他神経学的に異常を認めず.ノルエピネフリン(NE)負荷試験とピロカルピン点眼試験で過敏反応,血中NE低値,定量的軸索反射性発汗試験で発汗低下を認め,自律神経節後線維の障害を考えた.抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体陽性で,自己免疫性自律神経節障害(autoimmune autonomic ganglionopathy,以下AAGと略記)と診断した.免疫グロブリン大量静注療法(intravenous high-dose immunoglobulin therapy,以下IVIgと略記)で立位可能となり,便秘と尿閉も改善した.AAGに対する免疫治療の反応性は様々であるが,急性発症AAGではIVIgが奏効しやすい可能性が示唆された.