著者
シュクリ アグス ファナル 森田 光 太田 敏澄 齊藤 泰一
出版者
一般社団法人社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会学会誌 (ISSN:09151249)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.21-29, 2004-09-30

当選者を選択する福引や宝くじ, 当番の順番を決めるアミダくじなど, 社会には公平な抽選が必要になる場面が多数存在する。ジャンケンやルーレットなど, 慣習的に納得できる方法はあったが, インターネットを介して結ばれた多数の個人の中で抽選するための, 公平で誰もが納得できる抽選方法は余り議論されて来なかった。この抽選会を組織する運営会社に, 抽選を一任することが理想的な解と考えられるが, 規模が大きくなるほど不正を行うメリットが増すため, 安全性を確保するには困難である。本論文では, 抽選の電子化を目的に, ハッシュ関数を用いて多数の参加者が広く納得できる公平な抽選方法を提案する。
著者
齊藤 泰雄
巻号頁・発行日
1995-03

本報告書では、まずアステカ族の教育の全体像、その人間観、教育観を概観するたあに、メキシコの教育史の本のなかから「アステカ族の教育」を記述した部分を紹介する。この本は、メキシコの師範学校用教育史教科書として編集されたものであり、今日のメキシコにおいて、自国の教育史のルーツのひとっともいえるアステカ族の教育の遺産がどのように認識されており、通史的なメキシコ教育史のなかにどのように位置づけられているかを知るうえでも興味ぶかいものがある。っぎに、メキシコ国立自治大学の歴史・人類学教授ロペス・アウスティン博士が編集した、『古代アステカ教育関係史料集』(L6pezAustinA.,LaEducaci6ndelosAntiguosNahuas1,2.1985)の主要部分を翻訳、紹介する。この史料集は、16世紀初頭の征服、植民地化の初期の段階おいて、まだそれほど破壊されていないインディオ文明に直接的に接触したスペイン人たちがその文明について書きしるした記録や書簡、さらにインディオたち自身が書き残した資料(アステカ族の独特な記録法である絵文書、インディオ言語のローマ字表記やスペイン語習得によるみずからの歴史の記録)など膨大な資料のなかから、当時のインディオの教育に関連する記述部分をひろいだして集成したものであり、アステカ族の教育に関する一次史料に直接的かっ効率的にアクセスするのにきわめて有用なものである。
著者
土岐 典子 齊藤 泰之 入澤 寛之 佐倉 徹 宮脇 修一
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.393-396, 2003-11-01 (Released:2009-10-21)
参考文献数
10

症例は34歳, 女性.急性リンパ性白血病のため, 2002年5月当院入院.寛解導入療法にて寛解となったが, 1回目の地固め療法後に再発.化学療法にて2回目の寛解となったが, 予後を考慮し, 幹細胞移植を行うべくドナー検索を行った.しかし, HLAmatchドナーは家族内, 骨髄バンクでも見つからなかった.このため2002年10月, 非血縁者間臍帯血移植を施行.前処置は, TBI (total body irradiation) +CY (cyclophosphamide) で, GVHD予防にはFK506+短期MTXを使用し, 細胞数は3.02×107/kgで, HLAは3座不一致 (A locus 2座不一致, Blocusl座不一致) であった.Day22に生着し, 急性GVHDは発症せず, day100で免疫抑制剤を中止した.8ヶ月たった現在, 再発なく外来通院中である.臍帯血移植は, 小児のみでなく, 成人においても有用な治療手段である.
著者
税所 哲郎 齊藤泰一 土井 洋 辻井 重男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.43, pp.13-18, 2002-05-23
参考文献数
12
被引用文献数
4

株主総会における議決権行使は,各株主が所有株式数に比例した投票権を持つことから,1人で複数投票可能な投票とみなすことができる.しかし,現状では,郵送等によって行使されるため電子化は進んでおらず,セキュリティが確保されているとも言いがたい.我々は,株主総会の電子化を検討しているが,このためには議決権行使の電子化は不可欠である.本稿では,1人で複数投票可能であるという条件に注目し,それによる問題点等を分析する.更に,電子議決権行使に対応できる1人複数投票可能な電子投票プロトコルを提案し,その評価を行う.Since any stockholder has ballots the number of which is proportional to his amount of stocks, the voting procedure in the annual stockholder's meeting can be seen as a modification of usual voting in democratic meetings. However the computerization of the procedures in stockholder's meetings and its security technologies have not been developed enough. We have studied the computerization in stockholder's meetings, in which the proposal of electronic decision systems at stockholder's meetings is one of our main purposes. In this paper, we focus on the property that one stockholder can vote several ballots in a stockholder's meeting, and consider related issues. Moreover we propose electronic voting schemes for stockholder's meetings through which that property holds, and clarify their benefits.
著者
細川 聖二 平田 義郎 齊藤 泰雄 内藤 裕美子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.442-447, 2008-09-01 (Released:2017-04-28)
参考文献数
12

国立情報学研究所では,目録所在情報サービス(NACSIS-CAT/ILL)の今後の在り方について,中長期的な視点で検討することを使命として,「学術コンテンツ運営・連携本部図書館連携作業部会」の下に「次世代目録ワーキンググループ」を設置した。ワーキンググループでの検討結果を「次世代目録所在情報サービスの在り方について(中間報告)」として取りまとめ,2008年3月末に公開した。本稿では,「中間報告」に至る検討の経緯および「中間報告」についてその概要を紹介する。
著者
齊藤 泰嘉
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.32-34, 2001-11

「こらっ!それが上司に物を渡すときの態度か!」 いきなりの雷にドッキリ、びっくり。1977年4月。春とは名のみの北海道は札幌でのこと。 北海道立近代美術館建設準備室の看板のかかるプレハブ庁舎に叱声が響く。 時間が止まり、職場に沈黙が・・・。 叱ったのは、倉田公裕準備室長 ...
著者
田中 紘世 齊藤 泰一
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.2, pp.601-606,

ファイルレスマルウェアでは,ダウンロードされたマルウェア本体 (ペイロード) はハードドライブ上に格納されることはない.ダウンロードされたペイロードは,OSの機能により直接メモリ上に展開され,実行された後,削除される.メモリ上から削除されること,ファイルとしての実体を持たないことが,ペイロードのフォレンジックを困難とする.ハードディスク上に存在するドロッパー・ローダーは,ペイロードをダウンロード・実行するのみであり,これを解析してもマルウェア全体としての動作を解析できない.我々は Linux において想定されるファイルレスマルウェアに使われる技術を分析し,その対策法について考察した.本項では Linux システムコール memfd_create を利用したファイルレスマルウェアへの対策手法を述べる.
著者
伊藤 啓 伊藤 大介 齊藤 泰司 松下 健太郎 江連 俊樹 田中 正暁
出版者
日本混相流学会
雑誌
混相流 (ISSN:09142843)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.118-124, 2020-03-15 (Released:2020-04-02)
参考文献数
11
被引用文献数
1

In the design study on sodium-cooled fast reactors, .it is important to investigate the gas entrainment (GE) phenomena in detail. In fact, a lot of analytical, experimental and numerical studies have been conducted to clarify the onset condition of GE and some GE onset models have been proposed. However, few studies on the modeling of entrained gas flow rate has been conducted due to the difficulty on modeling the gas bubble entrainment at a free surface, which is accompanied by complicated free surface deformation. In this paper, the authors propose a mechanistic model to predict the entrained gas flow rate by a free surface vortex. The model contains the theoretical equation of transient gas core elongation and the empirical equation of critical gas core length for gas bubble detachment. The mechanistic model is applied to predict the entrained gas flow rate in a simple GE experiment. As a result, the predicted results show qualitatively good agreement with the experimental results of the entrained gas flow rate. Therefore, it is confirmed that the proposed mechanistic model can predict the entrained gas flow rate by a free surface vortex.
著者
佐々木 修 釘宮 敏定 田所 正人 田浦 幸一 新里 健 草場 照代 松隈 玄一郎 船越 衛一 河野 茂 原田 孝司 宮崎 正信 宮原 嘉之 大園 恵幸 錦戸 雅春 松屋 福蔵 齊藤 泰 高木 正剛
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.37-43, 1998
被引用文献数
1

近年, 透析患者の増加に伴い, 動脈硬化性疾患の合併は大きな問題となっている. 腹部大動脈瘤 (abdominal aortic aneurysm, AAA) や閉塞性動脈硬化症 (arteriosclerosis obliterans, ASO) は, その治療として外科手術を要することがあり, 透析患者の生命予後, quality of lifeの観点からも重要な疾患である. 今回我々は, 当院における透析患者のAAA4例およびASO3例の血行再建術症例の臨床的検討を行った.<br>AAAの症例は年齢45-61歳で, 全例高血圧を伴い, 透析導入後6か月-6年であった. 2症例が腹痛ないし背部痛を訴えたが, 2症例は腹部腫瘤触知が発見の契機であった. 4例ともinfrarenal typeで, 3例にY graft, 1例にstraight graft置換を施行し, 全例とも予後は良好である.<br>3例のASOは年齢51-67歳で, 2例で高血圧を伴い, 発症は透析導入後5年4か月-19年3か月とAAAに比し長期間の症例が多かった. いずれの症例も, 下肢痛・間歇性跛行・足趾壊死などの症状, 所見を認めた. 2例は左側のiliac~popliteal arteryの閉塞で, 自己大伏在静脈によるfemoro-popliteal bypass術を施行, 他の1例は右側のcommon~external iliac arteryの閉塞で, femoro-femoral cross over bypass術を2回施行した. 術後1例は予後良好であるが, 2例はASO以外の死因で死亡した.<br>近年, 手術手技の向上および周術期の透析管理の進歩により, 透析患者に対し安全に手術が施行し得るようになってきたが, ASOの症例は, 必ずしも予後が良好でない場合もあり, 治療法選択, 手術時期に対するさらなる検討が必要と思われた.
著者
田中 直毅 齊藤 泰一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.524, pp.435-440, 2008-03-06
参考文献数
8

匿名P2Pネットワークにおける情報漏洩は,WinnyなどのP2Pファイル共有ソフトを使用するユーザのPCから発生しており,各個人の機密情報や個人情報をAntinnyと呼ばれる暴露ウィルスがP2Pネットワーク上に拡散するものである.特にP2Pファイル共有ソフトWinnyによる情報漏洩拡散の被害は急増しており,対策技術は社会的な必要性を増しつつある.しかし,法的な問題もあり現在の対策技術の有効性は疑わしいとされている.本研究では,既存の対策技術の有効性について検討した上で,それらを改良した新しい方式を提案する.本システムは,Winnyネットワーク上に存在するファイルの要約情報であるキーを偽造することによりWinnyネットワークの検索機能を撹乱させ検索性能を低下させることにより漏洩情報の拡散を防止することを目的としたものである.
著者
押切 徹 齊藤 泰一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.1964-1970, 2014-09-15

時限式暗号(Timed-Release Encryption, TRE)とは,復号できる時刻を暗号化の際に指定できる暗号方式である.本稿ではIDベース暗号(Identity-Based Encryption, IBE)にTREの機能を持たせた時限式IDベース暗号(Timed-Release Identity-Based Encryption, TRIBE)を提案し,その安全性定義を行う.さらにIBEとワンタイム署名からなるTRIBEの一般的構成法(generic construction)を示し,定義した安全性を満たすことを証明をする.Timed-Release Encryption (TRE) is an encryption mechanism that allows a receiver to decrypt a ciphertext only after the time that a sender designates. We propose a notion of identity-based encryption scheme with TRE encryption mechanism, timed-release identity-based encryption (TRIBE), and define its security models. Moreover we show a generic construction of TRIBE from IBE and one-time signature, and prove that the constructed scheme achieves the security we defined.