- 著者
 
          - 
             
             植村 順一
             
             井上 剛
             
             青木 淳哉
             
             佐治 直樹
             
             芝崎 謙作
             
             木村 和美
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 日本神経学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 臨床神経学 (ISSN:0009918X)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.54, no.5, pp.403-407, 2014-05-01 (Released:2014-06-17)
 
          
          
          - 参考文献数
 
          - 15
 
          
          
        
        
        
        当科に入院した発症2週間以内の急性期延髄梗塞90例(右側48例,左側33例,両側9例)で,難治性吃逆は5例(5.5%)だった.急性期延髄梗塞例を難治性吃逆群と吃逆なし群の2群に分けて,頭部MRI像での病変部位を比較すると,難治性吃逆群の頻度が右側で有意に高く(p = 0.048),とくに延髄右側中部内側が多かった(p < 0.001).PubMedで検索しえた論文中に難治性吃逆があり,頭部MRI像で責任病巣が確認しえた症例は16例あり,その責任病巣は延髄中部内側が11例だった.難治性吃逆の責任病巣は中部延髄の疑核,大縫線核と推定されているが,延髄中部右側内側が発症機序に関係している可能性がある.