著者
安村 誠司 中山 健夫 佐藤 理 杉田 稔 中山 千尋
出版者
福島県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

原発事故以後、福島県民が抱く放射線健康不安には、報道や情報が関連していると考え、県民2000人に対し、健康不安の程度、信用する情報源、利用するメディアについて質問紙調査を行った。健康不安の程度を目的変数、信用する情報源と利用するメディアを説明変数とした重回帰分析の結果、NGO等を信用する群、ネット・サイトを利用する群の不安が有意に高く、政府省庁、自治体を信用する群、地元民放テレビを利用する群は、不安が有意に低かった。情報源やメディアの違いによる、不安の程度の差が明らかになった。また、ヘルスリテラシー得点上位群の不安が有意に低く、放射線不安を減らす上での、ヘルスリテラシーの有効性が示唆された。
著者
平川 幸子 義澤 宣明 村上 加菜 河合 理城 滝澤 真理 佐藤 理 高木 俊治 鈴木 元
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.36-42, 2017-02-25 (Released:2017-03-03)
参考文献数
5
被引用文献数
8

2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う原子力発電所事故直後から環境中および露地野菜,原乳,水道水等から,ヨウ素131が検出された.事故時の福島県民の内部被ばく線量の把握は健康管理上重要であるが,その後,国際機関等においてさまざまな仮定に基づく内部被ばく線量評価が行われた.例えば事故後に福島県において食品の出荷制限等が行われた点などを考慮せずに,従来どおりの食品の経口摂取が行われた仮定で推計が行われた.このため本研究では,住民の内部被ばく線量の推計において保守的な仮定が採用された従来の事故直後の推計値に含まれる不確実性をできるだけ排除するため,避難地域での実際の食品摂取量の正確性を高めることを目的とした.具体的には,より精度の高い食品からの内部被ばく線量推計を行う基礎資料として,福島県内で平成23年3月11日の事故直後から3月末までに避難した13市町村の住民の避難のパターンや,当時の食生活のパターンを明確にした.調査結果からは,事故直後に避難者が摂取した食品等の多くは事故前からの備蓄品または被災地外からの支援物資であったことが確認された.さらに,対象野菜の出荷制限,水道水の摂取制限のほか,流通施設の被災,小売店舗の閉鎖,等の状況からヨウ素131で汚染された食品等が大量に消費される状況ではなく,一般に広く流通した可能性は低いことが示唆された.一方,水については,内部被ばくの要因となりうる水道水等の摂取状況が確認されたことから,その摂取状況等について検討を行った.
著者
佐藤理史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.108, pp.33-40, 2004-11-04
被引用文献数
1

境界認定は、語(単位)を認定するのではなく、境界とその種別を認定する。本稿では、境界認定という考え方が生まれてきた背景と、境界認定の背後にある思想について述べる。This paper describes background and philosophy of boundary identification, which identifies boundaries and their types between linguistic units in a given sentence. The proposal of boundary identification aims to restucture Japanese sentence analysis method.
著者
高木 大生 佐藤 理史 駒谷 和範
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

我々は、既存の短編小説から会話文を抜き出し、その一部を他作品の会話文と置換することにより、新たな超短編小説を自動生成することに取り組んでいる。このプロセスを機械的に実行するための準備として、我々はまず、星新一のショートショートに含まれる会話文に対し、発話者を特定する方法を実装した。この方法は、発話者を特定する手がかりとして、会話文の文体的特徴と、会話文の前後の地の文を利用する。
著者
松崎 拓也 横野 光 宮尾 祐介 川添 愛 狩野 芳伸 加納 隼人 佐藤 理史 東中 竜一郎 杉山 弘晃 磯崎 秀樹 菊井 玄一郎 堂坂 浩二 平 博順 南 泰浩 新井 紀子
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.119-159, 2016-01-25 (Released:2016-04-25)
参考文献数
35

「ロボットは東大に入れるか」は,大学入試試験問題を計算機で解くという挑戦を通じ,言語処理を含む AI 諸技術の再統合と,知的情報処理の新たな課題の発見を目指すプロジェクトである.知的能力の測定を第一目的として設計された入試問題は,AI 技術の恰好のベンチマークであるとともに,人間の受験者と機械のエラー傾向を直接比較することが可能である.本稿では,大手予備校主催のセンター試験形式模試を主たる評価データとして,各科目の解答システムのエラーを分析し,高得点へ向けた今後の課題を明らかにするとともに,分野としての言語処理全体における現在の課題を探る.
著者
緒方 健人 佐藤 理史 駒谷 和範
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

本研究では、既存の短編小説を模倣利用した、超短編小説の自動生成を目指す。最も単純な模倣は、完全な複製である。しかしながら、複製した文章の一部を改変することで、単純な模倣から脱却し、創作に近づけていくことができると考えられる。本発表では、星新一のショートショート作品からいくつかの文を抜き出し、その一部を変化させたり、置換したりすることで、新たなる超短編小説が生成できる可能性を示す。
著者
佐藤 理史 加納 隼人 西村 翔平 駒谷 和範
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.5, pp.1-9, 2013-07-11

大学入試センター試験 『国語』 の現代文で出題される,いわゆる 「傍線部問題」 を解く方法を定式化し,実装した.実装した方法は,「評論」 の 「傍線部問題」 の半数を正しく解くことができた.We have formalized and implemented a method for solving questions about underlined segments in contemporary Japanese language, National Center Test for University Admissions. The method can solve a half of these questions in "critical essay" correctly.
著者
宮崎 千明 平野 徹 東中 竜一郎 牧野 俊朗 松尾 義博 佐藤 理史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
pp.DSF-515, (Released:2015-12-15)
参考文献数
13

Characterizing dialogue system utterances is important in making human-computer interaction systems more friendly and human-like. A method is described for achieving this by converting functional expressions according to their generation probabilities, which are calculated for specific characters. Experimental results show that the method can add characteristics of the target profiles (i.e., gender, age and closeness with a conversation partner) to dialogue system utterances and in so doing can generate a large variety of linguistic expressions.
著者
佐藤理史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.108, pp.25-32, 2004-11-04
参考文献数
3
被引用文献数
1

形態素解析に代わる新しい日本語文解析の第1ステップとして、「境界設定」という枠組を提案する。境界設定では、語(単位)を認定するのではなく、境界とその種別を認定する。本稿では、その考え方と表現法について述べる。This paper proposes boundary identification, a new framework of the first step of Japanese sentence analysis. Boundary identification identifies boundaries and their types between linguistic units in a given sentence. This paper describes the concept and an implementation of the framework.
著者
鈴木 啓輔 佐藤 理史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第24回 (2010)
巻号頁・発行日
pp.3D43, 2010 (Released:2018-07-30)

本研究では文章生成の研究の一つとして、回文の自動生成を取り上げる。本稿では、その第一段階として、文法的に可能な構造を持つ回文の生成法を提案する。この手法は、出発点となる文節の前後に新たな文節を接続することで、回文を生成する。この過程で、文法的な接続の可否をチェックする。同時に、複数個の文節を接続して回文となる可能性があるかどうかをチェックすることで、効率的に回文を自動生成する。
著者
荒井 三津子 杉村 留美子 片村 早花 佐藤 理紗子 太田垣 恵 Mitsuko Arai Rumiko Sugimura Sayaka Katamura Risako Sato Megumi Otagaki 北海道文教大学人間科学部健康栄養学科 北海道文教大学人間科学部健康栄養学科 北海道文教大学人間科学部健康栄養学科 北海道文教大学人間科学部健康栄養学科 北海道文教大学人間科学部健康栄養学科
雑誌
北海道文教大学研究紀要 = Bulletin of Hokkaido Bunkyo University
巻号頁・発行日
no.37, pp.17-29, 2013-03-15

木の葉形のベコモチは,北海道にのみ見られる端午の節句などに作られる餅である.青森県下北半島にも同じ名前の餅があるが形状が異なる.北海道の南西海岸,江差,上ノ国,松前にはベコモチと全く同じものがカタコモチと呼ばれていたり,青森県のクジラモチが共存している.ベコモチ,カタコモチ,クジラモチがともに作られたり食べられている地域は他にない.江差は鰊漁や北前船で栄え,松前は北海道唯一の城下町である.上ノ国はその間に位置する北海道で最も古く和人が移住した地として知られる.本稿は歴史のある3 つの町に伝わる三種類の餅菓子に着目し,そのルーツと伝承などについて検討する.
著者
佐藤 円 佐藤理史 篠田 陽一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.2371-2379, 1995-10-15
参考文献数
6
被引用文献数
40

現在、電子ニュースを通じて多くの情報が流通し、多くの人々がその情報を利用している。この電子ニュースは、新しいマスメデイアであり、従来のテキスト情報マスメデイアにはない、優れた特徴を持っている。しかしながら、現在のニュースリーダは、その特徴や利用者の要求に合致した、適切な機能を提供しておらず、読者にとっては、必ずしも利用しやすい情報メディアとはなっていない。我々は、電子ニュースを利用しやすい情報メデイアにするためには、そのダイジェストを提供することが不可欠であると考える。ダイジェストとは、元になる情報をコンパクトにまとめ編集したものであり、情報全体の俯瞰やエッセンスの把握、情報の取捨選択の際に、優秀なナビゲータとして機能する。本研究では、電子ニュースに対して、このようなダイジェストを自動生成することを提案し、その一つのプロトタイプとして、会告記事用ニュースグループfj.meetingsダイジェストを自動生成する方法を示す。ダイジェストの自動生成を実現する中心的な技術は、サマリーの自動摘出技術であり、会告記事にみられるスタイル上の特徴、言語表現バターンを利用することにより、実用に十分な精度でサマリーを抽出できることを示す。本方武で自動生成されたダイジェストは、WWWのクライアントプログラムで読むことができる。
著者
荒井 三津子 杉村 留美子 片村 早花 佐藤 理紗子 太田垣 恵 鈴木 恵 Mitsuko Arai Rumiko Sugimura Sayaka Katamura Risako Sato Megumi Otagaki Megumi Suzuki 北海道文教大学人間科学部健康栄養学科 北海道文教大学人間科学部健康栄養学科 北海道文教大学人間科学部健康栄養学科 北海道文教大学人間科学部健康栄養学科 北海道文教大学人間科学部健康栄養学科 北海道文教大学人間科学部健康栄養学科
雑誌
北海道文教大学研究紀要 = Bulletin of Hokkaido Bunkyo University
巻号頁・発行日
no.36, pp.45-54, 2012-03-15

青森県のごく一部の地域と北海道でのみ作られるべこもちは、同じ材料と形でも地域によって名称が異なったり、型で抜くものや手で成形するもの、立体造形的に花などを作るもの、黒砂糖色の一色、黒白の二色、多色づかいのものなど、実に多様である。そのルーツも、北前船ルートと津軽海峡ルートが主に考えられる。べこもちの地理的な分布と、ルーツを探り、北海道の開拓の歴史と食文化を考察する。
著者
松原 仁 佐藤 理史 赤石 美奈 角 薫 迎山 和司 中島 秀之 瀬名 秀明 村井 源 大塚 裕子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第27回全国大会(2013)
巻号頁・発行日
pp.2D11, 2013 (Released:2018-07-30)

人工知能の新しいグランドチャレンジとしてコンピュータに星新一のようなショートショートを創作させるプロジェクトを開始した。知性を理性と感性とに分けるとこれまでの人工知能はもっぱら理性を対象としていたが、ある程度理性はコンピュータに扱えるようになってきた。芸術作品の創作ができればコンピュータにも感性が扱えると示せたことになると考える。ここでは本プロジェクトの概要について述べる。
著者
加納 隼人 佐藤 理史 松崎 拓也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.C-G61_1-11, 2017-01-06 (Released:2017-01-13)
参考文献数
20

This paper reports progress from 2014 to 2015 on development of solvers of Japanese comprehension questions in university entrance exam. Target questions are the multiple-choice questions in the essay section (Question No.1) in Japanese Language (Kokugo) of National Center Test. In 2014, we introduced a new scoring function using clause boundaries, which are automatically detected by our newly developed tool. The score of a choice is calculated as the average clause-similarity between the choice and a selected part of text body. In 2015, we developed a machinelearning based method, which uses seventeen features to determine the answer. They includes surface-similarity based features, clause-similarity based features, and choice-discriminative features. In addtion to the first formal run of Torobo Project in 2013, we participated in the two formal runs in 2014 and 2015; We were only a participant who submitted the result in Contemporary Japanese Language until now. After the 2015 formal run, we conducted an experiment using 276 questions to compare all developed solvers with various parameters. The best performance was obtained by a 2015 solver, which produced 117 (42%) correct answers. For the subset of 56 previous official questions in National Center Test, a 2014 solver was the best, which produced 32 (57%) correct answers. However, there is no statistical significance between the best 2015 solver and our first solver developed in 2013.
著者
佐藤 理史
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.253-254, 2018-06-15 (Released:2018-09-15)
著者
神戸 満 佐藤 理 角田 弘和
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集 2007年春の年会
巻号頁・発行日
pp.200, 2007 (Released:2007-04-18)

電気出力200 kWのリチウム冷却月面用高速炉:RAPID-Lは、新概念のLi-6を用いる自己作動型反応度制御装置 LEM, LIMおよびLRMを備える。今回の設計見直しでは、打ち上げ失敗にともなう火災でも誤起動できないようポイズンロッドを追加した。さらに起動に要する外部エネルギーを低減するため、200℃温態待機温度まで外部エネルギーで加熱した後は、核加熱で昇温する方式とした。このような制御系の構成を示す。