著者
本 秀紀 愛敬 浩二 森 英樹 小澤 隆一 植松 健一 村田 尚紀 木下 智史 中里見 博 小林 武 上脇 博之 奥野 恒久 近藤 真 植村 勝慶 倉持 孝司 小松 浩 岡田 章宏 足立 英郎 塚田 哲之 大河内 美紀 岡本 篤尚 前原 清隆 中富 公一 彼谷 環 清田 雄治 丹羽 徹 伊藤 雅康 高橋 利安 川畑 博昭
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

比較憲法研究・憲法理論研究を通じて、(1)先進諸国が「ポスト・デモクラシー」という問題状況の中でさまざまな問題を抱えていること、(2)各国の政治状況・憲法制度の差異等が原因となって、その問題の現れ方には多様性があること、の2点が確認された。そして、「ポスト・デモクラシー」の状況の下で国内・国際の両面で進行する「格差社会」化の問題は、今日の憲法制度・憲法理論において有力な地位を占める「法的立憲主義Liberal Democracy」の考え方では、適切・正当な対応をすることが困難であることを明らかにした。以上の検討を踏まえて、民主主義をシリアスに受け止める憲法理論の構築の必要性が確認された一方、「政治的公共圏」論を抽象論としてではなく、(日本を含めた)実証的な比較憲法研究との関連において、その意義と問題点を検討するための理論的条件を整備した。
著者
松井 幸夫 植村 勝慶 江島 晶子 倉持 孝司 榊原 秀訓 小松 浩 元山 健
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本科研研究は、1997年総選挙によって登場したニュー・レイバー(新生労働党)のブレア政権が推進した「憲法改革」を、近代憲法の21世紀的な展開を展望しつつ、その基礎にある「第三の道」のフィロソフィーを視野に入れて総合的に研究しようとするものであったが、3年間の研究によって極めて大きな、画期的な成果を生むことができた。本研究は、所属研究機関が異なる14名の研究者による共同研究であったが、それぞれの研究分担課題を明確にし、それらを研究代表者及び世話人の密接な協力と連携によってひとつの総合的な研究として遂行することができた。3年間を通して、春と秋の全国学会時には必ず研究会と情報交換の場を持ち、8月には3日の合宿研究会を開催して研究の進捗の確認、相互交流、情報交換を行い、また、毎年3名をイギリスに派遣し、憲法改革の実施状況の調査と情報収集、現地の研究者・政党はじめ主要機関との交流を進め、この点でも成果は大きかった。それぞれの研究成果は、本科研研究会のメンバー全員が参加した『新版現代憲法-日本とイギリス』の編集発行や、メンバーによる二冊の単著はじめ、12冊の著書の刊行、25本に上る学術雑誌への論文掲載、さらに、11件の学会発表を生んだ。それぞれの研究課題についての成果の集約は、研究成果報告書にまとめられている。本研究の何よりも大きな成果は、同時代的に進行しているイギリス憲法改革を、近代立憲主義の21世紀的展開という視野の中で比較憲法的視野で捉え、多数の研究者が一体となってこれを総合的に研究できたことにある。また、憲法改革の各分野についても、その内容、評価、展望等について、それぞれ大きな成果を生むことができた。それらは、さらに出版助成を得て公刊し、されにその成果を世に問う予定である。
著者
松井 幸夫 倉持 孝司 柳井 健一 藤田 達朗 松原 幸恵 元山 健 愛敬 浩二 江島 晶子 元山 健 愛敬 浩二 植村 勝慶 江島 晶子 大田 肇 小松 浩 榊原 秀訓 鈴木 眞澄
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

現代の日本の政治改革において参照されたのは、イギリスをモデルとした小選挙区制、二大政党と政治的リーダーシップ、選挙による政権交代等であった。しかし、当のイギリスやその影響下の諸国では、ウエストミンスター・モデルと呼ばれる、このような政治システムの変容や再検討や、そこからの離脱傾向が強まっている。本研究は、このような実態と理論状況を明らかにし、現代立憲民主主義の憲法理論構成の方向性を明らかにする視座を得た。
著者
北西 允 清野 惇 倉持 孝司 豊田 博昭 植田 博 大熊 忠之 上谷 均 山田 浩 川内 つとむ 盧 雲 揚 磊 田 平安 廖 俊常 余 久隆 聶 天こん 呉 耀森 劉 澤貴 姚 登魁 魯 国棟 ちゅ 明れん 劉 永誉 胡 澤君 趙 長清 閻 培 つう 明理 吉川 栄一 市川 太一 安井 威興 大賀 祥充 石外 克喜 片岡 直樹 吉川 元 加藤 高 董 しん 杉田 憲治 高 紹先 上野 裕久 YANG Lei RYU Ini TAN Pinan RYU Zukui 楊 磊 聶 天貼
出版者
広島修道大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1989

1 政治・法意識の比較研究 広島修道大学法学部の新入生及び4年次生に対しては1989年4月、西南政法学院の学生に対しては同9月、アンケ-トによる異識調査を行なった。その後中国では意識調査ができなくなってしまったが、修道大学の新入生に対しては、同12月追跡調査を行なった。1991年度に追跡調査を行なうべく中国側と話合いを重ねたが、中国政府が意識調査を禁止しているとの情報もあり、遂に実現できなかったのは残念である。しかし、1度ではあるが中国の学生の政治・法意識の調査が行なえた意義は大きく、その後も中国で意識調査が行われないためかえってこの調査結果は貴重である。調査結果の分析は、修道大学の研究叢書として、来年3月までには発表すべく作業を進めている。2 日中法制度の比較研究 日中両国の研究分担者がそれぞれ個別に或は共同して研究し、各年度双方から5名づつ計30名が相手国を訪れ、裁判所、議会、市役所、大学のほか刑務所、登記所等も視察し、関係者に質疑を行ない、法施行の実態を見、まだ研究会をもった。そのほか、政法学院の楊磊研究員は1988年9月から2年間修道大学客員助教授、その後今月まで非常勤講師として、合計3年半、広島大学の片岡直樹研究員は1990年4月から政法学院に留学生として1年、ともに相手国の研究員と共同研究を行なって来た。3 研究成果の発表 10に記載のとおり、これまでの研究成果の1部は既に杉田憲治が3本、片岡直樹が1本、加藤高(楊磊と共沢)が1本、楊磊が1本、計6本の論文として発表しているが、更に全員の共同研究の成果としては、修道大学総合研究所発行の広島修道大学研究叢書として、1993年3月までに『日中学生の政治・法意識』、1994年3月までは『日中両国法制度の比較法学的・法社会学的研究』の2著を出す予定である。