著者
近藤 真由 後藤 昌人 安田 孝美
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 日本社会情報学会 第24回全国大会
巻号頁・発行日
pp.140-143, 2009 (Released:2010-02-26)

In recent years, the websites that were successful on web business are the ones that functions as a "database media". An original database is built, and users participate adding data to it. As a result, the value of contents that can be offered on the website is enhanced. In this study, we verify how these concepts of database media are applied in a new local community website. Showing clearly how database media are utilized in an area and what kind of effect is obtained is important not only for the local website, but also for the local community.
著者
近藤 真一 花岡 志郎 中井 裕司
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.658, pp.107-119, 2000-09-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

連続構造上路式吊床版橋では, 活荷重載荷に伴い吊床版に生じる水平力による橋脚の変形を抑えることで, 吊床版取付部の曲げモーメントや吊床版のたわみを低減させることができる. この目的で, 上床版端部を橋台と弾性結合する構造を考案したが, 本論文では, この弾性結合構造を有する連続構造上路式吊床版橋の構造特性について示すとともに, 端部ばね定数を簡略的に設定する手法を提案した. また, 構造特性を把握するために行った解析の妥当性を, 実橋における静的・動的載荷試験結果により確認した.
著者
佐川 尚子 鶴谷 悠也 野村 和至 奥山 朋子 近藤 真衣 佐田 晶 宮尾 益理子 水野 有三
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.581-585, 2014-11-25 (Released:2015-02-26)
参考文献数
14
被引用文献数
8 10

症例は83歳男性.29年来の2型糖尿病で当院通院中であり,グリメピリド0.5 mg内服にてHbA1c 6.0%前後,腎症1期で推移し,入院7日前の採血結果では,血清Cre 0.8 mg/dl(eGFR 69.67 ml/分/1.73 m2)であった.入院5日前に右眼瞼および結膜の炎症にて近医眼科を受診し,帯状疱疹が疑われ,バラシクロビル3,000 mgが処方され,頭痛が出現したため2日前にロキソプロフェン180 mgが処方された.入院前日より,構音障害,徘徊,食欲不振が出現し,Japan Coma Scale II-20程度の意識障害が進行したため2013年2月に入院となった.入院時,血清Cre 5.11 mg/dl(eGFR 9.16 ml/分/1.73 m2)と腎機能障害の進展を認め,頭部MRIや髄液検査では意識障害の原因となる有意な所見を認めなかった.多彩な中枢神経症状や内服歴から,バラシクロビルによるアシクロビル脳症を発症したと考え,血液透析を導入し,速やかな意識障害の改善を認めた.入院時の血中アシクロビル濃度が9.25 μg/mlと高値だった.アシクロビル脳症は腎機能障害者で発症することが多いが,高齢者では腎機能障害の指摘のなかった患者に発症した報告もある.バラシクロビルは帯状疱疹など高齢者で使用されることが少なくない薬剤であるが,それ自体により腎機能障害を引き起こし,中毒域まで血中濃度が上昇する危険があるため,高齢者に投与する際には十分な注意が必要である.
著者
本 秀紀 愛敬 浩二 森 英樹 小澤 隆一 植松 健一 村田 尚紀 木下 智史 中里見 博 小林 武 上脇 博之 奥野 恒久 近藤 真 植村 勝慶 倉持 孝司 小松 浩 岡田 章宏 足立 英郎 塚田 哲之 大河内 美紀 岡本 篤尚 前原 清隆 中富 公一 彼谷 環 清田 雄治 丹羽 徹 伊藤 雅康 高橋 利安 川畑 博昭
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

比較憲法研究・憲法理論研究を通じて、(1)先進諸国が「ポスト・デモクラシー」という問題状況の中でさまざまな問題を抱えていること、(2)各国の政治状況・憲法制度の差異等が原因となって、その問題の現れ方には多様性があること、の2点が確認された。そして、「ポスト・デモクラシー」の状況の下で国内・国際の両面で進行する「格差社会」化の問題は、今日の憲法制度・憲法理論において有力な地位を占める「法的立憲主義Liberal Democracy」の考え方では、適切・正当な対応をすることが困難であることを明らかにした。以上の検討を踏まえて、民主主義をシリアスに受け止める憲法理論の構築の必要性が確認された一方、「政治的公共圏」論を抽象論としてではなく、(日本を含めた)実証的な比較憲法研究との関連において、その意義と問題点を検討するための理論的条件を整備した。
著者
近藤 真
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

2000年度より2002年度までの3年間、科研費補助金をうけ、「ニュージーランド行政革命と国立大学のエージェンシー化の憲法学的研究」を行った。その研究成果の一部として2001年9月に地域科学部の紀要に「国立大学の独立行政法人化?ニュージーランド国立大学のエージェンシー化から考える」を発表した。ニュージーランド国立大学のエージェンシー化の概観を行ったが、同時に資料としてニュージーランドビクトリア大学の政治学教授のスティーブン・レビン教授のニュージーランド国立大学のエージェンシー化に関する二つのきわめて重要な講演を翻訳し、付録として添付した。この研究の結果としてニュージーランドの大学改革が失敗であったことがわかった。なぜならば大学の研究者達がこの改革を全く支持していないからである。というのも、この改革が、研究者に利益の追求を求め、学生には授業料を払うように求めたからである。それはとても困難なことである。NZの大学は利益団体ではなく、学生達は1992年までは大学まで無償だったからである。レビン教授はNZがユネスコの宣言に逆行して学生から授業料を取っていることに危惧を示しており、ユネスコ(現在日本が事務局長を務めている)は、1998年の高等教育世界宣言で各国政府に大学教育の無償化を求めているからである。大学では弁護士でもあるロースクールの教授だけはこの改革を支持していたが、彼らは医学部教授と同じく学内でよりも学外で稼ぎが大きく、教授の肩書きを利用するために大学にも勤めているという側面もあろう。こういう人々を別とすれば大学の研究者はほとんどが研究で稼ぐなどということは不可能である。地震や天文学をふくむ地学、数学、生態学に稼げる道があるだろうか。これらの学間はニュージーランドの大学ではいまや消滅しつつある。この改革は改革ではなく、ニュージーランドの大学の破壊者であった。これがこの研究の傾向的結論であった。今後、さらにニュージーランド国立大学エージェンシー化の改革の意味を多面的に検討したい。新たな課題としては、大学改革がいかなる影響をNZの教育改革全体に及ぼしたのかについて検討が必要である。
著者
祝 広孝 大田 和雄 大城 広幸 猿渡 勇 森川 綾子 大通 恵美 関 誠 古野 信宏 近藤 真喜子 坂田 光弘 中野 朋子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C3P1391, 2009 (Released:2009-04-25)

【はじめに】骨格筋に対する圧迫刺激の効果については多くの報告がなされているが、刺激の入力部位について感覚器官や骨格筋の構造から検討した報告は少ない.今回、我々は筋の感覚器官であるゴルジ腱器官(以下、GTO)の構造とそのインパルス発射機序に注目し、GTOが分布するとされる筋腱移行部(以下、MTJ)に選択的に圧迫を加えることでIb抑制による筋緊張緩和が得られるのではないかと考えた.そこで腓腹筋内側頭を対象筋とし、MTJが筋表層に存在していると思われる近位内側部と表層にMTJが存在しないと思われる遠位筋腹部にそれぞれ選択的に圧迫を加え、圧迫前後の足関節自動背屈角度(以下、背屈角度)変化及び筋硬度変化について比較検討した.【対象】本研究の趣旨を十分に説明し、同意を得ることができた健常成人30名60肢(男性15名、女性15名、平均年齢30.4±5.4歳)を対象とした.【方法】対象者を起始部から筋腹下端までの距離の近位1/4の内側部に圧迫を加えるMTJ刺激群(以下、MTJ群)10名、遠位1/4の高さで筋腹の中央部に圧迫を加える筋腹刺激群(以下、MB群)10名、圧迫を加えないコントロール群(以下、C群)10名の3群に分け、腹臥位膝40°屈曲位にて測定機能付自力運動訓練装置(アイソフォースGT-300:OG技研)を用い、3kg-4kgの範囲で5秒間圧迫を加えた.圧迫前後で仰臥位にて股・膝関節90°屈曲位(以下、膝屈曲位)と膝関節完全伸展位(以下、膝伸展位)で背屈角度を1°単位で測定.筋硬度についても圧迫前後に腹臥位にて筋腹の遠位1/3、内外側幅の内側1/3の部位で筋硬度計(NEUTONE:TRY-ALL社)を用いて測定した.C群については圧迫時の肢位にて圧迫時間相当の休憩を入れ、休憩前後に同様の測定を行った.統計処理としては、各群の圧迫(C群:休憩)前後の測定値の比較にt検定を用い、C群と各刺激群の変化値の比較にはWilcoxonの順位和検定を用いた.【結果】背屈角度:圧迫前後の背屈角度の比較において、C群では膝屈曲位、膝伸展位共に角度に変化は認められなかったが、MTJ群では膝屈曲位、膝伸展位共に有意な角度増加(p<0.01)を認めた.MB群においては膝屈曲位では変化は認められなかったが膝伸展位では角度の減少(p<0.05)が認められた.C群と各刺激群の変化値の比較では膝伸展位でMTJ群に有意な角度増加(p<0.01)が、MB群では角度減少(p<0.01)が確認された.筋硬度:MTJ群で圧迫後に筋硬度の低下(p<0.05)を認めたが、C群やMB群の変化値との間に有意な差は認められなかった.【考察】GTOへの刺激入力を目的としたMTJに対する選択的圧迫の有効性が確認され、またMTJへの圧迫は軽い圧で短時間の刺激により即時的効果が期待できることが確認できた.しかしMTJ群とMB群の結果の違いからも分かるように圧迫部位によって効果に違いが生じるため、十分な効果を得る為には骨格筋の構造に関する正しい知識と正確な触察技術が必要であろう.
著者
近藤 真美
出版者
一般社団法人 日本オリエント学会
雑誌
オリエント (ISSN:00305219)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.84-102, 1999-09-30 (Released:2010-03-12)
被引用文献数
1 1

This paper is written with the following aims: To show concretely how al-Subki family took opportunities to increase the prosperity of their family and how they kept this prosperity, and to consider what the limit of this prosperity was. I would like to take as a starting-point an examination of the actual conditions of ‘ulama’-society under the Mamluks.The following summarize the main points made in this paper:(1) The first step in the family's prosperity occurred when two members of the family took the post of qadi of Egypt, and one of the two took the post of mudarris in Cairo. The two were devoted to the education of their son, Tagiy al-Din (d. 756/1355). (2) After Taqiy al-Din received the post of qadi al-qudat of Syria, members of the family began to receive the many important posts in the fields of the judiciary and education, and they thus became rich. This was because of Taqiy al-Din's fame in jurisprudence, and because of the families' efforts to secure these posts, for example, through the use of bribery. (3) It is thought that one of the reasons behind the limitations on the family's prosperity in Cairo is that there was no room for them to establish a base of prosperity, and that, because of this, they tried to establish a base via forming relations with influential Syrian families through marriage. (4) However, a base couldn't be completely established in Syria. The reason may have been because the plague attacked many members of the family.From an examination of the case of al-Subki family, we can get a picture of a part of the rigid ‘ulama’-society in that era. That is in that era a few families were already influential and it was difficult for families to expand their sphere of influence.
著者
祝 広孝 大通 恵美 大城 広幸 猿渡 勇 森川 綾子 野中 昭宏 古野 信宏 近藤 真喜子 坂田 光弘
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Cb0480, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 我々は第44回学術大会において骨格筋の筋腱移行部に軽い圧迫刺激を加えることにより筋緊張抑制効果が得られることを報告した.同様の効果が腱骨移行部への刺激によっても得られることが確認され,それらを組み合わせて「筋腱移行部及び腱骨移行部刺激:Muscle tendon junction and Enthesis stimulation」(以下,MES)と称し臨床に用いている.MESは速効性に優れ,評価や治療場面で広く応用できる手技である.そこで今回,MESの実施方法を紹介すると共に足関節背屈可動域と肩関節外旋可動域及び屈曲可動域に対し前者は腱骨移行部,後者は筋腱移行部を刺激部位としてMESの効果を検証し,MESの臨床における有用性について報告したい.【方法】 MESの実施方法骨格筋の筋腱移行部もしくは腱骨移行部に対し,軽い圧迫刺激(圧迫力は筋腱移行部で1kg-3kg,腱骨移行部では0.5kg程度)を加える.筋緊張抑制に必要とする刺激時間は1秒-5秒程度であるが,関節可動域練習や筋力増強練習時においては刺激を持続しながら行うと効果的である. 対象検証1:足関節背屈可動域では成人15名(男性8名,女性7名,年齢31.9±9.0歳)30肢を対象に,検証2:肩屈曲・外旋可動域では成人17名(男性10名,女性7名,年齢31.6±8.7歳)のなかで,肩屈曲制限があり尚且つ外旋可動域に制限を有した24肢(右11肢,左13肢)を対象とし,各々MESを行うMES群とMESを行わないControl群(以下C群)に分けた(検証1:MES群15肢,C群15肢/検証2: MES群12肢,C群12肢).方法検証1)足関節背屈可動域へのMES効果(腱骨移行部を刺激部位に選択):MES実施肢位は仰臥位,下肢伸展安静位にて後脛骨筋停止腱の腱骨移行部(舟状骨後縁)及び短腓骨筋停止腱の腱骨移行部(第5中足骨底後縁)に対し,触れる程度の触圧刺激を同時に5秒間加え,MES実施前後で股・膝関節90°屈曲位での自動背屈可動域を1°単位で測定.C群についてはMES実施時の肢位にて5秒間の休憩を入れ休憩前後の角度を測定した.検証2)肩屈曲及び外旋可動域へのMES効果(筋腱移行部を刺激部位に選択):MES群における刺激肢位は仰臥位.肩屈曲120°-130°位で大円筋線維が広背筋停止腱に停止する筋腱移行部(腋窩後壁前面)に対し軽い圧迫刺激を5秒間実施.MES前後で端坐位での肩屈曲可動域を,仰臥位にて肩外転90°,肘屈曲90°での肩外旋可動域を1°単位で各々測定した.C群に関しては検証1と同様.統計処理には検証1,検証2共にMES(C群:休憩)前後の角度変化の比較にはWilcoxonの符号付順位和検定を,MES群とC群の角度改善率の比較にはWilcoxonの順位和検定を用いた.【倫理的配慮、説明と同意】 全ての対象者には事前に本研究の趣旨を十分に説明し,同意を得た上で実施した.【結果】 検証1)C群においては休憩前後の背屈角度に有意な差は認められなかったが,MES群においては,MES前24.8±7.4°,MES後28.4±6.4°と有意な差を認めた(P<0.01).またC群との角度改善率の比較においてもMES群で有意な差(P<0.01)が認められた.検証2)C群においては休憩前後の肩外旋可動域及び屈曲可動域の角度に有意な差は認められなかったが,MES群においては,肩外旋可動域でMES前74.3±7.8°,MES後86.6±7.0°,肩屈曲可動域でMES前144.8±6.9°,MES後154.5±7.3°と両可動域で有意な差を認めた(P<0.01).またC群との角度改善率の比較においても外旋・屈曲可動域各々でMES群に有意な差が認められた.【考察】 ストレッチングの筋緊張抑制効果として知られるIb抑制は筋腱移行部に存在するゴルジ腱器官(以下GTO)からのインパルス発射に起因する.GTOはその発射機序より筋腱移行部の圧迫刺激による変形によってもインパルスを発射する可能性があり,大円筋の筋腱移行部への刺激による可動域改善にはIb抑制の関与が推測される.腱骨移行部刺激による効果については,多くの筋が腱骨移行部またはその間近まで筋線維を有することが知られており,それらの筋においてはGTOの働きが関与していると思われる.しかし今回刺激部位とした後脛骨筋や短腓骨筋停止腱の腱骨移行部については筋線維の存在は確認されておらず,今後その機序の解明に努めていきたい.【理学療法学研究としての意義】 MESは解剖学的知識と触察技術を用いて触れる行為そのものに目的を持たせた手技であり,本研究によって理学療法士の技術向上に寄与できればと考える.
著者
嶋 貴子 一色 ミユキ 近藤 真規子 塚田 三夫 潮見 重毅 今井 光信
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.167-177, 2006 (Released:2014-07-08)
参考文献数
13

目的 HIV 検査をより受けやすくするための試みの一つとして,検査を受けたその日に HIV スクリーニング検査結果を通知する「HIV 即日検査」を保健所の HIV 検査に導入し,その効果と実施に伴う問題点等を明らかにするため研究を行った。方法 栃木県県南健康福祉センターにおいて2003年 1 月より,通常の HIV 検査と平行して試験的に即日検査を導入し,即日検査導入前・後の受検者数や受検者層等の比較,また対照として選択した他保健所の HIV 検査受検者数の動向と比較し,即日検査の効果と影響について検討した。即日検査実施の情報についてはホームページ「HIV 検査・相談マップ」に掲載し,その効果についても検討した。結果 栃木県県南健康福祉センターにおける HIV 検査数は,即日検査導入前の2002年は130件であったのに対し,即日検査導入後の2003年は453件と3.5倍に増加した。また,そのうちの94%が即日検査を希望した。即日検査404件中 5 件がスクリーニング検査陽性となり,確認検査の結果,1 例が HIV 陽性,4 例が偽陽性(偽陽性率 1%)と判定された。 HIV 検査と同時に実施している性感染症検査の受検率は,即日検査の導入後には梅毒抗体検査(即日結果通知可)が77%から63%に,性器クラミジア抗体検査(即日結果通知不可)が76%から33%に減少したが,HIV 受検者が大幅に増加したため,受検者実数としては増加した。受検者へのアンケート調査結果から,受検者の61%がホームページ「HIV 検査・相談マップ」をみて受検していることが分かった。 同時期における即日検査を導入していない栃木県内の他保健所の HIV 検査数の増加率は0.9~1.0倍,全国保健所 HIV 検査件数の増加率は1.2倍であった。結論 即日検査は受検者にとって需要の高い検査であり,保健所 HIV 検査への即日検査導入は HIV 受検者数の増加に繋がる可能性の高いことが分かった。また,ホームページに「HIV 検査・相談マップ」よる継続的な情報提供が受検者増に有効であることが分かった。 しかしながら,HIV 迅速検査キットの偽陽性率が約 1%と高いため,検査前・後の説明やスクリーニング検査陽性者へのサポート体制が重要となること,また,即日検査と性感染症検査とを同時に実施する場合には,性感染症検査の受検率の低下を抑えるための対策が必要となる等の課題も明らかとなった。
著者
近藤 真由
出版者
日本音楽医療研究会
雑誌
音楽医療研究 (ISSN:18832547)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.33-40, 2014-12-11 (Released:2014-12-18)
参考文献数
6

音楽療法の有効性は、主観的には明らかであってもその効果を客観的に示すことは容易ではない。しかし、エビデン スを確立していかなくては音楽療法が医療の代替、補助療法として認められることは難しい。そこで、先行研究で用いられてきた指標について概説し、筆者自身の研究結果とも合わせ、音楽療法の有効性を評価するに適した客観的指標について探索した。その結果、音楽療法の効果評価に適した指標の条件として、簡便で、侵襲の少ない方法で測定できる指標が望ましいことから、唾液で測定可能な生化学指標であるIgA、クロモグラニンA、コルチゾール、心電図R-R 間隔解析によって測定可能な自律神経指標が、評価指標として有用であるとの知見を得た。
著者
近藤 真吾
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.255-258, 2014-07-01

『自動車技術情報として特許を探る』を主題として,自動車技術を取り巻く環境からその活用の実態を論じた。活用の実態は,(1)技術探索,特許から技術を学ぶ,(2)競合他社分析:特許情報を基にした開発動向のベンチマークから自社の研究・開発戦略策定,(3)新技術の市場投入時のリスク分析,(4)情報ネットワークとの連携と標準化。以上4つの各観点で,特許という技術情報の価値と活用シーンを解説した。
著者
近藤 真紀
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.316-324, 2000-11-09 (Released:2010-07-21)
参考文献数
29

近年, 否定的であるにもかかわらず, いまだに日本では三方活栓 (以下三活とする) が使用されている頻度は高い. 一般的に三活注入口はエタノール清拭で消毒を行っていたが, 近年, エタノール噴霧消毒 (以下噴霧消毒とする) を行う施設がみられ, 噴霧法が臨床において有効という報告もある. この報告から注入口からの菌侵入する確率は低く, 三活が感染因子となる理由は注入口以外にあるのではないかと考え, 注入口とともに三活の輸液が流れているライン側 (以下ライン側とする), 三活内腔のコックの回転する部分 (以下コック部とする) の細菌付着について明らかにすることとした. その結果, 注入口への噴霧消毒は, 菌液として使用したS. epidermidisについては有効であったが, Bacillus spp. に対する限界が残された. ライン側, コック部の細菌付着が認められた. このことから, 注入口は噴霧消毒によって菌の管内侵入のリスクを下げることができるが, ライン側やコック部については管外から菌付着防止対策をとることは難しいことが示唆された. しかし, 実験の結果は高濃度の菌液を使用しているため, 直接臨床への応用については限界があるが, 輸液ライン由来感染防止のため三方活栓使用の見直しや, 接続部分を最小限にすること, 薬液作成の環境の見直し, 薬剤部への輸液調剤依託など他職種と連携を図る必要があると考えた.