著者
高嶋 和毅 藤田 和之 横山 ひとみ 伊藤 雄一 北村 喜文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.176, pp.49-54, 2012-08-11
被引用文献数
2

本研究では,複数人会語中に話者が感じる場の盛り上がり「場の活性度」を自動的に推定する手法の確立を目指し,会話中の発話量,手の動き,頭部方向や身体の移動などの非言語情報と,場の活性度との相関を実験的に調査した.実験では,初対面で同世代の6人(男3,女3)による会話を扱い,非言語情報は各種センサにより取得した.重回帰分析を用いて,参加者が主観的に評定した場の活性度と取得した非言語情報との関連を調査したところ,発話時間,クロストーク,手の加速度,会話の輪の大きさ,等が強く場の活性度に影響することが分かった.また,これを用いてモデル化を行い,3人会話におけるモデルと比較を行った.
著者
藤田 和之 高嶋 和毅 伊藤 雄一 大崎 博之 小野 直亮 香川 景一郎 津川 翔 中島 康祐 林 勇介 岸野 文郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J96-D, no.1, pp.120-132, 2013-01-01

我々は多人数でのコミュニケーションを支援するための情報環境Ambient Suiteを提案し,検討を進めている.Ambient Suiteは部屋全体が入出力機能をもったシステムであり,様々なセンサにより会話の状態を推定し,また,この状態に応じて,床や壁に配置されたディスプレイ群を連携させて様々な情報を表示することで会話の活性化を目指す.本研究では,Ambient Suiteを立食パーティの場面に適用したAmbient Party Roomを実装し,これを用いた初対面の男女6人による会話実験を行った.この結果,本システムが会話の状況を十分に推定可能な性能を有し,情報提示により会話を活性化させられることが分かった.
著者
伊藤 雄哉 山西 良典 加藤 昇平 伊藤 英則
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.341-348, 2011 (Released:2011-12-28)
参考文献数
29
被引用文献数
2 2

This paper relates audio features based on fluctuation of music with sensibility evaluation about music as a component technology for an automatic song select system demanded on human sensibility evaluation. When people listen to music, they select a song considering both their own feelings at the time and sensibility evaluation about the song. We consider that sensibility evaluations of songs are influenced by the features based on fluctuation about both volume and pitch of the songs. Thus, we focus on features of fluctuation that contain a dynamic idea on music, and extract thirty six features of fluctuation about both volume and pitch from each songs using Fast Fourier Transform. On the other, we prepare a subjective experiment for plural songs using Semantic Differential method, and obtain the sensibility evaluation about each song. Then, we study the relationships between extracted features and sensibility evaluation about the songs with multiple discriminant analysis. As a result, high accurate discriminant hit-rates and low discriminant error are shown, therefore we suggest that audio features based on fluctuation of songs influence sensibility evaluation about the songs. Furthermore, we confirm the especial parameters related with sensibility evaluation about music while considering canonical variates which construct discriminant spaces.
著者
宮崎 陽平 安藤 正宏 藤田 悠矢 羽鹿 諒 Ondreicka Merrielle 伊藤 雄一
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.238-241, 2013-09-27

我々は,鏡状のディスプレイ上で結露の発生・消滅を制御し,結露に対して自由に落書きしたり,落書きを修正したりすることができる新しいインタラクティブなディスプレイ「ケツログラフィティ」を提案する.結露は指で触れることで加工することができ,落書きをしたり,文字を書き込んだりすることができる.しかし,一度描いた落書きを修正することは困難で,一度描いたものは時間とともに消えてしまい,その絵を保存・再現することはできない.本システムでは,ディスプレイ面の任意の位置の冷温を制御することで,その位置における結露の生成・消滅を制御する.これにより,結露で情報を提示することが可能となり,結露の復元や加工が可能となるだけでなく,結露を指でなぞることにより,インタラクティブに情報を加工することもできる.また,任意の位置に結露を発生させることで,誤った場合に修正したり,一度描いた落書きを記録,再生したりすることもできる.
著者
前田 吉昭 森吉 仁志 伊藤 雄二 藤原 耕二
出版者
慶応義塾大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1997

1997年から1998年にかけては,次の研究テーマを主題に行なった.(1) 4次元空間のYang-Mills gradient flowと3次元空間のYang-Mills-Higgs gradient flowの研究.(2) 変形量子化問題と非可環幾何学(3) 無限次元空間における無限次元リー群の作用によるオービットの幾何学的性質(1)については,4次元コンパクト多様体のYang-Mills qradient flowについて,チャーン数に近い初期データを与えることでその滑らかな解が大域的に存在することを示した.また,3次元空間のYang-Mills-Higgs qradient flowについては,その弱大域解の存在を与えられることがわかった.(2)については,特に接触多様体の変形量子化問題とそのレダクションの方法について研究を行なった.(3)についてはコンパクト多様体のリーマン計量の空間に作用する微分同型群(無限次元リー群)のオービットに対する平均曲率の定式化とその応用について研究を行なった.これらの研究は萌芽研究として申請した,非可換微分幾何学の構築において基礎となる成果をあげることができた.そして,その成果はこの2年間の間に行なわれた,国内の研究集会,国際研究集会で発表や討議を行ない,これから先に非可換微分幾何学の展開に向けて,大きな成果をあげた.さらなる成果は,近い将来に出版される予定である.
著者
藤田 和之 高嶋 和毅 築谷 喬之 朝日 元生 伊藤 雄一 北村 喜文 岸野 文郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J93-D, no.11, pp.2454-2465, 2010-11-01

ユーザによる単純な操作に複数のカメラ操作を連動させ,効率良く地図を閲覧することができるインタラクション手法としてAnchored Zoom (AZ)とAnchored Zoom and Tilt (AZT)の二つを提案する.二次元の地図を俯瞰する三次元的なカメラ視点を用い,AZではズームを,AZTではズームとチルトをパン操作に連動させ,ユーザの指定する地図上の1点を常にビューポートに収めるよう制御する.これら2手法のパフォーマンスを評価するため,ペン入力の環境において,従来手法であるPan & Zoom (PZ)及びSpeed-dependent Automatic Zooming (SDAZ)と比較する実験を行った.画面外オブジェクトの獲得タスクと位置把握タスクの二つを実施した結果,提案手法が従来手法に比べ距離感や方向感覚を失うことなく,より高速にオブジェクトを獲得できることが分かった.
著者
松本 圭祐 伊藤雄一 村上 礼繁 北村 喜文 岸野 文郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.24, pp.121-128, 2006-03-14
被引用文献数
1

本研究では,テキストだけからなるコンテンツに,画像や音声を自動的に付加し,リッチなマルチメディアコンテンツを作り出すシステムについて検討する.まず,テキストを解析し,そのテキストで表現されている内容に適した語句を抽出し,その語句を用いてデジタルデータを取得,付加することで,その内容に最適なマルチメディアコンテンツを自動的に生成した上で利用者に提示する.その結果として,そのテキストの内容理解の促進を図ることができる.テキストとして文章構造に比べ内容が難解で多岐にわたる小説を対象とし,小説内で表現されているシーンに関する画像や音を動的に付加する手法を検討する.We propose a method for generating dynamic multimedia contents to assist users in context understanding.For this purpose,the proposed method enriches simple texts by adding appropriate digital data which are associated with phrases extracted from the context of the text.In this paper, we describe the algorithm of the proposed method and implementation details by utilizing images and sounds as digital data.We also describe an application example applied to novels because its contexts are difficult to understand in spite of their simple sentence structures.